新型Ryzen CPUの性能差をチェックします。
対象は「Ryzen 7 9700X」と「Ryzen 5 9600X」を比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいがあるのかを見ていきます。
ほかのCPUにも比較対象として登場してもらっていますので、参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Ryzen 7 9700X vs Ryzen 5 9600X
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 7 9700X | 37249 | 3.8GHz(5.5GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 9600X | 30081 | 3.9GHz(5.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 7700X | 36459 | 4.5GHz(5.4GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 7600X |
28797 | 4.7GHz(5.3GHz) | 6コア12スレッド | 105W |
Ryzen 7 5700X |
27090 | 3.4GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i7-14700 | 51355 | P:2.1GHz(5.4GHz) E:1.5GHz(4.2GHz) |
20コア28スレッド (P:8コア/E:12コア) |
65W |
Core i5-14400F | 25728 | P:2.5GHz(4.7GHz) E:1.8GHz(3.5GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
65W |
Ryzen 7 9700XとRyzen 5 9600Xのスコアを比較してみると約24%の差があります。思ったよりも差があるという印象ですね。
Ryzen7000番台からはゆるやかな性能上昇という形ですが、TDPが65Wに下がって同性能以上のスコアと考えれば頑張っています。また熱や電力消費の面でも有利になるので、Ryzen9000番台は非常に扱いやすいCPUという印象を受けました。
もちろん性能重視の人にはCore i7搭載モデルをおすすめします。>Core i7-14700搭載おすすめパソコン
比較に使ったパソコン
名前 | G TUNE DG-A5G6T | NEXTGEAR JG-A7G7S |
画像 | ||
CPU | Ryzen 5 9600X | Ryzen 7 9700X |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti | GeForce RTX4070SUPER |
メモリ | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
ベンチソフトによる性能比較
CPU-Z
Ryzen 7 9700X
Ryzen 5 9600X
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 7 9700X | 865.6 | 8536.1 |
Ryzen 5 9600X | 830.2 | 6574.1 |
Ryzen 7 7800X3D | 692.0 | 7354.7 |
Ryzen 7 7700X | 769.0 | 8115.3 |
Ryzen 7 5700X | 629.4 | 6183.4 |
Ryzen 5 4500 | 500.4 | 4239.2 |
Core i7-14700F | 854.8 | 14014.0 |
CPU-Zのスコアを比較すると、シングルスレッドで約4%、マルチスレッドでは約30%の差です。
シングル性能は思ったほど差がありませんが、マルチスレッドは大きく差が出てしまっています。動画編集などのマルチスレッドが影響する作業を多く行う人はRyzen 7 9600Xを選択するほうが良さそうです。逆にシングル性能があれば十分と言う人はRyzen 5 9600Xでも困ることはないでしょう。
CINEBENCH R20
Ryzen 7 9700X
Ryzen 5 9600X
CPU | シングル | マルチ |
Ryzen 7 9700X | 869 | 8123 |
Ryzen 5 9600X | 851 | 6644 |
Ryzen 7 7800X3D | 694 | 7006 |
Ryzen 7 7700X | 775 | 7813 |
Ryzen 7 5700X | 597 | 5139 |
Ryzen 5 4500 | 478 | 3511 |
Core i7-14700F | 809 | 9631 |
CINEBENCH R20では、シングルスレッドは約2%、マルチスレッドでは約22%高くなりました。
シングルスレッドの有効になっている作業では体感でも感じられないほどの差ということになるでしょうか。やはりマルチスレッドの差が選択に大きな影響を与えそうな感じです。
RAW現像
CPU | 処理時間(50枚) |
Ryzen 7 9700X | 57秒 |
Ryzen 5 9600X | 1分00秒 |
Ryzen 7 7800X3D |
1分06秒 |
Ryzen 7 7700X | 1分11秒 |
Ryzen 7 5700X | 1分15秒 |
Core i7-14700 | 1分03秒 |
RAW現像はシングル性能が重要な作業ですが、両者ともにほとんど差がないという結果になりました。大量の作業や高度な編集作業を行う場合はRyzen 7 9700Xを選択、一般ユーザーの趣味レベルであればRyzen 5 9600Xでも十分な働きをしてくれるでしょう。
動画編集
Resolveで4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。
構成 | 処理時間 |
Ryzen 7 9700X×RTX4070S | 2分04秒 |
Ryzen 5 9600X×RTX4060Ti | 2分39秒 |
Ryzen 7 7800X3D×RTX4070S | 2分33秒 |
Ryzen 7 7700X×RTX4070Ti | 2分16秒 |
Ryzen 7 5700X×RTX4060 |
3分15秒 |
Core i7-14700F×RTX4060 | 2分31秒 |
比較するモデルのクラスがちがうので正確な比較にはなりませんが、Ryzen 5 9600Xでも割と動作してくれている印象です。書き出しの速さや快適性を求めるならRyzen 7 9700Xが良いのは間違いありませんが、趣味レベルならRyzen 5 9600Xでも全く問題ないという印象です。
Ryzen 7 9700X vs Ryzen 5 9600X まとめ
・処理能力重視ならRyzen 7 9700Xを選ぶべし!
・特にマルチ性能で差が大きい!
・趣味使いならRyzen 5 9600XでもOK!
・価格差も考慮して選択しよう!
色々テストを行ってきましたが、正直なところ「思った以上に差がないな」という印象です。マルチ性能に差はありましたが、シングル性能は誤差レベルです。各テストで明確な差はあったものの実用レベルで考えるならRyzen 5 9600Xも十分に検討範囲内だと思います。インテルCPUの状況がイマイチなところもあるので、どちらを選んでもコスパは相当優秀な印象を受けました。
おすすめパソコン
マウスコンピューター NEXTGEAR JG-A7G7S
今回テストで使用したモデルです。NEXTGEARはマウスコンピューターが販売しているブランドの中でもコスパを重視しています。処理能力、ゲーミング性能、冷却面なども申し分ありませんし、ホワイトでカラフルに光ってくれるRGBファンも標準搭載です。30万円くらいの予算で探しているなら結構おすすめです。
マウスコンピューター G TUNE DG-A5G6T
CPU | Ryzen 5 9600X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 4060Ti |
ストレージ | 1TB SSD |
今回テストで使用したマウスコンピューターゲーミングブランド「G Tune」の中核を担うモデルです。上位CPUやインテルCPUを食いかねないパフォーマンスを見せてくれましたし、ゲームや写真、動画コンテンツ制作にも強さを発揮します。3年間修理保証や24時間365日サポート付きで安心感も強いです。
フロンティア FRGHLB650/R977T
ヤマダ電機の系列店でもあるフロンティアはお得なセールをしょっちゅう開催しているBTOパソコンメーカーになります。Ryzen 7 9700X×GeForce RTX 4070 Ti SUPERは今パソコンを選ぶなら1つの最適解になり得る構成です。向こう数年は現役で使いたいって人におすすめのモデルです。
マウスコンピューター G TUNE DG-A5G7S
CPU | Ryzen 5 9600X |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce RTX4070 SUPER |
ストレージ | 1TB SSD |
グラボがRTX4070SUPERなので、ゲーミング性能を重視したい人におすすめのモデルです。CPUの処理性能はそこそこに抑えてグラボに予算を割く構成ですね。メモリ容量も多く動画配信などのマルチタスクにも強さを発揮してくれます。
パソコン工房 iiyama PC LEVEL-R7B6-R96X-LAX
パソコン工房のRyzen 5 9600X×Geforce RTX3050搭載モデルで、エントリーよりの性能になります。あまり重たい作業(ゲームなど)はしないという人や、画像などの比較的軽いデータを扱う人向けのモデルになります。
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