パソコン選びで最も大切だといっても過言ではないCPU。今回は2大CPUメーカーの「インテル」と「AMD」を比較します。
RAW現像や、動画のレンダリングにかかった時間を実際に計測して、どちらが写真編集や動画編集に向いているのかを考えます。
それではご覧ください。
目次
比較パソコンのスペック
機種 | DAIV-NG5500H2-M2SH2 | DAIV-DGZ520H1-SH2-RAW | NEXTGEAR-MICRO am550SA1 |
タイプ | ノートパソコン | デスクトップ | デスクトップ |
CPU | Core i7-8700 | Core i7-8700 | AMD Ryzen 7 1700 |
グラフィックス | GeForce GTX1050(4GB) | GeForce GTX1070Ti(8GB) | GeForce GTX1050(2GB) |
メモリ | 16GB | 32GB | 16GB |
SSD | 240 M.2 | 240GB | 256GB M.2 |
HDD | 1TB | 2TB | 1TB |
チップセット | インテルZ370 チップセット | インテルZ370 チップセット | AMD B350 チップセット |
電源 | 700W【80PLUS BRONZE】 | 500W【80PLUS BRONZE】 | |
税別価格 | 14万4800円 | 21万9800円 | 10万7400円(カスタマイズ込み) |
マウスコンピューター:https://www.mouse-jp.co.jp/ |
今回用意したパソコンは3機種です。どれもタイプやスペックが違いますので条件としてはフェアじゃないかもしれません。それでもCPUを比較したことで見えてきたことがあるので参考にはなるかと思います。
DAIV-NG5500H2-M2SH2はノートパソコンですがCPUにはデスクトップ用の「Core i7-8700」が搭載されています。Ryzen CPUが搭載された「NEXTGEAR-MICRO am550SA1」とガチンコ勝負になります。DAIV-DGZ520H1-SH2-RAWは性能的にはだいぶ格上になりますので、どのくらい差となって表れるのか楽しみですね。
CPUスコア
参考までに各CPUのスコアをおさらいしておきましょう。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-8700K | 15846 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 1700 | 13745 | 3.0GHz(3.7GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i5-8400 | 11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
今回テストに使ったCPUは「Core i7-8700」と「Ryzen 7 1700」です。
Core i7-8700は上位CPU
Core i7-8700はRAW現像や動画編集のようなCPUに負荷のかかる目的で使うなら、現時点でベストともいえる選択肢の1つです。その証拠に、どのBTOショップを見ても人気ランキングに必ず食い込んでいるCPUです。旧世代よりもコア数が増え、OB時のクロック数もアップしています。
従来よりも処理能力が高まったことにより信頼性のあるCPUとして扱われています。購入者側からも、販売する側からも扱いやすいというイメージでしょうか。
Ryzen 7 1700はダークホース!?
一方のRyzen CPUは、どのショップを見てもほとんどラインナップがありません。誤解のないように言っておくと、決して人気や実績がないという訳ではありません。ある意味ダークホース的な扱いのCPUです。
スコア的にはインテル製の「Core i7-8700」と「Core i5-8400」の中間あたりです。インテル製のCPUと比較すると、クロック数が低く、コア数は多いというのがわかります。
価格的にはCore i5と同列くらいで扱われる場合もあり、非常に安いのが魅力です。
RAW現像にかかる時間を計測
- 2400万画素一眼レフで撮影
- RAWデータ150枚(約5GB)
- 現像ソフト「RawTherapee5.4」による一括返還
- JPEG品質は90%、高画質
【静止画テスト結果】
機種 | DAIV-NG5500H2-M2SH2 | DAIV-DGZ520H1-SH2-RAW | NEXTGEAR-MICRO am550SA1 |
時間 | 5分56秒 | 5分31秒 | 7分50秒 |
インテル製のCPUを搭載した2機種が速いという結果になりました。CPUスコアを見る限りではRyzen CPUももう少し健闘するかと思いましたが奮いませんでした。
RAWデータ150枚で2分近く差が出てしまっているので、CPU依存率の高いRAW現像ではインテル製のCPUを選ぶのがおすすめということになります。
同じCPUを搭載してメモリ・グラボが高性能でも25秒程しか差が出なかったのも興味深いところです。静止画メインで使うなら、DAIVのノートパソコンがコストパフォーマンスに優れている結果になりました。
DAIV-NG5500H2-M2SH2がコスパ良し!
CPU | Core i7-8700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce GTX 1050 (4GB) |
ストレージ | 240GB M.2 SSD + 1TB HDD |
動画作成にかかる時間を計測
・4K(24P)約5分間のデータ(3.67GB)
・動画ソフトは「Resolve」を使用
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
【動画テスト結果】
機種 | DAIV-NG5500H2-M2SH2 | DAIV-DGZ520H1-SH2-RAW | NEXTGEAR-MICRO am550SA1 |
タイプ | 4分30秒 | 3分27秒 | 3分40秒 |
動画テストでは圧倒的なスペックを誇る、DAIVのデスクトップが最速のタイムを叩き出しています。長時間の動画の処理や、多種のエフェクトを追加するのであればどんどん差が開いていくはずです。動画をメインで使うなら少しでも性能の良いパソコンを選ぶほうが後々公開することはないでしょう。
ここで意外だったのは、Ryzen CPUの健闘ぶりが光り、価格が倍近くのパソコンと10数秒の差にせまる処理能力の高さを見せています。おそらくコア数の多さがこの結果を招いたのでしょう。RAW現像では奮わなかったとはいえ、それを払拭するかのようなテスト結果です。
動画編集をメインで考えている人で、少しでも安くパソコンを買いたいのであればRyzen CPU搭載のパソコンも選択肢としてアリなのではないでしょうか。
G-Tune NEXTGEAR-MICRO am550SA1の健闘が光る!
CPU | AMD Ryzen 7 1700 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1050 (2GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
【結論】一番おすすめのモデルは?
・インテル製のCPUがどのシーンでも安定感がある!
・価格、動画メインで考えているならAMDはダークホースになる!
・RAW現像の一括処理では高性能なグラボは必要ない!
今回はこのようなテスト結果になりました
RAW現像でも動画編集でも安定して結果を出してくれたインテル製のCPUは評価に値するかと思います。あえておすすめを一台上げるのであれば、高性能なDAIVのデスクトップです。理由は動画や写真の編集には負荷がかかるので少しでも良いパソコンを使いたいからです。性能不足は「やりたいことができない」という事態を招きかねません。クリエイターならそこはしっかりと抑えておくべきでしょう。
DAIV-DGZ530S3-SH2-RAW
CPU | Core i7-9700K |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce GTX 1070Ti (8GB) |
ストレージ | 240GB SSD + 2TB HDD |
DAIVのノートパソコン、Ryzen搭載のデスクトップもコスパが非常に高く、使い方がしっかり決まっているなら選択肢としてハマるケースもあるかと思います。
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