※追記)RTX3050搭載モデル「DAIV Z4-I7G50SR-B」の情報を追加しました
マウスコンピューター様よりクリエイター向けの「DAIV Z4シリーズ」をお借りしましたのでレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
1kgを切る驚きの軽さながら、RAW現像をはじめとするクリエイト作業が快適に行なえるパフォーマンスをもち。14型WUXGA(1,920×1,200)解像度、sRGB比約100%に対応するなど、出先でしっかり作業が行える仕様も嬉しい。パソコンを持ち出す機会の多いユーザーには魅力的な製品です。RTX3050搭載モデルも追加され、より広いニーズに対応できるモデルに進化しました!
ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
DAIV Z4シリーズの性能
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのDAIV Z4Pシリーズは、DAIV史上最も軽量なパソコンです。なんと言っても1kgを切る軽さが特徴!マグネシウム合金採用で、軽量性と堅牢性を両立させています。最新モデルのCPUはCore i7-1360P/Core i7-13700Hが採用され、パフォーマンス面も強力ですので外出時でもしっかりと作業ができるパソコンになっています。
またCPU内蔵型のグラフィックとしては強力なインテル Iris Xe グラフィックスにより、高い描画性能と機械学習処理やエンコード作業を行うことが可能としています。個人的には内蔵グラフィックは信用していないタイプなのですが、第11世代(Iris Xeグラフィックス)からはかなり強力になってきているので意外と使えるシーンは増えています。
より描画性能を求めるクリエイターにはRTX3050搭載モデルも提供しています。特に動画編集などを行うようなクリエイターにはよりおすすめできるモデルに進化したと思います。
DAIV Z4の基本構成(スペック)
モデル | スペック | 価格 |
DAIV Z4 | Core i7-13700H / 32GB / RTX3050 / 500GB SSD | 229,900 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P / 16GB / Iris Xe / 500GB SSD | 199,800 |
DAIV 4P | Core i7-1260P / 16GB / Iris Xe / 512GB SSD | 149,800 |
詳細 | >公式サイトをチェックする |
※構成は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
DAIV Z4シリーズのちがいで最も大きいのがCPUです。重さやバッテリー駆動時間など、細かく見ていけばちがいはあるものの使用感に大きな差はほぼありません。それと最上位モデルのみグラフィックが搭載されているのも見逃せません。
今のラインナップだと意外と判断は楽で、パフォーマンスが必要なら「DAIV Z4」最上位モデル、予算を抑えたいなら15万円以下の「DAIV 4P」を選択するのが良いでしょう。Core i7-1260P/1360Pの性能差は価格差ほどないと考えています。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-1360P/13700Hの性能
DAIV Z4に搭載されているのが第13世代Core i7-1360P/Core i7-13700Hです。モバイルに特化したCPUとパフォーマンスに重きを置いたCPUと選べるのもポイント。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700H | 29810 | P:2.4GHz(5.0GHz) E:1.8GHz(3.7GHz) |
14コア20スレッド (P:6コア/E:8コア) |
45W |
Core i7-1360P |
19726 | 2.2GHz(5.0GHz) | 12コア16スレッド | 28W |
Core i7-1260P | 17203 | 2.1GHz(4.7GHz) | 12コア16スレッド | 28W |
Core i7-1165G7 | 10605 | 2.8GHz(4.7GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-10750H | 12575 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-1360PとCore i7-13700Hの性能差は約50%も差がありますす。少しでもアドバンテージをとりたいのであればCore i7-13700Hが有利であるものの、消費電力がどうしても増えてしまいますので外でどれくらい作業をおこないたいかなども考える必要があります。
Core i7-1360Pでもスコアは20000近くありますし、十分すぎる性能をもったCPUだなという印象を受けます。ちょっとしたRAW現像や動画編集なら耐えられそうな予感がします。バッテリーもちと性能のバランスが良ければ、モバイル時の作業も捗りますからね。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700H | 806.9 | 6346.3 |
Core i7-1360P | 722.1 | 4260.1 |
Core i7-1260P | 641.8 | 4709.8 |
Core i7-1165G7 | 613.7 | 2788.8 |
Core i7-10510U | 402.8 | 1411.0 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Core i7-1360Pのシングルスレッドスコアは722.1、マルチスレッドが4260.1となりました。Core i7-13700Hと比較するとシングルが約11%、マルチが約49%差があります。
性能をとるならどちらを選べばいいかは明確ですね。個人的にはCore i7-13700H搭載モデルを選びたいような気もします。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700H | 740 | 5215 |
Core i7-1360P | 714 | 3787 |
Core i7-1260P | 615 | 3407 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-10510U | 474 | 1534 |
Core i7-10750H | 471 | 2566 |
CINEBENCH R20スコアはシングル714、マルチ3787でした。Core i7-13700Hと比較するとシングルが約4%、マルチが約38%の差になっています。
さきほどよりもシングル性能差は小さくなっていますが、相変わらずマルチ性能ではCore i7-13700Hに分がある感じですね。
ストレージ性能
DAIV Z4のストレージはReadで3700MB/sを超える速度を見せてくれました。パソコンの起動はもちろん、アプリの立ち上げやインストールも高速です。キビキビとした動作は使っていて本当に気持ちよかったですね。
インテル Iris Xe グラフィック性能・ゲームスコア
DAIV Z4にはCPU内蔵型とGeForce RTX3050搭載モデルが用意されています。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
GPU | 設定 | スコア |
DAIV S4(RTX4060) | 1982×1080(標準品質) | 12899(非常に快適) |
DAIV Z4(RTX3050) | 1982×1080(標準品質) | 6677(快適) |
DAIV Z6(RTX3050) | 1982×1080(標準品質) | 7336(快適) |
DAIV Z4(Iris Xe) | 1280×720(軽量品質) | 3751(普通) |
GTX1650 | 1920×1080(標準品質) | やや快適(5128) |
重量級タイトルで有名なFF15でも、RTX3050搭載モデルなら普通に遊べます。GTX1650搭載モデルよりも高いゲーミング性能がありますが、理論値よりもやや低めのスコアにとどまっている点は見逃せません。軽量モデルであるがゆえにフルスロットで性能を発揮できている訳ではなさそうな印象です。
グラボ搭載モデルとしてはDAIV S4シリーズがあります。、最上位モデルなら最新のRTX4060が選べますし、型落ちならRTX3050/GTX1650なども選べて安く購入できます。コスパ的にもおすすめですのであわせてチェックしてみてください。
RAW現像にかかる時間は?
約50枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「1分15秒」でした。快適と言うにはちょっと遠い気がします。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 50枚 | 150枚 |
Core i7-13700H | 1分15秒 | |
Core i7-13700H | 1分15秒 | |
Core i7-12650H | 1分15秒 | |
Core i7-1360P | 1分12秒 | |
Core i7-1260P | 4分27秒 | |
Core i7-10750H | 5分10秒 |
RAW現像の書き出し時間は非常に速く、モバイルノートの域を超えていると言っても過言ではないでしょう。Core i7-1360Pでもパワフルさを感じるほどですので、RAW現像目的であれば1Kgを切るモデルをチョイスするのもありでしょう。フットワークを武器に制作活動にあたれるはずです。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトはResolveで書き出し時間を計測します。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
DAIV S4 | Core i7-13700H×RTX4060 | 3分26秒 |
DAIV Z4 | Core i7-13700H×RTX3050 | 3分56秒 |
raytrek R6-AA | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分54秒 |
G-Tune P6 | Core i7-12650H×RTX4050 | 3分12秒 |
mouse K5 | Core i7-12650H×MX550 | 4分15秒 |
DAIV Z4 | Core i7-1360P×Iris Xe | 7分21秒 |
動画編集においてはグラボ搭載モデルを選ぶべきだというのがハッキリわかります。もしDAIV Z4を検討しているならRTX3050搭載モデルがおすすめということになりますが、Core i7-13700H×RTX4060を搭載したDAIV S4も価格帯的には同じです。14型コンパクトな筐体を採用しつつ性能も大事にしたいなら合わせて検討しても良いかもしれません。
>>DAIV 6P-RTレビュー(RTX3050搭載でFHD動画編集におすすめ)
>>DAIV S4レビュー(RTX4060搭載で4K動画編集に対応)
パソコンはうるさい?静音性は?
DAIV Z4は通常利用ならほぼ無音で使うことができます。膝に乗せていても熱くなりにくく、思いついた時にすぐ使えるのはメリットです。負荷のかかる作業ではさすがにファンが回りますが「サー」という音で不快感はありませんでした。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。DAIVの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
DAIV Z4を開封!外観チェック
軽さは正義!指先でつまんで持てるレベル
DAIV Z4はマグネシウム合金を採用した剛性のあるボディです。サイズは308.8×213×16.8mm、シルバーカラーで明るい印象に仕上がっているのも良いですね。女性でも使いやすいと思います。
重量は975g、RTX3050搭載モデルは約1.32kgとどちらも軽量です。RAW現像などのクリエイト作業をきっちりこなせるパフォーマンスがあるのに、指先でつまんで持てるレベルなのは凄いです。
横から見ても薄いです。クリエイトモデルにはありがたいSDカードスロットもあります。
裏面には排熱用やスピーカーの穴が見受けられます。直線を活かしたデザインでスタイリッシュな感じがします。薄型コンパクトな筐体なのグラフィックの性能を完全に引き出すのは難しいのか?
バッテリー駆動時間は約10時間を超えています。ACアダプターとケーブルもコンパクトで、重量は約240g、本体と合わせても約1.2kgにしかありません。
グラボ搭載モデルは一回り大きなACアダプターになります。
WUXGA×sRGB比100%のモニターを搭載
14.0型WUXGA(1,920×1,200)モニター搭載で、アスペクト比 16:10です。ちょっと縦に長いので、ワードやエクセルなどのビジネスソフトで情報をより多く表示したり、フルHDを確保したままフォルダ類を下に並べて作業できるので効率性が地味に良いです。
上位モデルはアスペクト比が16:10のQWXGA+(2,880×1,800)解像度になっています。より効率的に作業が行えるので「フルHDクラスだと少し狭い」という人にも向いています。
またsRGB比 100%の広色域パネルを採用しているため、出先での正確な編集作業も行えます。出先でのちょっとした現像作業や確認用としては十分ではないでしょうか。スクロールする回数を減らせるのもメリット。
DAIV Z4のインターフェース
・HDMI
・SDカードリーダー(UHS-Ⅰ)
・Thunderbolt 4(右側面)
・USB3.1 Type-C(左側面)
・USB3.0×2
・Wi-Fi 6、Bluetooth 5
・ヘッドホン出力、ヘッドセット等
インターフェースも充実しており、モバイルPCにありがちなインターフェース不足を感じさせません。Thunderbolt 4はディスプレイ出力と共用で、Type-CはPD対応となっています。USB3.0も常時給電対応となかなか使い勝手が良いです。個人的にはSDカードリーダーが搭載されているのがポイントが高いです。
DAIV Z4のキーボード
キーボードは自然な配列で、それぞれのキーが小さいながらもタイピングのしやすさという点では悪くありませんでした。打鍵感を楽しむようなタイプではありませんが実用的だと思います。
DAIV Z4のデメリット
・液晶品質がもう一歩
・描画性能は普通
軽量モバイルPCとしては十分に高い性能をもちますが、CPU内蔵グラフィックはそこまで強力なものではありませんでした。たしかにMX250に近い性能を発揮してはいるのですが、もう少し性能が高いと動画編集やゲーム用途でも使えるのになという印象はぬぐえません。またRTX3050も理論値には若干届かないのも頭に入れておくと良いかもしれません。
よりパワフルなマシンが必要であれば「DAIV S4」「DAIV 6シリーズ」も視野に入れると良いでしょう。どちらもパワフルかつそこそこの軽さを持ち合わせている魅力的な製品です!
また液晶がsRGB100%とのことですがクリエイターモデルとしてはもう一歩ほしいかなという印象。たしかにキレイではあるのですが、一般的なモニターとそう変わらない印象です。
DAIV Z4はこんな人におすすめ
- 軽さとパフォーマンスを両立したい人
- 性能よりもフットワークを重視したい方
- RAW現像やイラストなど静止画中心の人
- モバイル用のサブパソコンが欲しい方
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
DAIV Z4の感想まとめ
DAIV Z4は、軽量なモバイルPCとしては処理能力が十分に高く、もたつく印象を一切感じさせませんでした。軽めのゲームや動画編集なら十分こなせるだけのパフォーマンスはありますし、マグネシウム合金製のボディは軽量モデルにありがちなチープさもありません。
ただし同社内のラインナップでも立ち位置は難しいところにあり、より性能を求めるならRTX4060搭載の「DAIV S4」、より安く買いたいなら型落ちアウトレット扱いの15万円切り「DAIV S4」(RTX3050)という選択肢もあります。軽さだけで超えられないところもあると思いますので総合的に判断されると良いでしょう。
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