マウスコンピューターりクDAIV-NG7700シリーズをレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
写真愛好家が集まる日本で最大のイベント「CP+」にも出展したノートパソコンで、Core i9-9900KとGeForce RTX2080を搭載したモデルです。(Core i7-9700Kもあり)
RAW現像や写真編集だけでなく、動画編集や3Dゲームなどにもバリバリ使っていける性能を備えています。
それではDAIV-NG7700U1-M2SSをレビューしていこうと思います。各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
DAIV 7Nシリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV 7Nシリーズは、画像・動画・写真・イラストなどのクリエイティブ制作に向けてデザインされたノートパソコンです。
そんじょそこらのデスクトップパソコンでは太刀打ちができないスペックモリモリなので、手に入れた人は必ず幸せになれるでしょう。その分価格も40万円くらいからになっていますので高級マシンであることは間違いありません。
製作活動をしているプロカメラマンや、動画クリエイターならいざ知らず、一般の人が趣味で買うにはちょっと敷居が高くなっている感じは受けます。(カメラやレンズならそれくらい平気でつっこんでいるのですが・・・)
今回はCore i9-9900Kにカスタマイズして究極のパソコン体験をしたいと思います(笑)
DAIV 7Nのスペック
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-9700 |
グラフィックス | GeForce RTX 2080 |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD |
動作時間 | 約2.2時間 |
サイズ | 418×295.3×41.5mm |
重量 | 約 4.3kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i9-9900Kの性能
搭載されているCPUは第9世代のCore i9-9900Kです。8コア16スレッドのCPUで、通常は3.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大5.0GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-9900K |
20171 | 3.6GHz(5.0GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Core i7-9700K |
17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i5-8400 |
11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
Core i9-9900Kの性能は、スコアを見てもらってもわかるように圧倒的です。第8世代のCore i7-8700と比較すると1.3倍くらいの差があり、同じ第9世代のCore i7-9700Kと比較しても1.13倍ほど高性能です。
「価格が倍なのに、性能が倍じゃないじゃん」と思われるかもしれませんが、体験してみるとスコア差以上の開きを感じることは補足しておきます。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i9-9900K | 551.6 | 5324.4 |
Core i7-9700K | 566.0 | 4326.4 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
参考までに、僕がこれまでにテストした結果を表にしてみました。Core i9-9900Kはマルチスレッドの数値が高くなっているので、複数の処理を継続的に行うケースで時間の短縮化に貢献してくれるというのが伝わってきます。
大量のRAWデータを扱っている人や、動画を毎日のように編集している人ならCore i9-9900Kの処理能力が有難く感じるはずです。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは1847でした。
CPU | スコア |
Core i9-9900K | 1847 |
Core i7-9700K | 1493 |
Core i7-8700K | 1402 |
Core i9-9900Kのスコアが飛びぬけて見えます。Core i7-9700Kもかなり優秀なCPUなのですが、Core i9-9900Kが1.23倍ほど高スコアになっています。
ストレージ性能
Cドライブは512GBの大容量かつ爆速のNVMe M.2 SSDです。Readで3500MB/sを超えています。SSDも現状ではトップクラスの環境と言ってよいでしょう。
しかも同等のパーツが2基搭載されているのですから、こっちはメイン、こっちはデータ用だから遅いHDDに・・・ということをしなくても良いわけです。ある意味でいい加減に使えてしまうので、羨ましいかぎりです。
GeForce RTX2080のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV 7Nに搭載されているグラフィックはGeForce RTX2080(8GB)です。
ミドルクラスのグラフィックボードですが、実際に使ってみるとその性能は旧製品の上位クラス並みです。もちろん価格はミドル並みなのでお得に高性能なグラフィックが手に入るという訳です。個人的にはこういった製品が大好きです(笑)
CINEBENCHのベンチマーク
結果は158.29fpsでした。
クリエイターモデルとして販売されていて、そこそこ良いものになるとGTX1060 Max-Qが搭載されています。このGPUでも112fpsだったので、RTX2080のすさまじさが垣間見れます。
・・・この後にもっと驚くわけですが・・・・・・・
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
高品質 | 3840×2160 | 普通(4116) |
標準品質 | やや快適(4690) | |
標準品質 | 1920×1080 | 非常に快適(12182) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジーのベンチ結果です。
ベンチソフトの高品質、3840×2160(4K)で普通という結果でした。ちょっと異次元すぎて言葉が出ないですね。さすがに負荷がかかるのかファンが回り、暖かい風を吐き出していました。
少し設定を落とすだけで快適性はグンとあがりますので、ゲーム目的でNG7700を購入するのも全然ありですね!
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分46秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
A機 | B機 | |
Core i9-9900K | 4分46秒 | - |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
Core i5-8400 | 6分08秒 |
表を見てもらえばわかるようにCore i9-9900Kを搭載したNG7700シリーズのRAW現像能力は理想的なくらい高いと言えます。
Core i7-8700を使っている人も多いと思いますが、100枚で1分近くの差がつくことになりますので買換えを考えても良いレベルかと思います。いや・・すごいパソコンは本当になにをさせてもすごいですね。。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約3分50秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
この設定で、4分を切る速度というのは大したものです。実際にちょこちょこっと編集で触ってみましたが、切ったり、繋げたり、色を調整したりといったことなら負荷を感じないくらい快適でした。
動画編集向けのノートパソコンとしても最高クラスと言ってよいでしょう。
参考までにCore i7-9700K×RTX2070の組み合わせのデスクトップパソコンのレビューもあります。
・DAIV DGZ530シリーズレビュー!第9世代CPUとRTX2070の実力はいかに
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが56.1」「エンコード時間が45秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」です。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
6877 | 10266 | 8208 | 10476 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
結果的には6877です。と言うか全てのジャンルですさまじいスコアを叩き出しています。デスクトップでもれくらいの数字を狙うのは容易ではありません。
パソコンはうるさい?静音性は?
今回のテストでは割と負荷のかかる作業にも使ってテストしましたが、さすがにかなりのファンの動作音がします。少なくともカフェで作業をするような静かなパソコンではありません。熱もそれなりに出ますし、近くに物を置くのは慎重にならざるを得ない感じです。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV 7Nを開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
DAIV 7Nの外観写真(写真はNG7700です)
筐体は黒がベースとなっておりDAIVらしい武骨なデザインです。素材的には指紋がやや目立ちやすくなっています。17.3型ということもありますが、さすがに高性能なだけに存在感があります。
ディスプレイ部含めて、薄いという印象は全くありませんね(笑)後から詳しく書きますがインターフェースも充実しています。ACが直線なので背面にスペースを作らないといけません。排熱も結構あるので壁の近くには設置しないほうが無難化と思います。
DAIV 7Nはモバイルノートじゃない
付属品はシンプルで「電源ケーブル」「ACアダプタ」と「納品書」「説明書」などです。
このACアダプターがとてつもなく大きいです。ちょっとしたお弁当箱くらいのサイズで、男性でもお腹がいっぱいになりそうな感じ。少なくとも持ち歩くような代物ではありません。バッテリーだけの駆動時間も約2.2時間と短いので、目的をもって使わないと一瞬で文鎮化します。
Adobe RGB比100%の液晶パネルで製作活動がはかどる
NG7700シリーズのウリはディスプレイにもあります。4K-UHDの解像度は広くて、作業性が確保できます。サムネイルで100枚くらい写真を表示しても余裕があるので、編集ソフトでの作業も快適です。
そしてAdobe RGB比100%というのも魅力で、より生の色に近い画像で画作りを楽しめます。プリントで誤差を感じたりすることがグンと減るはずです。また、外部ディスプレイを別に用意しなくても良いので、資金や設置スペースの節約にもつながります。
ちなみに4K解像度対応のMini DisplayPortも標準搭載になっているので、4画面マルチディスプレイ環境の構築なんかも可能です。
サイズのちがうキーに四苦八苦するキーボード!
キーボードはちょっと気になるというかかなり気になってしまうくらい慎重なタイピングを求められます。ひらがなの入力の時は良いのですが、少し小さくなっている「Enter」や「Shift」「、」「?」なんかもサイズが小さく押しやすいとは言えません。
慣れれば少しは変わってくるかもしれませんので、性能面にメリットを感じる人は気にしすぎる必要もないかと思います。
指紋認証もタッチパッドの左上にあり、初期設定で済ましてしまえば楽チンです。精度もそれなりに高く、自分がテストをしている間に誤作動や認識しないということはありませんでした。
スピーカーの音も良く、変に低音が主張したりということは感じませんでした。音を大きくしても割れないので、よほど音質にこだわりがないなら別にスピーカーを用意しなくても良いかと思います。
DAIV 7Nのインターフェース
・UHS-Ⅱ対応SDカードリーダー
・HDMI×1、Mini DisplayPort×2、USB Type-C×1、Thunderbolt×1
・USB3.0×4(左側面は常時給電対応)
・USB3.1×2(Type-C)
・Thunderbolt 3(USB3.1と共用×1個)
・イーサネット×1((Killer E2500 1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45) )
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
インターフェースも充実しており、プリンターやカラーマネジメントディスプレイなどの外部デバイスとの接続に有利です。高速なThunderbolt 3や、UHS-ⅡのSDカードリーダーが標準搭載なのがナイスです!
DAIV 7Nのデメリット
・超高性能だけど趣味で使うにはオーバースペック!
・モバイルには不向きなサイズとバッテリーライフ
持ち運べるデスクトップと考えれば、NG7700シリーズは魅力的に見えるのですが、いざ自分が持ち運んで使うかと言われるとそれはないかと思います。車での移動が中心で、積んでしまえば後は気にならないのであれば良いけど、自分で持ち運ぶのは筋トレ以外の何物でもありません。
そして一般向けの用途としては、やはりオーバースペックになるようにも感じるので必要性を感じて(これじゃないとダメという思いで)購入するパソコンなのかなと感じます。
使い勝手と性能面では、RTX2060搭載のDAIV 5Nシリーズが優秀だというのが僕の判断です。⇒DAIV 5Nのレビューはコチラ
DAIV 7Nはこんな人におすすめ
- プロとして制作活動をしているクリエイター
- 性能で微塵も妥協ができない人
- 予算に余裕がある人
- 外出先でガチガチの編集作業をする人
- 高性能なディスプレイを搭載したノートPCが必要な人
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV 7Nの感想まとめ
DAIV 7Nを開封しながらスコアをとってきました。
ノートパソコンとしては異常なくらいのスペックで、圧倒的な処理能力が武器のDAIV 7Nですが、使う人を選ぶという印象を持ちました。プロ意識で製作活動にあたっている人が使うパソコンだと思います。そういう人はちょっと妥協したことで作品に影響が出てしまったりもしますからね。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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