マウスコンピューターより「DAIV FX-A5G1B」(旧DAIV Aシリーズ)をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
Ryzen 5 7600×GTX1650(GDDR6版)を搭載しており、RAW現像や動画編集といった作業を楽しめます。無骨でカッコいいデザインの筐体は所有欲を満たしてくれますし、描画性能もそこそこ高いのでライトゲーマーにもおすすめです。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
目次
DAIV FX-A5G1B 特徴
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV FX-A5G1Bはライトユーザー向けのデスクトップPCです。
ライトユーザー向けとは言え、クリエイトモデルなので基本的に性能は高めに仕上がっています。Ryzen 5 7600は処理能力がそこそこ高いのもポイントです。旧モデルのDAIV Aシリーズに相当するモデルとなっており、RTX3050を搭載した上位モデルと同じCPUが採用されています。
GeForce GTX1650(GDDR6版)は描画性能もそこそこ高く、従来のミドルクラスに匹敵するほどです。そのため軽めのゲーム、フルHDクラスの動画編集くらいは快適にこなせます。また、ハンドルやタイヤを標準装備しているので事務所間の移動や、デスク下から引き出して背面へアクセスが簡単になっています。
また標準で3年間のメーカー保証がついていたり、24時間365日サポートに対応、そして何と言っても国内生産という安心感は強いです。
DAIV FX-A5G1B スペック
型番 | DAIV A5 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Ryzen 5 7600 |
グラフィックス | GeForce GTX 1650(GDDR6版) |
メモリ | 16GB(最大64GB) |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
電源 | 750W 【80PLUS BRONZE】 |
サイズ | 約220×510×525 |
重量 | 約10.9kg |
価格 | 219,800円〜 |
リンク | >詳細を見る |
DAIVの中では下位モデルに位置しますが、一般向けモデルとはちがいグラボが搭載されていたり、メモリやストレージの拡張性に優れるなどの特徴があります。
DAIV FX-A5G1Bには複数のバリエーションが存在しており、GeForce RTX3050やRTX3060Tiを搭載したモデルも確認できました。処理能力、描画性能を求めるなら上位モデルを購入するのもありだと思います。また定期的に開催される公式サイトの期間限定セールの対象になることも考えられるのであわせてチェックしてください。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
DAIV FX-A5G1B 外観チェック
DAIVのFXシリーズの筐体は共通となっています。旧型よりサイズがアップしたことにより、大型のグラボを搭載できるようになっています。カラーリングはツヤ消しのブラックで無骨なイメージを演出。BTOメーカーの中でもトップクラスにカッコいいデザインだと思っています。
電源スイッチ、USB類はスライドカバーとなっており、誤操作やホコリの侵入を防ぐことができます。電源ボタンは閉めても触れるという工夫があるのもユニークですよね。
天面は丸みを帯びてインテリアに馴染むスタイルに!でもデバイス類を置きたい人にとっては、フラットのほうがありがたいかもな~なんて思いました。
エアフローはフロント、サイド、底面から吸気し、熱をもちやすい電源部は専用の吸排気ができるチャンバー設計になっています。熱源を分けることで効率的に冷却が行えるというわけです。ケースファンは最大6個搭載可能ですので、冷却面にこだわりたいという人にも良いのではないでしょうか。
スタジオ内での移動を想定しているため、ハンドルやキャスターが標準装備されています。仮にそうしたクリエイターではなくても、デスク下から引き出す際や、パソコンをかつぐ際に上下のハンドルを両手でつかめたりと便利です。
DAIV FX-A5G1B インターフェース
・DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-D×1
・USB2.0×2
・USB3.0×7(前面 Type-A×6 / 背面 Type-C×1)
・ネットワーク×1(背面 2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応(RJ-45)×1)
・Wi-Fi 6E、Bluetooth 5内蔵
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
モデルによって表記内容と異なる場合があります。
CPU Ryzen 5 7600 性能
DAIV FX-A5G1Bに搭載されているRyzen 5 7600は、6コア12スレッドの強力なCPUです。通常は3.8GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大5.1GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 7 7700X | 36459 | 4.5GHz(5.4GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 7600X | 28797 | 4.7GHz(5.3GHz) | 6コア12スレッド | 105W |
Ryzen 5 7600 |
27810 | 3.8GHz(5.1GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-13700 | 40833 | P:2.1GHz(5.2GHz) E:1.5GHz(4.1GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
65W |
Core i5-13400 | 26442 | P:2.5GHz(4.6GHz) E:1.8GHz(3.3GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
65W |
PASSMARKの公開データによると「Ryzen 5 7600は27810」で、Ryzen 5 7600Xとの差は約4%にとどまっています。
ライバルのインテル第13世代Core i5-13400を少し超えるくらいスコアというのも注目していきたいポイントですね。
CPU-Z ベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 7 7700X | 759.3 | 8191.5 |
Ryzen 5 7600 | 716.7 | 5638.1 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 638.5 | 5000.6 |
Core i7-13700 | 827.1 | 11044.3 |
Core i5-13400 | 725.4 | 6425.5 |
シングルスレッドのスコアが716.7、マルチスレッドが5638.1となりました。Ryzen 7 5800Xと比較して、シングル性能は約7%ほど高く、マルチ性能は約20%低いです。
十分高い性能はもっているものの、Core i5-13400と比較すると全体的にスコアを落としてしまうのが気になります。やはりインテル入ってるが強いということでしょうか・・・
CINEBENCH R20 スコア
CPU | シングル | マルチ |
Ryzen 7 7700X | 771 | 7888 |
Ryzen 5 7600 | 715 | 5423 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
Core i7-13700 | 777 | 7407 |
Core i5-13400 | 680 | 5290 |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
CINEBENCH R20のテストでは、シングル717、マルチ5648でした。従来のRyzen 7 5800Xよりもシングル性能は高く、マルチ性能はやや落とす形。全体的に判断すると決して悪くありません。
従来のRyzen CPUはコスパは良かったものの、シングル性能がそこまで高くありませんでした。作業によっては良い結果が見られないこともありましたが、7000番台になって弱点は消えたと印象ですね。(価格は上がってしまいましたが・・)
RAW現像や動画編集といった実作業でどれくらい差が出てくるのか?この後にしっかりと確認していきましょう。
ストレージ性能
ストレージは実測値で5000MB/s程度の読み込み速度でした。この規格としては標準的な速度ですが、パソコンの起動も速く、サクサク快適に動作してくれます。逆にこれ以上の速度を求めても、一般ユーザーには体感レベルでちがいが感じられない可能性が高いですので十分かと思います。
GeForce GTX1650のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV FX-A5G1Bに搭載されているグラフィックはGeForce GTX1650(GDDR6版)です。
ゲーム(FF15)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV FX-A5G1B (GTX1650 GDDR6) |
1920×1080(標準品質) | やや快適(5658) |
DAIV X7 (GTX1660) |
1920×1080(標準品質) | 快適(7441) |
DAIV FX-A5G50 (RTX3050) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8697) |
DAIV Z7 (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4331) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11613) | |
GALLERIA RM5C-R36T (RTX3060Ti) |
3840×2160(標準品質) | 普通(5341) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(12738) |
重量級タイトルのFF15ですが、フルHD標準品質でやや快適という結果になりました。ゲームはフルHDで画質を調整しながら遊べたらOK(画質は気にしない)というライトゲーマー層向けといったところでしょうか。
DAIV FXシリーズ(AMD)には、RTX3050、RTX3060、RTX3060Tiなどを採用したモデルもあるので、スコアを参考にしながら必要な性能を確保してください。
ちなみにRTX3060Ti以上になると一気にゲーミングスコアも向上します!RTX3060TiやRTX3070なら、最新ゲームでも高設定、高フレームレートが期待できます。
・RTX3080搭載!おすすめパソコン
・RTX3070搭載!おすすめパソコン
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RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Ryzen 7 7700X | 2分50秒 |
Ryzen 5 7600 | 3分24秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
Core i7-13700 | 3分24秒 |
Core i5-13400 | 3分45秒 |
Core i7-12700 | 3分13秒 |
Core i5-12400 | 4分06秒 |
Ryzen 5 7600は、3分24秒で処理を完了しました。意外にもCore i5-13400よりも速く処理を完了しました。
従来のRyzen CPUだとインテルCPUに押され気味でしたが、Ryzen 7000番台は同等かそれ以上の処理能力を見せてくれています。乱暴な言い方をしてしまえば、RAW現像目的ならRyzen 5 7600で十分だと思いますし、そのように考える人も多いはずです。
RAW現像はシングル性能が高いと良い結果が出やすい傾向もありますので、従来の3000番台で感じたちょっとした苦手意識も消えているように感じました。
動画の書き出しにかかる時間は?
Resolveを使ったテストです。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
CPU | 処理時間 |
Ryzen 7 7700X×RTX3070 | 2分22秒 |
Ryzen 5 7600×GTX1650 | 3分23秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
Core i7-13700F×RTX4070Ti | 2分55秒 |
Core i5-13400F×RTX3060 | 3分27秒 |
Core i7-12700×RTX3060 |
2分52秒 |
Core i5-12400×RTX3050 | 4分14秒 |
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は3分23秒でした。
書き出し時間だけでみると悪くはないのですが、さすがに高解像データ編集は苦しい印象。こだわった編集を行う人ならもう少しグレードの高いグラボを選ぶほうが無難です。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。マウスコンピューターの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
試しに公式サイトでDAIV FX-A5G1Bの出荷予定日を確認してみると5日程度で出荷が可能となっていました。長期休みなどの時期によっては工場が混んでいる可能性もあるので、急ぎの人は早めの注文をしたほうが良いかもしれません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。→納期を確認する
DAIV FX-A5G1B デメリット
・価格が16→21万円台と大幅にアップ
・CPUクーラーを変更できない
・マウス・キーボードが付属しない
DAIV FX-A5G1Bはしっかりと処理能力で、一般ユーザーが納得して使えるだけのパフォーマンスが備わっています。ただし値段が16→21万円と5万円ほど高くなっており、ミドルクラスにも十分手が届くのがネックです。同じ金額を出すなら高性能な方が良いと考えるのは自然でしょう。
クリエイトモデルらしいこだわり(拡張性)や、国産生産、サポート力があることを踏まえても「もう少し安くできなかったのか・・・」と感じざるを得ません。ただRyzenの性能が上がったことや、競合他社でもRyzen 5 7600搭載で同じような価格で販売されているのもあります。
どうしても欲しいという方は、公式サイトの期間限定セールやアウトレット製品などをチェックしてみてください。通常よりもお安く買えるかもしれません。>公式サイトのセールをチェックする
DAIV FX-A5G1Bはこんな人におすすめ
DAIV FX-A5G1B 感想まとめ
DAIV FX-A5G1Bをレビューしてきました。
Ryzen 5 7600のしっかりとした処理能力を土台に、RAW現像や動画編集も楽しめるデスクトップに仕上がっていると感じました。トップクラスの処理能力という訳ではありませんが、一部のプロを除いて多くのユーザーに受け入れられるモデルだと思います。価格は少ししますがセールなどをうまく活用すれば、納得感のある買い物ができるでしょう。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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