「Core i7-13700H」と「Core i7-12700H」の性能を比較します。
ノート向けのCPUでも利用者の多いCore i7ですが、新旧世代でどれくらい性能差があるのかをチェックしていきます。パソコンの性能を決めるといっても過言ではないCPUですので絶対に選択は間違えたくないですよね。実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
ここに挙げたCPU意外にも、ここ最近で主流となっているモノには登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i7-13700H vs Core i7-12700H
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
第13世代インテルCPUのポイント
- コードネーム「Raptor Lake」
- コア数が多く処理能力が高め
- クロック周波数が若干UP
一方のCore i7-13700Hはモバイル向けとしては高いパフォーマンスを発揮するモデルです。従来のCore i7-12700Hのマイナーチューンという形にはなりますが、前世代から完成度が高く非常に人気があるイメージがあります。特にパフォーマンスを必要とするクリエイター、ゲーマーにとっては魅力的なCPUだと言えるでしょう。
Core i7-13700H/Core i7-12700Hの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700H | 29810 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12650H | 24621 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
45W |
Core i5-12500H | 21801 | P:2.5GHz(4.5GHz) E:1.8GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-13700Hは30000に迫るスコア、Core i7-12700Hは約27500です。どちらもノート向けCPUとしては非常に高いスコアで、デスクトップCPUにも引けを取らない数字です。
Core i7-13700HとCore i7-12700H比較すると約8%の差になります。単純に性能を求めたいのであればCore i7-1300Hですが、コスパ重視ならCore i7-12700Hでも良さそうです。
この仮説を元に本当に差がないのかをチェックしていきましょう。
比較に使ったパソコン
名前 | raytrek A4-A | DAIV S4 |
画像 | ||
CPU | Core i7-12700H | Core i7-13700H |
GPU | Iris Xe | RTX4060 |
メモリ | 16GB | 32GB |
SSD | 512GB SSD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
マウスコンピューターのクリエイター向けモデルの「DAIV S4」、ドスパラが販売するクリエイターモデル「raytrek A4-A」を比較対象とします。同じ14型にはなりますが専用グラフィックの有無などのちがいがあります。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-13700H
Core i7-12700H
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700H | 789.3 | 7920.8 |
Core i7-12700H | 746.1 | 6370.0 |
Core i7-12650H | 735.9 | 6469.4 |
Core i5-12500H | 717.3 | 6286.0 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-13700HとCore i7-12700Hを比較すると、シングルが約8%、マルチが約6%の差です。
最新世代が順当に性能を伸ばしているものの、多くの作業では体感差を感じるほどではないかもしれません。もし検討しているモデルに何万円もの差があるなら旧モデル、逆に差額がないのであれば最新モデルを選ぶという形で良いかもしれません。
CINEBENCH
Core i7-13700H
Core i7-12700H
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700H | 739 | 5728 |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
Core i7-12650H | 648 | 4281 |
Core i5-12500H | 648 | 4560 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-13700HとCore i7-12700Hを比較すると、シングルが約5%、マルチが約7%の差が出ます。
おおざっぱに判断するのであれば約5%から最大でも10%の性能差といったところでしょう。性能を最重要視するなら別ですが、第12世代Core i7-12700Hもかなり頑張っている印象です。すでに完成度が高かったといったところでしょうか。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700H | 3分45秒 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-12650H | 3分50秒 |
Core i5-12500H | 3分59秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
RAW現像では誤差レベルの差しかありませんでした。さすがに数世代前のCPUだとあれですが、第12世代以降のCPUを選べばどれも満足できるパフォーマンスだと感じます。少なくとも失敗はないはずです。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV S4 | Core i7-13700H×RTX4060 | 3分26秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
raytrek A4-A | Core i7-12700H×Iris Xe | 9分31秒 |
mouse K5 | Core i7-12650H×MX550 | 4分15秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
内臓グラフィックだけでこのテストをこなすのは無理があるので「raytrek A4-A」には不利なテストですが、RTX3060搭載の「raytrek R5-AA6」であればしっかりと処理が行える印象です。
動画編集においては第12世代×RTX3000番台で十分な水準に達している印象があります。専門的な作業を行うようなプロフェッショナル意識の強い人なら最新モデルでしょうが、一般ユーザーなら最新モデルの性能は持て余すかもしれません。
Core i7-13700H vs Core i7-12700H まとめ
・Core i7-13700Hが約5~10%ほど高性能
・実行速度で大差をつけるほどの差はない
・コスパ重視ならCore i7-12700Hで十分
・処理性能を求めるならCore i7-13700H!
パソコンの世界では最新モデルのほうが有利なのは間違いないので、迷ったらCore i7-13700H選びましょう。ただしあくまでもアドバンテージをもたせるという意味あいで、実行速度に大差を感じるほどではありませんでした。つまりCPU性能に神経質になる必要はなく、価格や軽さといった別の魅力で選んでも問題ありません。
特に型落ちとなってくるCore i7-12700Hは、コスパ面がどんどん魅力的になってくるでしょう。ただし在庫を吐いてしまえば終了となる可能性も高く、買い時は逃さないようにしてください。>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
ドスパラ GALLERIA UL7C-AA3
CPU | Core i7-12700H |
メモリ | 16GB |
グラボ | Arc A550M/A730M |
ストレージ | 512GB Gen4 SSD |
Core i7-12700Hと専用グラフィックスを搭載しながらも10万円台というドスパラのゲーミングモデルです。もともと倍近くの値段で販売されていたこともあって質感もよく、動画編集やゲームも楽しめるコストパフォーマンスに優れたノートパソコンです。Core i7-12700H搭載モデルとしてはもちろん最安値クラスです!
マウスコンピューター DAIV S4
第13世代Core i7-13700HとGeForce RTX4060を採用した高性能クリエイト向けノートパソコンが登場!14型フルHDモニター色再現にも優れ、キャリブレーション済みで出荷されるためRAW現像をはじめとするクリエイト作業にも最適です。コンパクトで軽く、バッテリー駆動時間も長いためモバイル性能も高く仕上がっているのが特徴です。
Legion 570i(82RB00HVJP)
15.6型WQHDモニターを採用したスタンダードなゲーミングパソコンです。第12世代Core i7-12700H×RTX3060の組み合わせならゲームも快適ですし、高解像データ編集も視野に入ります。最新世代が投入されたことで新鮮味は薄いですが、最新世代にもくいついていける性能はもっています。この構成で12万円台は本当にお得!
ドスパラ raytrek R5-RL5
15.6型WQHDモニター搭載のクリエイター向けノートパソコンです。作業性が良いだけでなくsRGBカバー率約99%、リフレッシュレート165Hzに対応しているので、正確で滑らかな映像が得られるのも特徴です。先に紹介したモデルよりも少し高い17万円台~にはなりますが、ストレージ容量にも余裕があります。
マウスコンピューター DAIV Z6
16型WQXGA(2560×1600)モニターを採用しながらも、重量を約1.6kgに抑えた意欲的なモデルです。パフォーマンス面の心配は全くなく、モバイル性をフルに生かした活動が行えます。バッテリー駆動時間は約16時間、ACアダプターもコンパクト、PD対応など利便性も兼ねそろえています。
ASUS TUF Gaming F17/F15
ASUSのTuf Gamingシリーズはコスパが魅力のモデルです。このパーツ構成で18万円台で販売されていますが、セール時期にうまくハマれば15万円前後というのも確認済みです。最新モデルかつ高性能なパソコンが安く手に入る可能性もあるのでASUSは一度チェックすると良いことあるかもしれません。
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