新旧Intel CPUはどれくらい性能差があるのかをチェックします。
対象は「Core i9-11900K」「Core i9-10900K」を比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいがあるのかを見ていきます。
ライバルのRyzen CPUにも登場してもらっているので参考にしてもらえると嬉しいです。それではどうぞ!
目次
Core i9-11900K vs Core i9-10900K
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-11900K | 25579 | 3.5GHz(5.2GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i9-10900K | 23935 | 3.7GHz(5.3GHz) | 10コア20スレッド | 125W |
Core i7-10700K | 19737 | 3.5GHz(4.5GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 9 3900X | 32860 | 3.8GHz(4.6GHz) | 12コア24スレッド | 105W |
Ryzen 7 3700X | 22742 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。Core i9-11900KとCore i9-10900Kのスコアを比較してみると、第11世代のほうが約7%ほど高いスコアです。
わざわざ買い換えるほどの差はないとは思いますが、コア数が減ってもスコアが高くなっているのは進化の証拠ですね。実際にどれくらいの影響があるのか気になります。
比較に使ったパソコン
名前 | G-Tune PP-Z | raytrek ZF |
画像 | ||
CPU | Core i9-11900K | Core i9-10900K |
GPU | RTX3070Ti | RTX3070 |
メモリ | 32GB | |
SSD | 1TB SSD+4TB HDD | 1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
今回はフラッグシップクラスのデスクトップパソコン2台を比較していきます。最近はパーツの供給が安定しないので販売ページで構成が変更になっていればご容赦ください。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i9-11900K
Core i9-10900K
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i9-11900K | 713.5 | 6546.1 |
Core i9-10900K | 620.4 | 7560.2 |
Core i7-10700K | 568.8 | 5629.0 |
Ryzen 9 3900X | 525.5 | 8151.9 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
シングルスレッドではCore i9-11900Kが約15%高く、マルチスレッドではCore i9-10900Kが約15%高くなっています。
シングル性能を重視するか、マルチ性能を重視するか?選択肢が分かれそうですね。
CINEBENCH R20のスコア
Core i9-11900K
Core i9-10900K
CPU | シングル | マルチ |
Core i9-11900K | 645 | 5880 |
Core i9-10900K | 536 | 6376 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
Ryzen 9 3900X | 516 | 7160 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
CINEBENCH R20のスコアでも傾向は変わらず、シングル性能はCore i9-11900Kが高く、マルチ性能はCore i9-10900Kが高くなりました。Ryzenも最近はシングル性能高くなってきているのはトレンドなのでしょうか?
従来ユーザーからすると「有無を言わさず新世代」とならないのが精神的に良いですね(笑)
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Core i9-11900K | 3分56秒 |
Core i9-10900K | 2分58秒 |
Core i7-10700K | 4分30秒 |
Ryzen 9 3900X | 4分52秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 |
RAW現像では、第11世代Core i9-11900KがCore i9-10900Kを1分以上…あれ?逆転している??シングル性能が高いほうが、このテストでは良好な結果を出す傾向にあります。そう考えるとCore i9-11900Kの性能が活かしきれていない印象です。
ちなみにCore i9-9900Kでは3分19秒という結果も出ています。テストで使ったG-Tune PP-Zは、かなり熱をもつ傾向にありましたが、それにしても処理に時間がかかりすぎている気がします。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i9-11900K×RTX3070Ti | 3分24秒 |
Core i9-10900K×RTX3070 | 3分00秒 |
Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT |
3分02秒 |
Ryzen 9 3900X×RTX2070S | 2分56秒 |
動画編集においても、旧世代のCore i9-10900K×RTX3070に負けてしまっている始末。これなら旧世代を選択しても良いじゃないか…と思ってしまいます。
Core i9-11900K vs Core i9-10900K まとめ
・ベンチ性能はCore i9-11900Kが有利
・シングル性能は11世代が15%高く、マルチ性能は10世代が15%高い
・実行速度はCore i9-10900Kが速いという結果に…
・コスパ重視なら旧CPUを選ぶのもあり!
ベンチ結果では、最新世代のCore i9-11900Kの魅力が垣間見れた気がしますが、実行速度は微妙な結果に終わってしまいました。またCore i9-11900Kを使う機会があれば、改めてチェックしたいと思います。
新旧で特性が違うので、シングル性能を重視するか?マルチ性能を重視するか?で選べるのもユーザーとしてはありがたいかもしれません。ただしコストパフォーマンスでは、価格が落ち着きつつある第10世代Core i9-10900Kが上でしょう。うまく選べれば5万円以上安く購入できるようなこともあるのかもしれません。
また今回は触れていませんが、Ryzen CPUも良好な結果を示しています。特に動画編集をするようなビデオクリエイターさん、Youtuberには検討してもらいたいですね。
おすすめパソコン
ドスパラ raytrek ZF
今回のテストでは、旧世代CPUながら実力をしっかり示したデスクトップパソコンです。ドスパラのクリエイターブランド「raytrek」シリーズは、コストパフォーマンスの高さから人気があります。ラインアップも豊富なので初心者から上級者まで納得の1台が見つかります。
G-Tune PP-Z
CPU | Core i9-11900K |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce RTX3070Ti |
ストレージ | 1TB NVMe SSD+4TB HDD |
今回のテスト機の一台です。Core i9-10900Kに押され気味だった印象もありますが、フラッグシップクラスの実力は疑いようもありません。どんな処理を行っても、そこそこ安定して結果を出せていることを忘れてはいけません。RyzenよりもIntel CPUを選びたいという人におすすめのパソコンです。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Core i9-11900F |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3080 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
フロンティアの台数限定セール対象のGBシリーズです。RTX3080搭載で30万円を切っているのでコストパフォーマンス面は優秀でしょう。チェック時は12台限定でしたので売り切れている可能性はありますが、稀に補充が入りますので定期的にチェックしてみてください。
ドスパラ GALLERIA ZA7R-R37
今回は登場していませんが、Ryzen CPUを搭載したデスクトップパソコンも魅力的です。苦手としていたシングル性能を高めて、ゲームやクリエイトへの処理能力も上がっています。人気がありすぎて市場では手に入りにくいCPUなので、いっそBTOで手に入れるのもアリでしょう。
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。