「Core i7-1360P」と「Core i7-1260P」の性能を比較します。
ノート向けのCPUでも利用者の多いCore i7ですが、新旧でその性能にどれくらい差があるのかをチェックしていきます。パソコンの性能を決めるといっても過言ではないCPUですので絶対に選択は間違えたくないですよね。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
ここに挙げたCPU意外にも、ここ最近で主流となっているモノには登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i7-1360P vs Core i7-1260P
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
第13世代インテルCPUのポイント
- コードネーム「Raptor Lake」
- PBP28Wと高め
- クロック周波数が若干UP
Core i7-1360Pは従来のCore i7-1260Pを踏襲した形となっており、コア数などのベース的な部分は同じです。若干クロック数がアップし、PBPも28Wなので省電力の15W(Uシリーズ)と比較するとパフォーマンスは高めです。
第12世代インテルCPUからは、高性能コアと高効率コアの2種類を処理に合わせて実行するようになっています。パフォーマンスを引き上げたり、省電力に振ったりといったことを自動的に行ってくれます。
両者ともにその恩恵は受けられますので深掘りして差を見ていきましょう。それではもう少し詳しく解説していきますね。
Core i7-1360Pの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-1360P | 19726 | P:2.2GHz(5.0GHz) E:1.6GHz(3.7GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-1260P | 17054 | P:2.1GHz(4.7GHz) E:1.5GHz(3.4GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i5-1240P | 17306 | P:1.7GHz(4.4GHz) E:1.2GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
28W |
Core i7-1165G7 | 10514 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 15W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-1360Pは20000に迫るスコアで一般向けCPUとしては十分に高いパフォーマンスを備えています。これはデスクトップCPUのCore i5-12400(スコア19537)に近い数字です。
Core i7-1360PとCore i7-1260P比較すると約15%の差ですので無視はできないほどの差・・・だが買い替えるほどではないといったところです。
この仮説を元に本当に差がないのかをチェックしていきましょう。
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV Z4 | DAIV 4P |
画像 | ||
CPU | Core i7-1360P | Core i7-1260P |
GPU | Iris Xe | Iris Xe |
メモリ | 16GB | 16GB |
SSD | 500GB SSD | 512GB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
マウスコンピューターのクリエイター向けモデルの「DAIV Z4」と「DAIV 4P」を比較対象とします。新旧モデルでの比較になりますので調度良さそうです。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-1260P
Core i7-1360P
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-1360P | 722.1 | 4260.1 |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i5-1240P | 687.1 | 4782.7 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core i7-1165G7 | 613.7 | 2788.8 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-10510U | 402.8 | 1411.0 |
Core i7-1360PはCore i7-1260Pと比較するとシングルが約13%高く、マルチが約10%ほど低いスコアになっています。
RAW現像をはじめとするシングルスコアが有利に働く作業で期待がもてますが、動画編集などマルチスレッドが効くシーンは弱いかもしれません。本格的な性能を必要とするのであればCore i7-12700Hあたりを選ぶことをおすすめします。
CINEBENCH
Core i7-1260P
Core i7-1360P
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-1360P | 714 | 3787 |
Core i7-1260P | 615 | 3407 |
Core i5-1240P | 632 | 3207 |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-10510U | 474 | 1534 |
Core i7-1260Pと比較するとシングルが約16%高く、マルチが約11%高いスコアになっています。先のテストではマルチ性能で負けていましたが、ここではしっかりと取り戻す形となりました。
しかし体感的にわかるほどの差でもないため、シングル性能をどれだけ重視するかが選択の分かれ目になりそうです。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-1360P | 4分04秒 |
Core i7-1260P | 4分27秒 |
Core i5-1240P | 4分00秒 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-1165G7 | 5分17秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
Core i7-10510U | 8分45秒 |
RAW現像のテストでもCore i7-1260Pのほうがかなり速かったです。待てないほどの差ではありませんが、シングル性能の高さを裏付けた形になったと思います。
Core i7-1260Pが型落ちとなり処分価格になってくれば、コスパはかなり優秀なんじゃないでしょうか。逆に日常的にRAW現像を行うのであれば最新のCore i7-1360Pを選択するべきです。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P×Iris Xe | 7分21秒 |
DAIV 4P | Core i7-1260P×Iris Xe | 7分43秒 |
mouse B4-i5 | Core i5-1240P×Iris Xe | 10分00秒 |
DAIV 4P | Core i7-1165G7×Iris Xe | 12分11秒 |
raytrek A4-A | Core i7-12700H×Iris Xe | 9分31秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
動画編集でもわずかにCore i7-1360Pが速い程度です。モデルによってはここまで差が埋まらない可能性もありますし、なんなら世代間で逆転現象が起こる可能性だってあるくらいの差に感じます。
動画編集を頻繁に行うなら専用グラフィック搭載モデルがおすすめです。
Core i7-1360P vs Core i7-1260P まとめ
・Core i7-1260Pが理論値的には有利
・シングル性能重視ならCore i7-1360P
・Core i7-1260Pも意外と頑張っている
・処理性能を求めるならCore i7-12700H!
パソコンの世界でも上位モデルのほうが有利なのは間違いないので、迷ったらCore i7-1360Pを選べば間違いありません。特にクリエイト系の高負荷作業を頻繁に行う人にはおすすめです。
ただし処理能力を限界まで求めないならCore i7-1260Pでも十分な気はします。なんならマルチ性能で上回るなど良い結果を出すことさえありました。個人的にこの差ならばCore i7-1260Pでも十分だと感じます。価格差が同じならCore i7-1360Pですが、数万円差が出てくるようであればCore i7-1260Pを選んでも使用感で大きな差は生まれないと思います。
処理性能を重視するのであればCore i7-12700Hを採用したモデルが良いでしょう。>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
マウスコンピューター DAIV Z4
1kgを切る軽量ボディにパワフルな第13世代Core i7-1360Pを採用したクリエイター向けノートパソコンです。普段使いはもちろん、動画視聴などのエンタメやコンテンツ制作にも使えます。Core i7-1260Pを採用したDAIV 4Pもおすすめ!
マウスコンピューター DAIV 4P
軽さを重視するなら1kg切りのDAIV 4Pがおすすめです。高度な編集作業には向きませんが、重量を意識せずに持ち運べるメリットは大きいです。ちょっとしたRAW現像や動画編集も行えますしバッテリー持ちも良い魅力的なモデルです。
ASUS Zenbook 14 Flip OLED
CPU | Core i7-1360P |
メモリ | 16GB |
グラボ | Iris Xeグラフィックス |
ストレージ | 1TB SSD |
ASUSなら有機EL(OLED)パネルを搭載したノートパソコンが購入できます。美麗で正確な色再現が可能ですので、RAW現像が楽しくなってしまうモデルです。14型WQXGA+ (2880×1800)で作業性も良く、重量も約1.54kgと軽量です。手軽に写真編集環境を整えたい人にはめちゃくちゃおススメです!
Dell Inspiron 13
13.3型WQXGA (2560×1600)モニターを採用し、緻密かつ効率的に作業が行えるのがポイント!重量も約1.25kgに抑えた軽量ノートなのでフットワーク重視の方にもおすすめです。他社に比べて圧倒的に安いのが魅力!
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