ドスパラよりGALLERIA XTをレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
Core i7-9700×GTX1660 SUPERの組み合わせで税別12万円台と価格は抑えめながらパフォーマンスは高い。つまりコスパ抜群のデスクトップPCです。これくらいの性能があればRAW現像や動画編集といった高負荷な作業にも使えそうです。
それでは、各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間などを含めて実機レビューしていこうと思います。
GALLERIA XTの性能
公式HP:https://www.dospara.co.jp
ドスパラのGALLERIA XTは、ミドルクラスにあたるデスクトップPCで高い人気を誇ります。
CPUにはCore i7-900を採用しているので、ゲームだけでなく写真や動画コンテンツ作成といった高負荷な作業にも使えます。グラフィックはGTX1660SUPERなので、フルHD解像度の映像ならほぼ対応できます。
ここ最近はパーツが発売されているからか、構成も色々選べてお値段も抑えられているPCがたくさんある印象があります。テスト機も例にもれず。パフォーマンスが高いのに価格はおさえめという「なんともオイシイ」パソコンになっていると感じました。
GALLERIA XTのスペック
テストで使ったモデルの内部はこんな感じ。スペースに余裕があるのでカスタマイズやメンテナンスも楽だと思います。配線がグラボの下を通っていたり、HDDが中途半端な位置に収まっているのは組み立て効率を優先させた感じなのか?ちょっと気になりました。(実用に問題ないんですけどね)
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-9700 |
グラフィックス | GeForce GTX1660 SUPER |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD |
HDD | 1TB HDD |
液晶 | 650W 静音電源 (80PLUS BRONZE) |
サイズ | 207(幅)×520.7(奥行き)×450.2(高さ) mm |
重量 | 約 13.9kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-9700の性能
搭載されているCPUは第9世代のCore i7-9700です。8コア8スレッドのCPUで、通常は3.0GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.7GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9700K | 14999 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-9700 | 14612 | 3.0GHz(4.7GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Core i7-8700K | 14258 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 13683 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i5-9400 | 9395 | 2.9GHz(4.1GHz) | 6コア6スレッド | 65W |
Core i5-8400 | 9423 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 65W |
Core i7-9700はミドルクラス以上のパソコンに採用されることが多いCPUです。クリエイターモデルとか、ゲーミングモデルなどのパフォーマンスが求められるモデルに搭載されているという意味では信頼性が高いです。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッドのスコアが524.7、マルチスレッドが4126.6となりました。参考までに、僕がこれまでにテストした結果を表にしてみました。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-9700 |
524.7 | 4126.6 |
Core i7-8700 | 397.4 | 3646.1 |
Core i5-9400F | 474.9 | 2689.2 |
Core i5-8400 | 438.7 | 2442.8 |
従来世代のCore i7-8700のシングルスレッドスコアがやたら低いのですが、搭載されているCore i7-9700はさすがの数字といったところです。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは1365でした。
CPU | スコア |
Core i7-9700 |
1365 |
Core i7-8700 | 1405 |
Core i5-9400F | 957 |
Core i5-8400 | 914 |
CINEBENCHの結果を見ると、なぜか従来のCore i7-8700よりも低い結果に・・・テストした個体が暴れていたのかな?よくわからないので、この後テストしていくRAW現像や動画編集で判断していきたいところです。
メーカーさんに確認をとったところ、CINEBENCHはマルチコアのテスト結果に左右されるそうです。8コア8スレッドの9700より6コア12スレッドの8700のほうがスレッド数が多いので異常ではありませんとご回答いただきました。
CINEBENCH R20では3002となっています。
ストレージ性能
Cドライブは512GB NVMe SSD搭載で、読込速度は約1800MB/s、書込速度 950MB/s程度という結果になりました。
NVMe SSDとしては標準的な速度ですが、Intelの660pが採用されていたのが個人的に好印象。放熱用のシールドはついていませんでした。
SSDにすることでPCの起動やソフトの立ち上げが速くなります。まだHDDがメインストレージという人は、そろそろ買い替えたほうがいいかも・・時間は有限ですし使えば使うほど損をしてるかもしれませんよ。
GALLERIA XT(GTX1660SUPER)のグラフィック性能・ゲームスコア
GALLERIA XTに搭載されているグラフィックはGeForce GTX1660 SUPERです。シングルファンのかわいいやつでした。
フルHDでそこそこ快適にゲームを動作させることを目的として作られているので、割と万人におすすめしやすいグラボだったりはします。WQHDとか4Kあたりを求め過ぎなければ(妥協すれば)そこそこ動いちゃいそうな予感はします。はじめてゲーミングPC買おうかなと思っている人にも向いてるんじゃないでしょうか。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は131.20fpsでした。思った以上に伸びた印象ですね。
以前GeForce RTX2060でテストしましたが108fpsという数値が出たこともあります。本来なら格上にあたるグラボよりも良いスコアが出ちゃった感じですね。ベンチソフト1つの結果をそのまま鵜呑みにはできないので、複数テストをするのは大切ですね。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
標準品質 | 3840×2160 | 普通(3087) |
1920×1080 | 快適(8561) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。FFはGeForce系のグラボに最適化されているのでスコアが伸びやすいところもあるのですが、まさか4K解像度で「普通」というスコアを得られるとは思いませんでした。
フルHD解像度なら設定を上げて、きれいなグラフィックでプレイできそうですね。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分40秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Core i7-9700 | 4分40秒 | |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
RAW現像に関してはストレスなく作業に没頭できると言えるほどで、従来よりも1分以上短縮できていることからも作業効率を高められます。写真編集を想定している人は安心して選べると思います。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約5分22秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
書き出しの時間はそこそこという感じ。でもこれ4K解像度での書き出しなんで「スペック的に難しいかな」と思ってたんですよ。
ドスパラの上位モデルにCore i7-9700K×RTX2070を搭載したガレリアXFがあるんですが、この組み合わせでも5分14秒だったんですよね。処理時間にほとんど差がありません。→ガレリアXTのレビューはこちら
気をつけたいのはGTX1660 SUPERのVRAMが6GBなので、凝った4K動画編集には余裕がない感じがします。フルHDなら「ガレリアXT」で問題ありませんが、本格的な4K動画編集は「ガレリアXF」を選択したほうが良いでしょう。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが46.2」「エンコード時間が54秒」という結果になりました。参考までにCore i7-9700Kだと「スコアが49.3」「エンコード時間が51秒」です。あまり目くじらをたてるほどではないですね。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
6244 | 9550 | 8125 | 8513 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
結果は6244で、ミドルクラスなりの性能といった感じですね。使い心地はすごく良いんですけどね。
当モデルは写真や動画編集、ゲームをそこそこの設定で遊びたいという人に最適なモデルだと思います。コストから考えてもパフォーマンスは上を言ってると思うので、安く高性能なパソコンがほしい人にも最適なんじゃないでしょうか。
パソコンはうるさい?静音性は?
内部のスペースが確保されているからか、うるさいと感じることはほぼありませんでした。ゲームを長時間遊んだりしたわけではないので、甘い判断になるかもしれませんが・・・CPUクーラーは静音タイプが標準搭載ですし、上部にはケースファンもついていたので、高い冷却性から音は抑えられていると判断しました。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは納期短縮に力をいれているので、早いモデルだと翌日出荷されます。ガレリアXTも翌日出荷対応モデルになっていますので、すぐパソコンが欲しいという人にも嬉しいですね。
ここ最近は世間的にPC需要が高まっていますので、メーカーによっては1ヶ月待ちなんてこともあるくらいです。急いでいるのにパソコンが手に入らないとお困りの方は、検討する余地ありなのではないでしょうか。
ガレリアXTのインターフェース
背面端子も十分な数が用意されている他、全面にもUSBスロットやカードリーダーが装備されています。
GALLERIA XTのデメリット
・意外と大きなサイズ
・配線が気になる
GALLERIA XTには大きな不満点はありません。意外とサイズが大きいので設置スペースには余裕をもちたいところ。
個人的に気になるのは、やはり配線ですね。取り回しが微妙なので冷却性にも影響が出てそう。僕なら自力で配線を直しそうな気がしますが、ユーザーにとって親切ではないですよね。蓋したらわからないので気にするだけ無駄かもしれませんが・・・
GALLERIA XTはこんな人におすすめ
- 予算が15万円以下の人
- RAW現像や動画編集に使いたい人
- フルHDでゲームを快適に動かしたい人
- 長く使えるPCを探している人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
GALLERIA XTの感想まとめ
GALLERIA XTを色々な角度からテストしてきました。
Core i7-9700×GTX1660 SUPER搭載で、価格以上とも言えるパフォーマンスの高さが最大の魅力。これからRAW現像や動画編集、ゲームやってみようかな?という人にもおすすめしやすいモデルだと感じました。
逆に4K動画編集をしたいとか、ゲームを高設定、高リフレッシュレートでプレイしたいという本格派には上位モデルがおすすめです。
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