パソコンのコアパーツであるCPUがあります。パソコンのCPUにはインテル製のパーツがよく使われていますが、ランクや世代によってどれくらいの差があるのかはわかりづらい面もあります。
そこで今回は、コストパフォーマンス面で人気の高い第8世代CPU「Core i5-8400」と、2018年の10月に発売となった第9世代CPUの「Core i5-9600K」を比較してみたいと思います。
パソコンのパーツは新しいほど良いというのが定説ですが、実際はどうなのでしょう?ベンチマークスコアでの比較や、RAW現像、動画編集といったリアルな作業での差を確認してみました。
目次
Core i5-8400 vs Core i5-9600K
普通であればCore i5-9600KとCore i5-8600Kを比較するのがスマートだというのは承知ですが、あえて普及しているCore i5-8400を比較題材にしたほうが読者さんの参考になるかと思い記事を作成しています。
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
CPUスコア
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9700K | 17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-8700K | 15846 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
Core i7-8700 | 15171 | 3.2GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i5-9600K | 14444 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア6スレッド | 95W |
Core i5-8400 | 11745 | 2.8GHz(4.0GHz) | 6コア6スレッド | 45W |
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
第9世代で進化したポイント
- クロック数がアップした
- TDPがアップした
- コア/スレッド数は据え置き
第9世代のCore i5-9600Kは、Core i5-8400と比較すると定格クロックが0.9GHz、オーバークロック時は0.6GHzアップしています。この数字は単純に多いほど高性能になる傾向にあるので、スコアにおいても約1.2倍ほど伸びています。
コアやスレッドが同じ6コア6スレッドになっていますので、個人的には「若干の性能アップにとどまる」と予想しています。体感的にわかる人はほとんどいないんじゃないかな?という感じですね。これはあくまで予想なので、これからテストをしていく訳です。
ただCore i7-9700K搭載パソコンを使ってみて、スコア以上に快適さを感じて驚いた例もあるので一概には言えません。
・Core i7-9700K搭載!DAIV DGZ530レビュー
比較に使ったパソコン
名前 | Lenovo C530 | NEXTGEAR-MICRO im620SA1 |
画像 | ||
CPU | Core i5-8400 | Core i5-9600K |
GPU | GTX1050Ti(4GB) | GTX1060(3GB) |
メモリ | 8GB→16GBに変更 | |
SSD | - | |
HDD | 1TB | |
チップセット | インテルB360 チップセット | インテルB390 チップセット |
電源 | 450W【80PLUS BRONZE】 | 500W【80PLUS BRONZE】 |
詳細 | レビューを見る | レビューを見る |
CPU以外もできるだけスペックを揃えて比較したかったところですが、手元に準備できたのが上位の2機種でした。完全にフェアな比較という訳にはいきませんがご容赦ください。あまりスコアや、処理時間が出ているサイトも多くないので参考にはなると思います。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i5-8400のスコア
Core i5-9600Kのスコア
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i5-8400 | 438.7 | 2442.8 |
Core i5-9600K | 507.9 | 2809.8 |
CPU-Zのテスト結果では、シングルスレッドでは1.15倍、マルチスレッドでも1.15倍高いスコアが出ています。このスコアをそのまま鵜呑みにするのであれば、Core i5-9600Kのほうが1割くらいは高性能化しているということがわかります。
CINEBENCH 15のスコア
Core i5-8400のスコア
Core i5-9600Kのスコア
Core i5-8400 | 914 |
Core i5-9600K | 1035 |
CINEBENCHのスコアは約1.13倍の差となりました。以前にテストしたCore i7-8700は1400ほどだったので、さすがに上位CPUには追いつかないもののどちらも充分なスコアが出ています。特にCore i5-9600Kは1000の大台に乗っているので、期待感が高まりますね!実際の処理でどれくらい短縮してくれるか楽しみです。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
Core i5-8400 | 6分08秒 |
Core i5-9600K | 5分37秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ30秒ほど処理が短縮されるという結果になりました。予想ではクロックの高いCore i5-9600Kが圧倒的に有利だと思いましたが、差はそこまででもない印象でした。ただこうした処理はタイミングや個体によっても差が出るので、なんとも言えないですね。
体感的にもほとんど違いがわからなかったので、お金を節約をしたいならCore i5-8400を選びましょう。反対に少しでもタイムを縮めたい、処理能力を優先したい人はCore i5-9600Kがおすすめですね。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
Core i5-8400 | 4分53秒 |
Core i5-9600K | 4分23秒 |
動画のレンダリングではCore i5-9600Kが30秒ほど速いという結果になりました。この時間をどうとらえるかですが、日常的に動画編集をするのであれば少しでも良いCPUを選択しておくほうが良いでしょうね。
感想
・Core i5-9600Kは順当な進化を遂げている
・Core i5-8400のコスパの良さはまだまだ現役
・体感的な違いはほぼ感じない
・コスパで見ると両方とも優秀!
新旧のCPUでもっと大きな差が出てくるかと思いましたが、若干高性能になった程度だと結論付けたいと思います。あまり差が顕著ではないので、どちらのCPUを選んでも後悔はしないという結果になったとも言えるでしょう。Core i7の新旧比較ではインパクトがあっただけに、想像通りでちょっと冷静になった感じですね。
ゆくゆくは新世代のCPUに統一されていくでしょうが、記事執筆時(2019年1月時点)の差額は数千円です。CPUに無理にお金を割くよりもSSDやメモリを優先させたほうが、パソコン自体の快適性は高まりそうな気もします。と言うか、Core i5-8400のコスパが高すぎるんですよね(笑)
Core i5搭載のおすすめパソコン
G-Tune NEXTGEAR-MICRO im620SA1
CPU | Core i5-9600K |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1060 (3GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
今回テストした「Core i5-9600K」搭載のデスクトップパソコンです。ゲーミングマシンだけあって、グラボにはミドルレンジのGTX1060が搭載されています。映像系の処理に強くなりますが、クリエイト目的だとメモリが若干少なく感じますので、今回のテストのようにメモリを増設してやると快適になります。
Lenovo C530
CPU | Core i5-8400 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1050Ti (4GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
僕がサブマシンとして使っているレノボのゲーミングデスクトップです。おしゃれな筐体と、内部のエアフローが気に入って購入しました。コスパ抜群のCore i5-8400搭載ですので、たいていの処理は問題なくこなせます。GPUはGTX1050Tiですが、ライトゲームなら動きますし、RAW現像目的なら充分なパフォーマンスです。フルHD動画編集もこなせて、送料税込みで8万円台というのは価格破壊でしょう。(クーポン使用時)
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