追記※後継モデルが登場しました→新型DAIV 5Pのレビューはこちら
マウスコンピューターのDAIV-5P(NG5520)をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
写真愛好家が集まる日本で最大のイベント「CP+」にも出展したノートパソコンです。つまりRAW現像や写真編集に最適のスペックを持たせたモデルという訳です。CPUには高性能なCore i7を搭載、広色域で忠実な編集作業が可能です。さらに独立グラフィックも搭載しているので、映像編集やゲームも遊べて使い勝手が良いです。
それではマウスコンピューター様よりお借りしたDAIV-NG5520H1-M2SH5を使ってベンチマークスコアをとりながらレビューしています。実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
目次
DAIV 5P(NG5520)シリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV-5P(NG5520)シリーズは、画像・動画・写真・イラストなどのクリエイティブ制作に向けてデザインされたノートパソコンです。
実際に手にしてみると、これまで発売されてきたDAIVのノートパソコンから進化したポイントがいくつも発見でき好印象です。例えばコンパクト化したボディのおかげで持ち運びしやすくなったり、バッテリーライフも長くなったので外での作業がしやすくなりました。もちろんDAIVの精神でもある高い処理能力を有したノートパソコンであるという条件を引き継いだ上でです。
その他にも魅力的に感じたポイントはいくつもありますが、まずはラインナップを確認してみましょう。
DAIV 5P(NG5520)のラインナップ
DAIV 5P(NG5520)シリーズは、CPUにCore i7-9750H、GPUにGeForce GTX1650(4GB)をベースとしています。写真編集やイラストなどの静止画メインなら十分すぎる性能を持たせつつ、メモリやストレージ容量に変化をつける形ですね。全モデルにSSDも搭載されてサクサクですし人気モデルとして定番化していくでしょう。
今回テスト用にお借りしたのはメモリが32GBになっているDAIV-NG5520H1-M2SH5です。CPUとGPUが変更になって、どれくらい高性能になったのか楽しみです!
DAIV-NG5520H1-M2SH5のスペック
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-9750H |
グラフィックス | GeForce GTX 1650(4GB) |
メモリ | 32GB(最大32GB) |
SSD | 512GB NVMe対応 |
HDD | 1TB |
チップセット | インテルHM370チップセット |
動作時間 | 約7.4時間 |
サイズ | 360×243.5×20.3mm |
重量 | 約 2.1kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-9750Hの性能
搭載されているCPUは第8世代のCore i7-9750Hです。6コア12スレッドのCPUで、通常は2.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.5GHzまでオーバークロックします。一般的なノートパソコンとしては上位クラスのCPUと言ってよいでしょう。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9750H | 13734 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8750H |
12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i5-8400 |
11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
Core i7-9750Hはパフォーマンスに優れたCPUだという印象。デスクトップ用のCore i7-8700にせまる性能です。これだけ高性能なCPUならクリエイティブな作業もかなり快適になります。もはやのーとが非力という時代は終わりましたね。デスクトップ並みの性能が持ち運び可能というメリットは多くの人にとってプラスになるはずです。
Core i5-8400に比べるとスレッド数が多いので、動画のレンダリングなどではさらに優位に立つ可能性だってあります。一般的な使い方で不満に感じることはまずないはずです。
実際にデスクトップとノートパソコンを比較した記事もあり、限定的(一般的)な環境では大きな差は生まれないと感じました。大量のRAWデータや、重たいデータを扱うならやはりデスクトップが有利です。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-9750H | 503.0 | 3431.8 |
Core i7-8750H | 468.2 | 2845.8 |
Core i7-7700HQ | 396.1 | 1976.6 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
シングルスレッドのスコアが503.0、マルチスレッドが3431.8となりました。これは十分に高性能なパフォーマンスです。旧世代のCore i7-7700HQと比較すると大きな差が生まれていることに気づきます。デスクトップ用CPUと比較してもほぼ同等のスコアというのはすごいです!マルチスレッドでもかなり近い数値が出ていますね。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは1133でした。
CPU | スコア |
Core i7-9750H | 1133 |
Core i7-8750H | 1026 |
Core i7-7700HQ | 723 |
Core i7-8700K | 1402 |
Core i7-8750Hでも作業には充分な性能を持っていると感じましたが、Core i7-9750Hになったことでより安心感が増した感じがします。テストでは、だいたい1割程度の向上が見られたという結果になりました。
ストレージ性能
Cドライブは512GBの大容量かつ爆速なM.2 NVMe SSDです。Readで1703MB/sの速度というのは、体感的にもサクサク感がちがいます。何してもすぐに反応してくれるというのは使っていて気持ちがいいです!
GeForce GTX1650のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV 5P(NG5520)に搭載されているグラフィックはGeForce GTX1650(4GB)です。GTX1050から更新されたことでグラフィック性能が引き上げられています。
独立のグラフィックが搭載されることで、RAW現像をはじめ写真編集時の快適性になるだけではなく、動画やゲームといったコンテンツへの適正もアップします。グラフィックはRAW現像だけならそこまで優先度は高くないものの、様々な場面で能力を発揮してくれるので独立グラフィック搭載モデルを選んでおくと安心感が強いです。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は117.68fpsでした。GTX1050搭載モデルと比較すると1割ほど良いスコアが出ています。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
GTX1650 | 標準品質(1920×1080) | やや快適(5240) |
GTX1050(4GB) | 普通(3488) |
GTX1650で重量級のFF15を動かしてみました。標準品質のフルHD設定ならやや快適にプレイできるという結果が出ています。GTX1050だと普通を超えることはなかったので、フルHD解像度のデータなら処理の快適性が高まっています。個人的にはまだまだフルHDが主流だと感じているので、このラインの快適性が高まっているのは好印象です。
最新のゲームを高設定で遊ぶという目的には適しませんが、気軽にプレイするくらいなら国内のほとんどのタイトルで可能なはずです。
より高いゲーム性能を求めるのであればRTX2060を搭載したNG5800シリーズがおすすめです⇒DAIV-NG5800レビュー!GeForce RTX2060搭載でRAW現像や動画編集が快適なノートパソコン
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「5分35秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Core i7-9750H | 5分35秒 | |
Core i7-8750H | 6分19秒 | 6分32秒 |
Core i7-7700HQ | 7分34秒 | 7分22秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
表を見てもらえばわかるようにCore i7-9750Hを搭載したNG5520シリーズのRAW現像能力は比較的高いと言えます。
今回のテスト機はメモリ容量も32GBと多く、効率的に処理ができたのも要因かと思いますが、それでもCore i7-8700と同等というのは感心します。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約6分35秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
動画編集能力は決して高いとは言えません。静止画などの編集作業がメインで、たまに簡単な動画編集をするくらいならよいでしょうが期待しすぎるとストレスになるはずです。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが39.2」「エンコード時間が1分03秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」です。さすがに自力ではデスクトップCPUが勝りますね。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
4898 | 8965 | 6453 | 5513 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
結果的には4898で、ノートパソコンとしては高性能な部類に入ります。使っていて特にストレスを感じるシーンもありませんでした。
パソコンはうるさい?静音性は?
今回のテストでは割と負荷のかかる作業にも使いましたが、確かにファンは回るもののうるさくて作業に集中できないということはありませんでした。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
今回NG5510シリーズの日付を確認してみると、3日程度で出荷が可能となっており短納期に向けての努力を感じました。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV 5P(NG5520)を開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
付属品はシンプルで「電源ケーブル」「ACアダプタ」と「納品書」「説明書」などです。
相変わらずACアダプターが大きいのですが、若干コンパクトになった気がします。性能を十分に発揮するために電力の確保は必須ですから仕方がありませんね。
DAIV 5P(NG5520)シリーズになってバッテリーだけで約7時間を超える動作が可能になっています。実際はもう少し短くなるでしょうし1日フルで使うにはまだ足りませんが、プレゼンや打ち合わせといった用途なら電源を確保しなくてもこなせるようになってきた感じがします。気分転換でカフェでの作業なんかも向いています。
外観写真
DAIV 5P(NG5520)の筐体はシルバーをベースとしたスタイリッシュなデザイン。実際は2kgあるのですが薄型ボディのおかげで持ち運びがずいぶんと楽です。これなら外出時の負担も小さくてすみそう。
ベゼルレス仕様で作業に集中できる
DAIV 5P(NG5520)シリーズをスタイリッシュな印象にもっていっているのはナローベゼルの液晶ディスプレイによるところが大きいかと思います。コンパクト化するのはもちろん、視界に目立つものが入らないので作業に没頭できます。
NTSC比 約72%液晶(参考値 sRGB比換算 約102%に相当)の色表現が可能で、より忠実な編集が可能になっています。
パッと見ただけで「これまでのモデルよりも鮮やかでくっきりとした表示がされているな~」と感じました。以前のモデルだと文字の輪郭がややぼんやりと見えたり、一部の色だけが着色されたような印象を持つこともあったので改良があったのは嬉しいです。
これは写真編集などのクリエイト作業を行う人にとってはプラスの要素だと思います。
キーボード周辺の満足度がアップ!
クリエイティブモデルと言っても、テキスト重視の方は多いはずです。僕もブログを書くことがあるので、編集作業のスペックも大切ですがキーボード周辺の使用感というのも大切にしています。
キーボードはいわゆるゴム製のようになり、静かなタイピングが可能で、指への負担も小さくなりました。しかもバックライト付きで七色に光るので好みに合わせて設定も可能です。
これまでのDAIVは編集に必要なスペックばかりを重視していたところもあったように感じますが、DAIV 5P(NG5520)シリーズは印象がガラリと変わり使い心地まで追求されているように感じます。
筐体が黒ベースだと油脂などの汚れが気になってきますが、シルバーなので汚れは目立ちません。またタッチパッドの感度も良く、この記事もマウスなしでの執筆が可能でした。外出時の軽作業ならマウスを減らせそうなので本当に有難いです。
ちょっと独特な配置をしていますが、NG5500シリーズでは小さかったShiftボタンも大きくなりました(笑)
DAIV 5P(NG5520)のインターフェース
・HDMI×1、Mini DisplayPort×2
・USB3.0×3(Type-A/ 右側面×2、Type-C/ 背面×1)
・USB2.0×1
・イーサネット×1(1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45))
・ヘッドフォン出力、マイク入力、カードリーダー
インターフェースも充実しており、プリンターやカラーマネジメントディスプレイなどの外部デバイスとの接続に有利です。SDXCの大容量カードリーダーにも対応しているのが素敵です。
DAIV 5P(NG5520)のデメリット
・低価格モデルでもやや高い
・スペックは高いが持ち歩きにはまだ不十分なバッテリーライフ
総じて満足度の高いDAIV 5P(NG5520)ですが、低価格モデルでも15万円近くするとのは頭がいたいです。パフォーマンスやディスプレイの性能などを考えると安いくらいですが、予算に余裕がないと選びにくいなという印象はあります。
あとは1日フルには持たないバッテリーと、大きいACアダプターのおかげで持ち出して使う意識が削がれがちな点でしょうか?これも高い性能を持たせるためなので致し方ないのですが、翌を言えばもう少し改善されると良いかなと感じます。
処理能力やモバイル性能特化というよりもバランスよくなんでもこなすタイプという印象です。
DAIV 5P(NG5520)シリーズはこんな人におすすめ
- 本格的なRAW現像に使えるノートパソコンが欲しい人
- 重たいゲームもそこそこ遊びたい人
- 外出時でも性能は犠牲にできない人
- スタイリッシュなパソコンが欲しい人
- 高性能なディスプレイを搭載したノートPCが必要な人
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV 5P(NG5520)の感想まとめ
DAIV-NG5520H1-M2SH5を細かくテストしながらレビューしてきました。
印象としては、高性能なCPUとグラフィックボードが搭載されているので、RAW現像、動画編集、ゲームなどあらゆる用途で快適に使えるパソコンに仕上がっています。個人的にはキーボードが好印象で、テキストも快適になったポイント大です。多くの人にとってはスペックも十分でしょうし、総じてバランス感覚に優れたノートPCだと感じました。
しばらく使わせてもらいましたが「これは使い続けたい!」「欲しい!」と思わせてくれる1台だと思いました。実はCP+(カメラのイベント)で初めて見たときは「ふーん」くらいで、それほど期待していなかったのですが(失礼)、使ってみると様々な点で進化を感じられて「良いパソコンだな~」と感じました。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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