ノートパソコン向けの「Core i5-12500H」と「Ryzen 7 5800H」の性能を比較します。(ついでにRyzen 5 5600Hも)
第12世代インテルCPUはパフォーマンスが向上していますが、ライバルのRyzen CPUと比較するとどれくらい性能差があるのかは気になるところです。この記事では、実際にベンチマーク、RAW現像、動画編集などを行い、その差を比較していきます。
最近主流となっているCPUには比較対象として登場してもらっていますので参考にしてもらえると嬉しいです。
Core i5-12500H vs Ryzen 7 5800H
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
当記事で掲載されたスコアは性能を約束するものではございません。
Core i5-12500H/12700Hの性能(スコア)は?
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i5-12500H | 21801 | P:2.5GHz(4.5GHz) E:1.8GHz(3.3GHz) |
12コア16スレッド (P:4コア/E:8コア) |
45W |
Ryzen 7 5800H | 21724 | 3.2GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Ryzen 5 5600H | 17681 | 3.3GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i5-12500HとRyzen 7 5800Hのスコアを比較してみると、ほとんど同等クラスであることがわかります。ただし、Core i5-12500Hの方がコア数が多いためパフォーマンス面ではやや有利なように思えます。
ひと昔前はRyzen CPUが性能面、コスパ面などで光るものがあったため搭載モデルも多く存在しています。「少しでも安く良いモノを買いたい」というのは人間の心理ですので、しっかりと判断ができるように比較していきましょう。
比較に使ったパソコン
名前 | G-Tune E5-165-R7 | G-Tune P5 |
画像 | ||
CPU | Ryzen 7 5800H | Core i5-12500H |
GPU | RTX3060 | GTX1650 |
メモリ | 16GB | 32GB |
SSD | 512GB NVMe SSD | |
レビュー | >レビューを見る | >レビューを見る |
マウスコンピューターとから2モデルを用意して比較します。Ryzen 7 5800H搭載モデルは当サイトを含め、わずかな販路でしか販売されない超貴重なモデルとなっています。現在は販売を終了していますが、たびたびこうしたレアモデルを取り扱うケースもあるのでチェックしてもらえると嬉しいです。
ベンチマークソフトによる比較
CPU-Z
Core i5-12500H
Ryzen 7 5800H
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700H | 746.1 | 6370.0 |
Core i5-12500H | 717.3 | 6286.0 |
Ryzen 7 5800H | 580.7 | 5731.2 |
Ryzen 5 5600H | 558.6 | 4256.8 |
Core i7-11800H | 618.1 | 5186.6 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i5-12500HとRyzen 7 5800Hを比較すると、シングル性能で約24%、マルチスコアで約10%ほどの差にとどまります。
どちらも大きな差が生まれていますが、特にシングル性能にいたっては顕著な差といっても良いでしょう。シングル性能に差があると一般用途はもちろん、RAW現像やゲームなどで差となって表れてくる傾向にあります。
CINEBENCH
Core i5-12500H
Ryzen 7 5800H
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700H | 687 | 5259 |
Core i5-12500H | 648 | 4560 |
Ryzen 7 5800H | 558 | 4691 |
Ryzen 5 5600H | 528 | 3607 |
Core i7-11800H | 582 | 3869 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
Core i5-12500HとRyzen 7 5800Hを比較すると、シングル性能で約16%、マルチスコアで約3%の差があります。
マルチ性能ではわずかにRyzen 7 5800Hが上回ったものの、シングル性能で大きく引き離したCore i5-12500Hのほうが使用した際の快適性は得られるかと思います。
本格的な処理を行う人はCore i7-12700Hを検討するのが良さそうです。
RAW現像
参考までにRAW現像(150枚)の処理時間を計測した時間です。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i5-12500H | 3分59秒 |
Ryzen 7 5800H | 4分42秒 |
Ryzen 5 5600H | 4分23秒 |
Core i7-11800H | 4分23秒 |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
RAW現像では、Core i5-12500Hが4分切りと良好な結果を残しました。Ryzen 7 5800Hも悪い結果ではありませんが、世代的にもCore i7-11800Hと同レベルという印象ですね。
もともとRAW現像はインテルCPUが得意という傾向もあるので、写真を扱うのがメインならCore i5-12500Hを選ぶことをおすすめします。
動画編集の時間を計測
一眼レフで撮影した4K動画5分のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
モデル | 構成 | 処理時間 |
mouse K7 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
G-Tune P5 | Core i5-12500H×GTX1650 | 3分54秒 |
G-Tune E5-165-R7 | Ryzen 7 5800H×RTX3060 | 4分13秒 |
GALLERIA XL5R-R36 5600H | Ryzen 5 5600H×RTX3060 | 5分01秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
それぞれのパーツ構成が異なるため純粋な比較にはなっていませんが、Core i5-12500H搭載モデルはエントリークラスのGTX1650でありながら、Ryzen 7 5800H×RTX3060搭載モデルを上回ることができました。
単純に考えるならそれだけCPU性能に差があるとも考えられると思います。動画編集ではグラボが非常に重要になってくるため、全体のパーツ構成も大事ですがCore i5-12500Hは安心して選べるという印象を受けました。
Core i5-12500H vs Ryzen 7 5800H まとめ
・Core i5-12500Hが最大25%ほど優秀!
・こだわりがないならCore i5-12500Hを選ぼう
・ベンチ、実作業での差も大きい
・動画編集するならグラボも重視しよう!
全体的にCore i5-12500Hの優秀さが目立つ形となりました。Ryzen 7 5800Hは旧世代のCore i7-11800Hと同水準の性能をもっていますが、第12世代には惜敗という形になります。
処理能力やベンチ結果をシビアに求めないならRyzen 7 5800H、Core i7-11800Hあたりも十分な性能があるため、全体のパーツ構成や価格などのバランスを見極めて検討してください。
ただし満足度の点などから、Core i7-12700Hにしておけば安心というのは間違いありません。>Core i7-12700H搭載のおすすめパソコンをチェックする
搭載おすすめパソコン
マウスコンピューター G-Tune P5
15.6型スタンダードサイズで使い勝手の良さと、Core i5-12500Hの高いパフォーマンスを備えたモデルです。ゲーミングモデルとしての扱いですが、32GBメモリと余裕があるので大量のデータ処理にも向いています。ただしお値段がちょっと高め・・・
ドスパラ raytrek R5-AA5
Core i7-12700H×RTX3050の組み合わせなので、描画性能はそこそこといったところ。目的がゲームや4K解像度の動画編集じゃないよという人なら性能は足りるでしょう。sRGBカバー率99%の性格なモニターを採用しているので、RAW現像などの利用におすすめですね。
マウスコンピューター DAIV 6N
16型WQXGA(2560×1600)モニターを採用しながらも、重量を約1.64kgに抑えた意欲的なモデルです。パフォーマンス面の心配は全くなく、モバイル性をフルに生かした活動が行えます。バッテリー駆動時間は約11.5時間、ACアダプターもコンパクト、PD対応など利便性も兼ねそろえています。
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR
ASUSの高コスパゲーミングノートで知られる「Tufシリーズ」の1台。17インチの大型モニターを採用し、デザインもシンプルです。RTX3070採用なのでワンランク上の世界観を体験できるのが魅力的!高くなりがちな17インチクラスで20万円を切っており、価格でも勝負できるモデルになっています。
ASUS TUF Gaming F17/F15
ASUSのTuf Gamingシリーズはコスパが魅力のモデルです。このパーツ構成で18万円台で販売されていますが、セール時期にうまくハマれば15万円前後というのも確認済みです。最新モデルかつ高性能なパソコンが安く手に入る可能性もあるのでASUSは一度チェックすると良いことあるかもしれません。
ASUS ROG Flow Z13
13.4型2in1ゲーミングノートパソコンで、キーボードは取り外してタブレット的な使い方ができます。約1.12kgの軽さに薄さ14.5mmのスリムボディなのでモバイル性も抜群!Thunderbolt 4も装備しているほか、別売りの外付けGPUモジュール「ROG XG Mobile」にも対応しています。
G-Tune E5-165(当サイト限定モデル/販売終了)
今回のテストでは良好な結果を示したRyzen 7 5800Hが採用された限定モデルです。グラボの性能も高く、165Hzリフレッシュレートにも対応しているので滑らかな映像を楽しめます。また解像度もフルHDより高く、WQHDとなっているので作業性が抜群です。重量も約1.73kgと持ち歩きも楽ちん。とても完成度の高い1台に仕上がっています。
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