マウスコンピューターより「DAV Z7」をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
第12世代Core i7-12700×RTX3060を搭載しており、クリエイターが求めるパフォーマンスをクリアしています。RAW現像や動画編集といったクリエイティブ作業を快適にこなせ、利便性や拡張性も備わっています。クリエイターからも信頼をよせるスタンダードモデルと言ってよいでしょう。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
目次
DAIV Z7の特徴
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV Z7はミドルユーザー向けのデスクトップPCです。
ミドルユーザー向けとは言え、その対象はクリエイターなので基本的に性能は高めです。高解像度フルサイズカメラのデータ処理や動画編集などで積極的に使いたいモデルです。
インテル第12世代CPUやGeForce RTX3000番台を採用するなど、最新パーツを惜しみなく搭載しているところも特徴の1つと言えるでしょう。無骨なデザインながらハンドルやタイヤを装備し、事務所間の移動や、背面へのアクセスなど利便性の高さも魅力です。
まさに最新を追い求めるクリエイターのためのモデルと言えるでしょう。
DAIV Z7のスペック
型番 | DAIV Z7 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 32GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD + 2TB HDD |
電源 | 700W 【80PLUS BRONZE】 |
サイズ | 約190×490×410 |
重量 | 約11.5kg |
価格 | 252,780円〜 |
リンク | >詳細を見る |
DAIV Zシリーズの中核をなす存在として、構成自体はしっかりしているイメージです。今回お借りしたモデルでは、水冷CPUクーラーやThunderbolt 4拡張カードなどが標準搭載になっており「こだわり」を感じられるモデルでした。(モデルにより異なる可能性があります)
DAIV Z7にはバリエーションが複数存在しており、旧パーツを搭載したモデルやQuadroなどの専門性が高いグラボを搭載しているモデルもあるので選ぶ際には注意してください。
また、この他にもRyzen CPUを採用したDAIV Aシリーズがあり人気があります。→Ryzen 9 3900X搭載!DAIV Aシリーズをレビュー
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
DAIV Z7の外観チェック
DAIVのデスクトップのデザインは共通で、無骨かつ力強いイメージでデザインされています。全体をマット仕様にしていることで指紋も目立ちにくくなっています。
電源スイッチはダイヤル式となっており、車やバイクにキーを刺して点火させるイメージなんだとか。こうした工夫のあるデスクトップは多くありませんので、ちょっと気分が上がりますよね!
フロント部はUSBコネクタ、イヤホンジャックなどの各種デバイスを接続しやすいようになっています。少しだけ斜度をつけているのも「こだわり」なんだとか。
エアフローはフロントとサイド側から吸気し、熱をもちやすいグラフィックに直接風があたるような設計になっています。フロントにはメッシュパネルも付属していますのでホコリの侵入を防ぐ徹底ぶり。
スタジオ内での移動を想定しているため、ハンドルやキャスターが標準装備されています。仮にそうしたクリエイターではなくても、デスク下から引き出す際や、パソコンをかつぐ際に上下のハンドルを両手でつかめたりと便利です。
重量があるモデルなので少し心配ですが、形成部分とつなぎ目には板金補強しているので重量を気にすることなく使っても平気なんだとか。
DAIV Z7のインターフェース
・DisplayPort×3、HDMI×1
・USB2.0×2(背面 Type-A×2)
・USB3.0×6(前面 Type-A×2 / 背面 Type-A×4)
・USB3.2×1(背面 Type-C×1)
・ネットワーク×1(背面 2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応(RJ-45)×1)
・インテル Wi-Fi 6 AX201+ Bluetooth 5
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
モデルによって表記内容と異なる場合があります。
性能レビュー・ベンチマーク
CPU Core i7-12700の性能
DAIV Z7に搭載されているCPUは、第12世代のCore i7-12700です。12コア20スレッドのCPUで、通常は2.1GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.9GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700 | 32117 | 2.1GHz(4.9GHz) | 12コア20スレッド | 65W |
Core i5-12400 |
19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i9-11900K | 25579 | 3.5GHz(5.2GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-11700K | 25090 | 3.7GHz(5.3GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-11700 | 21469 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
PASSMARKの公開データによると「Core i7-12700Kは32117」となっており、従来のCore i9すらあっさり抜き去るスコアです。またライバルの「Ryzen 7 5800X」や「Ryzen 5 5600X」よりも高いスコアなのでインテルCPUを好まれる方にとっては買い時です。
スコアだけで見るならCore i7-11700よりも25%も高く、最新CPUとしてしっかり性能アップを果たしている印象です。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700 | 749.2 | 8889.5 |
Core i5-12400 | 703.6 | 5007.6 |
Core i7-11700 | 659.1 | 6127.0 |
Core i9-11900K | 713.5 | 6546.1 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
シングルスレッドのスコアが749.2、マルチスレッドが8889.5となりました。シングル性能もマルチスレッドも高いスコアでうっかり声が漏れるレベルです(笑)
苦戦を強いられてきたRyzen CPUよりも高いスコアは反逆の狼煙が上がった感じがします。(逆に今後のRyzenの攻勢も楽しみですが)
CINEBENCH R20のスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700 | 726 | 6751 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
Core i9-11900K | 645 | 5880 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
CINEBENCH R20のスコアはシングルで726、マルチで6751となりました。
従来CPUはもとより、ライバルのRyzenを置き去りにするスコアですね。ここ最近ではちょっと見られないくらいの進化を果たしています。第12世代は久々に当たりなのか・・・これは「買い」の予感しかしません!!
RAW現像や動画編集といった実作業でどれくらい差が出てくるのか?この後にしっかりと確認していきましょう。
ストレージ性能
ストレージは実測値で6700MB/s程度の読み込み速度でした。NVMe Gen4×4のSAMSUNG PM9A1を使用しているとあって超高速です。データ転送やゲームの読み込みなんかでちがいを実感できそうです。
GeForce RTX3060のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV Z7に搭載されているグラフィックはGeForce RTX3060です。RTX3060TiやRTX3070とどれくらい性能差があるのか?注目ポイントの1つです。
ゲーム(FF15)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV Z7 (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4331) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11613) | |
GALLERIA RM5C-R36T (RTX3060Ti) |
3840×2160(標準品質) | 普通(5341) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(12738) | |
raytrek ZF (RTX3070) |
3840×2160(標準品質) | 快適(6705) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(16314) |
重量級タイトルのFF15ですが、4K解像度でも普通という結果になりました。ただし上位パーツのRTX3060Tiとの差は大きく、RTX3070に至ってはしっかりとした差がついています。
RTX3060は12GB VRAM搭載で少し余裕があるかと思ったのですが、思ったよりも伸びなかった印象。もちろん普通に遊べるんですが、ゲーミング性能にこだわるなら上位GPUがおすすめかなという印象です。
ちなみにCPUが変わったことでスコアも向上するかと思いましたが誤差レベルです。RTX3060狙いかつゲーミング利用ならCore i7-11700搭載のDAIV Z7でも問題ない印象です。
RTX3060TiやRTX3070なら、最新ゲームでも高設定、高フレームレートが期待できます。
・RTX3080搭載!おすすめパソコン
・RTX3070搭載!おすすめパソコン
・RTX3060Ti搭載!おすすめのパソコン
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700 | 3分13秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i7-10700K | 4分30秒 |
Core i9-11900K | 3分56秒 |
Core i9-10900K | 3分56秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
Ryzen 9 3900X | 4分23秒 |
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「3分13秒」でした。
もう圧倒的ですよね・・第11世代のCore i7-11700からは1分近く短縮していますし、Ryzen 7 5800Xと比較しても30秒ほど速いです。RAW現像をすればするほど差がついてくるので、日常的に現像作業を行うクリエイターは急いで買いましょう!それくらいスゴイ。
「RAW現像といえばIntel」これは間違いじゃなさそうです!
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約2分52秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700×RTX3060 | 2分52秒 |
Core i7-11700×RTX3060 | 4分40秒 |
Core i9-11900K×RTX3070Ti | 3分24秒 |
Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT |
3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
動画編集能力も非常に高く、2分近く作業時間を短縮するなど驚くべき進化を遂げています。
これはストレージの速度も影響している可能性が高いのですが、DAIV Z7の性能を裏付ける結果に変わりはありません。本当になにをさせても優秀ですね!
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。マウスコンピューターの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
DAIV Z7の出荷予定日を確認してみると5日程度で出荷が可能となっていました。年末年始の需要で工場が混んでいる可能性もあるので、急ぎの人は早めの注文をしたほうが良いかもしれません。今年は雪も多いですから・・・
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。→納期を確認する
DAIV Z7のデメリット
・価格が高め
・カスタマイズが選べない
・マウス・キーボードが付属しない
DAIV Z7は存在感のある無骨な筐体でカッコよく、水冷CPUクーラーを搭載するなど本格的なクリエイト作業に耐えるモデルです。第11世代CPUではパッとしない印象もありましたが、一気に最新パソコンらしい仕上がりに感動しました。
ただしCPUやグラボの交換に対応していなかったり、標準構成で25万円という価格は高いと言わざるを得ません。こだわりは感じられるんですが、もう2~3万円安くしてもらえると購入しやすいんですけどね。またマウスやキーボードが付属していないのはもちろん、モニターを購入する必要がある人はさらに費用がかかってしまいます。
DAIV Z7はこんな人におすすめ
DAIV Z7の感想まとめ
DAIV Z7をレビューしてきました。
最新モデルらしいパフォーマンスの高さ、カッコいいシャーシ、安定性、信頼の国産モデルという、まさにスキのないモデルだと思います。価格はちょっと高めですが、それに値する成果を得られデスクトップパソコンだと思いました。自前の自作パソコンではRyzen 7 5800Xを使っていますが、ちょっと乗り換えたくなるレベル・・・本当におすすめできるパソコンですよ!
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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