パソコンを検討している人の中には「デクストップかノートパソコンどちらにしようかな?」と考えている人も多いでしょう。両者は様々な点で比較する必要があります。特にCPUはパーツの中でも要といっても良いくらい大切です。
そこでデスクトップ用のCPUである「Core i7-13700」と、ノートパソコン用の「Core i7-13700H」を比較して、スコアや処理能力にどれくらい差があるのか比較したいと思います。
目次
デスクトップとノートパソコンのCPUの違いをチェック
デスクトップとノートだと、使用目的がちょっと変わってきます。自宅に据え置きで使うデスクトップは、処理能力を優先して性能を引き上げることができます。物理的にも余裕があるので拡張性が高いのも魅力です。
一方のノートパソコンは、モバイルを想定しているので「バッテリー」「サイズ」「重量」「排熱」など様々な問題に取り組まなければなりません。必ずどこかで制限にかかりやすくなってしまうので、バランスを見極めなながら開発をされています。
これらの特徴は、CPUの特徴を見ても理解できます。
CPUの比較表
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700 | 41160 | P:2.1GHz(5.2GHz) E:1.5GHz(4.1GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
65W |
Core i7-12700 | 31136 | P:2.1GHz(4.9GHz) E:1.6GHz(3.6GHz) |
12コア20スレッド (P:8コア/E:4コア) |
65W |
Core i7-13700H | 29810 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
スコアというのが処理能力を数値であらわしたものになります。この表ではPASSMARKが公開しているスコアを掲載しています。
デスクトップ用のCore i7-1300のスコアは「41160」で、ノート用のCore i7-13700Hは「29810」です。比較するとデスクトップCPUのほうが約38%も高いということがわかります。
クロック数を見てみると、デスクトップCPUのほうが全体的に高くなっています。消費電力やサイズのことを考えなくてはならないノートPCに比べて、純粋に性能を突き詰められるという点ではデスクトップほうが有利です。
ここで「ノートパソコンのCPUはダメ」だと早合点はしないでください。むしろ様々な課題をクリアしてこの数値に収まっているのはすごいことです。実際の使い心地をふくめて、この後テストしていきます。
比較するパソコンのスペック
比較するパソコンは、マウスコンピューターが展開するクリエイターモデルの「DAIV」です。随所で性能の違いはありますが、デスクとノートを完全に同じ環境でテストするのは困難なので仕方がありません。
どちらのパソコンもハイスペックと呼ぶのにふさわしい性能になっています。実際に両方とも使ってみましたが、それぞれに感動のあるパソコンでした。詳細はレビューでご確認ください。
名前 | raytrek 4CXFi | DAIV S4 |
画像 | ||
CPU | Core i7-13700 | Core i7-13700H |
GPU | RTX4070Ti | RTX 4060 |
メモリ | 16GB | 32GB |
ストレージ | 1TB SSD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
ドスパラが販売するクリエイトモデルとゲーミングパソコンで比較を行います。
ベンチマークソフトで比較
ここからはベンチマークソフトを使って、CPUの性能を掘り下げて見ていきます。
CPU-Zによるスコア
Core i7-13700
Core i7-13700H
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700 | 820.5 | 11336.8 |
Core i5-13400 | 725.4 | 6425.5 |
Core i7-12700 | 749.2 | 8889.5 |
Core i5-12400 | 703.6 | 5007.6 |
Core i7-13700H | 789.3 | 7920.8 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
デスクトップCPUのCore i7-13700のほうが全体的にスコアは高く、シングルスレッドでは約4%、マルチスレッドでは約43%も高いスコアです。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
Core i7-13700
Core i7-13700H
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700 | 777 | 7407 |
Core i5-13400 | 680 | 5290 |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
Core i7-13700H | 739 | 5728 |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
CINEBENCH R20のテストでもCore i7-13700が高スコアを出しています。Core i7-13700Hと比較するとシングルスレッドは約5%、マルチスレッドでは約29%高くなりました。
処理能力の差を比較!
ベンチマークソフトでは、CPUの性能を数値化して見ることができますが「実際に使ってどうなの?」ということが見えてきません。ここからは「RAW現像」と「動画編集」にかかった時間を計測しながら、使い心地を見ていきます。
RAWの一括変換にかかる時間は?
RawTherapeeというソフトを使って、約150枚(5GB)のRAWデータを一括返変換した時間を計測しました。JPEG品質は90%、高画質での変換です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700 | 3分24秒 |
Core i7-12700 | 3分42秒 |
Core i7-13700H | 3分45秒 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
デスクトップCPUのCore i7-13700が最短の処理時間をマークしています。処理性能だけならデスクトップが有利というのは変わりませんが、モバイル用CPUも意外と健闘していると思いませんか?
デスクトップ用のCore i7-12700と、Core -i7-13700H、Core i7-12700Hは誤差範囲でしかありません。趣味でたまに現像処理を行う人であれば旧世代やノートパソコンでも十分な性能が確保できるという証拠です。
動画のレンダリングにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはDAIVが推奨パソコンを販売しているResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間を計測します。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通り。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
構成 | 処理時間 |
Core i7-13700F×RTX4070Ti | 2分55秒 |
Core i5-13400F×RTX3060 | 3分27秒 |
Core i7-12700×RTX3060 |
2分52秒 |
Core i5-12400×RTX3050 | 4分14秒 |
Core i7-13700H×RTX4060 | 3分26秒 |
Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
動画編集でもデスクトップCPUが有利である点は変わりません。しかし書き出し時間に差こそあれ、作業中の快適度が大きく変わるという印象は受けません。
書き出し中にも別の作業をしないといけないとか、1秒でも早くしたいという人なら別ですが最近のパソコンはノートであっても動画編集能力は十分高いです。
ノート用CPUはボトルネックに注意
両者を比較している時に感じたのですが、ノートパソコンの場合は熱にも注意しなければなりません。あまり高熱になってしまうとパソコンは本来の性能を発揮できないからです。
ノートパソコンはボトルネック(熱やサイズ)に足を引っ張られるケースは少なからず発生することを覚えておきましょう。特に長時間継続して作業するような人は、注意が必要だと思います。
おすすめのパソコン
ドスパラ raytrek 4CXFi
CPU | Core i7-13700F |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 4070Ti |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
第13世代インテル Core i7-13700F×GeForce RTX4070Tiを採用し、高いパフォーマンスで快適に処理が行えるデスクトップパソコンです。RAW現像、動画編集、ゲームなどでその性能をいかんなく発揮してくれます。ケースデザインも一新され、目新しさ満載のモデルです。
フロンティア GAシリーズ
ヤマダ電機系列のフロンティアでは、RTX4070TI搭載で27万円とオイシイモデルが存在します。Core i7-13700F×RTX4070Tiの次世代クラスに対応するパフォーマンスを武器に、クリエイトからゲーミングまで幅広く楽しめます。850W ATX電源 80PLUS GOLDを採用している点も魅力。
マウスコンピューター DAIV DD-I7G70
マウスコンピューターのクリエイター向け「DAIV」も新筐体を採用したモデルが登場!Core i7-13700よりも高性能なK付きモデルでパフォーマンスをいかんなく発揮します。写真編集やCG制作にもおすすめです。
ドスパラ GALLERIA UL7C-AA3
CPU | Core i7-12700H |
メモリ | 16GB |
グラボ | Arc A550M/A730M |
ストレージ | 512GB Gen4 SSD |
Core i7-12700Hと専用グラフィックスを搭載しながらも10万円台というドスパラのゲーミングモデルです。もともと倍近くの値段で販売されていたこともあって質感もよく、動画編集やゲームも楽しめるコストパフォーマンスに優れたノートパソコンです。Core i7-12700H搭載モデルとしてはもちろん最安値クラスです!
マウスコンピューター DAIV S4
第13世代Core i7-13700HとGeForce RTX4060を採用した高性能クリエイト向けノートパソコンが登場!14型フルHDモニター色再現にも優れ、キャリブレーション済みで出荷されるためRAW現像をはじめとするクリエイト作業にも最適です。コンパクトで軽く、バッテリー駆動時間も長いためモバイル性能も高く仕上がっているのが特徴です。
ドスパラ raytrek R5-RL5
15.6型WQHDモニター搭載のクリエイター向けノートパソコンです。作業性が良いだけでなくsRGBカバー率約99%、リフレッシュレート165Hzに対応しているので、正確で滑らかな映像が得られるのも特徴です。先に紹介したモデルよりも少し高い17万円台~にはなりますが、ストレージ容量にも余裕があります。
まとめ
・デスクトップ用CPUのほうが安定して性能を発揮できる
・ノートパソコンは熱や物理的な課題をクリアする必要がある
・ノートパソコンも十分な処理能力を有している!
今回の比較テストの内容では「デスクトップ用のCPUがおすすめ」というような結果になりました。排熱や電力などの条件をクリアできれば、ガンガン性能があげれるデスクトップはやはり有利ですね。安定して負荷のかかる処理もこなしてくれるでしょう。
個人的にはノートパソコンをメインとしても使っていますし、ブログを書いたり、写真を現像したり、簡単な動画を作る分には充分です。むしろ技術の凝縮感を感じるノートパソコンが大好きです(笑)
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。