Intel 第11世代CPUの性能差をチェックします。
対象は「Core i7-11700」と「Core i5-11400」を比較していきます。ベンチマークやRAW現像、動画編集にどれくらいのちがいがあるのかを見ていきます。
Ryzen CPUにも比較対象として登場してもらっていますので、参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
Core i5-11400 vs Core i7-11700
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-11700 | 21469 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i5-11400 | 17507 | 3.6GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Ryzen 7 3700X | 22742 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 3600 | 17825 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-11700とCore i5-11400のスコアを比較してみると約23%ほどの差です。
決して無視できない差ではあるもののCore i5-11400はCore i7-10700と同程度のスコアです。ちなみにCore i5-11400単体の値段は約2.3万円、Core i7-11700単体の値段は約4万円です。1.7万円差というのもまた無視できない要素の1つですよね。
用途によってはCore i5でも十分な可能性もありますので、RAW現像や動画編集を実際に試してみてどっちがおすすめかを考えます。
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV Z7 | GALLERIA RM5C-R36T |
画像 | ||
CPU | Core i7-11700 | Core i5-11400 |
GPU | RTX3060 | RTX3060Ti |
メモリ | 32GB | 16GB |
SSD | 512GB SSD | 512GB SSD |
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マウスコンピューターとドスパラのデスクトップパソコンで比較を行います。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i7-11700
Core i5-11400
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-11700 | 659.1 | 6127.0 |
Core i7-10700 | 559.4 | 4841.8 |
Core i5-11400 | 588.1 | 4374.8 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
Ryzen 7 3700X | 523.0 | 5565.5 |
Ryzen 5 3600 | 499.3 | 3970.2 |
Core i7-11700のほうが全体的にスコアは高く、シングルスレッドでは約12%、マルチスレッドでは約40%も高いスコアです。
単純に性能だけを求めるならCore i7-11700を選ぶべきなのは明白です。一方のCore i5-11400は第10世代Core i7-10700にシングルスレッドでは勝利、マルチスレッドは迫るスコアです。この性能が2.3万円で手に入るのはお得な印象を受けます。
もちろんライバルのRyzen 5000番台の存在も無視はできません。Core i7-11700とRyzen 7 5800Xもなかなか良い勝負をしています。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
Core i7-11700
Core i5-11400
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
Core i5-11400 | 536 | 3225 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
Ryzen 5 3600 | 485 | 3435 |
CINEBENCH R20のテストでもCore i7-11700が上位CPUらしいスコアを出しています。シングルスレッドは約10%高く、マルチスレッドでは約17%高くなりました。
ただしRyzenのほうが良いスコアを出している点にも注目。特にRyzen 7 5800Xのマルチスコアは圧倒的です。Core i7-11700を選ぶならRyzen 7 5800Xを選びたいところでしょうか…
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i7-10700 | 4分30秒 |
Core i5-11400 | 4分45秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
Ryzen 7 3700X | 4分28秒 |
Ryzen 5 3600 | 5分39秒 |
RAW現像ではCore i7-11700が30秒ほど処理を速くし完了しました。毎日現像作業を行うようなフォトグラファーには大きな時間を生んでくれるでしょう。
ただRAW現像でもRyzen 5000番台の強さは光ります。3000番台を選ぶなら第11世代インテルCPUを選びたい感じですが、Ryzen 7 5800XはCore i7-11700よりもさらに30秒速く処理を終えます。
趣味で週末に現像作業を行うようなユーザーはCore i5-11400でも十分な気はします。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-11700×RTX3060 | 4分40秒 |
Core i7-10700×RTX3080 | 4分31秒 |
Core i5-114000×RTX3060Ti | 5分39秒 |
Ryzen 9 3900X×RTX2070S | 2分56秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT | 3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
Ryzen 7 3700X×RTX3060 | 3分26秒 |
今回はインテルの比較なのですがAMDが圧倒的すぎてコメントが難しいですね(笑)
処理速度では当然Core i7-117000になりますが処理速度ではAMDに劣ります。また4K解像度を扱うならCore i5-11400はちょっと苦しいかなという印象。
フルHDクラスならここに登場しているCPUならどれを選んでも問題ないので、予算に合わせて選んで大丈夫です。Core i5にして予算を抑えて、モニターやキーボードに回すのも手でしょう。
Core i5-11400 vs Core i7-11700 まとめ
・高負荷作業ならCore i7-11700を選ぶべし!
・コスパならCore i5-11400!
・趣味使いならCore i5-11400でOK!
・Core i7を選ぶならRyzen 5000番台がおすすめ!
第11世代CPUを比較してきましたが、全体的にはCore i7-11700が有利という結果になりました。これはクラスを考えれば当然の結果でしょう。
ただしCore i5-11400の性能も捨てがたく、Core i7-10700に迫るほどのパフォーマンスを見せます。そこまで高負荷な作業を行わないような一般ユーザーならCore i5-11400を選んでも問題ないのかなという印象です。
さらに言うなら、高負荷作業を行うならRyzen 5000番台の素晴らしいパフォーマンスは魅力的にうつるはずです。「インテル入ってるパソコンが好き」とか強烈にCore i7-11700を選ぶ理由があるなら別ですが、AMDを選ぶのもおすすめですね。
おすすめパソコン
マウスコンピューター DAIV Z7
マウスコンピューターのクリエイターモデルである「DAIV」のミドルクラスデスクトップパソコンです。第11世代Core i7-11700×RTX3060はクリエイターに人気の組み合わせです。高解像データ編集も視野に入るほど高性能です。
ドスパラ GALLERIA RM5C-R36T
グラフィックにGeForce RTX3060Tiを採用し、Core i5-11400の性能がしっかり活かせる構成です。ゲーミングでもクリエイト作業でも安心して行える人気のデスクトップです。今回のテストでも良好な結果を見せてくれました。
ドスパラ GALLERIA XA5R-67XT
Ryzen 5000番台を搭載した最新のゲーミングパソコンです。Ryzen 5 5600X×Radeon RX 6700XTの組み合わせで高負荷な作業にも対応できます。より結果を求める方にはこちらのモデルがおすすめ!
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Ryzen 5 5600X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3060Ti |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
フロンティアの台数限定セール対象のGAシリーズです。この構成で18万円台とセール対象品なだけあって価格は相場よりもお安くなっている印象です。売り切れても補充が入ることがあるので、定期的にチェックすることをおすすめします!
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