2018年の末に発売になった、インテルの第9世代CPU「Core i7-9700K」を使う機会がありました。コードネームは「Coffee Lake Refresh」です。「新しいCPUってどうなの?」「第8世代と比較してどれくらい高性能なの?」という疑問をもっている人も多いのではないでしょうか?
ベンチマークソフトによる比較、実際にRAW現像や動画編集などの処理をかけてみて使い心地をテストしてみました。言わば「Core i7-9700K」「Core i7-8700K」の比較記事ということになります。
ベンチテストだけでは見えてこなかった部分もあったので、ぜひ参考にしてください。
目次
Intel「Core i7-9700K」「Core i7-8700K」のちがいは?
インテルのCore i7と言えば、パソコンの愛好家やプロしか使わないんじゃないの?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。スマホやデジタル一眼レフを始めとしたガジェット類の進化によって、簡単に高品質なデータが手に入るようになってきているからです。高品質なデータを扱うためには、高品質なパソコンが必要になるので、Core i7のようなパフォーマンスが求められるという訳ですね。
前置きばかりが長くなってしまうので、まずは「Core i7-9700K」「Core i7-8700K」の簡単な比較表を作ってみました。
「Core i7-9700K」「Core i7-8700K」比較表
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9700K | 17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-8700K | 15846 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
旧世代の「Core i7-8700K」と比較して「Core i7-9700K」は、コア数が多くスレッド数は減少しています。クロック数に関しても若干の違いがありますね。スコアに関しては約10%程スコアが伸びています。さすが新しいだけはありますね。
先に言ってしまうと各ベンチスコアの結果以上に、RAW現像や、動画編集で進化を感じます。そのパフォーマンスの高さは素直に感動を覚えるレベルですので、ぜひ実際に処理をしている数字にも目を通してください。
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV-DGZ530M1-SH5 | SENSE-R037-i7K-QZR |
画像 | ||
CPU | Core i7-9700K | Core i7-8700K |
GPU | GeForce RTX 2070(8GB) | Quadro P2000 (5GB) |
メモリ | 16GB | |
SSD | 480GB | 120GB |
HDD | 2TB | 2TB |
チップセット | インテルZ390 チップセット (ATX) | インテル Z370 Express |
電源 | 700W【80PLUS BRONZE】 | 500W【80PLUS BRONZE】 |
詳細 | レビューを見る | レビューを見る |
公式HP | 公式HPをチェックする | 公式HPをチェックする |
パーツ構成がちがう個体のため、完全にフェアな比較とは言えないかもしれません。ただ、変化があるおかげで見えてくることもあるかと思いますので、今回はこれですすめていきます。
CPU-Zによるベンチスコアの比較
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i7-9700K | 537.1 | 3806.6 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
シングルスレッドに関しては、約5~6%ほどスコアが伸びています。マルチスレッドに関しては横並びの印象ですね。
CHINEBENCHによるベンチスコア比較
スコア | |
Core i7-9700K | 1479 |
Core i7-8700K | 1402 |
CINEBENCHの結果でも約5~6%ほどスコアが伸びています。大幅な進化という訳ではないですが、順当に進化しているというところでしょうか?
×264によるベンチスコア比較
スコア | エンコードタイム | |
Core i7-9700K | 51.9 | 49秒 |
Core i7-8700K | 45.8 | 55秒 |
スコアやエンコード時間に関しては、約10%ほどスコアが伸びています。
動画編集の機会が多い人や、長編の作品を作っている人なら10%の違いは結構大きく感じるはずです。
RAW現像にかかる時間を比較
約150枚のRAWデータを一括返還する時間を計測しました。現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。
RAW現像時間 | |
Core i7-9700K | 4分56秒 |
Core i7-8700K | 5分57秒 |
第9世代のCore i7-9700Kでは「4分56秒」、第8世代のCore i7-8700Kでは「5分57秒」です。1分近くの差が出てきているので決して無視はできません。各ベンチスコアでは、5~10%の違いが見えていました。しかし実際に処理をかけるとベンチ結果よりも良好な結果になっていると感じます。
新世代CPUの良さは使ってみてこそ感じられる!といったところでしょう。今後市場にあるモデルが新世代CPUに切り替わってくることを考えると、Core i7-8700Kを今からチョイスする理由は価格以外にないと言い切れますね。
動画編集にかかる時間を比較
ミラーレス一眼で撮影した4K(24P)約5分間のデータのレンダリングにかかった時間を計測してみました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
レンダリングタイム | |
Core i7-9700K | 1分57秒 |
Core i7-8700K | 3分30秒 |
動画のレンダリングに関しては、新世代CPUが2分を切る結果が出ました。あまりの処理の速さに思わず「うそでしょ?」と笑ってしまったくらいです(笑)
各ベンチソフトだけを見て「新世代CPUはたいしたことないな」と思うのは非常にもったいないことだと思います。パソコンも道具なので「使ってナンボ」なとことはあるかと思いますが、Core i7-9700Kは高負荷な処理とは切っても切り離せないクリエイターにとっては大きな助けになるでしょう。
Core i7-9700K搭載のおすすめパソコン
DAIV-DGZ530M2-SH5
ドスパラ ガレリア ZGシリーズ
CPU | Core i7-9700K |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2080 (8GB) |
ストレージ | 500GB SSD + 3TB HDD |
Core i7-8700K搭載のおすすめパソコン
ドスパラ ガレリア XV
まとめ
・第9世代CPU「Core i7-9700K」は順当な進化を遂げている
・ベンチスコア以上に使ってみると進化に気づく
・新CPUの処理能力には感動をするレベル
いかがでしたか?Core i7-9700KとCore i7-8700Kのちがいが伝わったでしょうか?もし他のCPUが気になるのであれば「RAW現像・写真編集におすすめのCPUは?」という記事でチェックしてください。
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