第13世代インテルCPUの「Core i7-13700」とAMD「Ryzen 7 7700X」を比較していきます。
ご存じの通りライバルとなる両者ですが、性能差や作業の得意、不得意があるのかをチェックしていきます。実際にベンチマークテストを行ったり、RAW現像、動画編集といった実作業でも差が生まれるのか確認していきましょう。
旧世代や主要どころのCPUも比較対象としていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i7-13700 vs Ryzen 7 7700X
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700 | 40833 | P:2.1GHz(5.2GHz) E:1.5GHz(4.1GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
65W |
Core i5-13400 | 26442 | P:2.5GHz(4.6GHz) E:1.8GHz(3.3GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
65W |
Core i7-12700 | 32117 | P:2.1GHz(4.9GHz) E:1.6GHz(3.6GHz) |
12コア20スレッド (P:8コア/E:4コア) |
65W |
Core i5-12400 | 19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 7700X | 36459 | 4.5GHz(5.4GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 7600 |
27810 | 3.8GHz(5.1GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-13700とRyzen 7 7700Xのスコアを比較してみると約12%の差です。
これくらいの差であれば体感的なところでは案外気づかない可能性がありますが、インテルCore i7-13700のほうがコア数も多いですし、TDPも低めとメリットが多そうな印象です。
ちなみに第13世代Core i7-13700搭載モデルの主要ラインは30万円~、Ryzen 7 7700Xだと23万円あたりからがメインです。性能差より価格差が大きく、Ryzen 7 7700Xの方がコスパは良さそう。性能と価格のバランスなんかも見ながら読み進めてください。
比較に使ったパソコン
名前 | raytrek 4CXFi | DAIV A9 |
画像 | ||
CPU | Core i7-13700 | Ryzen 7 7700X |
GPU | RTX4070Ti | RTX 3070 |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD | 500GB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
ドスパラとマウスコンピューターが販売するクリエイトモデルで比較を行います。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i7-13700
Ryzen 7 7700X
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700 | 820.5 | 11336.8 |
Core i5-13400 | 725.4 | 6425.5 |
Core i7-12700 | 749.2 | 8889.5 |
Core i5-12400 | 703.6 | 5007.6 |
Ryzen 7 7700X | 759.3 | 8191.5 |
Ryzen 5 7600 |
713.9 | 5897.3 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
Core i7-13700のほうが全体的にスコアは高く、シングルスレッドでは約8%、マルチスレッドでは約38%も高いスコアです。
パフォーマンスだけを考えるならCore i7-13700を選ぶのが良さそうですね。Ryzen 7 7700Xのライバルは第12世代Core i7-12700になりそうです。インテルが一歩リードしている印象ですね。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
Core i7-13700
Ryzen 7 7700X
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700 | 777 | 7407 |
Core i5-13400 | 680 | 5290 |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
Ryzen 7 7700X | 771 | 7888 |
Ryzen 5 7600 |
717 | 5846 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
CINEBENCH R20のテストでもCore i7-13700が高スコアを出していますが、差はほとんどないに等しいです。やはりいくつかのテストで見ていくのは重要ということでしょう。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700 | 3分24秒 |
Core i5-13400 | 3分45秒 |
Core i7-12700 | 3分13秒 |
Core i5-12400 | 4分06秒 |
Ryzen 7 7700X | 2分50秒 |
Ryzen 5 7600 | 3分11秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
RAW現像ではRyzen 7 7700Xが上回る結果となりました!正直これはかなり驚いたのですが、少なくとも今回比較した2台ではこういう結果になりました。ただどちらも体感的に大きな差はありません。信仰や愛の深さで選んでしまっても問題ないかと思います(笑)
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700F×RTX4070Ti | 2分55秒 |
Core i5-13400F×RTX3060 | 3分27秒 |
Core i7-12700×RTX3060 |
2分52秒 |
Core i5-12400×RTX3050 | 4分14秒 |
Ryzen 7 7700X×RTX3070 | 2分22秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
動画編集はグラボの性能も大事になってくる作業ですが「Core i7-13700F×RTX4070Ti」と「Ryzen 7 7700X×RTX3070」では30秒ほど差が出ました。4Kクラスの作業だとRTX4000番台は持て余すのか?それにしてもAMD Ryzen 7 7700Xの潜在能力を感じる瞬間になりました。
どちらも高度な編集作業を行うのに十分なパフォーマンスがありますし、作業中の快適性にも差異は感じませんでした。相変わらず「コスパのAMD」と言わざるを得ない結果です。
Core i7-13700 vs Ryzen 7 7700X まとめ
・理論上はCore i7-13700が有利!
・実作業ではAMDのパフォーマンスが結果を出した!
・信仰や愛の深さで選んでOK!
・コスパ重視ならRyzen 7 7700Xがおすすめ!
インテル第13世代CPUとAMD 7000番台を比較してきましたが、ベンチ結果だけならCore i7-13700と言う感じですね。そのまま一気にインテル有利で進んでいくかと思いきや、RAW現像、動画編集など実作業ではRyzen 7 7700Xが覆していったのが面白かったです。安定や無難さを求めるならインテル、ロマンやコスパを求めるならAMDを選ぶのもありというのが今回の結論です。
おすすめパソコン
マウスコンピューター DAIV FX-A7G7T
マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」の中でもトップクラスに位置するモデルです。Ryzen 7 7700X×GeForce RTX4070Tiを搭載し、高解像データ編集にも対応できるハイスペックモデルです。高度な4K動画編集なども楽しめますしゲームも高設定で遊べます。
ドスパラ raytrek 4CXFi
第13世代インテル Core i7-13700F×GeForce RTX4070Tiを採用し、高いパフォーマンスで快適に処理が行えるデスクトップパソコンです。RAW現像、動画編集、ゲームなどでその性能をいかんなく発揮してくれます。ケースデザインも一新され、目新しさ満載のモデルです。
ドスパラ GALLERIA ZA7R-R36T 7700X搭載
Ryzen 7 7700Xを採用したドスパラのゲーミングデスクトップです。RTX4060Tiは高いゲーミング性能があり、重量クラスの最新タイトルを遊んだり、競技性の高いゲームで有利に立ち回ることが可能です
フロンティア GAシリーズ
ヤマダ電機系列のフロンティアでは、RTX4070TI搭載で27万円とオイシイモデルが存在します。Core i7-13700F×RTX4070Tiの次世代クラスに対応するパフォーマンスを武器に、クリエイトからゲーミングまで幅広く楽しめます。850W ATX電源 80PLUS GOLDを採用している点も魅力。
Legion Tower 7i
レノボのデスクトップといえばLegionシリーズです。Core i7-13700K×RTX3080の高い処理能力を生かして高解像データ編集も快適に行えます。メモリが16GBなのがもったいないくらいなので追加することをおすすめします!
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