パソコンのコアパーツであるCPUに、AMD製のRyzenがあります。Ryzen CPUも第2世代(Zen+)に突入し、コードネームは「Pinnacle Ridge」と改められました。
「Ryzen 7 2700」「Ryzen 5 2600」のいわゆる2000番台と呼ばれていますが、「実際にどこが変わったの?」「性能はあがったの?」という疑問もあるかと思います。
そこで今回は第1世代の「Ryzen 7 1700」と第2世代の「Ryzen 5 2600」を比較していきます。実際にスコアをとったり、写真編集や動画のレンダリングにかかった時間も計測しました。同ラインでの比較はよく見ますが、このような比較はあまり目にしなかったので是非参考にしてください。
目次
Ryzen 7 1700 vs Ryzen 5 2600
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
CPUスコア
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 7 2700X | 16918 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 7 2700 | 15096 | 3.2GHz(4.1GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 7 1700 | 13745 | 3.0GHz(3.7GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 2600X | 14475 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Ryzen 5 2600 | 13541 | 3.4GHz(3.9GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
第2世代で進化したポイント
- プロセスルールが14nm→12nmになった
- 高クロック化した
- より高速なメモリに対応した
一番の特徴はプロセスルールが変更されたことで、これにより高クロック化に成功しています。全体的なクロックが上がったことで、効率的に処理が行えるようになりました。これによりAMDのCPUが、IntelのCPUに脅威をあたえる存在になりつつあります。
CPUスコアを見ると「Ryzen 7 1700が13745」「Ryzen 5 2600が13541」と、ほぼ横並びの性能だということがわかります。グレード的には下でも、新製品は高性能というわけですね。
キャッシュの変更はありませんが「DDR4-2933という高速なメモリに対応している」と言う点も見逃せません。上位モデルのRyzen 7 2700Xのように光らないのが少し残念です(笑)上位モデルが価格が下がったのに対し、このグレードはほぼ据え置きなのも少し残念ですね。
比較に使ったパソコン
名前 | LITTLEGEAR a340PA1 |
NEXTGEAR-MICRO am550SA1 |
画像 | ||
CPU | AMD Ryzen 5 2600 |
AMD Ryzen 7 1700 |
GPU | GeForce GTX1050(2GB) | |
メモリ | 8GB→16GBに変更 | |
SSD | 256GB M.2SSD を追加 | |
HDD | 1TB | |
チップセット | AMD B320 チップセット |
AMD B350 チップセット |
電源 | 500W【80PLUS BRONZE】 | |
詳細 | レビューを見る | レビューを見る |
マウスコンピューター:https://www.mouse-jp.co.jp/ |
CPU以外はできるだけスペックを揃えて比較できました。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Ryzen 5 2600
Ryzen 7 1700
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Ryzen 5 2600 | 436.3 | 3321.4 |
Ryzen 7 1700 | 402.9 | 3948.4 |
CPU-Zのテスト結果では、シングルスレッドではRyzen 5 2600が、マルチスレッドではRyzen 7 1700が高いスコアになっています。コア数が多いからでしょうかね?こういうのはやってみないとわからないので面白い結果です。
CINEBENCH 15のスコア
Ryzen 5 2600
Ryzen 7 1700
Ryzen 5 2600 | 1183 |
Ryzen 7 1700 | 1417 |
CINEBENCHのスコアは約1.19倍の差となりました。以前にテストしたCore i7-8700は1400ほどだったので、Ryzen 7 1700は旧世代とは言え充分に高性能なCPUということがわかります。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
Ryzen 5 2600 | 7分18秒 |
Ryzen 7 1700 | 7分50秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ、Ryzen 5 2600 が30秒速いという結果になりました。予想ではコア数の多いRyzen 7 1700が有利だと思ったのですが、単純に今回使ったソフト(RawTherapee)がクロック数の高さが有利になるソフトなのかもしれません。
150枚でこれだけの差になので、枚数が増えると大きな差になってきます。時間の節約をしたいなら高性能なCPUを選びましょう。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
Ryzen 5 2600 | 4分05秒 |
Ryzen 7 1700 | 3分40秒 |
動画のレンダリングではRyzen 7 1700が25秒速いという結果になりました。こうなってくると「旧世代でも性能が良いRyzen 7 1700」「上位CPUとあまり変わらない性能のRyzen 5 2600」という見方ができて、両方ともにコストパフォーマンスが良いように思えます。
感想
・Ryzen 5 2600 vs Ryzen 7 1700は近い性能
・RAW現像では第2世代のRyzen 5 2600が速い
・動画レンダリングはRyzen 7 1700が速い
・コスパで見ると両方とも優秀!
新旧のCPUでもっと大きな差が出てくるかと思いましたが、ベンチソフトや実際の作業ではどちらも譲らない結果となりました。あまり差が顕著ではないので、どちらのCPUを選んでも後悔はしないという結果になったとも言えるでしょう。
Ryzen搭載のおすすめパソコン
G-Tune LITTLEGEAR a340BA1
CPU | AMD Ryzen 5 2600 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1050 (2GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
今回テストしたRyzen CPU搭載パソコンの中でも、エントリー向けのモデルにあたります。メモリやSSDをカスタマイズで追加すると快適性が高まります。もともと8万円台で販売されていますし、カスタマイズをしても10万円強なので、かなりお得なモデルだと思います。サブマシンとしてもおすすめですね。
G-Tune NEXTGEAR-MICRO am550SA1
CPU | AMD Ryzen 7 1700 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1050 (2GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
Ryzen 7 1700が搭載されてお値段がなんと脅威の7万円台〜という超がつくほどのお買い得モデルです!8コア16スレッドという高性能なCPUを搭載していますし、動画のレンダリングもサクサクでした。安いだけじゃなく、ちょっとグレードの良いパソコンを使いたい人におすすめのパソコンです。
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