パソコンのコアパーツであるCPUに、AMD製のRyzenがあります。Ryzen CPUも第3世代(Zen2)に突入しパフォーマンスが向上。Gen4に対応するなど新しい扉を開いた感があります。
そこで新旧CPUを比較してみたいと思います。対象は「Ryzen 7 2700X」「Ryzen 5 3600」です。「実際にどこが変わったの?」「性能はあがったの?」「買い替えは必要?」という疑問もあるかと思います。
ベンチスコアをとったり、写真編集や動画のレンダリングにかかった時間も計測しました。同ラインでの比較はよく見ますが、このような比較はあまり目にしなかったので是非参考にしてください。
目次
Ryzen 7 2700X vs Ryzen 5 3600
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
CPUスコア
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 5 3600 |
20036 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 2700X | 16918 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
第3世代で進化したポイント
- Zen2アーキテクチャを採用
- PCI-Express Gen.4に対応
- 世界初の7nm製造プロセスを採用
一番の特徴はプロセスルールが変更されたことで、これにより高クロック化に成功しています。全体的なクロックが上がったことで、効率的に処理が行えるようになりました。これによりAMDのCPUが、Intelの勢力図を塗り替える勢いで増殖しています。
CPUスコアを見ると「Ryzen 7 2700が16918」「Ryzen 5 3600が20036」で、横並びどころか完全に性能を上回っているということがわかります。グレード的には下でも、新製品は高性能というわけですね。
Gen4では、より高速なNVMe SSDや、グラフィックカードを搭載できるとあって新時代の風を感じます。第3世代Ryzen では、新たにRyzen 9シリーズも準備されプロユース向けとしても注目されています。
電力効率が大幅に新開しており、従来と同等の性能を半分の電力でまかなえるという説もあります。ミドルクラスのRyzen 5 3600であっても、ライバルのIntel製Core i7-9700あたりに匹敵するといわれています。確実にこれまでとは違う次元を提供していますね。AMD恐るべし。。
比較に使ったパソコン
名前 | LITTLEGEAR a340PA1 |
自作パソコン |
画像 | NO PHOTO | |
CPU | Ryzen 7 2700X |
Ryzen 5 3600 |
GPU | GTX1080(8GB) | RX570(8GB) |
メモリ | 16GB | |
SSD | 256GB NVMe SSD | |
HDD | 1TB | |
チップセット | AMD B320 チップセット |
AMD B450 チップセット |
電源 | 500W【80PLUS BRONZE】 | |
マウスコンピューター:https://www.mouse-jp.co.jp/ |
CPU、GPU以外はできるだけスペックを揃えて比較ができました。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Ryzen 7 2700X
Ryzen 5 3600
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Ryzen 7 2700X | 474.6 | 4690.6 |
Ryzen 5 3600 | 499.3 | 3970.2 |
CPU-Zのテスト結果では、シングルスレッドではRyzen 5 3600が、マルチスレッドではRyzen 7 2700Xが高いスコアになっています。コア数の多さが結果に影響しているので、動画編集などの処理を考えているならRyzen 7 2700Xのほうが有利と言えそうです。
CINEBENCH 15のスコア
Ryzen 7 2700X
Ryzen 5 3600
Ryzen 7 2700X | 1751 |
Ryzen 5 3600 | 1529 |
CINEBENCHのスコアは約1.15倍の差となりました。以前にテストしたCore i7-8700は1400ほどだったので、Ryzen 5 3600はそれを上回る形になりました。2万円台半ばのCPUでこれはスゴイ!
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
Ryzen 5 2600 | 5分39秒 |
Ryzen 7 2700X | 6分13秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ、Ryzen 5 3600が速いという結果になりました。予想ではもう少し接戦になるかRyzen 7 2700X有利かと思いましたが、意外な結果ですね。
テストに使ったG-TuneのLITTLEGEARが、うまく性能を引き出せていないのかもしれません。なんせ持ち運べるくらいコンパクトなので排熱まわりがネックになっているのかも?他のテストでも少々ふるわなかったんですよね・・・
150枚でこれだけの差になので、枚数が増えると大きな差になってきます。時間の節約をしたいなら高性能なCPUを選びましょう。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
Ryzen 7 2700X | 3分05秒 |
Ryzen 5 3600 | 3分47秒 |
動画のレンダリングではRyzen 7 2700Xが42秒速いという結果になりました。RAW現像時の不名誉な結果を払拭する形になっています。少し安心しました。
感想
・Ryzen 5 3600 vs Ryzen 7 2700はすみわけが可能
・RAW現像では第3世代のRyzen 5 600が速い
・動画レンダリングはRyzen 7 2700Xが速い
・コスパで見ると両方とも優秀なCPU!
新旧のCPUとは言え、グレードがちがうので面白い結果を得られたと思います。もう少し似たり寄ったりの数字になるような気がしていたんですけどね。
単純に瞬発力が求められるような処理は第3世代Ryzen 5 3600が有利、動画編集のようなマルチコアが効くシーンではRyzen 7 2700Xに軍配が上がるっていう感じですね。
使っているシーンをイメージしてみると、RAW現像って一度に100枚以上とか処理しない気もします。そういうユーザーなら、たまにやる動画編集の時間を短くしたいからRyzen 7 2700Xを選ぶというのも手かもしれませんね。
Ryzen搭載のおすすめパソコン
G-Tune LITTLEGEAR a340GA4
CPU | AMD Ryzen 7 2700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce GTX1660Ti (6GB) |
ストレージ | 256 NVMe SSD + 1TB HDD |
Ryzen 7 2700とGeForce GTX1660Tiを搭載。この構成で税別10万を切るという激安モデル。CPUが世代交代の時期に入っているとはいえ、安すぎるので一瞬で売り切れることが予想されます。コンパクトなPCが欲しい人は急いだほうがいいかも。
フロンティア GAシリーズ(台数限定)
CPU | Ryzen 7 3700X |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce RTX 2070 SUPER |
ストレージ | 1TB NVMe SSD + 2TB HDD |
Ryzen 7 3700X+RTX2070 SUPERの本格派に人気の構成。これで税別15万円台だからお買い得すぎる!一度は売り切れていましたが在庫が復活していました。(記事執筆時点)
G-Tune NEXTGEAR-MICRO am560SA1
CPU | AMD Ryzen 5 3600X |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1660 (6GB) |
ストレージ | 512GB M.2 SSD |
Ryzen 5 3600とGTX1660のコスパに優れた組み合わせが魅力の1台。税別で10万円を切ってくるのもうれしい!自作の手間を考えるとコレを買っておいたほうがお得だと思います。
ドスパラ ガレリアRF5
CPU | Ryzen 5 3600 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce RTX2070SUPER (8GB) |
ストレージ | 240GB SSD + 1TB HDD |
グラフィク性能をさらに求めたいなら、ドスパラのガレリアRF5がおすすめ!RTX2070SUPER搭載なので、動画重視のパーツ構成にしたい人や、144Hzでゲームをプレイしたい人なんかにおすすめです。
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