インテル第10世代CPUが登場!Ryzen CPUとどれくらい差があるのかをチェックします。
対象は「Ryzen 9 3900X」と「Core i9-10900X」のハイグレードモデルを比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいが生まれるのかを比較していきます。
それではどうぞ!
目次
Ryzen 9 3900X vs Core i9-10900X
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)
Ryzen CPUの性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-10900X | 23618 | 3.7GHz(4.7GHz) | 10コア20スレッド | 165W |
Core i9-9900X | 21873 | 3.5GHz(4.5GHz) | 10コア20スレッド | 165W |
Core i7-9700K | 14612 | 3.0GHz(4.7GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Ryzen 9 3900X | 31950 | 3.8GHz(4.6GHz) | 12コア24スレッド | 105W |
Ryzen 7 3700X | 23907 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
第3世代のRyzenの性能が良すぎて、インテルの座を引きずり落とさんとする勢いなのは皆の知るところです。カウンターパンチとして第10世代CPUが放たれることに期待した人も多かったはず。動作クロックは引きあがり、TurboBoostMax、対応メモリの強化などなどの目新しさもありました。
ところがPASSMARKの公開しているデータによると、Ryzen 9 3900Xのスコアは30000をオーバー!Core i9-10900Xは23000台といまいち振るわないものに・・・しかもTDPが高いのでワッパ(電力効率)もイマイチという遅咲きにしては散々な結果ともいえます。
Ryzen 9 3900XとCore i7-10900Xは35%もRyzenのほうが強力ということになります。このスコアだけで性能すべてが決定づけられる訳ではありませんが、Core i9-10900XのライバルはRyzen 7 3700Xなのかも・・・
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV X7 | DAIV A7 |
画像 | ||
CPU | Core i9-10900X | Ryzen 9 3900X |
GPU | GTX 1660 | RX5700 |
メモリ | 32GB | 16GB |
SSD | 256GB NVMe SSD | 1TB NVMe SSD(Gen4) |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
今回のチェックは、マウスコンピューターのクリエイターブランド「DAIV」より2モデルを選択して比較していきます。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Ryzen 9 3900X
Core i9-10900X
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 9 3900X | 525.5 | 8151.9 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i9-10900X | 517.7 | 5870.2 |
Core i9-9900K | 582.0 | 5755.1 |
シングルスレッド、マルチスレッドともにRyzen 9 3900Xが勝利。特にマルチスレッドはかなりの差をつけられてしまいました。シングルスレッドはインテルが有利かと思いましたがCore i9-10900Xはふるいませんでした。
ベンチマークの結果を見る限りでは、Core i9-10900XのライバルはRyzen 3 3700Xになりそうです。
CINEBENCH 15のスコア
Ryzen 9 3900X
Core i9-10900X
CPU | スコア |
Ryzen 9 3900X | 3232 |
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-10900X | 2290 |
Core i9-9900K | 1983 |
CINEBENCHのスコアでも、Ryzen 9 3900XがCore i9-10900Xに40%の差をつけて勝利しています。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | A機 | B機 |
Ryzen 9 3900X | 4分52秒 | |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 | |
Core i9-10900X | 4分40秒 | |
Core i9-9900K | 4分45秒 | 3分19秒 |
Core i7-9700K | 4分43秒 | 4分56秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ、Core i9-10900Xの処理時間が短くなりました。ついにインテルがAMDに勝利した瞬間です。
アプリ類はインテル時代に最適化されたものが多いので、うまく効率的に処理ができたのかもしれません。とは言え、Core i9-10900X搭載機のメモリ容量が32GBと多かったのが要因である気がしてなりません。
それに加えて10秒程度速くなったところでユーザーにどれくらい恩恵をもたらせるかも謎。ウエディングフォトなどを撮影するクリエイターのように毎日RAW現像しているならともかく・・・という感じがします。
よってRAW現像はイーブンかなと思います。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
製品 | 構成 | タイム |
DAIV X7 | Core i9-10900X×GTX1660 | 3分22秒 |
DAIV A7 | Ryzen 9 3900X×RX5700 | 2分59秒 |
DAIV X7はどちらかと言うと動画よりも静止画にデザインされたパソコンだと思うので、スペック的に上回るDAIV A7が有利というのは仕方がないところ。しっかりと性能差が出ています。
記事執筆時点の価格は、DAIV X7が239,800円、DAIV A7(カスタム)が196,600と数万円もRyzen搭載機が安いです。インテルの信頼性が高いという人は多いと思いますが、安心だけで埋められる差なのか・・ちょっと疑問ですね。
Ryzen 9 3900X vs Core i9-10900X まとめ
・Ryzen 9 3900Xのほうが高性能
・実行タイムではあまり差が出ないこともある
・パーツ構成や価格のバランスも大切
・第10世代Core i9-10900XのライバルはRyzen 7 3700X!
同じ「9」を冠するハイグレードクラスを比較してきました。
結果的にはRyzen 9 3900Xが安定して良い結果を出しており、コスパ、ワッパ、Gen4などの目新しさを含めて勝利したということになります。
性能で見るとCore i9-10900XのライバルはRyzen 7 3700Xになり、こうなるとさらにコスパで差をつけられてしまいます。やや乱暴な言い方をするなら、このラインのCPUを悩んでいる人は現時点でRyzen 9 一択と言ってしまっていいのかもしれません。
おすすめパソコン
DAIV A7
CPU | Ryzen 7 3700X |
メモリ | 16GB |
グラボ | Radeon RX5700 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD(Gen4) |
当記事でも良好な結果を示していた「DAIV A7」です。スタンダード構成でも十分な性能をもつRyzen 7 3700Xですが、Ryzen 9 3900Xにカスタマイズすることで楽しい結果を得ることができます。SSDの速度も圧倒的に速いので忙しい人にもおすすめです。
DAIV X7
CPU | Core i9-10900X |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce GTX1650SUPER |
ストレージ | 256GB NVMe SSD |
第9世代よりも高い処理能力をもった第10世代CPUを搭載。ややコスパに劣るとはいえ、信頼性を重視する人にはこちらのモデルがおすすめです。GTX1650SUPERは従来のミドルクラスに匹敵するくらいの性能です。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Ryzen 9 3900X |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce RTX 2070 SUPER |
ストレージ | 1TB NVMe SSD+2TB HDD |
フロンティアのGAシリーズです。20台限定ですがRTX2070SUPER搭載で税別17万円台と安いです!一瞬で売り切れることも多いフロンティアのセール品ですが、在庫補充が入ることもあるので定期的なチェックをお忘れなく。
ドスパラ raytrek AXR
CPU | Ryzen 9 3900X |
メモリ | 32GB |
グラボ | Radeon RX 5700 XT |
ストレージ | 1TB NVMe SSD(Gen4) |
ドスパラのクリエイターズブランド「raytrek」にもRyzen 9 3900X搭載モデルがあります。グラボはRX5700XTとまさにAMDづくしの1台。価格は税別19万円台となっています。
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