マウスコンピューターよりクリエイター向けの「DAIV S4シリーズ」をお借りしました。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
第13世代Core i7-13700HとGeForce RTX4060を採用した高性能クリエイト向けノートパソコンが登場!14型フルHDモニター色再現にも優れ、キャリブレーション済みで出荷されるためRAW現像をはじめとするクリエイト作業にも最適です。コンパクトで軽く、バッテリー駆動時間も長いためモバイル性能も高く仕上がっているのが特徴です。
それではDAIV S4をレビューしていきます。各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
DAIV S4シリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV S4シリーズは、DAIVのラインナップの中でもトップクラスの性能を備えています。割と軽量なモデルでありながらも専用グラフィックもしっかり搭載しているのが特徴です。Core i7-13700H×RTX4060の組み合わせなので、写真や動画編集、ゲームなど幅広くこなせます。バッテリー駆動時間が13.5時間と長めで、モバイル先での長時間の作業にも耐えられるでしょう。
モバイル先でも本格的な作業が可能ですし、軽くて持ち出し時の負担も小さいとあれば魅力的に感じる人は多いでしょう。メーカー側の発表によればsRGB100%の広色域をカバーするため精度の高い編集作業が可能とのこと。プロフェッショナルな領域にはやや届きませんが、WEBコンテンツや趣味の写真編集には問題ないレベル。実際にモニターを見ていても発色がよく「きれい」だと感じるほどです。
DAIV S4の基本構成/スペック
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX4060
メモリ:32GB
SSD:1TB SSD
税込価格:249,800円
詳細:公式サイトをチェックする
※構成は記事執筆時の内容で変更になる可能性があります。
今回紹介する上位モデル以外にも、Core i7-1260P×RTX3050搭載のモデルやGTX1650搭載のモデルが存在します。予算や用途に合わせて選択するのが良いでしょう。もちろんカスタマイズにも対応していますので、メモリを増やしたり、ストレージ容量を増やしたりと好みのマシンに仕上げることも可能です。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-13700Hの性能
搭載されているCPUは第13世代のCore i7-13700Hです。14コア20スレッドのCPUで、デスクトップ並みの処理能力を発揮します。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700H | 29810 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12700H | 27581 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-12650H |
24621 | P:2.3GHz(4.7GHz) E:1.7GHz(3.5GHz) |
10コア16スレッド (P:6コア/E:4コア) |
45W |
Core i7-1260P | 17203 | 2.1GHz(4.7GHz) | 12コア16スレッド | 28W |
Core i7-10750H | 12573 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
従来のCore i7-12700Hと比較すると、Core i7-3700Hが約8%ほどスコアが高くなっています。
劇的な進化というほどではありませんが堅実に性能を伸ばしているのは好印象です。ちなみにデスクトップCPUだとCore i5-13400のスコアが25853、Core i7-12700のスコアが31141です。ちょうどこの間くらいの性能と考えるとなかなか悪くありません。ノートPCもここまで来たかという印象です。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700H | 789.3 | 7920.8 |
Core i7-12700H | 725.7 | 7462.5 |
Core i7-12650H | 735.9 | 6469.4 |
Core i7-1260P | 565.4 | 3563.2 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
シングルスレッドのスコアが789.3、マルチスレッドが7920.8になりました。従来Core i7-12700Hと比較するとシングルスコアが約9%、マルチスコアが約6%アップしています。
実は旧モデルのDAIV 4Nシリーズって理論値ほど性能が出ていないケースがありました。グラボも搭載しているのでバッテリー駆動時間を確保するために調整が入っているのかも?なんて邪推していましたが、最新モデルはそうした傾向もなく安心おすすめできるようになった印象です。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700H | 739 | 5728 |
Core i7-12700H | 677 | 5347 |
Core i7-12650H | 648 | 4281 |
Core i7-1260P(4N) | 574 | 2159 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
CINEBENCH R20スコアは、シングル739で、マルチ5728でした。
このテストではCore i7-12700Hとの比較でシングルが約9%、マルチが約7%高くなっています。傾向としても数字の幅としても似たような印象ですね。
ストレージ性能
ストレージは1TBのNVMe M.2 SSDです。Readで3700MB/sを超える速度なので動作はキビキビとしています。容量的にも十分確保されているのですぐに困るといったことはないでしょう。
GeForce RTX4060のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV S4に搭載されているグラフィックはGeForce RTX4060です。GTX1650/RTX3050搭載モデルも存在するので参考スコアを掲載しておきます。
ゲームのベンチマーク(FF15)
GPU | 設定 | スコア |
RTX4060 | 3840×2160(標準品質) | 普通(4493) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(12899) | |
RTX3050 | 1920×1080(標準品質) | やや快適(5897) |
GTX1650 | 1920×1080(標準品質) | やや快適(5046) |
重量級タイトルで有名なFF15でテストを行ったところ、4K標準設定で「普通」という結果を得られました。フルHDだとこれまでのモデルの倍以上のスコアが出せています。これならほとんどのゲームは快適に遊べるはずです。
従来モデルだと補助的な使い方がメインだったように感じますが、最新モデルは腰をすえて作業が行えるほど本格的な性能を手に入れています。並のデスクトップPCよりも高性能ですので、これからの時代は本当にデスクトップ使用率が下がっていくかもしれませんね。(ハードゲーマーのぞく)
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 50枚 | 150枚 |
Core i7-13700H | 1分15秒 | 3分45秒 |
Core i7-12700H | 1分15秒 | 3分46秒 |
Core i7-12650H | 1分20秒 | 3分50秒 |
Core i7-1260P | 5分48秒 | |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
RAW現像処理時間は50枚で1分15秒と速いですが、Core i7-12700Hと差は見られませんでした。RAW現像がメインの目的であれば旧世代でも十分だという考え方もできるでしょう。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトはResolveで4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は約3分26秒でした。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV S4 | Core i7-13700H×RTX4060 | 3分26秒 |
raytrek R6-AA | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分54秒 |
DAIV S4 | Core i7-1260P×GTX1650 | 8分44秒 |
mouse K5 | Core i7-12650H×MX550 | 4分15秒 |
G-Tune P5-RT | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分47秒 |
動画編集においても処理能力の高さを見せ、過去のノートパソコンでは最速のタイムをたたき出しています。
エントリークラスのDAIV S4、旧モデルのDAIV 4NはフルHDクラスなら問題ありませんが、どことなく我慢して使うといった面も見られました。最新モデルは性能不足に悩まされることもないのでパフォーマンスを重視したいクリエイターにもおすすめできるモデルになっています。
パソコンはうるさい?静音性は?
DAIV S4は高性能な分だけしっかりとした冷却機能も必要になります。そのためしっかりとファンが回る印象がありますので高負荷時はそこそこにぎやかな音になります。作業の妨げになったり不快感を覚えるほどではありませんでしたが、人目のあるカフェなどでの本格作業はためらわれるかもしれません。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
DAIV S4の出荷予定日はだいたい「注文が確定してから3日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV S4を開封!
DAIV S4シリーズは、ブルーとシルバーが混ざったようなクールな色合いで「アイシクルブルー」といった感じでしょうか。
エントリークラスが約1.44kgに対し、上位モデルは約1.78kgと重量があります。軽さを重視したいのであれば下位モデルを選ぶほうが良いかもしれません。バッテリー駆動時間は上位モデルの方が長いため、なかなか悩ましいところです。
背面には2基のファンが見えます。しっかりと冷却を行うことでパーツの性能をしっかり引き出すことが可能になっています。
ACアダプターは思った以上にコンパクトで持ち歩きもしやすそうです。性能が高いからこそサイズも覚悟していたのですが、このサイズに収まっているのはすごいと思います。
ディスプレイの品質が良く、編集作業がはかどる
sRGB比換算 約100%の液晶モニターを採用しており、写真や動画の視聴に最適です。あきらかに色の鮮やかさや、濃さ、グラデーションの美しさを感じます。人肌の赤みがわかったり、空や海の青さがより美しかったりと眼を楽しませてくれます。
ベゼルレスでスッキリしているのも、最近のモデルっぽくて好印象です。
DAIV S4のインターフェース
・microSDカードリーダー(UHS-1)
・HDMI
・Thunderbolt 4
・USB3.0×2 (Type-A/ 右側面×1、左側面×1)
・USB3.1×1(Type-C/ 右側面×1)
・ネットワーク×1 (1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ-45) / 左側面×1)
・ヘッドセット等
インターフェースはThunderbolt 4を備えているので対応機器を使えます。SDカードスロットは上位モデルがmicroSDカードリーダーになっている点は注意です。
DAIV S4のキーボード
キーボードは自然な配列でタイピングしやすいです。それぞれのキーはやや小さく、隙間が空いているので誤タイプも防げる印象です。上下左右キーが小さいのは仕方ないですね。
タッチパッドも大きめですので短時間の作業ならマウスは必要ないでしょう。
DAIV S4はこんな人におすすめ
- 野外活動中心のクリエイター
- 性能も軽さも妥協したくない方
- デスクトップ並みの処理能力が必要な方
- モバイル用のサブパソコンが欲しい方
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV S4の感想まとめ
DAIV S4シリーズは、軽量なモバイルパソコンでありながらデスクトップ並みの処理能力を誇っており、外出先で本格的な作業を行えるのが最大のメリットです。従来から弱点だった理論値に届かないという点も解消どころか、一気にパフォーマンスが引きあがっているのには驚きを感じるほどです。多くのユーザーに利益と満足をもたらしてくれるでしょう。
マウスコンピューターは国内生産の安心できるメーカーさんです。魅力的なパソコンを他にも多数販売しています。より高い性能を求める方は、こちらの記事も参考にしてください。
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