ドスパラよりインテルと共同設計したGALLERIA GCR1660TGF-QCをレビューします。
Core i7×GTX1660Tiはミドルクラスで人気の構成。15.6型のディスプレイは144Hzのリフレッシュレートに対応するゲーミングノートです。重量は1.87kgと比較的軽く、場所に関係なくゲームやクリエイティブ作業を楽しむことができます。
それでは、各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間などを含めて実機レビューしていこうと思います。
目次
GALLERIA GCR1660TGF-QCの性能
公式HP:https://www.dospara.co.jp
ドスパラのGALLERIA GCR1660TGF-QCは、ゲーミングモデルとして高い人気を誇ります。
CPUにはCore i7-9750Hを採用しているので、ゲームだけでなく写真や動画コンテンツ作成にも役立ちます。ボトルネックを感じるようなことはまず起こりませんし、むしろ快適さを手にすることができるはずです。グラフィックはGTX1660Tiなので、フルHD解像度の映像なら問題なく対応できるはずです。
シンプルなデザインと、約10時間の長時間バッテリーのおかげで、モバイル環境下においても作業効率を落とさなくて良いのが最大のメリットでしょうか。
ちなみに本機にはRTX2070 Max-Qを採用した「GALLERIA GCR2070RGF-QC」という上位機種があります。こちらはちょっとした4K解像度にも対応できるほど強力なグラボなので、高リフレッシュレートを狙いたいユーザーにもおすすめです。
GALLERIA GCR1660TGF-QCのスペック
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-9750H |
グラフィックス | GeForce GTX1660Ti |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB NVMe SSD |
駆動時間 | 約10時間 |
液晶 | 15.6型フルHDノングレア(144Hz) |
サイズ | 356.4(幅)× 233.66(奥行き)20.5(高さ 最薄部) mm |
重量 | 約 1.87kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-9750Hの性能
搭載されているCPUは第9世代のCore i7-9750Hです。6コア12スレッドのCPUで、通常は2.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.5GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-9750H | 13740 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i5-9300H | 9673 | 2.4GHz(4.1GHz) | 4コア8スレッド | 45W |
パフォーマンスで不満を感じてしまうと、実行中の処理に対するモチベーションは落ちてしまいます。だからこそCore i7-9750Hのような処理能力の高いCPUを選択しておくことには価値があります。特にクリエイティブな用途に使う場合、処理が完了する時間に大きな差が生まれてしまいます。
時間のない現代人にとって、ましてやこのクラスを選ぼうとしている人にスペックを落とすことはあまり考えて欲しくありませんね。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
シングルスレッドのスコアが501.9、マルチスレッドが3434.5となりました。参考までに、僕がこれまでにテストした結果を表にしてみました。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-9750H |
501.9 | 3434.5 |
Core i7-8750H | 476.1 | 3482.7 |
Core i7-7700HQ | 396.1 | 1976.6 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
従来世代のCore i7-8750Hと比較すると、およそ10%ほどの性能アップが見られます。劇的な進化とは言えないまでも、クリエイティブ用途には少しでも強力なCPUが欲しいものです。そういう意味では、GALLERIA GCR1660TGF-QCも十分な性能を備えていると言えそうです。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは1122でした。
CPU | スコア |
Core i7-9750H |
1122 |
Core i7-8750H | 1026 |
Core i7-7700HQ | 723 |
Core i7-8700K | 1402 |
CINEBENCHでも従来世代よりも10%ほどの性能差アップが見られます。Core i7-9750Hは、Core i7-8750Hと比較すると、約1割ほどパフォーマンスが上と見て良さそうです。これが実行速度にどれくらい影響するのか楽しみですね。
さすがにデスクトップ用のCPUと比較すると負けてしまいますので、処理能力を最優先という人はデスクトップパソコンを選択しましょう。
ストレージ性能
Cドライブは512GB NVMe SSD搭載で、読込速度は1700MB/s、書込速度 1000MB/s程度という結果になりました。
NVMe SSDとしては普通の速度にとどまっていますが、HDDだと読み込み速度はよくても200MB/s程度です。およそ10倍の差がありますのでSSDを選択しない手はありません。一度使ってしまうと元に戻れないくらいサクサク動作しますよ!
GALLERIA GCR1660TGF-QCのグラフィック性能・ゲームスコア
GALLERIA GCR1660TGF-QCに搭載されているグラフィックはGeForce GTX1660Tiです。
もともとフルHD解像度を快適に動作させるために作られているようなグラボなのです。ほとんどのゲームタイトルでフルHDを問題なく動かしてくれますので、余程こだわりが強いゲーマーでもない限りは不満を感じないはずです。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は117.29fpsでした。こんなもんかなという印象ですね。
以前テストしたGeForce RTX2060では108fps、GTX1650でも117.68fps出たことがあるので、この結果はあまり参考にならないかもしれません。ゲームのベンチを見ていきましょう。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
標準品質 | 3840×2160 | やや重い(2839) |
1920×1080 | 快適(7858) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。やはりというかフルHDなら「快適」という結果が得られました。
実は上位モデルのGALLERIA GCR2070RGF-QCをテストしたこともあるのですが、その時はフルHD(標準画質)で「やや快適(5343)」という結果が出ています。当モデルのほうが良好な結果が出ているんですよね。もしかすると排熱的な問題で、上位モデルは思った様に実力を発揮していないのかもしれません。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「5分42秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Core i7-9750H |
5分42秒 | 5分35秒 |
Core i7-8750H | 5分53秒 | 6分32秒 |
Core i7-7700HQ | 7分34秒 | 7分22秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
RAW現像に関しては、処理が速く満足のいく結果に終わりました。
RAW現像はCPU性能に左右される処理なので、Core i7-9750Hの性能の高さがしっかりと確認できました。特に旧世代のCore i7-7700HQとひかくすると2分近くも短縮化に成功しています。
第7世代以前のCPUが搭載されたパソコンを使っている人は、更新を視野に入れても良いレベルだと感じます。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約6分43秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
書き出しの時間は、少しかかってしまった印象。やはりグラボが必要な作業では思うような性能が発揮できていないように感じます。
また4K解像度の場合は処理が重たいな・・と感じるシーンは少なからずありました。4K解像度を扱いたいユーザーは、もう少しグレードの高いノートパソコンを選ぶほうが良いでしょう。フルHDクラスは問題ありません。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが37.2」「エンコード時間が1分07秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8750Hだと「スコアが33.7」「エンコード時間が1分14秒」です。CPU系のベンチテストは安心して見ていられます。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
5224 | 9231 | 6705 | 6251 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
結果は5224で、このクラスとしては納得の数値になっていると思います。(なんなら上位モデルに迫ります)
当モデルの性格的には、フルHD解像度でゲームを楽しむユーザーが、高い処理能力を生かして現像処理や動画編集も楽しんじゃおうよ!という感じかと思います。モバイル性もなかなか高いので、野外での使用も視野に入れれるのが嬉しいところですね。
パソコンはうるさい?静音性は?
正直負荷のかかる作業ではファンの音は気になります。隣の部屋でドライヤーを回しているのと同じくらいの音量だと思います。(←かえってわかりにくいか?)ただしファン付近を手で触ると「冷えてる」というのがわかるくらい冷却性が良いのも付け加えておきます。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは翌日出荷に力をいれているので、当モデルも基本的には翌日出荷です。世間的にテレワーク需要が高まっていますので、メーカーによっては1ヶ月待ちなんてことも耳にする中で、当日出荷は間違いなく魅力的です!
その代わりと言ってはなんですが、カスタマイズがほぼできないに等しいです。メモリを追加したい、ストレージ容量を増やしたいという人は、別のモデルを選ぶしかありません。
GALLERIA GCR1660TGF-QCを開封!
性能面はおおむね満足いく結果を得られましたので、今度は外観をチェックしていきましょう。
※GALLERIA GCR2070RGF-QC-Gをレビューした際の写真を使用しています
GALLERIA GCR1660TGF-QCの外観写真
GALLERIA GCR1660TGF-QCのサイズは、356.4(幅)× 233.66(奥行き)× 20.5(高さ 最薄部) mmとなっています。実際に届いた製品を見ている限りは、コンパクトな印象を受けます。カラーバリエーションは、ブラック、ガンメタリックです。
過度な装飾やデコボコのないシンプルさが好印象です。ビジネスや学校で使っても周囲から浮くようなことはないでしょう。
ACアダプターは巨大です。230Wもあるとさすがにコンパクトにするのは難しいようですね。
バッテリーだけの駆動で約10時間とのことですが低負荷時のことです。実際にはもう少し減るということを考えると、このACアダプターを持ち歩くことが前提になってくるはず。家から会社(学校)の行き来なら良いけど、常に持って歩くのは骨が折れそうです。
液晶部はおどろくほど薄く、指一本で開閉できるほどスムーズです。この薄さこそが、数字よりもコンパクトに印象づける要因なのかもしれません。
ベゼルは4.5mmで、画面占有率は94.5%に達します。枠を意識することがないので映像に集中することができます。ゲームや映像編集など、集中力が欠かせない作業に没頭できるという意味では素晴らしいですね。
キーボードは独自配列
キーボードはメカニカル式と同等の打鍵感で、耐久性が高い素材を採用。RGB-LEDによって配色を自由に設定可能になっています。チープな印象は全くうけません。
配列が独特でEnter横に、縦一列ボタンが用意されています。また無変換もなぜかスペースの右側に来ています。
端にEnterがないのは気がかりでしたが、それほどタイピングに影響が出ることはなかったです。むしろEnterだけ打ち心地がやや硬いのが気になりました。押せてるかわからないので、二度押したらタイプミスになったりと・・ややストレスがかかる場面も。
トラックパッドは広く、マウス無しでもそれなりに快適に作業を終えることができました。
GALLERIAのインターフェース
インターフェースも充実しており、HDMIやUSB3.1、Type-C(Thunderbolt3対応)、マルチカードリーダーと一通りそろっています。
Thunderbolt3は40Gbpsの高速通信に対応していますし、次世代規格のWi-Fi 6を搭載しています。ゲームでは避けたい遅延などを防ぐ意味でも、高速通信があるというのは大きなポイントでしょう。
GALLERIA GCR1660TGF-QCのデメリット
・ACアダプターが大きくモバイル性が削がれる
・キーボード配列が特殊
・カスタマイズに非対応
おおむね万人受けする製品だと思いますが、ACアダプターの大きさや、キーボードの配列のことは注意したほうが良さそうです。個人的には「カスタマイズができない」のが気になりました。
大量のRAWデータを処理する人や、マルチタスクで処理したい人にとってはメモリを32GB以上にしたいというニーズもあるはず。ところが、カスタマイズ画面には増設のコマンドが出てきません。SSD容量やHDDのの追加、グラボの変更もできません。初期構成でほとんど問題ないとは思いますが、多用途なニーズを満たしていないというのは気になる点です。その代わり即日出荷に対応できるというメリットはあるのですが・・・
GALLERIA GCR1660TGF-QCはこんな人におすすめ
- 満足度が得られるPCが欲しい人
- RAW現像や動画編集に使いたい人
- おしゃれなノートPCが欲しい人
- ゲームを快適に遊びたい人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
GALLERIA GCR1660TGF-QCの感想まとめ
GALLERIA GCR1660TGF-QCを開封しながら、様々なテストを行ってきました。
Core i7-9750H×GTX1660Ti搭載でパフォーマンスに優れ、おしゃれな外観と軽量さでカジュアルに使いやすい印象を受けました。RAW現像や動画編集といったクリエイティブ用途にも耐えられることから、非常に使い勝手の良いノートパソコンだと感じました。
最大で約10,000ポイントの還元も魅力的ですし、フルHD環境で動けば満足できるというユーザーにとっては候補にしやすいのではないでしょうか?Amazon pay(Amazonギフト券)や、楽天ポイント(楽天pay)も使えます。ポイントが溜まっている人は、これを機に消費しちゃっても良いのかもしれません。
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