DAIV 5Pシリーズ(2021年後期モデル)をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
15.6型フルHDモニター採用のボディにCore i7-11800H×RTX3050を搭載したことでパフォーマンスが飛躍的に向上!動画編集やオンラインゲームへの適正が高まっています。従来モデルよりもサイズアップして重たくなってしまいましたが性能面を考えると納得です。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
目次
DAIV 5P(2021年後期モデル)の特徴
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV 5Nシリーズは、画像・動画・写真・イラストなどのクリエイティブ制作に向けてデザインされたノートパソコンです。
従来モデルとの大きな違いは以下になるかと思います。
- Core i7-10750H→Core i7-11800H
- RTX1650Ti→RTX3050
- 1.53kg→1.73kg
- 駆動時間約18.5時間→約9時間
位置づけ的にはエントリー→ミドルクラスへの昇格を果たしたというところでしょうか。
DAIVには軽量モデルも存在していますが、パソコンの高性能に伴いエントリー+モバイルをまかなえるようになってきています。ラインナップ的にどっちつかずになっていたDAIV 5Pがテコ入れされるのは時間の問題だったといっても良いでしょう。
それにしても性能が段違いすぎて、もはや別のシリーズのようになっています。このレビューでは、従来モデルや上位モデルのDAIV 5Nと比較していきます。
DAIV 5Pの新旧スペックを比較
型番 | DAIV 5P(新) | DAIV 5P(旧) |
OS | Windows 10 Home 64ビット | |
CPU | Core i7-11800H | Core i7-10750H |
グラフィックス | RTX3050 | GTX1650Ti |
メモリ | 16GB(最大64GB) | 16GB(最大32GB) |
SSD | 512GB SSD(NVMe対応) | |
動作時間 | 約9時間 | 約18.5時間 |
サイズ | 355.5×236.7×20.6 | 356×233×17.9mm |
重量 | 約1.73kg | 約 1.53kg |
詳細 | >公式サイトでチェック | >公式サイトでチェック |
こうして比較してみるとクラスチェンジしているのがよくわかりますよね。弱点だったシングルメモリもデュアルメモリに変更となっておりパフォーマンス面での心配は無用でしょう。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-11800Hの性能
DAIV 5P(2021年後期モデル)に搭載されているCPUは、第11世代のCore i7-11800Hです。8コア16スレッドのCPUで、通常は2.3GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.6GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10870H | 16195 | 2.2GHz(5.0GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10875H | 15997 | 2.3GHz(5.1GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H |
12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
PASSMARKの公開データによるとCore i7-11800Hのスコアは20000オーバーです。Core i7-10750Hと比較すると約72%高性能化していることになります。
普通に考えて72%の進化って尋常じゃないです(褒め)上位モデルのDAIV 5Nに採用されているのがCore i7-10870Hですからスコアだけなら凌駕してしまっていることに…
Core i7-10750Hでは高解像データ編集に不安を覚えるシーンもありましたが、新しいDAIV 5Pはちょっとちがう。羊の皮をかぶった狼かもしれない(笑)
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-11800H | 623.3 | 5573.0 |
Core i7-10870H | 542.4 | 4900.0 |
Core i7-10875H | 533.1 | 4988.9 |
Core i7-10750H |
503.1 | 3169.5 |
シングルスレッドのスコアが623.3、マルチスレッドが5573.0となりました。従来モデル(Core i7-10750H)よりもシングルスレッドが約24%、マルチスレッドに至っては約76%UPも強化されています。
もはやエントリークラスというレベルではありませんし、上級者が使っても納得できる性能ではないでしょうか。なんなら上位モデルのDAIV5Nに搭載されているCore i7-10870Hよりも高いスコアに…これは事実上の下剋上となるのか?
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-11800H | 581 | 4162 |
Core i7-10870H | 490 | 3869 |
Core i7-10875H | 492 | 3418 |
Core i7-10750H |
465 | 3089 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
CINEBENCH R20でもシングル性能は高いスコアをマーク。マルチ性能もしっかりとスコアを伸ばしています。性能面で言うと安心して使えるといって良いでしょう。
それでも従来モデルに採用されているCore i7-10750Hと比較すると高いスコアですよね。新型DAIV 5Pはかなりの負荷に堪えてくれそうな予感がします。
ストレージ性能
ストレージは512GBのSSD(NVMe対応)です。Readで2000MB/sを超えてくるので、このクラスのパソコンとしては標準的といったところでしょうか。アプリのインストールもパソコンの起動も高速です。
GeForce RTX3050のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV 5P(2021後期モデル)に搭載されているグラフィックはGeForce RTX3050です。
エントリークラスのパーツですが、性能的には従来のミドルクラス程度はあります。フルHDゲーミングや軽めの4K動画編集にも対応できるくはずです。従来のGTX1650Tiと比較すると大幅に性能がアップしているだけに楽しみです。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
DAIV 5P(RTX3050) | 3840×2160(標準品質) | やや重い(2750) |
1920×1080(標準品質) | 快適(7336) | |
DAIV 5P(GTX1650Ti) | 3840×2160(標準品質) | 動作困難(1327) |
1920×1080(標準品質) | 普通(3756) | |
DAIV 5N(RTX3060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(4427) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(10573) |
FF15ではフルHDでも快適にプレイができるという結果になりました。(4Kはやや重い)
従来モデルと比較すると、ざっくり2倍程度のスコアが出ているのは安心材料です。GTX1650Tiでは軽量設定で遊ばないと快適に動作しないゲームも多かったですが、RTX3050になったことで我慢を強いられずに遊べる環境になってきたと感じます。
エントリークラスのグラボでしっかり遊べるのであれば、積極的にゲームを遊びたいと思うユーザーも増えるはずです。ただしDAIV 5Pは20万円に迫る価格がネックです。RTX3050シリーズだけに的を絞れば13万円前後で購入できるモデルもあります。→GeForce RTX3050(Ti)搭載のおすすめパソコン
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分54秒」でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理速度 |
Core i7-11800H | 4分24秒 |
Core i7-10870H | 4分54秒 |
Core i7-10875H | 4分58秒 |
Core i7-10750H |
6分27秒 |
RAW現像はCPU負荷の高い作業、つまりCPUの性能が大きく左右する処理です。ノートパソコンとしてはトップクラスの性能で作業時間の短縮に貢献してくれます。
過去モデル(Core i7-10750H)よりも2分近く短縮化していることを考えると、明らかにグレードが変わったことを印象付けられます。日常的に大量のRAW現像を行うような人なら無理をしてでも選ぶ価値のあるモデルなのかもしれません。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約4分15秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV 5P(新) | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
DAIV 5P(旧) | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 7分38秒 |
DAIV 5N | Core i7-10870H×RTX3060 | 4分36秒 |
本来4K動画編集にはちょっと物足りないスペックだと思いますが、軽めの編集ならこなせそうな印象です。持ち出した先で、ちょっと色味を変えたり、動画をつないだりといった処理ならリアルタイムで行うことができそうです。
とは言え、本格的な4K動画編集は避けたほうが無難です。あくまでもフルHDクラスのデータと戦うパソコンだと思います。
もしも日常的に4K動画編集をしたいのであればRTX3060以上を搭載したパソコンを選択するほうが無難でしょう。デスクトップも視野に入れながら選択してください。
・RTX3060(Ti)搭載のおすすめパソコン
・RTX3070搭載のおすすめパソコン
パソコンはうるさい?静音性は?
DAIV 5Pは、軽めの作業なら気にならないくらい静かですが、高負荷な作業を行うとファンの音が気になりました。作業に集中できないほどではなかったですが、モバイル時に長時間負荷のかかる作業を行うことは考えないほうが良いかもしれません。この辺は、どのパソコンでも共通かもしれませんが・・・
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV 5P(2021年後期モデル)を開封!
DAIV 5Pシリーズの外観写真
※新型DAIV 5Pでは、DAIV 5Nシリーズと共通のシャーシを採用しています。DAIV 5Nの写真を使用していますので一部変更やちがいがあるかもしれませんのでご了承ください。
DAIV 5P(2021年後期モデル)の筐体はシルバーがベースとなっており、従来のブラックよりも明るい印象になりました。指紋や汚れも指紋も目立ちにくくなったのは良いですね。
従来モデルは軽さとバッテリー持ちを生かして長時間の作業するのが得意でしたが、新型はパワフルな処理を得意とします。その分、バッテリー駆動時間は半減していますが、パフォーマンスは倍増しているので納得の範囲だと思います。
DAIV 5Pの付属品やバッテリー駆動時間
付属品はシンプルで「電源ケーブル」「ACアダプタ」と「納品書」「説明書」などです。ACアダプターはやや大きいですがバッテリー駆動時間は約9時間なので、ちょっとした作業なら乗り越えられそうです。
ACアダプターが大きいのでモバイル性にはやや欠けます。
15.6型フルHDモニター
DAIV 5PはsRGB比で100%をカバーし、Web向けの編集作業には十分な色域をもっています。発色も自然ですし写真編集も楽しめる水準だと思います。かなり忠実な編集作業が行えるようになったのではないでしょうか。
ただ、最近のDAIVは色域に対するこだわりが減ってしまっている気がします。昔はエントリークラスなのにAdobe RGB相当なんて面白い製品もあったので、そうしたモデルを再販してほしいですね。
静かなタイピングが可能なキーボード
テンキーも付属した利便性の高いキーボードですが、数字周りはごちゃついてる印象ですね。NUM LKが一瞬迷子になってしまいました(笑)
少し前までのDAIVだとEnter周りがかなり使いづらかったので比較的良い傾向だと思います。打鍵感は軽めですが、しっかりとタイピングできるので個人的には好きな部類ですね。
DAIV 5Pシリーズのインターフェース
・micro SDカードリーダー
・HDMI×1
・USB3.1×2(Type-A )
・USB3.1×2(Type-A /Type-C)
・ネットワーク(2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ-45)/ 背面×1)
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
DAIV 5P(2021年後期モデル)のデメリット
・値段が数万円上がった!
・駆動時間が減った!
・重たくなった
メリットとデメリットは表裏一体なところがありますが、パフォーマンス面を追求したために犠牲になってしまった部分は少なくないですね。
重量が200gほど重たくなったのは性能を考えると許容範囲ですし、性能が倍だからバッテリーもちが半分もなんとなくわかります。しかし価格・・価格はエントリークラスから跳ね上がり、ミドルも超えてミドルハイあたりの20万円弱です。
この金額なら他の選択肢もなくはないので「DAIV 5P」だからという選択ができるのか?少し疑問には感じます。
・予算20万円でおすすめのノートパソコン
・予算15万円でおすすめのノートパソコン
DAIV 5P(2021年後期モデル)はこんな人におすすめ
- モバイル環境での作業が多いカメラマン
- RAW現像、動画編集などを楽しみたい人
- フルHDゲーミングも楽しみたい人
- モニター品質にこだわったノートPCが必要な人
- 予算が20万円前後という人
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV 5P(2021年後期モデル)の感想まとめ
DAIV 5Pをレビューしてきました。
エントリー→ミドルクラスへとクラスチェンジをしっかりと果たしており、上位職についたような高揚感のあるモデルとなっていました。上位モデルのDAIV 5Nを超えかねないパフォーマンスには正直驚きました。RAW現像や動画編集というクリエイト領域をしっかりカバーしているのは好印象です!
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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