Lenovo LOQ 16IRH8をレビューします。(機材提供元:レノボ)
第13世代インテルCPUを搭載しパフォーマンスを高めたゲーミングノートです。グラフィックはGeForce RTX3050~RTX4060まで選べて、下位モデルは税込11万円台~、上位モデルも税込15万円台とコストパフォーマンスに優れています。16型144Hzモニターは滑らかなゲームプレイが楽しめますので、ライトユーザー、初心者だけでなく中級者以上にもおすすめできる製品だと感じました。
各ベンチマークソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間なども掲載していきますので参考にしてください。価格、スペック等は執筆辞典のものとなります。
目次
Lenovo LOQ 16IRH8 レビュー
レノボが販売しているLenovo LOQ 16IRH8は、実売11万円台からとエントリー層向けの価格設定で販売されています。これは同スペック帯から考えると安めのお値段設定です。なんなら最安値クラスかもしれません・・安いと言っても性能不足は感じず、ゲームはもちろん写真や動画編集にも使えるパフォーマンスを備えます。
16型WUXGAモニターは大画面で視認性もよく、迫力のある映像を楽しむことが可能です。さらに144Hzリフレッシュレートにも対応するので、シューティングゲームなどでも有利なプレイ環境を構築できます。ただし色域が45%NTSC狭いので忠実な編集作業を行うには別にモニターを用意する必要があります。
Lenovo LOQ 16IRH8 スペック・パーツ構成
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i5-13420H~i7-13620H |
グラフィックス | GeForce RTX3050/4050/4060 |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB SSD |
液晶 | 16型WUXGA(144Hz) |
サイズ | 約 359.6×277.6×21~25.9mm |
重量 | 約2.6kg |
公式サイト | 公式サイトでチェックする |
下位モデルはCore i5×RTX3050の組み合わせで、ゲーミング性能としてはもう一歩という印象。予算が許すならRTX4050やRTX4060搭載モデルを選んでおくほうが幸せになれるはずです。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-13620Hの性能
搭載されているCPUは第13世代のCore i7-13700Hです。14コア20スレッドのCPUで、デスクトップ並みの処理能力を発揮します。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700H | 29342 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-13620H | 26843 | P:2.4GHz(4.9GHz) E:1.8GHz(3.6GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i5-13420H |
18985 | P:2.1GHz(4.6GHz) E:1.5GHz(3.4GHz) |
8コア12スレッド (P:4コア/E:4コア) |
45W |
Core i7-12700H | 26589 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12650H |
24621 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
45W |
Core i7-12750H | 12573 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-13620Hのは26800のスコアをマーク、Core i7-12700Hと同等クラスのパフォーマンスということになります。
Core i7-13700Hとの比較だと1割ほど性能差がありますが、できることが変わってくるとか、体感的に劇的なちがいを感じるというほどでもないでしょう。もちろん高負荷時に少しでも快適にしたいというなら別ですが、Core i7-13620Hも十分な性能を備えていることがわかります。
Core i5-13420Hはやや控えめの性能ですね。今回貸し出してもらったモデルはCore i7-13620Hですの、そちらを軸にレビューを進めていきます。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700H | 789.8 | 7774.6 |
Core i7-13620H | 731.4 | 6941.2 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core i7-12650H | 735.9 | 6469.4 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
シングルスレッドのスコアが731.4、マルチスレッドも6941.2と高めのスコアです。Core i7-12700H搭載と比較すると差は小さく、Core i7-13700Hとは8~12%ほどの差です。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700H | 737 | 6368 |
Core i7-13620H | 658 | 5626 |
Core i7-12700H | 677 | 5347 |
Core i7-12650H | 648 | 4281 |
Core i7-1260P(4N) | 574 | 2159 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
CINEBENCH R20スコアは、シングル658で、マルチ5626でした。ここでもCore i7-12700Hと同等レベルに感じます。逆にCore i7-13700Hとはシングルが約12%、マルチが約13%ほどの差になっています。
ストレージ性能
ストレージは512GB SSD搭載で、読込速度は約3100MB/s, 書込速度 約3100MB/sほどです。
Gen4としては物足りない速度ですが、起動、インストール、ローディングなどキは速く使用を損ねるほどではありません。十分な実用レベルといった印象です。
GeForce RTX4060のグラフィック性能・ゲームスコア
Lenovo LOQ 16IRH8に搭載されているグラフィックはGeForce RTX3050/RTX4050/RTX4060です。下位モデルのみやや物足りなさがありますが、RTX4050以上を選択しておけば十分なゲーミング性能を確保できると思います。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
Lenovo LOQ 16IRH8 (RTX4060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4078) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11769) | |
GALLERIA XL7C-R45 (RTX4050) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4034) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11542) | |
raytrek R6-AA (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(3858) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(9534) | |
DAIV 6P-RT (RTX3050Ti) |
3840×2160(標準品質) | やや重い(2725) |
1920×1080(標準品質) | 快適(7372) |
重量級ゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。4K解像度の標準画質で普通です。RTX4050、RTX4060の性能差が意外と小さい点にも注目です。両者の価格差が1万円ほどなので自分であればRTX4060を選択すると思いますが・・・
どのモデルを選択してもフルHDならばそれなりにゲームは遊べます。さらに高設定で遊びたいとかフレームレートを出したいということであればRTX4050、RTX4060搭載モデルをおすすめします。
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 50枚 |
Core i7-13700H | 1分11秒 |
Core i7-13620H | 1分16秒 |
Core i7-12700H | 1分15秒 |
Core i7-12650H | 1分20秒 |
RAW現像処理時間は50枚で1分16秒と速いです。第12世代から大幅に進化したという印象はうけませんが、RAW現像目的でコストを抑えたいのであれば選択肢に加えても良いでしょう。
ただし、Lenovo LOQ 16IRH8のモニターは色域が狭く正確性に乏しいと言わざるを得ません。別にカラーマネジメントモニターなどのしっかりと色管理のできるモニターを用意してください。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトはResolveで4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間を計測しました。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
raytrek R6-RL | Core i7-13700H×RTX4060 | 3分58秒 |
GALLERIA XL7C-R45 | Core i7-13700H×RTX4050 | 2分51秒 |
Lenovo LOQ 16IRH8 | Core i7-13620H×RTX4060 | 3分47秒 |
G-Tune P6 | Core i7-12650H×RTX4050 | 3分12秒 |
raytrek R6-AA | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分54秒 |
G-Tune P5-RT | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分47秒 |
動画編集においては、スペックの割に時間がかかってしまっているような印象もありますが、編集作業自体は快適に行えますし書き出しも問題ありません。モバイル環境下においてもしっかりと編集作業が行えるのは強みでしょう。
パソコンはうるさい?静音性は?
もともと筐体が大きめで余裕があることもあり冷却性はかなり高いです。冷却性が高いということは静かに動作する可能性も高いということです。実際に動かしていてもゲームプレイに邪魔になるような騒音は感じませんし、ファン音はよく抑えられている方だと思います。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
レノボは出荷が早いモデルを用意しており、今回紹介するモデルも1~2日で出荷に対応しています。すぐにでもパソコンが欲しいという人には有難いですよね!
Lenovo LOQ 16IRH8 開封!
Lenovo LOQ 16IRH8 外観写真・デザイン
Lenovo LOQ 16IRH8の天面にはブランドロゴの「LOQ」が入るだけのシンプルなデザインです。グレーベースでどんなシーンでも使いやすい印象ですね。
サイズは約 359.6×277.6×21~25.9mm、重量は約2.6kgです。16型クラスではありますがお世辞にも「軽い」とは言えない質量になっています。随所に水色が入っているのも印象的です。
ACアダプターはコンパクトで持ち運びもしやすそうです。差込口が丸形ではなく独自仕様になっています。急速充電にも対応するので2時間でフル充電が可能なのも嬉しいポイント!
16型144Hz対応モニターを採用
Lenovo LOQ 16IRH8は、16インチ大画面で144Hzリフレッシュレートにも対応しています。WUXGA(1920 x 1200)はゲームだけでなく、数々の作業を効率的に行えるのも特徴です。
ただし色域が狭いのでクリエイティブな作業には不足します。もともとノートだと広色域に対応しきれないケースもあるので、このモデルに限ったことではありませんが・・・弱点というか目につくところではありますね。色味を気にしないゲームやビデオコンテンツ視聴などなら問題なく楽しめます。
キーボードは自然な配列
キーボードは自然な配列で、さすがレノボという感じがします。テンキーもあるのでオフィスワークでも使いやすいでしょう。
Lenovo LOQ 16IRH8 インターフェース
・3.2Gen1 Type-A
・3.2Gen2 Type-A
・3.2Gen2 Type-C
・HDMI
・電子式プライバシーシャッター
・マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
・イーサネット・コネクター(RJ-45)
Lenovo LOQ 16IRH8デメリット
・モバイル性能は高くない(大きい&重い)
・モニターの色域が狭い
Lenovo LOQ 16IRH8は良い意味で価格と性能が見合っていないお買い得なモデルだと思います。CPU性能もグラフィック性能も高めなのでゲームも動画編集なども楽しめて多用途に使えるでしょう。
一方で色域の狭さだけは人によっては致命的になるかもしれません。せめてsRGB100%カバーしてくれていればWebコンテンツ制作にも使えて便利だったと思うのですが・・惜しいですね。逆に色味に強いこだわりがない、ゲームにしか使わないという人にはおすすめできるモデルです!
Lenovo LOQ 16IRH8はこんな人におすすめ
- 高性能なノートPCが欲しい人
- 初心者や中級者に
- ゲームも快適に遊びたい人
- コストパフォーマンス重視の人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
Lenovo LOQ 16IRH8 感想まとめ
Lenovo LOQ 16IRH8をレビューしてきました。
ミドルクラスなら高解像領域やゲームの高設定をカバーでき、デスクトップに負けないほどのパフォーマンスを発揮してくれます。16インチクラスらしいパワーが感じられますし、駆動音も抑えられて冷却性もしっかりしている印象を受けました。これで実売15万円ほどというのはコストパフォーマンスが高いですね。ただし色域の点だけは注意が必要です。
レノボ公式サイトでは、他にも多数のパソコンを販売しています。少しでもお得に買いたいなら「期間限定セール」「クリアランスセール」なども合わせてチェックすると良いことがあるかもしれません。
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