マウスコンピューターの「DAIV X7」をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
DAIV X7はIntel Core i9-10900Xを採用したデスクトップパソコンです。処理能力が高く、32GBメモリを搭載しるなどRAW現像にもおすすめです。グラボが標準構成だとGTX1650 SUPERですが、今回はGTX1660に変更して描画性能を高めています。
それでは、DAIV X7にてベンチステストを行い、写真編集や動画作成してみた感想を書きましたので参考にしてもらえればうれしいです。
DAIV X7をレビュー!
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV Xシリーズは、専門性高いクリエイター向けに販売されているデスクトップパソコンです。標準で水冷クーラーが入っていたり、メモリも32GBからと多くなっているのが特徴です。
DAIV X7は最新のCore i9-10900XやGTX1650 SUPERを採用するなど、最新パーツでまとめられたニューフェイスといったところです。最大の特徴はCPU処理能力で、水冷クーラーを採用しているため継続的な作業でもパフォーマンスを落とすことなく処理を行えます。
DAIV Zシリーズ、DAIV Aシリーズよりもより専門性が高いのがDAIV Xシリーズという感じですね!
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i9-10900Xの性能
DAIV X7に搭載されているCPUはCore i9-10900Xです。CPUクーラーには水冷が採用されているので冷却性や静音性に期待ができます。継続的なRAW現像なんかでも強そうですよね!
Core i9-10900Xは10コア20スレッドで動作、通常は3.7GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.7GHzまでオーバークロックします。TDPが165Wなのでカロリー消費は高めという感じですね。
Ryzen CPUの性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-10900X | 23618 | 3.7GHz(4.7GHz) | 10コア20スレッド | 165W |
Core i9-9900X | 21873 | 3.5GHz(4.5GHz) | 10コア20スレッド | 165W |
Core i7-9700K | 14612 | 3.0GHz(4.7GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Ryzen 9 3900X | 31950 | 3.8GHz(4.6GHz) | 12コア24スレッド | 105W |
Ryzen 7 3700X | 23907 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
Core i9-10900Xは、従来モデルのCore i9-9900Xと比較すると10%ほど性能がUP!より高負荷な作業を快適に行えるようになっています。
ただし、Ryzenの勢いを止めるほどかと言われると怪しくなってきます。この後しっかりと検証していきましょう。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Ryzen 9 3900X | 525.5 | 8181.9 |
Ryzen 7 3700X | 516.7 | 5560.9 |
Core i9-10900X | 517.7 | 5870.2 |
Core i9-9900K | 582.0 | 5755.1 |
シングルスレッドのスコアが517.7、マルチスレッドが5870.2となりました。
シングルスレッドではCore i9-9900Kよりも低く、マルチスレッドでもさほど進化のほどを示せていない結果に。。それにしてもRyzen9のスコアが圧倒的すぎますね。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCH R15によるスコアは2290でした。ここではCore i9-9900Kに勝る結果になりましたので一安心。なおRyzen・・・
CPU | スコア |
Ryzen 9 3900X | 3232 |
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-10900X | 2290 |
Core i9-9900K | 1983 |
CINEBENCH R20では5518となっています。
ストレージ性能
CドライブのSSDの読み速度はおおよそ1650MB/s程度です。NVMe対応のSSDとしては標準的ですが、体感的なサクサク感はしっかり得られます。
メインストレージが256GBしかないのは容量的に足りません。せめて保存領域の確保にHDDくらいは足しておきたいところでしょう。
GeForce GTX1660のグラフィック性能・ゲームスコア
DAIV X7(カスタム)は、グラフィックをGeForce GTX1660に変更しています。静止画だとスタンダードのGTX1650 SUPERでも十分なのですが、ゲームや動画編集においてはこちらのほうが有利。カスタマイズ料金も9800円と良心的です!
CINEBENCHのベンチマーク
結果は148.45fpsでした。
過去にテストした結果ですとGTX1660Tiが118.94fps、RTX2070SUPERが144.72fpsです。なかなかベンチの数値が安定していないイメージなので、今後このテストは必要なくなってくるかもしれない。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
標準品質 | 3840×2160 | やや重い(2654) |
1920×1080 | 快適(7441) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジーのベンチ結果です。4K解像度ではさすがにプレイが困難ですが、フルHD環境なら快適に遊べます。
カスタマイズで選べるGPUはGTX1660までなので、もう少し上のグラボを選べるようにして欲しいというのが本音。そのほうがCPU性能も生かせるような気がします。どうしてもハイエンドクラスのグラボが必要なら上位モデルのDAIV X9という選択になります。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分40秒」でした。
無料ソフトの「RawTherapee」を使って現像。JPEG品質は90%、高画質での変換になります。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Ryzen 9 3900X | 4分52秒 | |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 | |
Core i9-10900X | 4分40秒 | |
Core i9-9900K | 4分45秒 | 3分19秒 |
Core i7-9700K | 4分43秒 | 4分56秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
RAW現像に関してはインテル勢が頑張っている印象があります。ベンチスコアでは散々な結果ですが、実際に動かしてみるとそこまで大差をつけられることはないですね。
不思議なことにCore i9-9900Kが最速タイムを叩き出しています。RAW現像メインであれば「インテル入ってる」パソコンを選ぶのも手だと思います。
>>Core i9-9900K搭載!RAWCOM限定パソコンのレビューはこちら(←現在は販売していません)
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約3分22秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 |
Ryzen 9 3900X | 2分59秒 |
Core i9-10900X | 3分22秒 |
Core i9-9900K | 3分48秒 |
Core i7-9700K | 4分49秒 |
動画編集はコア数の多いRyzenが有利な処理ですが、Ryzen 9 3900Xとの差は20秒ほど。動画編集においてはRyzenを選択するのが良さそうですね。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが62.1」「エンコード時間が40秒」という結果になりました。
参考までに、Ryzen 9 3900Xですと「スコアが67.6」「エンコード時間は37秒」です。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
6215 | 9567 | 7975 | 8540 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
計測結果は6215で十分なパフォーマンスをもったパソコンだと感じます。
パソコンはうるさい?静音性は?
高負荷がかかるとさすがに冷却ファンが回りますが、これは一般的なパソコンと同様に感じました。特にうるさすぎるとか、作業に集中できないなんてことはありませんでした。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV X7の中身を公開!
DAIV X7の外観写真
DAIVに共通の無骨なシャーシを採用。デスクトップならトップクラスのカッコよさ!
Core i9のシールがまぶしい!カバーをとりはずせば簡単にホコリの掃除もできるのでメンテナンスにも気を使った設計ですね。
フロント側には、電源、USB端子などがあるのでアプローチも容易。ちょっとだけ傾斜がついているので挿しやすい。
インターフェース
・DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-D×1
・USB2.0×4(背面)
・USB3.0×6(背面×4、前面×2)←前面ポートは常時給電対応
・USB3.1×2(Type-A/背面×1、Type-C/背面×1)
・ネットワーク1000Base-T/100Base-TX/10Base-T対応(RJ-45)
・ヘッドフォン出力、マイク入力、等(モデルで異なる可能性があります)
高速なデータ転送を可能にするThunderbolt3にも対応した機器が使えます。
DAIV Zシリーズの内部写真
DAIV X7の内部です。黒で統一されていてスタイリッシュです。配線はまとまってますが束感がありますね。
GPUサポートと専用クーラーが用意されているので冷却性は期待がもてそう。DAIV当初のモデルにはなかったので堅実に進化していくのも好印象です。
DAIV X7のデメリット
・GPUの選択肢が少ない!
・コスパでDAIV Aシリーズに押され気味
DAIV X7のCPUの性能が高いだけに、より性能を盛りたいというニーズはあるはず。GTX1660が天井というのはちょっと物たりないですね。
またコスパで言うとRyzen勢に終始押されっぱなし・・・最新の第10世代Core i9に期待はしていましたが、牙城を崩すほどのパフォーマンスはないというのが正直なところでしょうか・
DAIV X7シリーズはこんな人におすすめ
- Intel入ってるPCが欲しい人
- RAW現像を日常的に行うクリエイター
- グラボも性能はそこそこでOKな人
- 写真家、イラストレーター、業務的に静止画を扱うユーザー
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV X7シリーズの感想まとめ
DAIV X7シリーズをレビューしてきました。
CPU性能が高く、冷却性にも期待できそうなので継続的なRAW現像やイラスト制作などに向いているパソコンだと思います。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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