ノートパソコン向けの「Core i7-1260P」と「Core i5-1240P」の性能を比較します。
第12世代インテルCPUはパフォーマンスが向上し、CPU内臓のグラフィックも強いため、RAW現像や動画編集にも使えるほどです。そこでCore i5とCore i7 ならどのくらい性能差があるのか?価格に見合うのは?をチェックしていきます。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
ここに挙げたCPU意外にも、ここ最近で主流となっているモノには登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i7-1260P vs Core i5-1240P
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
第12世代インテルCPUのポイント
- コードネーム「Alder Lake」
- 12コア16スレッドの強力な処理能力
- ハイブリッドアーキテクチャを採用
Core i7-1260Pはモバイルノート向けのCPUの中では上位クラスとなります。その下位グレードがCore i5-1240Pにあたりますが、どれくらい性能差があるのかは正直わかりづらいです。
まず最初に第11世代インテルCPUとの大きなちがいは、ハイブリッドアーキテクチャを採用している点。これは高性能コアと高効率コアの2種類をブレンドしたもので、処理に合わせてパフォーマンスを引き上げたり、省電力に振ったりといったことを行ってくれるものです。
どちらのCPUでもその恩恵はありますので、さらに深掘りしないと見えてきません。それではもう少し詳しく解説していきますね。
Core i7-1260Pの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-1260P | 17054 | P:2.1GHz(4.7GHz) E:1.5GHz(3.4GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i5-1240P | 17306 | P:1.7GHz(4.4GHz) E:1.2GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-1165G7 | 10514 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 15W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-1260P、Core i5-1240Pは、パスマーク社が後悔しているスコアによると17000超えです。若干Core i5-1240Pのほうが高くはなっていますが誤差範囲ととらえて良さそうです。どちらも12コア16スレッドですが、クロック数はCore i7の方が高いため高負荷時のパフォーマンスには期待ができます。
つまり一般用途に限るとするなら、Core i7-1260PとCore i5-1240Pとの差はほぼないと考えても良さそうです。
仮説は成り立ちましたが、では本当に差がないのか?これをベンチマークソフトや実際の作業でチェックしていきましょう。
比較に使ったパソコン
名前 | mouse B4-i5 | DAIV 4P |
画像 | ||
CPU | Core i5-1240P | Core i7-1260P |
GPU | Iris Xe | Iris Xe |
メモリ | 16GB | |
SSD | 512GB NVMe SSD | |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
マウスコンピューターから一般向けモデルの「mouse B4-i5」とクリエイター向けモデルの「DAIV 4P」を比較対象とします。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-1260P
Core i5-1240P
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i5-1240P | 687.1 | 4782.7 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core i7-1165G7 | 613.7 | 2788.8 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-10510U | 402.8 | 1411.0 |
Core i7-1260PとCore i7-1165G7を比較すると、わずかにですがCore i5-1240Pのほうが良いスコアが出てしまいました・・・どちらを使っても処理が遅いとか、もたつくというシーンは感じにくかったです。重い作業で使えばもちろん遅いなと感じる場面はありますが、甲乙はつけがたい印象です。
第11世代Core i7-1165G7と比較すると、シングルはもちろん、マルチは大きくスコアを伸ばしているのもポイントですね。ただし本格的な処理を行うのであればCore i7-12700Hあたりを検討することをおすすめします。
CINEBENCH
Core i7-1260P
Core i5-1240P
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-1260P | 615 | 3407 |
Core i5-1240P | 632 | 3207 |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-10510U | 474 | 1534 |
CINEBENCHの結果も多少こそ差はあれ、特別意識するほど差はないように感じます。(それはそれで問題なんだけど・・・
スペックや性能面だけで言うならCore i7-1260Pを選択すべきですが、あくまでも高負荷時にアドバンテージをもちたいかどうか。動画編集などを頻繁に行うにはパワーが足りませんし、逆に全くしないのであれば性能は気にする必要もありません。
こう考えると、個人的には「Core i5-1240Pでいいんじゃない?」と思ってしまいます。価格的にもお安く購入できるでしょうし、その分を他のパーツに回した方が全体的なパフォーマンスは上がってくると思います。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-1260P | 4分27秒 |
Core i5-1240P | 4分00秒 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-1165G7 | 5分17秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
Core i7-10510U | 8分45秒 |
RAW現像のテストでもCore i5-1240Pのほうが処理が速かったです。パスマークスコアと言い、ベンチテストの結果と言い、なんとなくCore i5-1240Pには秘密が隠されているような気さえします(笑)
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe | 7分43秒 |
mouse B4-i5 | Core i5-1240P×Iris Xe | 10分00秒 |
DAIV 4P | Core i7-1165G7×Iris Xe | 12分11秒 |
raytrek A4-A | Core i7-12700H×Iris Xe | 9分31秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
動画編集ではスペック面が効いて、Core i7-1260Pのほうが処理を速く終えました。ただし4Kデータ編集が快適と言える内容ではないので実用範囲からはどちらのCPUも外したほうが無難です。フルHDクラスの編集作業に留めるのが無難でしょう。
動画編集(フルHDクラス)を頻繁に行うならCore i7-1260Pがおすすめです。
Core i7-1260P vs Core i5-1240P まとめ
・Core i7-1260Pがスペック的には有利
・動画編集ならCore i7-1260Pが強い
・Core i5-1240Pが意外と良い仕事をする
・処理性能を求めるならCore i7-12700H!
パソコンの世界でも上位モデルのほうが有利なのは間違いないので、迷ったらCore i7-1260Pを選べば間違いありません。特に動画編集などの高負荷作業を頻繁に行う人にはおすすめです。
ただし処理能力を求めないならCore i5-1240Pでも十分、なんなら良い結果を出すことさえあります。(個人的にこのクラスならばCore i7-1165G7でも十分だと感じる)
処理性能を重視するのであればCore i7-12700Hを採用したモデルが良いでしょう。ちなみに記事執筆時点だとCore i7-12700H搭載機が15万円くらいから、Core i7-1165G7搭載モデルは12万円くらいからというような価格帯でした。
>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
マウスコンピューター DAIV 4P
軽さを重視するなら1kg切りのDAIV 4Pがおすすめです。高度な編集作業には向きませんが、重量を意識せずに持ち運べるメリットは大きいです。ちょっとしたRAW現像や動画編集も行えますしバッテリー持ちも良い魅力的なモデルです。
マウスコンピューター mouse B4-i5
高性能な第12世代インテルCPUを採用しており、エンタメ、オフィスワークだけでなく軽めの編集作業にも使えます。一般向けモデルですので、先に紹介したDAIV 4Pよりも数万円安く購入できます。重量は約1.38kg、バッテリーは約10時間もつのでモバイル用のサブノートとしてもおすすめです。
Dell Inspiron 13 プラチナ
13.3型WQXGA (2560×1600)モニターを採用し、緻密かつ効率的に作業が行えるのがポイント!重量も約1.25kgに抑えた軽量ノートなのでフットワーク重視の方にもおすすめです。各社値上げを余儀なくされるなかで13万円台なのも嬉しい!
ドスパラ raytrek A4-A
約1.3kgの軽量なボディーに14コア20スレッドのCPUを搭載。アルミニウム製の高品質なシャーシ、モニターはsRGBカバー率99%、おまけでThunderboltまでついて16万円台!Core i7-12700Hが気になるならこのモデルがおすすめ!
ASUS VivoBook 15 OLED K513EA
ASUSなら有機EL(OLED)パネルを搭載したノートパソコンが10万円前後で購入できます。美麗で正確な色再現が可能ですので、RAW現像が楽しくなってしまうモデルです。メモリは8GBですが増設も可能ですし、セールに入れば10万円以下で購入できることもしばしば・・手軽に写真編集環境を整えたい人にはめちゃくちゃおススメです!
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