ノートパソコン向けの「Core i7-1260P」と「Core i7-12700H」の性能を比較します。
第12世代インテルCPUはパフォーマンスが向上し、CPU内臓のグラフィックも強いため、RAW現像や動画編集にも使えるほどです。でも「同じi7ならどのくらい性能差があるの?」っていうのは疑問ですよね。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
ここに挙げたCPU意外にも、ここ最近で主流となっているモノには登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
Core i7-1260P vs Core i7-12700H
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
第12世代インテルCPUのポイント
- コードネーム「Alder Lake」
- 12コア16スレッドの強力な処理能力
- ハイブリッドアーキテクチャを採用
Core i7-1260Pはモバイルノート向けのCPUの中では上位クラスとなります。Core i7-12700Hはよりパフォーマンスを求めるゲーマーやクリエイター向けのモデルと言って良いでしょう。
まず最初に第11世代インテルCPUとの大きなちがいは、ハイブリッドアーキテクチャを採用している点。これは高性能コアと高効率コアの2種類をブレンドしたもので、処理に合わせてパフォーマンスを引き上げたり、省電力に振ったりといったことを行ってくれるものです。
どちらのCPUでもその恩恵はありますので、さらに深掘りしないと見えてきません。それではもう少し詳しく解説していきますね。
Core i7-1260P/12700Hの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-1260P | 17054 | P:2.1GHz(4.7GHz) E:1.5GHz(3.4GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i5-1240P | 17306 | P:1.7GHz(4.4GHz) E:1.2GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-1165G7 | 10514 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 15W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-1260PとCore i7-12700Hのスコアを比較してみると、約62%もCore 7-12700Hが高いです。なんならデスクトップ並みのスコアと言っても過言ではないため、高負荷作業が前提の人は迷わずCore i7-12700Hを選択しましょう。
一般用途に限った場合は、バッテリー駆動時間や重量、なによりも価格などが気になってくるはず。選択肢としてCore i7-1260Pも十分検討範囲に入ると思います。
比較に使ったパソコン
名前 | raytrek A4-A | DAIV 4P |
画像 | ||
CPU | Core i7-12700H | Core i7-1260P |
GPU | Iris Xe | Iris Xe |
メモリ | 16GB | |
SSD | 512GB NVMe SSD | |
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マウスコンピューターとドスパラから、クリエイター向けの2モデルを用意して比較します。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-1260P
Core i7-12700H
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700H | 746.1 | 6370.0 |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i5-1240P | 687.1 | 4782.7 |
Core i7-1165G7 | 613.7 | 2788.8 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-10510U | 402.8 | 1411.0 |
Core i7-1260PとCore i7-12700Hを比較すると、シングル性能で約16%、マルチスコアで約35%もスコアに差があります。
Core i7-1260Pも十分に高いスコアをマークしていますが、高負荷作業で使う(処理能力優先)なら答えは一択になりそうです。特にゲームやRAW現像、動画編集あたりでは差がつくでしょう。
CINEBENCH
Core i7-1260P
Core i7-12700H
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700H | 687 | 5259 |
Core i7-1260P | 615 | 3407 |
Core i7-1260P | 632 | 3207 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-10510U | 474 | 1534 |
Core i7-1260PとCore i7-12700Hを比較すると、シングル性能で約12%、マルチスコアで約54%も差があります。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-1260P | 4分27秒 |
Core i5-1240P | 4分00秒 |
Core i7-1165G7 | 5分17秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
Core i7-10510U | 8分45秒 |
まともに処理性能の差が出るRAW現像では、当然のことならがCore i7-12700Hが速くなります。その差は45秒と小さくありません。
RAW現像をすればするほど差がつくので、現像作業を毎日のように行っている人はCore i7-12700Hを選択すべきですが、趣味で数枚行う程度ならCore i7-1260Pでも全く問題はありません。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
raytrek A4-A | Core i7-12700H×Iris Xe | 9分31秒 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe | 7分43秒 |
mouse B4-i5 | Core i5-1240P×Iris Xe | 10分00秒 |
DAIV 4P | Core i7-1165G7×Iris Xe | 12分11秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
4K動画編集はもともとミドルクラス以上のグラボが載っていないと難しい作業なので、どちらも時間がかかってしまった印象です。差だけを純粋に見たかったのですが、Core i7-1260Pのほうが短時間で処理を終えてしまいました・・・(本当ならCore i7-12700Hのほうが速くなるはず)
動画編集は専用グラフィックを搭載したモデルが圧倒的に快適ですね。フルHDならGTX1650あたりのエントリー向けでも十分ですが、個人的にはRTX3060以上を選択しておくと多用途に使えて良いと思います。
Core i7-1260P vs Core i7-12700H まとめ
・Core i7-12700Hが最大60%ほど優秀!
・一般用途ならCore i7-1260Pでも十分
・ゲーム、クリエイトならCore i7-12700Hがおすすめ
・動画編集するならグラボ搭載機を!
パソコンの世界でも上位モデルのほうが有利なのは間違いないので、迷ったらCore i7-1260Pを選べば間違いありません。特に動画編集などの高負荷作業を頻繁に行う人にはおすすめです。
ただし処理能力を求めないならCore i5-1240Pでも十分、なんなら良い結果を出すことさえあります。(個人的にこのクラスならばCore i7-1165G7でも十分だと感じる)
処理性能を重視するのであればCore i7-12700Hを採用したモデルが良いでしょう。ちなみに記事執筆時点だとCore i7-12700H搭載機が15万円くらいから、Core i7-1165G7搭載モデルは12万円くらいからというような価格帯でした。
>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
ドスパラ GALLERIA UL7C-AA3
CPU | Core i7-12700H |
メモリ | 16GB |
グラボ | Arc A550M/A730M |
ストレージ | 512GB Gen4 SSD |
Core i7-12700Hと専用グラフィックスを搭載しながらも10万円台というドスパラのゲーミングモデルです。もともと倍近くの値段で販売されていたこともあって質感もよく、動画編集やゲームも楽しめるコストパフォーマンスに優れたノートパソコンです。Core i7-12700H搭載モデルとしてはもちろん最安値クラスです!
マウスコンピューター DAIV Z4
軽さを重視するなら1kg切りのDAIV 4Pがおすすめです。高度な編集作業には向きませんが、重量を意識せずに持ち運べるメリットは大きいです。ちょっとしたRAW現像や動画編集も行えますしバッテリー持ちも良い魅力的なモデルです。
Legion 570i(82RB00HVJP)
15.6型WQHDモニターを採用したスタンダードなゲーミングパソコンです。第12世代Core i7-12700H×RTX3060の組み合わせならゲームも快適ですし、高解像データ編集も視野に入ります。最新世代が投入されたことで新鮮味は薄いですが、最新世代にもくいついていける性能はもっています。この構成で12万円台は本当にお得!
マウスコンピューター mouse B4-i5
高性能な第12世代インテルCPUを採用しており、エンタメ、オフィスワークだけでなく軽めの編集作業にも使えます。一般向けモデルですので、先に紹介したDAIV 4Pよりも数万円安く購入できます。重量は約1.38kg、バッテリーは約10時間もつのでモバイル用のサブノートとしてもおすすめです。
Dell Inspiron 13 プラチナ
13.3型WQXGA (2560×1600)モニターを採用し、緻密かつ効率的に作業が行えるのがポイント!重量も約1.25kgに抑えた軽量ノートなのでフットワーク重視の方にもおすすめです。各社値上げを余儀なくされるなかで13万円台なのも嬉しい!
ASUS TUF Gaming F17/F15
ASUSのTuf Gamingシリーズはコスパが魅力のモデルです。このパーツ構成で18万円台で販売されていますが、セール時期にうまくハマれば15万円前後というのも確認済みです。最新モデルかつ高性能なパソコンが安く手に入る可能性もあるのでASUSは一度チェックすると良いことあるかもしれません。
ドスパラ raytrek R5-AA5 アウトレット特価
Core i7-12700H×RTX3056の組み合わせなので、ゲームや4K解像度の動画編集もこなせる性能です。sRGBカバー率99%の性格なモニターを採用しているので、RAW現像などの利用におすすめですね。
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