デスクトップ版の「GeForce RTX3050」と「GeForce GTX1650」の性能比較をします。
どちらもエントリーよりのモデルではありますが、GeForce RTX3050はDLSSやレイトレーシング技術に対応。さらに性能もミドルクラスに近いものになっていると言われています。では、実際にどの程度性能に差があるのか?をチェックしていくのがこの記事の目的です。
ゲームのベンチスコアはもちろん、写真編集や動画のレンダリングにかかった時間も掲載していますので参考にしてください。
目次
GeForce RTX3050 vs GeForce GTX1650
解説に入っていく前に「GPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「GPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
ちなみにこの記事では、仕様や規格といった情報はあえて紹介しておりません。その代わり「実行速度」をできるだけ重視してお伝えしておりますので参考にしてもらえると嬉しいです。
掲載されたスコアは参考データであり性能を約束するものではございません。
GPUスコア(PASSMARK)
GPU | スコア(PassMark) |
GeForce RTX3060Ti | 19684 |
GeForce RTX3060 | 16616 |
GeForce RTX3050 | 12707 |
GeForce RTX2060 | 13934 |
GeForce GTX1660Ti | 12803 |
GeForce GTX1650 |
7895 |
GeForce RTX3050とGTX1650のスコアを比較すると、約60%もRTX3050が高くなります。
RTX3050はGTX1660Tiに近い性能を持たせたリニューアル版と言ったイメージですので、GTX1650よりは格上という立ち位置になります。DLSSやリアルタイムレイトレーシング技術も使えるため、よりリアルで快適な環境を整えたいのであればRTX3050を選べばよいということになります。
ただし性能的にRTX3050を必要としない人もいるはずですので、そのあたりの線引きを含めて考慮する必要があります。
比較に使ったパソコン
名前 | GALLERIA | DAIV Z5 |
画像 | ||
CPU | Core i5-12400 | Core i7-12700 |
GPU | RTX3050 | GTX1650(GDDR6) |
メモリ | 16GB | 32GB |
ストレージ | 500GB SSD | 512GB SSD+2TB HDD |
価格 | 約15万円~ | 約20万円~ |
レビュー | レビュー記事 | レビュー記事 |
公式サイト |
ドスパラ | mouse |
今回のテストで使ったパソコンの仕様です。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
ゲーム(FF15)のベンチ結果
GPU | 設定 | スコア |
RTX3060 | 3840×2160(標準品質) | 普通(4260) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11440) | |
RTX3050 | 3840×2160(標準品質) | 普通(3160) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8697) | |
GTX1660Ti | 3840×2160(標準品質) | 普通(3046) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8137) | |
GTX1650(GDDR6) | 1920×1080(標準品質) | やや快適(5658) |
RTX3050とGTX1650を比較してみると、フルHDで約54%もの差があります。GTX1650はさすがに4K解像度でのプレイはきついです。
GTX1650は設定を調整して「ゲームを動かす」ことが目的であるのに対し、RTX3050ならちょっと設定を盛ることができます。最新重量級タイトルですとRTX3050は設定次第、GTX1650でのプレイは厳しいなどハッキリとした差があらわれるでしょう。
つまり描画性能を妥協できるのならGTX1650、ある程度しっかりと動かしたいならRTX3050を選択するほうが無難ということになります。
RAW現像で比較
RawTherapeeというソフトを使ってRAWの一括変換150枚にかかった時間を測定します。RAW現像はどちらかと言えばCPU性能が重視される作業ですが、参考までにデータを掲載しておきます。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700 | 3分30秒 |
Core i5-12400 | 4分06秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i5-11400 | 4分45秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
第12世代インテルCPUの性能が高く、旧世代からの性能UPが著しいので処理時間の短縮につながります。入れ替えを行うには良いタイミングだと思うので、日常的に現像作業を行っている人は検討してもらいたいレベルです。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
動画編集ソフトResolveを使って5分程度の4K動画を書き出してみました。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700×RTX3060 | 2分52秒 |
Core i5-12400×RTX3050 | 4分14秒 |
Core i5-11400×RTX3060Ti | 5分39秒 |
Ryzen 5 5600X×GTX1650 | 4分06秒 |
Core i7-12700×GTX1650 |
3分30秒前後? |
動画編集はパーツ構成全体が重要になるので、あくまでも参考程度の結果ととらえてください。
RTX3050、GTX1650を搭載したモデルで4分前後という同じような結果ですが、編集作業中はRTX3050搭載モデルのほうが余裕を感じます。むしろGTX1650で4Kとかはちょっと無茶なので、できたらフルHDクラスの編集作業に抑えておいたほうが良いでしょう。
結論:現状ならRTX3050の一択!
・RTX3050とGTX1650は理論値で約50%もの差がある
・描画性能が必要ならRTX3050のほうが安心
・静止画編集、フルHDクラスならGTX1650もあり
・GeForce GTX1650搭載モデルは取り扱いが少ない
RTX3050とGTX1650を比較していきましたが、性能差は約50%近くと大きいモノでした。しっかりとグレードの差を見せつけており、描画性能を求めるならRTX3050という結果になりました。
重たいゲームはしない、静止画中心、フルHDしか扱わないという人であれば、GTX1650搭載モデルを選択する可能性は見えてきます。ただし、市場でGTX1650搭載モデルを扱っているメーカーが少なくなっているのがネックです。記事執筆時点ですと10万円台から購入が可能でしたが、今後どうなっていくのかは注意していたほうが良いでしょう。
そんな状況ですが、個人的におすすめのモデルをピックアップしてみました。ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
GeForce RTX3050/GTX1650搭載のおすすめパソコン
DAIV A5
CPU | Ryzen 5 5600X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce GTX 1650 |
ストレージ | 256GB NVMe SSD +1TB HDD |
DAIV Aシリーズでエントリークラスに位置しますが、CPUにはRyzen 5 5600Xが採用されパフォーマンスはクラス以上のものがあります。メモリやストレージ容量も十分で、そのまま購入してもすぐに使えるくらいです。写真編集や動画編集も快適なイチオシモデルです。
ドスパラ GALLERIA RM5C-R35
CPU | Core i5-12400 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3050 |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
今回の検証でも登場したドスパラのゲーミングPCです。しっかりと性能が引き出せているだけでなく、静穏性や冷却性にも優れているデスクトップパソコンになります。広い用途に対応できますのでプライベート利用からビジネスまで使えるモデルに仕上がっていますよ。
ドスパラ raytrek XS
CPU | Core i7-12700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3050 |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
第12世代Core i7-12700を搭載し処理能力を高めたモデルになります。従来より処理を短縮化できますので、日常的に高負荷な処理を行っている人におすすめ。せっかくパソコンを購入するなら処理能力にこだわることで、性能不足による引退を先延ばしにすることが可能です。ただしRTX3060搭載モデル(raytrek XV)も少しの投資で手が届くので、合わせて検討ください。
Legion Tower 5i
Core i5-13400F×RTX3050なら、写真や画像、イラストなどの静止画からフルHDクラスの動画編集も楽しめます。価格も税込14万円台からとリーズナブルで初心者の方やライトユーザーにもおすすめのモデルです。
マウスコンピューター G-Tune PL-B
CPU | Core i5-11400F |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce GTX 1650 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
旧世代CPUのCore i5-11400Fですが、静止画がフルHDクラスのデータを扱うには十分に使っていける性能です。GTX1650を組みわせていますので、ライトゲーム、動画編集、RAW現像などを楽しめます。コンパクトで場所の移動も簡単ですし、友達の家に持っていくなんていう離れ業も可能!価格も12万円台~と良心的です。
フロンティア GXシリーズ(台数限定モデル)
フロンティアのGXシリーズは台数限定セール対象モデルですが、なんと驚きの税込12万円台です!とにかく安くゲームを楽しみたい人におすすめ!!旧CPUにはなりますがフルHDゲーミング中心で、クリエイト作業はあまりしないというなら全く問題はありません。フロンティアは国内生産ですので、品質、サポート面も安心ですよ。
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