タッチパネルに対応した最小クラスのノートパソコン「NEW XPS15 2in1」(9575)をレビューします。(機材貸出元:Dell)
薄型ながらタッチパネル式4Kディスプレイを搭載し、 インテルのCore i7とRadeonグラフィックスを搭載したハイパフォーマンスモデルです。RAW現像や動画編集、ゲームやビデオ視聴などを手軽に楽しめるデザインとなっています。
それでは、各ベンチマークをとりながらレビューしていきたいと思います。
NEW XPS15 2in1の性能
Dell XPS15 2in1シリーズは、15.6型インチ世界最小、最薄をうたったノートパソコンです。処理能力が高いことで評判の、インテルCore i7 CPUとRadeon Vega M専用グラフィックスを1つのチップセットにして搭載しています。ノートパソコンは小型、薄型化するとどうしても性能が犠牲になりがちな傾向にありますが、XPS 15の場合は性能不足に陥ることはそうないということです。
RAW現像をしたり、ゲームもそこそこ遊べます。タッチパネルやアクティブペン付きのモデルもありイラストなどのクリエイティブなシーンにも活用できる万能選手です。
外観デザインもおしゃれで、高級感が漂っています。さらに4KディスプレイはAdobe RGB カバー率100%の高色域と至れり尽くせりとなっています。これだけのスペックの製品ですから、さすがに20万円をこえてきますし簡単には手が出せませんが、割引クーポンが適用できるケースもあります。詳しくは公式ホームページでご確認ください。
Dell XPS15 2in1シリーズのラインナップ
Dell XPS15 2in1シリーズには3種類のラインナップが存在しています。名前からもスペック差は判断できるのですが、なんとなく上下関係がつかみにくいと感じてしまいます。今回お借りしたのは一番ハイスペックなモデルです。
シリーズ | XPS 15 2-in-1 プレミアム | XPS 15 2-in-1 プラチナ | XPS 15 2-in-1 プラチナハイエンド |
CPU | Core i7-8705G | ||
GPU | Radeo RX Vega M GL (4GB) | ||
メモリ | 8GB | 16GB | |
SSD | 256GB M.2 PCIe NVMe SSD | 512GB M.2 2280 PCIe SSD | 1TB M.2 2280 PCIe SSD |
液晶 | 15.6インチ FHD (1920 x 1080) | 15.6インチ 4K Ultra HD (3840 x 2160) | 15.6インチ 4K Ultra HD (3840 x 2160) |
公式HP | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
シリーズの中では最上位なのが、今回のテスト機「プラチナハイエンド」です。全体的にパーツのレベルを落としたものが「プレミアム」になります。
レベルを落としたといっても、GPU搭載ですし、ストレージもSSDですから、シリーズ全体でパフォーマンスは高いことがわかります。
一番安いモデルだと液晶がフルHDでメモリも少ないですし、SSDもちょっと物足りない容量になっています。このクラスのパソコンを買うなら性能に制限をかけるとかえって後悔してしまいそうなので、上位2機種から選ぶのをおすすめします。大容量SSDですし、何と言っても高精細な4Kディスプレイは見比べてしまったら選択から外そうと思わないくらいきれいです。
Dell XPS15 2in1(プラチナハイエンド) のスペック表
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-8705G |
グラフィックス | Radeo RX Vega M GL (4GB) |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB M.2 2280 PCIe SSD |
HDD | – |
液晶 | 15.6インチ 4K Ultra HD (3840 x 2160) |
サイズ | 高さ: 9~16 mm x 幅: 354 mm x 奥行き: 235 mm |
重量 | 約 1.98kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU「 Core i7-8705G」の性能
搭載されているCPUは、プロセッサーとグラフィックスが1つになった「Core i7-8705G」です。始めて使うCPUでしたが、4コア8スレッドですから処理能力にはそこそこ期待できそうです。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i5-9600K | 14444 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア6スレッド | 95W |
Core i5-8500 | 12075 | 3.0GHz(4.1GHz) | 6コア6スレッド | 65W |
Core i5-8400 | 11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
Core i7-8705G | 10025 | 3.1Ghz(4.1Ghz) | 4コア8スレッド | 65W |
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i7-8750H | 449.3 | 3214.5 |
Core i7-8705G | 385.9 | 1837.8 |
シングルスレッドが「385.9」、マルチスレッドがちょっと差をあけられて「1837.8」という結果になりました。参考までにデスクトップのCore i7-8750Hのスコアも載せておきました。
Core i7-8705Gは、ノートパソコンのCPUとしては性能充分ですが、ゴリゴリのRAW現像や動画編集にはちょっと物足りない性能かもしれません。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは633となりました。ちなみデスクトップ用のCore i7-8700では1400程度です。
余程高負荷な処理をかけない限り不満が出ることはありませんし、多くのユーザーにとっては満足のいく数字です。しかしクリエイターが求める性能はどうしても要求が高くなりますので、安心とは言えません。サブで使うならまだしも、僕ならメイン使用は避けますかね。
ストレージ性能
Cドライブ(1TB SSD)のスコア
メインストレージは、これまで色々テストした中でも爆速です。3000MB/sを超える速度を計測することができました。パソコンの起動も、ソフトのインストール、動作などもキビキビしていて気持ちが良かったです。
実は今回ちょっとドキドキしながらテストをしました。というのも以前にテストしたパソコンでは、同じNVMe M.2 SSDを搭載しながら思うような速度が出ていなかったからです。テスト機だからかもしれませんが・・・
Radeo RX Vega M GL (4GB)のグラフィック性能
今回のパソコンに搭載されているグラフィックは「Radeo RX Vega M GL (4GB)」です。CPUとGPUが1つのパッケージなっているため、そこまで性能は高くない気がしますが実際はインテルHDグラフィック630がコアレベルに統合されています。言い換えれば単体GPU扱いに近いということですね。
Radeo RX Vega Mには本機の「GL」とは別に「GH」が存在しています。LはLow、HはHighを表していることからRadeo RX Vega M GLはローエンドモデルになっています。
Radeon RX Vega M GLには「自動切り替え機能」が備っているのですが、ソフトやゲームによっては自動でうまく切り替わってくれない時があります。そこでグラフィックの設定を変えてやる必要があるのですが、どこを触っても見つけることができませんでした・・・大変申し訳ないのですがグラフィックの性能に関しては今回テストできておりません。
こうしたグラフィックが搭載されているモデルにはパフォーマンスの切り替えボタンがついているケースなどもあるのですが、ちょっと素人には優しくない仕様ですね。もしかするとアップデートなどで対応するかもしれません。未確認ですがデスクトップ上で右クリックで設定できるという情報もありました。(僕はできませんでした)
ゲームは遊べる?
ゲームに関しては比較的ライトなドラゴンクエスト10、FF14などはフルHDで最高品質にしても快適に遊べる性能のようです。重たいゲームの代表格であるFF15はかなり設定を落とさないと難しいでしょう。
モバイルも可能なサイズで、ゲームが快適に遊べるなんて良い時代になりましたね。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが23.6」「エンコード時間が1分46秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」という結果ですので、単純に2倍近くの差があることになります。
デルの出荷はどれくらい?
Dellの出荷スケジュールをチェックしてみると、即納モデル以外は以下のようなスケジュールになっているようです。
受注生産のため、通常約2週間(営業日)の納期をいただいております。周辺機器は一部を除き約3-5日でのお届けとなります。
海外のパソコンメーカーだと2週間くらいは普通なのですが、長い気はしますね。
【外観写真】Dell XPS15 2in1を開封!
それでは届いたパソコンを開封していきたいと思います。
さすが高級モデルなだけあって、輸送箱の中に化粧箱が入っていました。こうやって少しづつ開封していくとワクワク感が高まりますよね!
外観写真
カーボンファイバとアルミ削り出し素材の筐体は、パッと見で高級モデルであることがわかります。自宅用としても仕事用としても、外に持ち出して使いたくなるようなデザインです。15型ながら2kgを切ってますので負担が軽いのもグッドポイントですね。
背面には縦にいくつも筋をいれて内部冷却を促しています。特に熱すぎると感じることはありませんでしたね。驚いたことに内蔵されたジャイロセンサと加速度センサでパソコンの状態を判別しているそうです。状態に合わせた温度調整をすることで、膝に置いていても熱くなりすぎない工夫がされています。
ちなみにファンノイズもまったく気になりませんでした。
そして以外にも良かったのが「音質が非常に良い」ことです。両サイドに搭載されているスピーカーからはがれ出る音は、輪郭がはっきりしていて、音自体に厚みがあるように感じました。もっと聞きたくなる音ですので、メインのデスクトップで作業時にはテントモードにして、YouTubeの音楽を垂れ流して使っていました。
ノートパソコンでスピーカーに期待したことなんて皆無でしたが、これからはちょっと真剣に考えてしまいそうです。
4Kディスプレイはクリエイティブ用途にもばっちり!
フルHDの4倍もの情報量を表示できる、15型4K液晶搭載なので視認性に優れていて、文字や写真もみやすいです。全てがくっきり見えますし、ゲームや動画の映像系だと迫力もあって楽しいと思います。
ベゼルも狭く映像に集中できますし、広色域のAdobe RGB カバー率100%を達成していますから、現実に近いリアルな色を見ることができます。映像編集用途で使うなら頼もしいですね!
キーボードやタッチパッドの使い心地は?
キーボードに関しては、使いにくいとか狭いといった印象は持ちませんでした。ごく普通にタイピングをすることができます。タッチパッドはサラサラとしていて気持ちが良いです。ハンドレストは黒で、やや指紋が目立つのがきになるところです。
インターフェース
・2 x Thunderbolt™ 3(電力供給およびDisplayPort対応)(PCI Express Gen 3 x 4レーン)
・2 x USB-C 3.1(電力供給およびDisplayPort対応)
・1 x ヘッドセットジャック
Dell XPS15 2in1シリーズはこんな人におすすめ
- 持ち出せる高性能なパソコンが欲しい人
- パソコンをタブレット変わりに使いたい人
- 手書き(ペン)に対応したパソコンが欲しい人
- RAW現像をサクっとしたい人
- 高性能なディスプレイ搭載パソコンが欲しい人
- 音質にもそれなりにこだわる人
- 動画視聴に最適なパソコンが欲しい人
Dell XPS15 2in1の感想まとめ
「Dell XPS15 2in1 プラチナハイエンド」を開封しながらスコアをとってきましたが、いかがでしたか?
パソコン、タブレットとして使えて、タッチパッドやペンに対応した器用なパソコンです。2in1はシーンによって使い方を変えられますし、イラストや動画視聴といった目的にも向いているかと!
CPU性能がクリエイト作業にやや物足りないのと、グラフィックが謎仕様で筆者には引き出しを全部あけることができなかったのが残念なポイントでしょうか。。
価格を見ると「ゴリゴリの編集作業ができない点」「動画視聴だけにはもったいない性能」と、ちょっとどっちつかずになっていてコスパが悪いような印象も受けました。タブレットとして使うにも少々重たいので、僕ならもう少し手ごろでコンパクトな「Inspiron 2-in-1 5000シリーズ」あたりから選ぶかもしれません。14型ならGPU(MX130)搭載で、8万円台からあります。
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