Intel 第13世代CPUが発売されたので従来CPUと性能差をチェックします。
対象は「Core i7-13700K」と「Core i7-12700K」を比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいがあるのかを見ていきます。
無印(K無し)やRyzen CPUにも比較対象として登場してもらっていますので、参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i7-13700K vs Core i7-12700K
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700K | 47156 | 4.2GHz(5.4GHz) | 16コア24スレッド | 125W |
Core i9-12900K |
41556 | 3.2GHz(5.2GHz) | 16コア24スレッド | 125W |
Core i7-12700K | 34700 | 2.7GHz(5.0GHz) | 12コア20スレッド | 125W |
Core i7-12700 | 32117 | 2.1GHz(4.9GHz) | 12コア20スレッド | 65W |
Core i5-12400 | 19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
(※Pコアのみを表示)
Core i7-13700KとCore i7-12700Kのスコアを比較してみると約36%の差です。
第12世代CPUは大幅にパフォーマンスがアップしており、どのモデルを使ってもこれまで以上の結果を出してくれていました。そう考えると第12世代で十分な訳ですが、3割以上もの性能アップとなれば見逃せませんよね。RAW現像や動画編集を実際に試してみてどっちがおすすめか見ていきますね。
ちなみに第13世代Core i7-13700K(F)搭載モデルは20万円くらいからで、メインの価格帯は30万円以上。第12世代Core i7-12700Kだと下は20万円くらいからと変わりませんが、メインの価格帯は20万円台後半あたりになっています。
比較に使ったパソコン
名前 | G-Tune XP-Z | raytrek ZQ-A4000 |
画像 | ||
CPU | Core i7-13700K | Core i7-12700K |
GPU | RTX4090 | RTX A4000 |
メモリ | 64GB | 32GB |
ストレージ | 2TB SSD+4TB HDD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
マウスコンピューターとドスパラのデスクトップパソコンで比較を行います。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i7-12700K
Core i7-13700KF
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700K | 858.0 | 12329.8 |
Core i7-12700K | 785.5 | 9430.8 |
Core i7-12700 | 749.2 | 8889.5 |
Core i5-12400 | 703.6 | 5007.6 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
Core i7-13700Kのほうが全体的にスコアは高く、シングルスレッドでは約9%、マルチスレッドでは約31%も高いスコアです。
第12世代Core i7-12700Kの性能がもともと低い訳でもなく、第11世代から比較して飛躍的に性能を高めていました。そこからさらに伸ばしてきたというのは素晴らしいですね。マルチスレッドに至っては10000オーバーのスコアで、まさに桁違いのパワーを見せてくれました。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
Core i7-12700K
Core i7-13700KF
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700K | 816 | 11501 |
Core i7-12700K | 747 | 8726 |
Core i7-12700 | 726 | 6751 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
CINEBENCH R20のテストでもCore i7-13700KFが高スコアを出しています。Core i7-12700Kと比較するとシングルスレッドは約9%高く、マルチスレッドでは約32%高くなりました。
傾向としてはCPU-Zに近いですね。このことからもシングルで約10%ほど、マルチで約30%ほど性能がアップしていると考えて良さそうです。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700K | 2分40秒 |
Core i7-12700K | 3分10秒 |
Core i7-12700 | 3分13秒 |
Core i5-12400 | 4分06秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
RAW現像では第13世代Core i7-13700Kが、Core i7-12700Kよりも30秒ほど速く処理を終えました。処理自体はどちらのCPUでも問題なく行えるため、50枚で10秒の短縮化という差を大きくみるか小さいと見るかで判断が分かれそうですね。
日常的に大量のRAW現像を行うなら小さい差ではないはずですが、週末に処理を行う程度というなら旧世代でも問題はないはずです。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700KF×RTX4090 | 2分02秒 |
Core i7-12700K×RTX A4000 | 2分17秒 |
Core i7-12700×RTX3060 |
2分52秒 |
Core i5-12400×RTX3050 | 4分14秒 |
Ryzen 9 3900X×RTX2070S | 2分56秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
動画編集は組み合わせるグラボによっても差が生まれますが、Core i7-13700KFとRTX4090の組み合わせだけは異次元だと感じました。処理時間そのものより「本当に4Kデータを扱っているのか?」と思うくらい作業が軽く感じました。
ただ4K動画編集を行うだけなら、クリエイト向けPCとしてはスタンダードと言われるCore i7-12700×RTX3060あたりで十分ですが、その先は何を求めるかによって変わってきそうです。第13世代は時間に限りのあるプロの動画コンテンツ制作にも役立ってくれることは間違いありません。
Core i7-13700K vs Core i7-12700K まとめ
・処理能力重視ならCore i7-13700Kを選ぶべし!
・シングル約10%、マルチ約30%ほどの差がある!
・趣味使いなら第12世代でも十分!
・第11世代以前のCPUを選ぶ理由はない!
第12世代CPUと比較してきましたが、処理能力だけならCore i7-13700K一択と言う感じですね。ただほとんどの一般ユーザーからするとCore i7-12700Kでもオーバースペックと感じる人もいるはずです。そういう意味では、Core i7-13700Kが必要な人はプロレベルの人なのかもしれません。(あとはパソコン好き、新しいモノ好きな人)
Ryzenと比較しても安定性やアプリとの親和性の面ではインテルが強いでしょうし、第12~第13世代はかなり狙い目だと思います。
おすすめパソコン
マウスコンピューター G-Tune FZ-I7G70
今回のベンチテストにも使わせてもらったマウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」の後継モデルです。Core i7-13700KF×RTX4070は普通の処理だけでは物足りなく感じるほどの処理能力をもっています。8Kクラスの次世代環境も視野に入るレベルです。
ドスパラ raytrek MV
第13世代Core i7-13700にRTX4060を組み合わせた人気の構成です。デザインはいたって普通ですが17万円台という良心的な価格が魅力です。コスパよく最新世代に切り替えたい人におすすめのデスクトップPCです!
フロンティア GAシリーズ
フロンティアのセールモデルで、この構成でありながら30万円後半は結構安いです。Core i7-13700KF×RTX4080なら処理能力不足を感じることはまずないでしょう。フロンティアのセールは台数限定が多かったのですが、記事執筆時点では受注生産になっていました。お得なPCが確実に手に入るのは嬉しいポイントですよね。
マウスコンピューター G-Tune PG-I7G6T
マウスコンピューターのミドルクラスデスクトップパソコンです。第12世代Core i7-12700×RTX3060Tiはゲーマーだけでなくクリエイターにも人気の組み合わせです。高解像データ編集も行えるほど高性能で、コンパクトなので設置場所にも困りません。
マウスコンピューター G-Tune PP-Z-WA
CPU | Core i7-12700K |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3070 |
ストレージ | 500GB SSD |
より高次元の処理能力を求めるユーザーへ向けたモデルです。処理能力がさらに高いCore i7-12700Kを採用、レイトレーシング技術でよりリアルなビジュアル処理を実現しています。より高負荷な作業に耐えてくれるパソコンが欲しい方向けです。
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。