ノートパソコン向けの「Core i7-12650H」と「Core i7-12700H」の性能を比較します。
モバイル向けの第12世代インテルCPUとしては、上位クラスに相当する両者にどれくらい差があるのかを確認します。RAW現像、動画編集などのクリエイティブ作業でのテストがメインになりますが、ベンチマーク結果も載せていますので是非参考にしてください。
ここ最近で主流となっているCPUにも比較対象として登場してもらっています。
目次
Core i7-12650H vs Core i7-12700H
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
第12世代インテルCPUのポイント
- コードネーム「Alder Lake」
- コア数増加により強力な処理能力を得た
- ハイブリッドアーキテクチャを採用
Core i7-12700Hはパフォーマンスを求めるゲーマーやクリエイター向けの上位CPUです。そのひとつ下の立ち位置で、ややグレードを下げたのがCore i7-12650Hなのですが、型番だけではどれくらい差があるのかイマイチわかりません。特にパフォーマンスを気にしないライトユーザーであれば問題ありませんが、こうしたハイクラスのCPU搭載モデルを選ぶ人はそれなりに処理能力を求めているはず。
処理能力や価格などを天秤にかけてしっかり選びたいというのは人の本音の部分だと思います。それではもう少し詳しく解説していきますね。
Core i7-12650H/Core i7-12700Hの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12650H | 24621 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
45W |
Core i5-12500H | 21801 | P:2.5GHz(4.5GHz) E:1.8GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-12650HとCore i7-12700Hのスコアを比較してみると、約12%ほどもCore i7-12700Hが高くなります。コア数やスレッド数も多くなりますので、迷ったらCore i7-12700Hを選択しておけば問題ありません。
かと言って、Core i7-12650Hが悪いか?と言われるとそんなこともなく、行う処理次第では体感差は得られにくいというのが本音です。価格が数万円ちがっていたり、性能面意外のデザイン面なども含めて総合的に判断するならCore i7-12650Hも検討範囲に入ると思います。
比較に使ったパソコン
名前 | raytrek A4-A | mouse K5 |
画像 | ||
CPU | Core i7-12700H | Core i7-12650H |
GPU | Iris Xe | MX550 |
メモリ | 16GB | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD | |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
公式サイト | >チェックする | >チェックする |
マウスコンピューターとドスパラから2モデルを用意して比較を行います。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i7-12650H
Core i7-12700H
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700H | 746.1 | 6370.0 |
Core i7-12650H | 735.9 | 6469.4 |
Core i5-12500H | 717.3 | 6286.0 |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i5-1240P | 687.1 | 4782.7 |
Core i7-11800H | 618.1 | 5186.6 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-12650HとCore i7-12700Hを比較すると、シングル、マルチ性能ともに同等クラスとなりました。
コア数やスレッド数にちがいはありますが、ベンチマークだと大きな差はないんだな・・・というのが素直な印象です。これだけだと物足りないのでもう少し深掘りします。
CINEBENCH
Core i7-12650H
Core i7-12700H
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700H | 687 | 5259 |
Core i7-12650H | 648 | 4281 |
Core i5-12500H | 648 | 4560 |
Core i7-11800H | 582 | 3869 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i7-12650HとCore i7-12700Hを比較すると、シングル性能で約6%、マルチスコアで約23%も差があります。
CPU-Zとは違い、しっかりと結果に差がつく形になりました。高負荷作業を行う場合は、Core i7-12700Hが有利というのは間違いなさそうです。本格的な処理を行うクリエイターさん、ゲーマーを自称する方にはCore i7-12700Hをおすすめします。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-12650H | 3分50秒 |
Core i5-12500H | 3分59秒 |
Core i7-1260P | 4分27秒 |
Core i5-1240P | 4分00秒 |
Core i7-11800H | 4分23秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
まともに処理性能の差が出るRAW現像では、当然のことならがCore i7-12700Hが速くなります。しかしCore i7-12650Hとの差は8秒で、極端な言い方をすれば誤差範囲です。
もちろん大量の現像作業を行うのであればどちらを選ぶかは明確ですが、趣味レベルだったり、週末に少し作業したいという方ならCore i7-12650Hを選択するのも悪くはありません。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
raytrek A4-A | Core i7-12700H×Iris Xe | 9分31秒 |
mouse K7 | Core i7-12700H×GTX1650 | 4分06秒 |
mouse K5 | Core i7-12650H×MX550 | 4分15秒 |
G-Tune P5 | Core i5-12500H×GTX1650 | 3分54秒 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
Core i7-12700Hを搭載したraytrek A4-Aは、10分近くも処理に時間がかかってしまいました・・さすがに4Kの編集作業ともなるとCPU内臓グラフィックで作業を行うには無理があります。
Core i7-12700H×MX550搭載のmouse K5が4分15秒と検討しています。ただしこれも補助的なグラボになりますので、動画編集を考えているならRTX3050以上をおすすめします。フルHDクラスの処理なら出来ないこともないですが、将来的に物足りなさを感じる可能性が高いです。
Core i7-12650H vs Core i7-12700H まとめ
・Core i7-12700Hが最大20%ほど優秀!
・こだわりがないならCore i7-12650Hでも十分
・ベンチ、実作業での差はそれほど大きくない
・動画編集するならグラボ搭載機を!
第12世代CPUの中でも比較的上位モデルの2つを比較しました。迷ったらCore i7-12700Hを選べば間違いありませんが、RAW現像や一部のベンチマーク結果は大差ないという結果です。体感的にも正直違いを感じるほどではありませんでした。
処理能力やベンチ結果をシビアに求めるならCore i7-12700Hですが、上を見たらきりがありませんしCore i7-12650H搭載モデルにも良い製品はたくさんあります。後々気になりそうだからという人は、Core i7-12700Hにしておけば安心というのは間違いありません。>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
ドスパラ raytrek A4-A
約1.3kgの軽量なボディーに14コア20スレッドのCPUを搭載。アルミニウム製の高品質なシャーシ、モニターはsRGBカバー率99%、おまけでThunderboltまでついて16万円台!Core i7-12700Hが気になるならこのモデルがおすすめ!
マウスコンピューター mouse K5
今回の検証で使ったのが何を隠そうこちらのモデル!マウスコンピューターの中でも高い人気を誇っており、人気ランキング常連になるほどです。価格は15万円台ですがセールで13万円台あたりも狙えることもあります。性能、価格などバランスの良い製品なのでコスパを重視する方に選んで欲しいです。
ドスパラ raytrek R5-AA5
Core i7-12700H×RTX3050の組み合わせなので、描画性能はそこそこといったところ。目的がゲームや4K解像度の動画編集じゃないよという人なら性能は足りるでしょう。sRGBカバー率99%の性格なモニターを採用しているので、RAW現像などの利用におすすめですね。
Legion 570i(82RB00HVJP)
15.6型WQHDモニターを採用したスタンダードなゲーミングパソコンです。第12世代Core i7-12700H×RTX3060の組み合わせならゲームも快適ですし、高解像データ編集も視野に入ります。最新世代が投入されたことで新鮮味は薄いですが、最新世代にもくいついていける性能はもっています。この構成で12万円台は本当にお得!
マウスコンピューター DAIV Z6
16型WQXGA(2560×1600)モニターを採用しながらも、重量を約1.64kgに抑えた意欲的なモデルです。パフォーマンス面の心配は全くなく、モバイル性をフルに生かした活動が行えます。バッテリー駆動時間は約11.5時間、ACアダプターもコンパクト、PD対応など利便性も兼ねそろえています。
ASUS TUF Dash F15
ASUSのTuf Dashシリーズは、従来からコスパモンスターだと勝手に感じているモデルです(笑)このパーツ構成で14万円台で販売されているので、ほどよく性能が高いゲーミングノートパソコンが欲しい人におすすめ。ASUSは魅力的なモデルを多数用意しているので、一度ASUS公式サイトをチェックしておくと良いことあるかもしれません。
Dell NEW ALIENWARE X14 プラチナ
CNC機械加工のアルミニウム、マグネシウム合金、ステンレス製の素材の独自な組み合わせを採用した14インチのゲーミングパソコンです。軽さと耐久性を備えながら、パフォーマンスもしっかり引き出せるのが特徴です。時間や場所にとらわれたくないクリエイターやゲーマーにおすすめです!
ASUS TUF Gaming F17/F15
ASUSのTuf Gamingシリーズはコスパが魅力のモデルです。このパーツ構成で18万円台で販売されていますが、セール時期にうまくハマれば15万円前後というのも確認済みです。最新モデルかつ高性能なパソコンが安く手に入る可能性もあるのでASUSは一度チェックすると良いことあるかもしれません。
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