マウスコンピューターのスタンダードデスクトップPC「LUV MACHINES」をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
8コア16スレッドのRyzen 7 3700XとGeForce GTX1660Tiを搭載していながら税別124,800円!最も安いモデルなら税別8万円台からという圧倒的安さが魅力です。
価格的にちょっと考えられないくらい処理能力が高く、RAW現像、3Dゲーム、動画編集などの高負荷な用途でも気持ちよく使えます!僕自身も初めて使うパーツばかりなので、かなりわくわくしています。それではどうぞ!
目次
LUV MACHINES AGシリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのmouse LUV MACHINES AGシリーズは、一般ユーザー向けに低価格で販売されているシリーズです。低価格といっても本当に安いものから、高スペックのものまで幅広いラインナップが用意されています。
今回紹介する製品は、写真・イラスト・ゲーム・動画コンテンツなど多用途に対応できるパソコンです。
CPUにIntel製ではなく、AMDのRyzenを採用することで、価格をグッと抑えることにも成功!かと言って処理能力も高いので、コスパの良さはお墨付きと言ってもよいでしょう。
まずはラインナップを確認してみましょう。
LUV MACHINES AG(Ryzen)シリーズのラインナップ
型番 | 構成 | 税別価格 |
AG400BN-M2S2 | Ryzen 5 3600 / 8GB /GTX1650 / 256GB M.2 SSD | 82,800- |
AG400SN-M2S2 | Ryzen 5 3600X / 8GB /GTX1660 / 256GB M.2 SSD | 97,800- |
AG400XN-M2S5 | Ryzen 7 3600X / 16GB /GTX1660 / 512GB M.2 SSD | 117,800- |
AG400X2N-M2S5 | Ryzen 7 3600X / 16GB /GTX1660Ti / 512GB M.2 SSD | 124,800- |
公式HP | >>詳細を見る |
※表は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
LUV MACHINES AGシリーズは、ミニタワー型のコンパクトなボディにハイスペックを搭載した「小さな巨人」とも言うべきモデルです。
LUV MACHINES(ラヴマシーンズ)というネーミングだけは、如何なものかと思いますが・・それを差し引きしてもコスパの良さが光ります。
後ほど性能チェックの時にも紹介しますが、Ryzen 7 3700XはIntel製CPUの上位クラスに匹敵するほど高性能です。それが12万円台のパソコンに搭載されているというだけで、ちょっと信じ難いです。
超がつくほどお得すぎるので、紹介せずにはいられませんでした(笑)
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Ryzen 7 3700Xの性能
搭載されているCPUは第3世代のRyzen 7 3700Xです。8コア16スレッドのCPUなので、マルチコアが並列処理に効率的に働きます。通常は3.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.4GHzまでオーバークロックします。それでいてTDPは65Wで消費電力も抑えられているのはポイント高しです。
Ryzen CPUの性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 7 3700X | 23907 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 3600 | 20036 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 2700X | 16918 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 7 1700 | 13745 | 3.0GHz(3.7GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 2600 | 13541 | 3.4GHz(3.9GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 3700は「Zen2」アーキテクチャを採用、パフォーマンスの向上のほか、消費電力を抑えることにも成功しています。
Ryzen 7 3700XをRyzen 7 2700Xと比較すると、スコア差で7000以上の開きがあり、約30%性能が向上していることがわかります。Ryzen 7 2700Xもコスパが高かったですが、それ以上となると自然と手が伸びてしまうのも仕方がないかと。
ちなみにIntel製のCore i7-9700Kですとスコアは17696です。最上位クラスのCore i9-9900Kのスコアは20223ですので、Ryzen 7 3700Xの期待値は相当なものだと推測できます。
もはやIntel製CPUの一強時代は終焉に向かっているのかもしれませんね・・・
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i9-9900K | 563.1 | 5552.8 |
Core i7-9700K | 566.0 | 4326.4 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
シングルスレッドのスコアが516.7、マルチスレッドが5560.9となりました。シングルスレッドではIntel製CPUが優位に立つものの、マルチスレッドでは逆転も見られます。
これまではIntel製CPUって良いなーと思っていましたが、こうした数字で見えてしまうとRyzenが欲しくなってしまいますね。12万円台のパソコンというのがまだ信じられない。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは2112でした。
CPU | スコア |
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-9900K | 2051 |
Core i7-9700K | 1493 |
Core i7-8700K | 1402 |
もはや暴力的とも言えるCPUの性能に圧倒されっぱなしです。
ストレージ性能
Cドライブは512GBのM.2 SSDです。SSDとしては一般的な速度でしょうか。このままでもサクサク使えますが、どうせならNVMe M.2 SSDにしてしまっても良いかと思います。
それとデータ保存領域として512GBでは不足すると思うので、HDDも追加しておくとよいでしょう。
GeForce GTX1660Tiのグラフィック性能・ゲームスコア
AG400X2N-M2S5に搭載されているグラフィックはGeForce GTX1660Ti(6GB)です。
ミドルクラスのグラフィックボードですが、実際に使ってみるとその性能は旧製品の上位クラス(GTX1070)並みです。もはやミドルクラスでできることが変わってきているように感じます。
お値段はミドルクラスなのでユーザーにとっては有難いことです。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は157.35fpsでした。
過去にテストした結果ですと、RTX2070が136fps、RTX2060が142fpsでした。今回はちょっと出すぎな気がします・・・
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
標準品質 | 3840×2160 | 普通(3174) |
1920×1080 | 快適(8706) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジーのベンチ結果です。
4K解像度は難しいと思っていましたが、標準画質なら普通という結果に驚きました。今までもミドルクラスのグラフィックなら到達できなかった領域でしょう。とは言え、4Kの領域で過信は禁物、フルHDなら快適に動作するという見方が正しいかと思います。
ちなみにRTX2060だと、4K解像度の標準画質で普通(3782)という結果です。GTX1660Tiは、リアルタイムレイトレーシングやDLSSにも対応していませんし、少しでも余力をもたせたいならRTX2060がよさそうです。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分58秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
A機 | B機 | |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 | |
Core i9-9900K | 3分19秒 | |
Core i7-9700K | 4分56秒 | 4分35秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
Ryzen 7 3700XのRAW現像処理能力は、Core i7-9700Kと同等という結果になりました。CPUのテストではほぼ同等だった、Core i9-9900Kとも差が出ているのが面白いですよね。
「週末に撮影したデータをRAW現像」という感じなら大きな差にならないでしょうが、お仕事で使う人や、一度に千枚とか処理する人ならCPUにはこだわったほうが良いでしょう。多少値がはりますが圧倒的に時間を生み出せるはずです。
>>Core i9-9900K搭載!RAWCOM限定パソコンのレビューはこちら
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約3分33秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
ちなみにCore i9-9900KとQuadro RTX4000の組み合わせで3分58秒です。Quadroの良さは処理能力だけじゃないですが、時間だけでみるとテスト機のほうが優秀ということになります。(ちなみにお値段は2倍以上)
「動画編集がしたい!」「RAW現像も快適にしたい!」「でもお金はかけられない!!!」という場合でも諦めなくて良いというのは本当に希望の星だな。。と感じます。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが57.8」「エンコード時間が43秒」という結果になりました。
参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」です。ここでもRyzen 7 3700Xの強さを見せつけられる結果になりました。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
6242 | 9980 | 7675 | 8618 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
計測結果は6242で、デスクトップパソコンとしても素晴らしい結果になっています。実際に使っていても、特にストレスを感じるシーンもありませんでした。
パソコンはうるさい?静音性は?
高負荷がかかっても煩いと感じるシーンはさほどありませんでした。それよりも気になったのはファンが高回転の「ウィーン」と、低回転の「フゥーン」を一定のリズムで繰り返していたこと。同じ回転数で回るとだめなの?
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
LUV MACHINES AGを開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
LUV MACHINES AGシリーズの外観写真
筐体は黒のシンプルな箱です。特筆すべきようなこだわりや装飾は見当たりません。これだけシンプルだとインテリアとしても主張しませんし、かえって潔く感じます。全体を見渡してもmouseのロゴや、製品シールが貼ってあるくらいです。
フロント側には、電源、USB端子などがあるのでアプローチも容易。
インターフェース
・HDMI×1、DisplayPort×1、DVI-D×1
・USB2.0×2(前面)
・USB3.0×4(左側面は常時給電対応)
・USB3.1×2(ディスプレイと共用)
・ネットワークLAN×1(1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45))
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
インターフェースも一般的なものを準備。個人的には、Type-Cが欲しかったのと、フロントのUSBは2.0じゃないほうが良かったかな・・コストダウンによる影響でしょうか?そういった細かい点まで配慮は感じません。裏に手を回せば良いだけですけどね(笑)
LUV MACHINES AGシリーズの内部写真
デスクトップと言えば、内部の構造が気になるところですよね?
内部はすっきとしており、配線も黒でまとめられているので落ち着きがありますね。メモリスロットにも空きがあるので、後々必要性に応じて追加することもできます。
拡張性は高いとは言えないですが、性能不足を感じてきた頃にパーツを入れ替えるくらいはできそうです。SSDやHDDをガシガシ追加するのは難しいですので、最初に容量を決めてしまったほうが良いかもしれません。
結構大きなCPUクーラーが付いていますね。Ryzen 7 3700Xに付属するものだと思いますが、LEDが光ります。
背面のクーラーは小さめで、スタンダードな構成だとこれしか付いていません。内部のスペースに余裕は感じるので、冷却製を高めるためにフロント側にもつけたいところ。でも、カスタマイズでは対応してくれないんですよね・・残念。(フロントをメッシュパネルにすることは可能)
LUV MACHINES AGのデメリット
・ネーミングがダサい!
性能面では全く不安がない・・どころか大満足のパソコンですが、ラヴマシーンズというネーミングだけは何とかしてほしいところ。友達に「ラブマシーンズ買ったよ」っていう報告、しにくくないですか?(笑)怪しい機械の雰囲気がプンプン漂います。
と言っても、使っていて名前が急にポップアップしてくる訳でもありませんし、置いておくだけなら全く問題ないんですよ。ブランド力に力を割いていない分だけ安いと思えば、まぁ納得という見方もできます。
LUV MACHINES AGシリーズはこんな人におすすめ
- 超絶コスパモデルが欲しい人
- 処理能力の高さを生かしてクリエイティブ作業をしたい人
- フルHD画質でゲームや動画編集に快適さを求める人
- ネーミングやブランドが気にならない人
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
LUV MACHINES AG400X2N-M2S5の感想まとめ
LUV MACHINES AG400X2N-M2S5を開封しながらスコアをとってきました。
拡張性に乏しかったり、ラヴマシーンというネーミングがひっかかりますが、それを補って余りあり過ぎるハイスペックなパソコンです。良い意味で性能に見合わない低価格が魅力なので、予算が限られているけど性能は妥協したくないという欲張りさんにはおすすめです(笑)
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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