DAIV 5Nシリーズをレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
最新のWindows11と第12世代Core i7-12700Hを搭載したことでパフォーマンスが大幅に向上!デスクトップ並みの処理能力を持ち歩けるようになり、高解像度のデータ編集にも最適なモデルになっています。写真、動画編集を行うクリエイターにおすすめできるモデルに仕上がっています。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
目次
DAIV 5N(2022年モデル)の特徴
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV 5Nシリーズは、画像・動画・写真・イラストなどのクリエイティブ制作に向けてデザインされたノートパソコンです。
従来モデルとの大きな違いは以下になるかと思います。
- Core i7-11800H→Core i7-12700H
- WQHD→フルHD
- 1.73kg→2.07kg
2021年モデルからは外観も変更されておりモデルチェンジと呼ぶにふさわしいです。CPU性能は大きく向上し、モニターはフルHDに変更、重量もアップしています。
DAIV 5Nの新旧スペックを比較
DAIV 5Nの新旧でどこが違うかを確認していきます。
型番 | DAIV 5N(旧) | DAIV 5N(新) |
OS | Windows 11 Home 64ビット | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-11800H | Core i7-12700H |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 | |
メモリ | 16GB | 32GB |
SSD | 512GB SSD(NVMe対応) | |
動作時間 | 約6時間 | 約7時間 |
サイズ | 355.5×236.7×19.9 | 359.5×238×24.5 |
重量 | 約1.73kg | 約2.07kg |
詳細 | >公式サイトで確認する |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-12700Hの性能
DAIV 5N(2022年モデル)に搭載されているCPUは、第12世代のCore i7-12700Hです。14コア20スレッドのCPUで、効率的にデータ処理を行います。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700H | 27581 | 2.3GHz(4.7GHz) | 14コア20スレッド | 45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10875H | 15997 | 2.3GHz(5.1GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-9750H |
11427 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-12700 | 32117 | 2.1GHz(4.9GHz) | 12コア20スレッド | 65W |
PASSMARKの公開データによるとCore i7-12700Hは約27000をマークしています。従来モデルと比較すると約27%も高性能化していることになります。
デスクトップ用の最新世代と比較すると見劣りするのは仕方がありませんが、第11世代あたりのデスクトップ用CPUなら引けを取らないほどのスコアです。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700H | 723.7 | 7425.4 |
Core i7-11800H | 618.1 | 5186.6 |
Core i7-10870H | 542.4 | 4900.0 |
Core i7-10875H | 533.1 | 4988.9 |
Core i7-10750H |
503.1 | 3169.5 |
シングルスレッドのスコアが723.7、マルチスレッドが7425.4となりました。従来モデルのCore i7-11800Hと比較するとシングルスレッドが約17%、マルチスレッドに至っては約43%も強化されています。
これにより、高負荷作業でより成果を出せるモデルへと進化していることが伝わってきます。なかなか期待感のあるモデルですね!
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700H | 699 | 5159 |
Core i7-11800H | 582 | 3714 |
Core i7-10870H | 490 | 3869 |
Core i7-10875H | 492 | 3418 |
Core i7-10750H |
465 | 3089 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
CINEBENCH R20でも安定して高いスコアをマークしています。従来モデルのCore i7-11800Hと比較すると、シングルスレッドが約20%、マルチスレッドに至っては約39%も強化されています。
ストレージ性能
512GB NVMe SSDの転送速度は、Readで3100MB/s程度で標準的といったところでしょうか。アプリのインストールもパソコンの起動も高速です。
GeForce RTX3060のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV 5N(2022)に搭載されているグラフィックは、引き続きGeForce RTX3060です。
ミドルクラスのグラフィックボードですが、ゲームや4K動画編集にも対応できるくらい高性能なパーツです。従来モデルから変更になったところでもあり見どころでもあります。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 5N(RTX3060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(3585) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(9609) | |
DAIV 5N(RTX2060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(3299) |
1920×1080(標準品質) | 快適(9044) |
重量級ゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。4K解像度の標準画質で快適に動作します。RTX2060世代から劇的アップとはいかなくても、フルHD領域で6%ほど、4K領域だと9%ほど着実にスコアを更新しています。
より高設定で遊べるもデリになってきています。
RAW現像にかかる時間は?
無料ソフトの「RawTherapee」で現像処理時間をテストを行いました。参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700H | 3分37秒 |
Core i7-11800H | 4分23秒 |
Core i7-10870H | 4分54秒 |
Core i7-10875H | 4分58秒 |
Core i7-9750H |
5分44秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「3分37秒」でした。従来モデルより1分近く処理時間を短縮しているため、より多くの現像作業を行うユーザーには恩恵をもたらしてくれます。
第11世代Core i7-11700を搭載したデスクトップパソコンと比較しても、優位に立つパフォーマンスを実現しています。DAIV 5Nはモバイル性の面でも強みがあるので、外出の多いクリエイターにはかなりおすすめですね。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトResolveを使ってチェックします。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は約4分48秒でした。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV 5N(新) | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分47秒 |
DAIV 5N(旧) | Core i7-11800H×RTX3060 | 4分48秒 |
DAIV 5P(新) | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
DAIV 5P(旧) | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 7分38秒 |
高解像データ編集もしっかり行えるパフォーマンスで、編集作業中や書き出し中にストレスを感じるようなシーンはありませんでした。従来モデルよりも1分近く処理を短縮化しているので、動画クリエイターにもおすすめできるモデルですね。
もしも日常的に4K動画編集をするのであればデスクトップのほうが有利ですので、RTX3060以上を搭載したパソコンを選択すると良いでしょう。
・RTX3060(Ti)搭載のおすすめパソコン
・RTX3070搭載のおすすめパソコン
パソコンはうるさい?静音性は?
DAIV 5Nは、高性能なパーツを搭載しているため静穏性はいまいちです。逆に言えば、しっかりと冷却するためにファンが働いているとも言えます。ブログ執筆などの軽度な作業ではほぼ無音ですが、RAW現像や動画の書き出しなどでは気になるレベルかもしれません。
従来モデルだと発熱が気になり、キーボード上部がホカホカだったのですが、新モデルは少し改善した印象を受けました。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV 5N(2022年モデル)を開封!
DAIV 5Nシリーズの外観写真
DAIV 5N(2022)の筐体はブラウンっぽいカラーとなっており、従来のガンメタシルバーよりもエレガントな印象になりました。指紋や汚れも指紋も目立ちにくいのは良いですね。
薄型コンパクトなイメージがあった従来モデルと比較すると、一般的なサイズになったなという印象。その代わり桁違いのパワーを手に入れました。
DAIV 5Nの付属品やバッテリー駆動時間
付属品はシンプルで「電源ケーブル」「ACアダプタ」と「納品書」「説明書」などです。相変わらずACアダプターは大きいので注意が必要。バッテリー駆動は約7時間なので軽めの作業だったら乗り越えられそう。
ベゼルレス仕様で作業に集中できる
DAIV 5NはsRGB比で100%をカバーし、Web向けの編集作業には十分な色域をもっています。発色もよいですし、黒のしまりや明るさも悪くありません。
個人的にガッカリしたのはモニターの解像度が変更されていることです。WQHDからフルHDに変更されたことで作業効率性が下がってしまいました。RAW現像や動画編集で「フルHDだとせまいな」と感じることが割とあるので残念です。
静かなタイピングが可能なキーボード
テンキーも付属したキーボードは自然な配列ですね。上下や最上部のキーはちょっと小さいですが、打ち心地はソフトで悪くありません。少し前までのDAIVってキーボード配列がかなり特殊というか、個人的にはあまり好きじゃなかったんですが最近はよくなってきています。
DAIV 5Nシリーズのインターフェース
・UHS-Ⅰ対応micro SDカードリーダー
・HDMI×1
・Mini DisplayPort×1
・USB2.0×1(Type-A 左側)
・USB3.0×1(Type-A 左側)
・USB3.1×1(Type-C 背面)
・Thunderbolt 4×1(右側)
・ネットワーク×1(1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45))
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
Type-C端子がThunderbolt 4対応になっているのもポイントです。また立体的な音を再現するDolby Atmosに対応するなどエンタメ感にもこだわっているのが嬉しいです。
DAIV 5N(2022年モデル)のデメリット
・ACアダプターが大きい!
・モニターの解像度が下がった!
処理能力で抜群の強さを見せたDAIV 5Nシリーズですが、排熱問題には割と頭を悩ませるかもしれません。音はヘッドフォンをしてしまえばゲームなんかも楽しめるかと思いますが、モバイル環境では周りへの配慮も必要ですからね。個人的にはモニターの解像度が下がってしまっているのが一番の残念ポイントです。
DAIV 5N(2022年モデル)はこんな人におすすめ
- モバイル環境で闘うクリエイター
- ゲーム、写真。動画など1台でなんでもやりたい人
- 家でも外でも本格的な編集作業をする人
- モニター品質にこだわったノートPCが必要な人
- デスクトップ並の処理能力が必要なユーザー
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV 5N(2022年モデル)の感想まとめ
DAIV 5N(2022年モデル)をレビューしてきました。
もはやデスクトップ並みの処理能力で、高解像データ処理もしっかり行えるパフォーマンスは信頼に値します。モバイル環境で本格的な編集作業をしたい人や、自宅にデスクトップは置けないけど高パフォーマンスノートが必要なんて人におすすめできるモデルだと思いますね。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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