マウスコンピューターが販売しているゲーミングパソコンに「G-Tune」があります。その中でAMDのCPUを搭載した「LITTLEGEAR」をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
高性能な8コア16スレッドの「Ryzen 7 2700X」CPUと「GTX1080」搭載というハイスペックマシンです。それでは「LITTLEGEAR a340PA1」を開封しながらスコアをとってレビューしていきます。G-Tuneのパソコンを検討している人は参考になるかと思います。
目次
G-Tune「LITTLEGEAR a340PA1」のレビュー!
出典:G-Tune
G-Tuneには、CPU、メモリ、ストレージやグラボなどの搭載されているパーツでラインナップが豊富にわけられています。今回お借りしたパソコンはその中でも最高クラスのプラチナモデル(最高グレード)の位置づけになります。
グラフィックにGTX1080が搭載されていることを考えると価格的にはかなり安いと思います。CPUも高性能でコア数が多いことから、処理能力の高さもうかがえます。
用途としては、写真や動画の編集といったところから、ゲームやイラストなど幅広く使っていけます。とりあえず使えるというレベルではなく、快適にすべての処理を行えることからも「可能性のあるパソコン」だと感じます。
LITTLEGEAR a340PA1のスペック表
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen 7 2700X |
グラフィックス | GeForce GTX1080(8GB) |
メモリ | 16GB |
SSD | 256GB M.2SSD を追加 |
HDD | 1TB |
チップセット | AMD B320 チップセット |
電源 | 500W【80PLUS BRONZE】 |
サイズ | 178×395×330 |
重量 | 約 8kg |
パソコンの快適性を高めるためにカスタマイズで256GBのM.2 SSDを追加しました。パーツがピンとこない方は、下記の参考記事をごらんください。パーツの基本的な考え方が理解してもらえる記事になっています。
CPU「AMD Ryzen 7 2700X」の性能
搭載されているCPUがAMDのRyzen 7 2700Xです。ちょっと聞きなれない人もいるかもしれませんがインテルと並ぶ実績のあるCPUです。ただインテルのCPUを搭載していて、これだけ高性能だと価格は上がります。いかにAMD製のCPUがコスパに優れているかがわかります。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-8700K | 15846 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Ryzen 7 2700X | 16918 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 7 2700 | 15096 | 3.2GHz(4.1GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 7 1700 | 13745 | 3.0GHz(3.7GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 7 2700Xのスコアは17000に迫る数値で、Core i7-8700Kの15846を上回る形になります。処理能力の高さも魅力的です。
Ryzen CPUはOB時のクロック数が低く、コア数が多いのも特徴です。TDPが105Wになっているので、発熱と消費電力はそれなりになってきます。高性能を引き出すためのトリガーにはなりますが、処理能力を高めるためには仕方がありません。
IntelとAMDの処理能力や、実際の使い心地を比較した記事もあるので参考にして下さい。
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Ryzen 7 2700X | 474.6 | 4690.6 |
Ryzen 7 1700 | 402.9 | 3948.4 |
CINEBENCHによるスコアはこの通りで、スコアは1751となりました。以前にテストしたCore i7-8700は1400ほどなので、Ryzen 7 2700Xはここでも実力を見せつける形となりました。
処理能力の高さは、高負荷な処理ができるだけでなく、時間の節約という意味でも、待機時間のストレスを減らすという意味でもメリットがあります。
忙しいクリエイターにとっては「LITTLEGEAR a340PA1」はよい選択の1つになりそうです。
ストレージ性能
メインストレージは3000MB/sを超える連続読み出しが可能なSSDをカスタマイズで選択しています。HDDに比べると高速なSSDを追加することで、パソコンの起動が速くなりますし、インストールもあっという間です。
カスタマイズをすると予算が上がってしまうのは事実ですが、次にお見せする数字を見ると「SSDを搭載しましょう!」と言っている意味がわかってもらえると思います。
・Cドライブのスコア
公表している通りの数字!
・Dドライブのスコア
標準搭載のHDDです
CドライブとDライブを比較すると「読み込みが16倍」「書き込みが7倍」速いのがわかります。パソコンを使っている間はずっとこの差が生まれてきます。
▼カスタマイズでM.2規格に対応したSSDにすると快適性がグンとアップ!
「よく使うソフトやデータは高速なSSD」に入れて使い、「写真などの保存用のデータは大容量のHDD」に入れて使いましょう。
グラフィック性能・ゲームスコア
LITTLEGEAR a340PA1に搭載されているグラフィックは「GTX1080」です。独立のグラフィックが搭載されていればプレビュー表示が早かったり、動画の書き込み時間が短くなるなどのメリットがあります。
RAW現像、4K動画編集、最新のゲーム、など多目的に使っていける高性能なグラボです。
ここからはベンチソフトを使って実際どのくらいの3D性能があるのかをテストしていきます。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は110.90fpsでした。さすがに高い数字になっています。
FF15のベンチマーク
高品質 | 3840×2160 | 普通(3320) |
高品質 | 1920×1080 | 快適(7670) |
FF15は重たいゲームの部類に入りますが、グラフィックにGTX1080搭載というだけあって4Kの高品質でも「普通」に遊べるという結果になりました。
重たいゲームを快適に遊びたい人、4K動画編集などをしたい人でも安心感のあるスコアだと思います。これから数年間はスペック不足に陥ることはまずないでしょう。
ドラゴンクエストXのベンチマーク
最高品質 | 1920×1080 | すごく快適 |
ドラクエXは比較的ライトなゲームなので、設定をどう変えても快適に遊べます。ゲームを走らせながら調べものをしたり、動画視聴も可能なレベルですね。僕はこの記事を書きながらでしたが、遅延やつまりはありませんでした。
これらの結果から国内で人気のタイトルは快適に遊べるといって差支えないでしょう。
写真編集・RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「6分13秒」でした。
撮影に使ったのは2400万画素の一眼レフで、データ容量は5GBです。現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。
JPEGに比べて重たいRAWデータの閲覧は、表示までに時間がかかりますが、LITTLEGEAR a340PA1はサクッと表示してくれました。ただしCPU性能に依存しやすいRAW現像では、クロックが低めのRyzen CPUでは思ったようにスコアが伸びないのかもしれません。
スコア的には上回っているはずの「Core i7-8700」を搭載した、DAIVのDGZ520シリーズより1分近く遅れをとる結果になっています。
動画性能や処理にかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約3分05秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
LITTLEGEAR a340PA1の動画レンダリングは圧倒的に速いです!
価格的には数万円高いDAIVのデスクトップよりも30秒ほど早く処理を終えてしまいました。できるだけ安く動画編集用のパソコンが欲しいならRyzen搭載のパソコンは良い選択肢になってくれるでしょう。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが50.3」「エンコード時間が50秒」という結果になりました。やはりコア数の多いAMDのCPUは動画の処理に向いています。
参考までにCore i7-8700ですと「スコアが45前後」「エンコード時間は55秒前後」という結果です。
出荷日は?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。マウスコンピューターの出荷予定日は「注文が確定してから4営業日で出荷」です。
これはカスタマイズをした場合でも変わりませんでした。すぐにパソコンが欲しい人からすると少し長いかもしれません。ここは残念なポイントですが、安くて性能も良いので仕方のないところでしょう。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
LITTLEGEAR a340PA1を開封!
それでは届いたパソコンを開封していきたいと思います。
付属品はシンプルで「電源ケーブル」「サポートマニュアル」「保証書」「変換コネクタ」です。
段ボールを空けると布につつまれたパソコンが登場します。個人的にはパソコンでこうした布が使われているのはうれしいです。まるでブランド品でも開けるような高揚感があります(笑)
LITTLEGEAR a340PA1の外観写真
LITTLEGEAR の外観はデスクトップということもあって、とてもシンプルです。右サイドに電源ボタンやUSBがついているだけです。ゲーミングモデルにはガチャガチャとしてるデザインの物も多い中でシンプルなのは好印象でした。
個人的にネックだったのが、パソコンを机の右下に置くと「電源ボタンの位置が隠れてわからなくなる」ことです。同時にUSBにもアクセスしづらい感じになってしまってます。
ミニタワー型なので机の上に置けるのであれば問題ないのでしょうが、デスクトップのボタン類は正面にまとめてほしいところです。
エアフローやメンテナンスは?
G-Tuneのパソコンは熱による性能の低下を避けるために、開発段階で冷却性能はかなりこだわってテストしているという話を聞きました。小型で熱がこもりがちなミニタワーですが、効率的なエアフローで内部を冷却できるようになっています。
また下部にはメッシュカバーがついているので、ホコリの侵入にも配慮されています。洗ってすぐに取り付けられるので、定期的なメンテナンスが楽なのが良いですね!
二か所のネジを外してあげれば内部にアクセスできます。ネジはつまみがあるので、緩めにとりつければ手で取り外しが可能になります。デスクトップ型なのでこうした配慮はうれしいところ。
a340PA1のインターフェース
・USB2.0 2個
・USB3.0 4個 (背面×2、前面×2)
・HDMI×1、DisplayPort×1、HDMI×1
有線キーボード・有線マウス、LAN、サウンド類の端子も確認できます。数としては充実しているとは言えませんが、必要十分で不足することはないでしょう。
デスクトップなのに持ち運べる?
意外と便利だったのが、写真に写っているハンドルです。デスクトップなんて置いたら終わりでしょ?と思うかもしれませんが、メンテナンスや、パーツを交換するちょっとした時に楽にPCを持ち運べます。
ブログ用に写真を撮るのも非常に楽でしたし、スタジオ内でPCをよく移動させて使う人や、友人の家で集まってパソコンゲームをしたい人にも便利だと思います。
LITTLEGEAR a340PA1内部写真
それでは次は内部の構造を見ていきたいと思います。ここ最近のモデルでは、基盤や配線をブラックに統一する取り組みをしているそうです。内部のデザインがすっきりするだけでなく「LEDが映える」ということで、地味ながらこだわりの強い人には嬉しいポイントになっています。
こういうところをもっとアピールすれば良いのにと思うのは自分だけでしょうか?笑
増設には限界あり
Mini ITXのマザーボードを使用しているので、拡張性・増設には限界があります。メモリスロットにも空きはなく、自力でスペックアップするのはほぼ不可能です。購入時にスペックをしっかり決めて、後々後悔しないようにしましょう。
それにしてもグラフィックに存在感がありますね!さすがGTX1080・・・
CPUがLEDで光ってかっこいい!
電源をつけるとCPUクーラーが回転し7色に点灯します。ちなみに「Ryzen 5 2600」が搭載された、下位モデルのPCでは光りませんのでご注意を!
静音性・騒音は気になる?
G-Tuneのパソコンはうるさいという意見を目にすることがありますが、個人的な感想ではベンチテストや高負荷の処理中でもファンの音などはさほど気になりませんでした。
LITTLEGEAR a340PA1はこんな人におすすめ
- 安くて性能の良いパソコンが欲しい人
- 動画編集で使いたい人
- 高負荷な作業を日常的にする人
- メンテナンス性に優れたPCが欲しい人
- サブパソコンが欲しい人
- 屋内外でPCを移動させて使いたい人
LITTLEGEAR a340PA1シリーズの感想まとめ
「LITTLEGEAR a340PA1」を開封しながらスコアをとってきましたが「ゲーム」「動画編集」「写真編集」どれも快適に処理ができて、パソコンライフをより一層楽しめる製品だと感じました。
拡張性が少ない点や、RAW現像でのパフォーマンスなど一部気になる点もありましたので、同じように気になってしまいそうな人は「DAIVのDGZ520シリーズがおすすめ」です。
ちなみにマウスコンピューターは評判の良いBTOパソコンメーカーですし、アフターサービスもばっちりです!→mouse / DAIVの口コミや評判
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