DAIV 7N(2021年モデル)をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
ノートパソコンでありながら、CPUにデスクトップ用のCore i7-10700を採用し処理能力はまさにデスクトップ並み!GeForce RTX2080SUPERとの組み合わせで、高解像度の動画編集などにも最適なモデルに仕上がっています。日常的に持ち運ぶには向かない重さですが、その圧倒的な処理能力はここぞというシーンで強い味方になってくれるはずです。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
目次
DAIV 7N(2021年モデル)の特徴
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV 7Nシリーズは、画像・動画・写真・イラストなどのクリエイティブ制作に向けてデザインされたノートパソコンです。
デスクトップCPUを採用しパフォーマンス面に特化、グラボもRTX2080SUPERですので最高の結果を出せるノートパソコンであることは疑いようもありません。発売は2020年の12月末ですが、2021年モデルと定義づけしております。
DAIV 7Nの新旧スペックを比較
DAIV 5Nの新旧でどこが違うかを確認していきます。
型番 | DAIV 7N(2021年) |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-10700 |
グラフィックス | GeForce RTX 2080SUPER |
メモリ | 32GB(最大128GB) |
SSD | 1TB SSD(NVMe対応) |
動作時間 | 約4.5時間 |
サイズ | 399×319.8×44.5mm |
重量 | 約4.65kg |
公式サイト | >詳細を確認する |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-10700の性能
DAIV 7N(2021年モデル)に搭載されているCPUは、第10世代のCore i7-10700です。8コア16スレッドのCPUで、通常は2.9GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.8GHzまでオーバークロックします。カスタマイズでCore i9も選択できます。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i7-9700 |
13726 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Core i7-8700 | 13111 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-9750H | 11427 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
PASSMARKの公開データによると「Core i7-10870Hが約16000」「Core i7-9750Hが約11400」をマークしています。これが本当なら約140%高性能化していることになります。
それどころかデスクトップ用CPUのCore i7-9700よりも高いスコアになっているのが確認できます。もはやデスクトップからの乗り換えもアリなのでは?と感じさせる。そんなポテンシャルを秘めたのがDAIV 5N(2020年モデル)になります。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 9 3900X | 545.4 | 8191.3 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i9-9900K | 563.1 | 5552.8 |
Core i7-10700 | 559.9 | 5635.6 |
Core i7-9700K | 566.0 | 4326.4 |
シングルスレッドのスコアが559.9、マルチスレッドが5635.6となりました。第9世代のCore i9と同等のスコアと言うのは正直驚きました。
ちなみに同じCore i7-10700を採用したドスパラのGALLERIA XA7C-R38(デスクトップ)は、シングルが559.4、マルチが4841.8でした。なぜかDAIV 7Nの方がマルチスコアが約15%も高く出ていました。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCH R15によるスコアは1980でした。
CPU | スコア |
Ryzen 9 3900X | 3232 |
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-9900K | 2051 |
Core i7-10700 | 1598 |
Core i7-9700K | 1493 |
CINEBENCH R15の結果を見ると、流石にCore i9並みとはいかないものの、Core i7-9700K比較なら約32%もスコアを伸ばしています。
ちなみにドスパラのGALLERIA XA7C-R38(デスクトップ)は1548とかなりの開きがあります。ちょっとこれ以上は踏み込んじゃいけない気配・・
hCHINEBENCH R20ではシングル489、総合4299となっております。R23はシングルが1264、マルチが10140です。
ストレージ性能
ストレージは1TBのNVMe SSDです。Readで2400MB/sを超えてくるので、このクラスのパソコンとしても安心といったところでしょうか。アプリのインストールもパソコンの起動も高速です。
残念ながら当モデルではカスタマイズにてストレージを追加することができないようです。(外付けは可能)
GeForce RTX2080 SUPERのグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV 7N(2021)に搭載されているグラフィックはGeForce RTX2080SUPERです。
ハイエンドクラスのグラフィックボードですし、このクラスのグラボを搭載したモデルってそもそも少ないので一体どれくらいの数字を叩き出すのか?楽しみです。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は181.46fpsでした。
RTX2060を搭載したDAIV 5Nでは137fpsあたりなので性能の高さは折り紙付といって良さそう。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 7N | 3840×2160(標準品質) | やや快適(5289) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(13447) | |
DAIV 5N | 3840×2160(標準品質) | 普通(3299) |
1920×1080(標準品質) | 快適(9044) |
重量級ゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。4K解像度の標準画質で快適に動作します。息抜きにちょっとゲームをプレイ・・というレベルではなく、しっかりと腰を据えて遊べるレベルの快適さですね。
ゲーム目的で購入するなら高リフレッシュレートに対応した外部モニターがあると楽しいかもしれません。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分17秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 結果 |
Ryzen 9 3900X | 4分23秒 |
Core i7-10700K | 4分18秒 |
Core i7-10700(DAIV 7N) | 4分17秒 |
Core i7-10700(別モデル) | 4分47秒 |
Core i9-9900K | 3分19秒 |
Core i7-9700K | 4分56秒 |
RAW現像の処理速度に関しては申し分ない処理速度で、K付きモデルと比較しても差はありませんでした。Ryzen 9と比較しても数秒ほどの差です。
RAW現像目的ならオーバースペックかもしれませんが、ノートパソコンでこれだけの処理が行えるなら選択する価値もあるでしょう。DAIV 7Nは性能を限界近くまでうまく引き出せている印象を受けます。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトのResolveを使って動画の書き出しを試してみましたが、満足の行く結果が得られませんでした。大変申し訳ないのですが不問とさせていただきます。
編集作業自体は大変快適なのですが書き出しが遅くなる症状に見舞われました。以前も別のPCで同様の症状が出たことがあるのですが原因はなんなのでしょう。
パソコンはうるさい?静音性は?
DAIV 7Nは性能に特化したモデルですので、ファンはどうしてもそれなりに鳴ってしまいます。それでも動画の音やゲーム音を遮るほどではありません。気になっていた熱もボディサイズが大きいからか、キーボードが熱くて触れないなんて事態には陥りませんでした。
パフォーマンスを維持できているのはすごいのですが、熱や音が気になる人はデスクトップにしたほうが良い気がします。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
今回DAIV 7Nの出荷予定日を確認してみると、3日程度で出荷が可能となっており短納期に向けてのメーカーの努力を感じました。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV 7N(2021年モデル)を開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
DAIV 7Nシリーズの外観写真
DAIV 7Nのカラーリングはブラックですが、光の加減でグレーに見えたりブラウンに見えたりと不思議な感じです。重量が約4.5kgを超えているだけあって存在感は半端じゃありません。
一瞬これだけ大きなノートならデスクトップでいいのでは?なんて考えも頭をよぎりますが、高性能かつ片手でなんとか持ち歩けることを考えると価値のあるモデルだと思います。デスクトップは本体だけならともかくモニターやキーボードを持ち歩くわけには行きませんからんね。
DAIV 7Nの付属品やバッテリー駆動時間
付属品は「電源ケーブル」「ACアダプタ」と「納品書」「説明書」「色域出荷データシート」などです。高性能を引き出すために560W (280W×2 /20.0V)になっています。ACアダプタ2個ってすごくない?ちゃんとセットにできるアイテムが付属していました(笑)
色域の出荷前レポートが付属
DAIV 7NはAdobe RGB比で100%をカバーし、本格的な編集作業にも十分使える色域をもっています。出荷前に一台一台チェックしてレポートを付属してくれるあたり性能面に妥協がないという感じがします。
17.3型の迫力あるモニターは視認性も良く、4K-UHD解像度ですので緻密かつ作業領域も確保できます。クリエイターが求めるモニターが全て詰まっている感じがしますね。人によってはこれだけでも買いの理由になるんじゃないでしょうか。
キーボードチェック
キーピッチ約18.2mm、キーストローク約1.8mmを確保したキーボード。配列はShiftが小さいやや特殊な感じです。もちろんバックライトにも対応しているので暗がりでの作業もこなせます。キーはゴムのような素材で静かなタイピングができましたし、長時間作業での疲労軽減にも繋がっていると思います。
タッチパッドは大きく、指紋認証センサーも搭載されています。
DAIV 7Nシリーズのインターフェース
・UHS-Ⅲ対応micro SDカードリーダー
・HDMI×1、Thunderbolt×1、Mini DisplayPort×2
・USB3.1×4(Type-A /左側面×2、 Type-A /右側面×1、 Type-C /右側面×1)
・USB3.2×1 (USB Type-C/ 右側面×1)
・Thunderbolt 3(ディスプレイと共用)
・ネットワーク×1(Killer Ethernet E3100)、Killer Wi-Fi 6 AX1650
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
DAIV 7N(2021年モデル)のデメリット
・とにかく大きい!
・熱と音に悩まされるかも!
デスクトップ並みの処理能力を持っているだけに仕方ないのですが、とにかくパソコン本体もACアダプターも大きいにつきます。一般ユーザーが手を出すと言うよりも、トップクリエイターが自身の制作活動や発表の場で使用するような感じのモデルだと感じました。
DAIV 7N(2021年モデル)はこんな人におすすめ
- 日本屈指のトップクリエイター
- ゲーム、写真、動画など1台でなんでもやりたい人
- 消極的なパソコンに興味はないよって人
- モニター品質にこだわったノートPCが必要な人
- 予算に余裕のある方
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV 7N(2021年モデル)の感想まとめ
DAIV 7N(2021年モデル)をレビューしてきました。
ノートパソコンでは間違いなくトップレベルで、なんならデスクトップですら凌駕してしまう性能には感心しっぱなしです。一方でノートパソコンとして気楽に使うと言ったことには縁がなく、短い時間で成果を出さないといけないようなトップクリエイターさんにこそ相応しいモデルだと感じました。
もう少し使い勝手を求めたいのであればDAIV 5Nあたりを検討されるのも良いかと思います→DAIV 5Nレビュー
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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