インテル第10世代CPUが登場!Ryzen CPUとどれくらい差があるのかをチェックします。
対象は「Ryzen 7 3700X」と「Core i7-10700(K)」を比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいがあるのかを見ていきます。
Ryzen 9 3900XやCore i7-9700KあたりのCPUにも登場してもらっているので参考にしてもらえると嬉しいです。それではどうぞ!
目次
Ryzen 7 3700X vs Core i7-10700(K)
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-10900X | 23120 | 3.7GHz(4.7GHz) | 10コア20スレッド | 165W |
Core i7-10700K | 19737 | 3.5GHz(4.5GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i7-9700K | 14650 | 3.0GHz(4.7GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Ryzen 9 3900X | 32860 | 3.8GHz(4.6GHz) | 12コア24スレッド | 105W |
Ryzen 7 3700X | 22742 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
Ryzen 7 3700XとCore i7-10700Kのスコアを比較してみると、Ryzenのほうが約15%ほど高いスコアです。
第9世代CPUからスレッド数が増え、Ryzen 7 3700Xと同じ8コア16スレッドになっています。定格クロック数ではRyzenが高く、オーバークロックではIntelが高くなっています。この辺りがどのように影響してくるのかが気になります。
Core i7-10700KはTDPが125Wとなっており、やや燃費が悪いような印象も受けてしまいますね。搭載する電源に注意したいところです。
ベンチスコアでだいたいの性能がわかったところで、もう少し実機を使ったテストで比較していきます。
比較に使ったパソコン
名前 | G-Tune HN-Z | LUV MACHINES AG |
画像 | ||
CPU | Core i7-10700K | Ryzen 7 3700X |
GPU | RTX2070 SUPER | GTX1660Ti |
メモリ | 16GB | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD+2TB HDD | 512GB SSD |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
マウスコンピューターより2モデルをお借りして比較していきます。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Ryzen 7 3700X
Core i7-10700K
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 9 3900X | 525.5 | 8151.9 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i9-10900X | 517.7 | 5870.2 |
Core i7-10700K | 568.8 | 5629.0 |
シングルスレッドではCore i7-10700Kの圧勝ですが、マルチスレッドではRyzen 7 3700Xと同等のスコアになっています。それぞれの得意分野がはっきりしてくる印象でしたが、CPU-ZのスコアではIntel有利ということになりますね。
CINEBENCH 15のスコア
Ryzen 7 3700X
Core i7-10700K
CPU | スコア |
Ryzen 9 3900X | 3232 |
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-10900X | 2290 |
Core i7-10700K | 2045 |
CINEBENCHのスコアでは、Ryzen 7 3700Xが若干上回りました。どちらも一歩も譲らない面白い比較になってきました。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | A機 |
Ryzen 9 3900X | 4分52秒 |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 |
Core i9-10900X | 4分40秒 |
Core i7-10700K | 4分30秒 |
Core i7-9700K | 4分43秒 |
RAW現像ではCPU性能がとても大切になる作業です。これまで数々のパソコンをレビューしてきた体感的なことを言うと、比較的インテルCPUのほうが良い結果を出す傾向にあります。その傾向は第10世代になっても変わらない印象。
Core i7-10700KがRyzen 7 3700Xよりも30秒ほど処理を速く終えました。150枚のテストでこの結果ですから、大量のRAW現像を行う人ならその差は決して小さくありません。Intel CPUを選択することで大幅な時間節約につながるはずです。
それにしても第9世代のCore i9を凌ぐ結果というのはすごいですね・・・写真編集が主な目的であれば、現行のIntel CPUを選択する価値は大いにありそうです。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
製品 | 構成 | タイム |
G-Tune HN-Z | Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
LUV MACHINES AG | Ryzen 7 3700X×GTX1660Ti | 3分33秒 |
動画編集においては両PCの結果は同等です。グラボが有利な分だけIntelが圧倒するかと思いましたが意外や意外・・・Ryzenが健闘しているという見方ができるかと思います。
CPU単体の価格的で見るとCore i7-10700Kが約4.3万円、Ryzen 7 3700Xが約4万円です。これはなかなかに悩ましい状況になっています。。忘れてはいけないのが消費電力で電源容量に余裕がない場合はCore i7-10700Kは選びにくいのかも?個人的な印象としてはコスパでは若干Ryzenが上回るかなという感じ。
Ryzen 7 3700X vs Core i7-10700K まとめ
・CPU性能(ベンチ結果)はどちらも譲らない好勝負
・実行タイムではインテルが有利
・コスパではRyzen 7 3700Xに分がある!
・Core i7-10700Kは旧世代Core i9並みの性能です!
ベンチ結果ではどちらも譲らない好勝負が見れました。単発的な処理というか瞬発力というか、処理能力面ではややCore i7-10700Kが有利ですね。少しでもスコアを伸ばしたいとか、厳しい条件下で結果を求めるならIntelを選ぶのが良いかも!
一方のRyzenは消費電力にも優れ、後だしのCPUに負けないパフォーマンスを見せてくれました。価格もこなれていますし、BTOパソコンでは安いモデルも多いので予算を抑えたい人はRyzenを選ぶと恩恵が受けられそうな感じがしました。
おすすめパソコン
G-Tune XM-Z
CPU | Core i7-10700K |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX3070 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD+2TB HDD |
今回のテストにも登場したG-Tuneブランドです。安定したテスト結果を出しており、パフォーマンス面でも信頼ができます。より専門的な作業を行ったり、結果を求めるならこのあたりモデルを選びたいところです。グラボもRTX3070ですし、最新ゲームも快適に遊べます。
DAIV A5
CPU | Ryzen 7 3700X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce GTX 1650 SUPER |
ストレージ | 256GB SSD +1TB HDD |
DAIVのデスクトップの中ではエントリーモデルですが、CPUにはRyzen 7 3700Xが採用されています。グラボの性能もそこそこ高いので、写真や動画編集も楽しめます。Core i7-10700K搭載モデルを選ぶと5万円以上高くなるケースも多いので、低予算でしっかり動くパソコンが欲しい人におすすめです。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Core i7-10700F |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2060 SUPER |
ストレージ | 1TB NVMe SSD+2TB HDD |
フロンティアのGAシリーズです。CPU性能に妥協はできるけど、Intelが良いという人には本モデルがおすすめ。30台限定ですがRTX2060 SUPER搭載で税別13万円は破格です!売り切れても補充が入るケースもあるので、定期的なチェックをお忘れなく!
ドスパラ GALLERIA ZA7C-R36T
CPU | Core i7-10700K |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3060Ti |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
新筐体を採用したドスパラのデスクトップです。Core i7-10700K×RTX3060Tiの組み合わせで安定した性能を発揮できるのが特徴。税別16万円台で現実的な価格ですし、高負荷な4K動画編集なども楽しみたいという本格派におすすめのモデルです。
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