マウスコンピューターのクリエイター向けのDAIV-DQZ530シリーズをレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
CPUにはCore i9-9900K、GPUにQuadro RTX4000を搭載したモデルです。処理能力を最優先に考えて作られており、RAW現像や写真編集だけでなく、動画編集や3DCG制作などにも最適な性能を備えています。
それではDAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMをレビューしていきます。各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
実は当サイト(RAWCOM)限定で発売されている製品なので、公式ホームページで通常に購入するよりもお得な構成・価格に仕上がっています。ぜひご検討いただけると嬉しいです。
目次
DAIV DQZ530シリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV-DQZ530シリーズは、グラフィックにQuadro RTXを搭載したクリエイター向けのパソコンです。各アプリケーションメーカーからISV認証を受けるなどし、高い安定性を誇るのが魅力です。写真・映像・イラスト・CGなどの制作現場などで信頼を集めている製品だったりします。
筐体にもこだわりぬいており、カスタマイズ性、メンテナンス性はもちろん、冷却性や持ち運びに便利なハンドルとキャスターをつけるなどの利便性も高めてあります。
そんなDQZ530シリーズの魅力に迫る前に、まずはラインナップを確認してみましょう。
DAIV DQZ530シリーズのラインナップ
型番 | DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCM(限定モデル) | DAIV-DQX760U1-M2SH2 |
DAIV-DQX760U2-M2SH5 |
DAIV-DQX760U3-M2SH5 |
CPU | Core i9-9900K | Core i9-9900X | Core i9-9900XE | |
GPU | RTX4000 | RTX5000 | RTX6000 | |
メモリ | 32GB | 64GB | ||
SSD | 512GB NVMe対応 | 256GB NVMe対応 | 512GB NVMe対応 | 512GB NVMe対応 |
HDD | 2TB | |||
価格 | 269,800円(税別) | 574,800円(税別) | 719,800円(税別) | 1,039,800円(税別) |
公式HP | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
※表は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
ざっと見てもらえばわかるように、DAIVのデスクトップパソコンの中でもQuadro RTXを搭載したモデルはフラッグシップ的な位置づけになっています。すべてのモデルがハイスペックに仕上がってはいますが、価格が非常に高く一般向けとは言いにくい側面もありました。
「3DCGに興味があるけど手が出ない」「プロが使っているような環境で勉強したいけど無理だ」という人たちが少なからず存在しました。
そこで当サイトでは、そのような人たちが満足できるようなパソコンを作りたいと考えました。性能を若干落とす方向で調整し(とは言え高性能です)公式サイトで用意されているパソコンの半額程度まで価格を下げることができました。
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMのスペック
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i9-9900K |
グラフィックス | Quadro RTX4000(8GB) |
メモリ | 32GB(最大64GB) |
SSD | 512GB NVMe M.2 SSD |
HDD | 2TB |
チップセット | インテルZ390チップセット |
電源容量 | 700W |
サイズ | 190×490×490(mm) |
重量 | 約 10.3kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i9-9900Kの性能
搭載されているCPUは第9世代のCore i9-9900Kです。8コア16スレッドのCPUで、通常は3.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大5.0GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-9900K | 20212 | 3.6GHz(5.0GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Core i7-9700K |
17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i5-8400 |
11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
Core i9-9900K程の高性能なCPUになると、どんなことをしていても快適だと思えます。実際にしばらく使ってみましたが、肌感覚で違いを感じるほどです。
一般向けの高性能なCPUとしては、Core i7-9700Kあたりになるかと思いますが、Core i9-9900Kのほうが1.5割ほど良いスコアになっています。
この差が、後々のテストにどう影響してくるのか楽しみです。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i9-9900K | 563.1 | 5552.8 |
Core i7-9700K | 566.0 | 4326.4 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
シングルスレッドのスコアが563.1、マルチスレッドが5552.8となりました。
わかりやすいように、過去にテストした別のCPUを搭載した機種のスコアも並べてみました。シングルスレッドが残念ながらCore i7-9700Kと同等ですが、マルチスレッドでは大きく差を開けています。
スコア差で言うと1200以上の開きが出ており、これは約1.28倍に相当します。特に並列処理で有利になってくるため、動画のレンダリングなんかにも期待がかかります。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは2051で、これまで見たこともないような高スコアが飛び出しました。
CPU | スコア |
Core i9-9900K | 2051 |
Core i7-9700K | 1493 |
Core i7-8700K | 1402 |
スコア差の小さな、Core i7-9700KとCore i7-8700Kでもテスト結果はかなり違いましたので、Core i9-9900Kには自然と期待をしてしまいます。実際に処理をかけた時にも、このスコア差が出るようなら時間削減に大きく貢献してくれるはずです。
ストレージ性能
Cドライブは512GBの大容量かつ爆速のNVMe M.2 SSDです。Readで1700MB/sを超える速度を見せてくれました。地味ながらHDDの速度もちょっと良い感じで出ています。
メインストレージでこれだけ高性能なSSDが搭載されていれば、あらゆる面で快適性を得ることができます。HDDはデータ保存領域として活用しましょう。
Quadro RTX4000のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMに搭載されているグラフィックはQuadro RTX4000(8GB)です。RTX2070などと共通のTuring TU106 GPUアーキテクチャベースのようですが、クリエイト系の作業に最適化されています。
また、Quadro RTX4000搭載のデスクトップは、ほとんど・・・というか記事執筆時点ではどこのBTOパソコンメーカーも販売していないため、存在自体が貴重だと思います!
Quadro RTX4000 | 13602 |
Quadro P4000 | 10450 |
Quadro P5000 | 10118 |
いつも参考にしているPassMarkを見てみると、Pascal世代のQuadro P4000、P5000あたりと比較して3割ほど高性能化しています。Quadro P5000の価格を調べてみると単体で25万円(記事執筆時点)なので、それだけでコラボモデルに手が届きそうですね(笑)
CINEBENCHのベンチマーク
結果は248.69fpsでした。
以前にテストしたRTX2070の結果は136.03fpsだったので、ここでも驚くべき結果になっていると言えます。本当にこれだけの差があるのか?体感を得られるのか?多少疑問ではありますが、期待値はうなぎのぼりですね!
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
標準品質 | 3840×2160 | 普通(4007) |
標準品質 | 1920×1080 | とても快適(11076) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジーのベンチ結果です。
4K解像度の標準画質でも普通にプレイが可能で、ゲーム性能としても期待がもてます。正直に言うとゲームにはさほど期待していなかったので、これはうれしい結果です!
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「3分19秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
A機 | B機 | |
Core i9-9900K | 3分19秒 | |
Core i7-9700K | 4分56秒 | 4分35秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
Core i5-8400 | 6分08秒 |
表を見てもらえばわかるようにCore i9-9900Kを搭載した当モデルは、RAW現像能力はトップクラスに高いと言えます。
Core i7-9700Kで5分を切った時には感動を覚えましたが、それよりも1分30秒近く短縮化してます。なんとも凄いことになってきました。日常的に大量のクリエイト作業をしている人なら、ワークバランスが変わるくらいではないでしょうか。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約3分58秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
4分かからずに処理が完了し、パフォーマンスの高さを見せてくれました。
映像だけでなく写真もですが、Quadroの色再現の美しさにも感動を覚えます。これはぜひAdobeRGBを満たすようなディスプレイで環境構築したいところです。自身の作品の世界に没入してしまいましょう!
ちなみにDAIVのデスクトップパソコンで、Core i7-9700K×RTX2060の組み合わせでは4分35秒でした。
>>DAIV DGZ530シリーズレビュー!Core i7-9700K×RTX2060搭載
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが58.6」「エンコード時間が42秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」です。もはやぶっちぎりと言って良い性能・・・すごい。
パソコンはうるさい?静音性は?
今回のテストでは割と負荷のかかる作業にも使いましたが、足元で使っているとうるさいと感じる場面はありませんでした。
当モデルは高性能なCPUを採用しているため、水冷クーラーが標準搭載となっています。CPUの熱を速やかに吸収⇒廃熱することが可能で、内部温度が保たたれるため常に最高のパフォーマンスを発揮することができます。
効率的な冷却性能+物理的なファンの減少により、静音性も良好という訳です。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMを開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
DAIVのデスクトップパソコン外観写真
DAIVのデスクトップパソコンは、基本的にほとんど同じデザインを採用しています。無骨なデザインながら利便性を高めた筐体は、BTOパソコンメーカーの中でもトップクラスのカッコよさだと思っています。
フロント側上部にはハンドル、リア側の下部にはキャスターを採用。10キロ超えの重たいデスクトップパソコンながらも、スタジオ内、家庭内での設置が容易になっています。マットな質感で指紋等が目立たないのも良いです。
付属品
付属品はシンプルで「電源ケーブル」「仕様書」「納品書」「説明書」などです。また、各種変換ケーブルも搭載されています。
インターフェースがDisplayPort中心でHDMIは非搭載です。この変換ケーブルがあるので、ない人でも当日買いに走らなくて済むでしょう。
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMのインターフェース
・USB3.0カードリーダー
・DisplayPort×3、USB Type-C×1
・USB3.0×6(背面×4、前面×2)
・USB3.1×2(Type-A/背面×1、Type-C/背面×1)
・イーサネット×1(1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45))
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等
インターフェースも充実しており、プリンターやカラーマネジメントディスプレイなどの外部デバイスとの接続に有利です。高速なUHS-ⅡのSDカードリーダーが標準搭載なのがナイスです!
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMの内部写真
内部へはネジを2本外すだけでアプローチが可能。パーツや配線、基盤なども黒に統一されています。他のBTOメーカーだと内部の色にこだわっていないことが多く、赤や黄色といった配線が普通です。DAIVはそこにも強いこだわりを見せており、パーツを特注してまで黒にしているそうです。
メモリスロットに空きもあるので増設できますし、不足していると感じたらどうぞ。Quadro RTX4000の占有率も高くありません。
拡張性の高いストレージ
つまむだけでさっと引き抜けるストレージには、空きスロットが4個あります。これだけ拡張できれば、大量のデータもパソコン1台で管理することができそうです。
水冷システムを搭載
水冷システム自体はコンパクトで、他のパーツと干渉しません。メンテナンスフリーになっているので、冷却液の補充や入れ替えも不要とのこと。
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMはこんな人におすすめ
- 積極的に制作活動をしているクリエイター
- ゲームも快適に遊びたい人
- プロフェッショナルな環境構築を目指したい人
- 高度なクリエイティブ作業をする必要がある人
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMの感想まとめ
DAIV-DQZ530H5-M2S2-RCMは、高いパフォーマンスと、それを継続して行える性能になっているのが特徴的です。
プロフェッショナルな環境で学びを深めたい人や、業務用レベルのパソコンをあきらめていた人にぜひとも使ってほしい仕様になっています。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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