パソコンのコアパーツであるCPUに、AMD製のRyzenがあります。Ryzen CPUも第3世代(Zen2)に突入しパフォーマンスが向上。Gen4に対応するなど新しい扉を開いた感があります。
そこでIntelとAMDのCPUを比較してみたいと思います。対象は「Core i7-9700K」「Ryzen 5 3600」です。「実際にどこが変わったの?」「性能はあがったの?」「買い替えは必要?」という疑問もあるかと思います。
ベンチスコアをとったり、写真編集や動画のレンダリングにかかった時間も計測しました。このような比較はあまり目にしなかったので是非参考にしてください。
目次
Core i7-9700K vs Ryzen 5 3600
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
CPUスコア
CPU | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 5 3600 |
20036 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-9700K | 17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
AMDが第3世代で進化したポイント
- Zen2アーキテクチャを採用
- PCI-Express Gen.4に対応
- 世界初の7nm製造プロセスを採用
一番の特徴はプロセスルールが変更され高クロック化したことです。クロックが上がったことで、より効率的に処理が行えるようになりました。これによりAMDのCPUが、Intelのシェアを奪いつつあります。
CPUスコアを見ると「Core i7-9700Kが17696」「Ryzen 5 3600が20036」となっています。グレード的にはRyzen 5のほうが下でも、Core i7と同等・・というかちょっと上ですね。
第3世代Ryzenが搭載できるマザーボードは、全てではありませんがGen4にも対応しています。より高速なNVMe SSDや、グラフィックカードを搭載できるとあって、CPUの性能差だけで語れない面もあります。
さらには、新たにRyzen 9や、64コアのRyzen Threadripper 3990Xも投入され勢いは止まるところを知りません。プロユースとしても注目されています。
ちょっとAMDよりの情報が続きましたが、実際にテストを重ねていくとインテルCPUの良さも出てきます。特に安定性といった面では信頼感がありますので、この後のテスト結果も楽しんで読んでもらえると嬉しいです。
比較に使ったパソコン
名前 | DAIV DGZ530 |
自作パソコン |
画像 | NO PHOTO | |
CPU | Core i7-9700K | Ryzen 5 3600 |
GPU | RTX 2060(6GB) | RX570(8GB) |
メモリ | 16GB | |
SSD | 256GB NVMe SSD | |
HDD | 2TB | 1TB |
チップセット | Intel Z390チップセット | AMD B450 チップセット |
電源 | 700W | 500W |
マウスコンピューター:https://www.mouse-jp.co.jp/ |
CPU、GPU以外はできるだけスペックを揃えて比較ができました。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i7-9700K
Ryzen 5 3600
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-9700K | 566.0 | 4326.4 |
Ryzen 5 3600 | 499.3 | 3970.2 |
CPU-Zのテスト結果では、シングル・マルチコアともにCore i7-9700Kが10%ほど良いスコアを出しました。このスコアはRAW現像などの処理に直結するイメージもあるので、無視できない結果です。
CINEBENCH 15のスコア
Core i7-9700K
Ryzen 5 3600
Core i7-9700K | 1493 |
Ryzen 5 3600 | 1529 |
CINEBENCHのスコアは、Ryzen 5 3600のほうが若干上。とは言え誤差程度ですので、ほとんど差はないと言ってもよいでしょう。
Ryzen 5 3600が2万円台半ばのCPUだということを思えば、すごいことだと思います!
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
Ryzen 5 3600 | 5分39秒 |
Core i7-9700K | 4分35秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ、Core i7-9700Kが速いという結果になりました。
写真現像は1コアあたりの性能が重要な部分があるので、その点ではインテル製のCPUが有利に働いたようです。
ポイントは150枚の現像で1分の差を大きいと見るか?小さいと見るか?です。日常的に写真現像を行う人ならCore i7-9700Kがおすすめですが、一回当たりの処理枚数が少ない人はあまり気にならないような気もします。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
Core i7-9700K | 4分46秒 |
Ryzen 5 3600 | 3分47秒 |
動画のレンダリングではRyzen 5 3600がおすすめ!
1分近くも処理時間に差が出てしまいました。動画編集においてはグラボも重要ですが、Core i7-9700Kに組み合わせていたRTX2060のほうが高性能なのに・・・
マルチコア(スレッド)が多く、並行処理が得意なRyzenらしいと言えばそうですが、ここまで差が出るとは思いませんでした。
Core i7-9700 vs Ryzen 5 3600 まとめ
・Ryzen 5 3600 vs Core i7-9700Kはすみわけが可能
・RAW現像ではCore i7-9700Kがおすすめ
・動画レンダリングはRyzen 5 3600がおすすめ
・コスパで見るとRyzen 5は優秀なCPU!
記事執筆時点の価格は「Core i7-9700Kが4.5万円」「Ryzen 5 3600が2.5万円」となっています。約2万円も差がありながら並べて語れるというのも皮肉なものです。
2万円でSSDを高速化したり、メモリを追加、グラボを強化したほうが快適性は高まるかもしれません。少なくとも数年前のパソコンを使っている人なら、その性能の進化っぷりに感動するでしょう。
>「Ryzen」搭載のおすすめパソコンをチェックする
>「Core i7-9700」搭載のおすすめパソコンをチェックする
おすすめパソコン
DAIV Z7
CPU | Core i7-9700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | Radeon RX 5700 (8GB) |
ストレージ | 256 SSD + 2TB HDD |
マウスコンピューターのクリエイターモデル「DAIV Z7」です。安定性の高いインテルCPUを採用したミドルクラスモデル。グラフィックの性能も高いので、映像編集やゲームもカバーできる点が嬉しい。
ドスパラ ガレリアXF
ドスパラの「ガレリアXF」はゲーマーにも高い人気があるモデル。高性能なパーツを使用することで、ノンストレスで快適なPCライフをおくれます。
G-Tune PM-A
CPU | AMD Ryzen 5 3600 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1650 (4GB) |
ストレージ | 256GB M.2 SSD |
Ryzen 5 3600とGTX1650のライトユーザー向けの構成。税別で8万円台という低価格が魅力的!カスタマイズベースとしてもおすすめできる1台です。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Core i7-9700F |
メモリ | 32GB |
グラボ | GeForce RTX 2080SUPER |
ストレージ | 1TB NVMe SSD + 3TB HDD |
フロンティアのGAシリーズの台数限定モデルです。フロンティアはあまり知られていませんが、国内生産の高品質なパソコンを提供しています。グラフィック性能が高いので、4K動画編集や最新タイトルを遊びたいならおすすめ!
ドスパラ ガレリアRF5
CPU | Ryzen 5 3600 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce RTX2070SUPER (8GB) |
ストレージ | 240GB SSD + 1TB HDD |
グラフィク性能をさらに求めたいなら、ドスパラのガレリアRF5がおすすめ!RTX2070SUPER搭載なので、動画重視のパーツ構成にしたい人や、144Hzでゲームをプレイしたい人なんかにおすすめです。
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