パソコンのパーツの中でも最も重要なのが「CPU」です。
写真編集やRAW現像といった、クリエイター向けの作業はCPU負荷が高いのでできるだけ性能の良いパーツを選択しましょう。
今回はAMD製9000番台でも比較的手に入れやすい「Ryzen 5 9600Xの性能やベンチマーク、おすすめのパソコン」を紹介していきたいと思います。
目次
Ryzen 5 9600Xの性能は？
| 名称 | スコア | クロック（OB） | コア（スレッド）数 | TDP |
| Ryzen 7 9700X | 37249 | 3.8GHz（5.5GHz） | 8コア16スレッド | 65W |
| Ryzen 5 9600X | 30081 | 3.9GHz（5.4GHz） | 6コア12スレッド | 65W |
| Ryzen 7 7700X | 36459 | 4.5GHz（5.4GHz） | 8コア16スレッド | 105W |
| Ryzen 5 7600X | 28797 | 4.7GHz（5.3GHz） | 6コア12スレッド | 105W |
| Ryzen 7 5700X |
27090 | 3.4GHz（4.6GHz） | 8コア16スレッド | 65W |
| Core i7-14700K |
53512 | P:3.4GHz（5.6GHz） E:2.5GHz（4.3GHz） |
20コア28スレッド (P:8コア/E:12コア) |
125W |
| Core i5-14400F | 25728 | P:2.5GHz（4.7GHz） E:1.8GHz（3.5GHz） |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
65W |
| Core i7-12700 | 32117 | 2.1GHz（4.9GHz） | 12コア20スレッド | 65W |
Ryzen 5 9600Xは、8コア12スレッドのCPUです。通常は3.9GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大5.4GHzまでオーバークロックします。
PASSMARKの公開データによると「Ryzen 5 9600Xは30081」となっており、従来のRyzen 5 7600Xを約5％上回るスコアです。スコアの上昇はおだやかですがTDPが65Wに抑えられているため発熱や消費電力の面で有利です。
ライバルのインテルCPUと比較すると、Core i5-14400より高いスコアをマークしていますし、第12世代Core i7に迫るほどのパフォーマンスとあれば期待感は高まります。このクラスとしては高めの性能が期待できるでしょう。
パーツの選び方がピンとこない方については「パソコン・スペックの選び方」という記事で解説しているので参考にして下さい。
CPU-Z
| CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
| Ryzen 7 9700X | 865.6 | 8536.1 |
| Ryzen 5 9600X | 830.2 | 6574.1 |
| Ryzen 7 7800X3D | 692.0 | 7354.7 |
| Ryzen 7 7700X | 769.0 | 8115.3 |
| Ryzen 7 5700X | 629.4 | 6183.4 |
| Ryzen 5 4500 | 500.4 | 4239.2 |
| Core i7-14700F | 854.8 | 14014.0 |
シングルスレッドのスコアが830.2、マルチスレッドが6574.1になりました。
シングルスコアが非常に伸びており、上位のRyzen 7 9700Xとの差も僅かです。ゲームであればRyzen X3D系のCPUが有力候補になるでしょうが、このサイトではクリエイト系の作業効率を重視します。マルチスレッドを効かせるような作業を頻繁に行わないのであればRyzen 5 9600Xでも十分だと考えます。
CINEBENCH R20
| CPU | シングル | マルチ |
| Ryzen 7 9700X | 869 | 8123 |
| Ryzen 5 9600X | 851 | 6644 |
| Ryzen 7 7800X3D | 694 | 7006 |
| Ryzen 7 7700X | 775 | 7813 |
| Ryzen 7 5700X | 597 | 5139 |
| Ryzen 5 4500 | 478 | 3511 |
| Core i7-14700F | 809 | 9631 |
CINEBENCH R20のスコアはシングル851、マルチで6644となりました。傾向としてはCPU-Zと似たような形ですが、インテルCore i7-14700Fよりも高いシングルスコアに注目です。ここ最近はインテルCPUがパッとしないところもあるので、さらに需要を伸ばしそうな印象すらあります。
RAW現像
| CPU | 処理時間 |
| Ryzen 7 9700X | 57秒 |
| Ryzen 5 9600X | 1分00秒 |
| Ryzen 7 7800X3D |
1分06秒 |
| Ryzen 7 7700X | 1分11秒 |
| Ryzen 7 5700X | 1分15秒 |
| Ryzen 5 4500 | 1分58秒 |
| Core i7-14700 | 1分03秒 |
約50枚（5GB）のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「1分00秒」でした。
上位CPUのRyzen 7 9700X、Core i7-14700との差はほとんどないに等しいです。写真編集もよほど本格的にやらない限りはボトルネックになることはないはずです。
動画編集
| 構成 | 処理時間 |
| Ryzen 7 9700X×RTX4070S | 2分04秒 |
| Ryzen 5 9600X×RTX4060Ti | 2分39秒 |
| Ryzen 7 7800X3D×RTX4070S | 2分33秒 |
| Ryzen 7 7700X×RTX4070Ti | 2分16秒 |
| Ryzen 7 5700X×RTX4060 |
3分15秒 |
| Core i7-14700F×RTX4060 | 2分31秒 |
約5分間ミラーレスカメラで撮影した4K動画を書き出す時間を測定しています。今回はミドルクラスでも人気がでそうなRyzen 5 9600X×RTX4060Tiの組み合わせでテストを行いましたが、結果は2分39秒とそれなりの結果が出ています。
Ryzen 7 7800X3D×RTX4070Sの組み合わせとほぼ同等の処理を実現できていますし、クリエイト系作業全般で使いやすさを感じるCPUだと思いました。よほどこだわった編集をしない限り不満は出ないはずです。かなりコスパ面は優秀だと感じました。
Ryzen 5 9600Xがおすすめな人
- 処理能力がそこそこ必要な人
- ゲームもクリエイトもする人
- マルチ性能はそこまで求めない人
- コストパフォーマンスを重視する人
Ryzen 5 9600Xはで色々と検証してきましたが、ゲーム用途だけじゃなくクリエイト系作業もしっかりやりたいという人には良さそうなCPUだと感じました。X3D系のCPUもゲームでは魅力的ですが、やはりクリエイト系作業になると脆さを見せることもありますし、万能感やコスパを求めるならRyzen 5 9600Xは良い選択肢になると感じました。
ただし動画編集ではインテルCPU搭載モデルも強いので、合わせて検討するのも手です。
＞Core i7-14700（K）搭載のおすすめパソコン
＞「Ryzen」搭載のおすすめパソコン
Ryzen 5 9600X搭載のおすすめPC
マウスコンピューター G TUNE DG-A5G6T
| CPU | Ryzen 5 9600X |
| メモリ | 16GB |
| グラボ | GeForce RTX 4060Ti |
| ｽﾄﾚｰｼﾞ | 1TB SSD |
今回テストで使用したマウスコンピューターゲーミングブランド「G Tune」の中核を担うモデルです。上位CPUやインテルCPUを食いかねないパフォーマンスを見せてくれましたし、ゲームや写真、動画コンテンツ制作にも強さを発揮します。3年間修理保証や24時間365日サポート付きで安心感も強いです。
マウスコンピューター G TUNE DG-A5G7S
| CPU | Ryzen 5 9600X |
| メモリ | 32GB |
| グラボ | GeForce RTX4070 SUPER |
| ｽﾄﾚｰｼﾞ | 1TB SSD |
先に紹介したモデルの上位モデルにあたります。グラボがRTX4070SUPERになるのでより高いゲーミング性能、描画性能を求める人におすすめです。メモリ容量も多いので動画配信などのマルチタスクにも強さを発揮してくれます。
パソコン工房 iiyama PC LEVEL-R7B6-R96X-LAX
| CPU | Ryzen 5 9600X |
| メモリ | 16GB |
| グラボ | GeForce RTX 3050 |
| ｽﾄﾚｰｼﾞ | 500GB NVMe SSD |
パソコン工房にもRyzen 5 9600X搭載モデルがあります。組み合わされるグラボがRTX3050なので画像などの比較的軽いデータを扱う人向けのモデルになります。
まとめ
・Ryzen 5 9600Xのコスパは抜群！
・シングル性能が大幅強化！
・AMDの勢いが止まらない！
Ryzen 5 9600Xはシングル性能が非常に高く、インテル製CPUを食いかねない存在になっていると思います。ミドルクラスとしては十分以上のパフォーマンスを見せてくれましたし、万能感、コスパでは群を抜いた存在になるかもしれません。ただしBTOでは搭載パソコンがまだ少ないのがネックでお値段も少々お高めなのが残念。もう少し市場に出回ってきてから狙うのが良いかもしれませんね。
もし他のCPUが気になるのであれば「RAW現像・写真編集におすすめのCPUは？」という記事をご覧ください。BTOパソコンショップのキャンペーン・セール情報まとめをご覧いただくとお得なパソコンが見つかるかもしれません。
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