G-Tune P5-RTをレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
15.6型フルHDモニター採用のボディにCore i7-11800H×RTX3050を搭載した、スタンダードなゲーミングノートです!フルHDゲーミングをしっかり楽しめる性能で、動画編集などのクリエイティブな作業にも対応できます。実売価格は16万円台と良心的ですが、他にも検討すべきモデルがありそうなので併せて紹介します。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間なども掲載していますので参考にして下さい。
G-Tune P5-RT 特徴
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのG-Tune P5-RTシリーズは、ゲーミング用途にデザインされたノートパソコンです。
位置づけ的にはミドルクラスあたりで、処理能力(CPU)と描画性能(グラボ)の性能がしっかりしているのが特徴です。
はじめてのゲーミングパソコンとして、G-Tune P5-RTを選ぶのはなかなか良い選択になりそう。というのも全ての特徴が標準的で、奇抜さを狙っているモデルではないからです。別の言い方をすると、スタンダードであるがゆえに使いやすい(大きな弱点がない)ので万人受けするモデルだと思います。
ただし競合他社モデルと比較するとコスパはやや悪い印象も受けました。その辺りをじっくり解説していこうと思います。
G-Tune P5-RT スペックを比較
型番 | G-Tune P5-RT | GALLERIA UL7C-R36 |
OS | Windows 11 Home 64ビット | |
CPU | Core i7-11800H | |
グラフィックス | RTX3050 | RTX3060 |
メモリ | 16GB | |
SSD | 512GB SSD | 500GB SSD |
パネル | 15.6型フルHD | 15.6型フルHD(240Hz) |
動作時間 | 約5.5時間 | 約9.6時間 |
サイズ | 359.5×238×22.8 | 356×234×21.6mm |
重量 | 約2.01kg | 約 1.96kg |
価格 | 164,780~ | 174,980~ |
詳細 | >公式サイトでチェック | >公式サイトでチェック |
G-Tune P5-RTのライバルとして登場してもらうのが、ドスパラが販売しているGALLERIA UL7C-R36です。価格は1万円ほど高いですがRTX3060を搭載しており、バッテリー駆動時間も長く、240Hzリフレッシュレートに対応しています。
この価格差だったら自分はGALLERIA UL7C-R36を購入してしまうかもしれません。。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-11800Hの性能
G-Tune P5-RTに搭載されているCPUは、第11世代のCore i7-11800Hです。8コア16スレッドのCPUで、通常は2.3GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.6GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10870H | 16195 | 2.2GHz(5.0GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10875H | 15997 | 2.3GHz(5.1GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H |
12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
PASSMARKの公開データによるとCore i7-11800Hのスコアは20000オーバーです。Core i7-10750Hと比較すると約72%高性能化していることになります。
性能が72%UPしているというのは、もはや別次元になってきます。ちょっとした作業をしても引っかかりがなく、高負荷作業なら多くの時間を節約してくれることは間違いありません。ちょっとしたデスクトップなんかよりも処理能力は高いので、安心して処理を任せることができます。
CPU-Z ベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-11800H | 622.0 | 5746.4 |
Core i7-10870H | 542.4 | 4900.0 |
Core i7-10875H | 533.1 | 4988.9 |
Core i7-10750H |
503.1 | 3169.5 |
シングルスレッドのスコアが622.0、マルチスレッドが5746.4となりました。Core i7-10750Hと比較した場合、シングルスレッドが約25%、マルチスレッドは約75%も強化されています。
価格帯的にはミドルクラスですが、処理能力ではミドルハイに匹敵する性能になっていると思います。この処理能力が16万円台で手に入るのはコスパ的にも美味しいと思います。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-11800H | 582 | 4117 |
Core i7-10870H | 490 | 3869 |
Core i7-10875H | 492 | 3418 |
Core i7-10750H |
465 | 3089 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
CINEBENCH R20では、シングルスレッドのスコアが582、マルチスレッドが4117と高めの数字なりました。Core i7-10750Hと比較した場合、シングルスレッドが約25%、マルチスレッドは約75%と傾向は同じですね。
数字的にはデスクトップのCore i7-11700に近いスコアです。デスクトップの性能が持ち歩けるというのは凄いですよね!
ストレージ性能
ストレージは512GBのSSD(NVMe対応)です。Readで2000MB/sを超えており動作もサクサクして快適ですが、このクラスのパソコンとしては標準的です。
GeForce RTX3050のグラフィック性能・ゲームスコア
G-Tune P5-RTに搭載されているグラフィックはGeForce RTX3050です。
エントリーよりのミドルクラスといったところですが、フルHDゲーミングや軽めの4K動画編集にも対応できるくらいの性能はあります。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
G-Tune P5-RT(RTX3050) | 3840×2160(標準品質) | 重い(2304) |
1920×1080(標準品質) | やや快適(5897) | |
旧DAIV 5P(GTX1650Ti) | 3840×2160(標準品質) | 動作困難(1327) |
1920×1080(標準品質) | 普通(3756) | |
GALLERIA UL7C-R36(RTX3060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(4011) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(10191) |
FF15ではフルHDでやや快適という結果になりました。(4Kは重い)
GeForce GTX1650と比較すると、ざっくり1.5~1.7倍程度のスコアが出ています。GTX1650では画質を相当落として遊ばないと快適に動作しないゲームも多かったですが、RTX3050ならゆとりのあるプレイが可能になるでしょう。エントリークラスのグラボでもしっかり遊べるのであれば、間口も広がってユーザーも増えるはずです。
RTX3050シリーズだけに的を絞れば13万円前後で購入できるモデルもあります。→GeForce RTX3050(Ti)搭載のおすすめパソコン
ただし、上位のGeForce RTX3060はさらに約1.7倍高性能です。RTX3050→RTX3060になることでステージが確実に変わりますので、余裕があるなら1万円追加してGALLERIA UL7C-R36を購入することをおすすめします。→GALLERIA UL7C-R36のレビュー
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee5.4」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分54秒」でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理速度 |
Core i7-11800H | 4分02秒 |
Core i7-10870H | 4分54秒 |
Core i7-10875H | 4分58秒 |
Core i7-10750H |
6分27秒 |
RAW現像は4分02秒で作業が完了。ノートパソコンとしてはトップクラスの性能で作業時間の短縮に貢献してくれます。
過去モデル(Core i7-10750H)よりも2分半近く短縮化していることを考えると、明らかにグレードが変わったことを印象付けられます。日常的に大量のRAW現像を行うなら選ぶ価値のあるモデルだと言えるでしょう。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約4分47秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
G-Tune P5-RT | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分47秒 |
DAIV 5P(旧) | Core i7-10750H×GTX1650Ti | 7分38秒 |
DAIV 5N | Core i7-10870H×RTX3060 | 4分36秒 |
本来4K動画編集にはちょっと物足りないスペックだと思いますが、軽めの編集ならこなせそうな印象です。持ち出した先で微調整くらいなら問題なく行えるでしょう。ただし駆動時間にあまり余裕はないのでアダプターは必須レベルです。
もちろん本格的な4K動画編集は避けたほうが無難で、クラス的にもフルHDデータ編集がターゲットになると思います。
もしも日常的に4K動画編集をしたいのであればRTX3060以上を搭載したパソコンを選択しましょう。デスクトップも視野に入れながら選択してください。
・RTX3060(Ti)搭載のおすすめパソコン
・RTX3070搭載のおすすめパソコン
パソコンはうるさい?静音性は?
G-Tune P5-RTで気になったのが冷却ファンの音です。高性能な分だけ冷却も必要になりますが、高負荷作業では割としっかりとファンが回ります。うるさくて作業に集中できないというほどではありませんが、比較的音は大きい部類になると感じました。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。マウスコンピューターの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
G-Tune P5-RT 開封!
G-Tune P5-RTシリーズの外観写真
G-Tune P5-RTの筐体はブラックベースですが、わずかにブラウンが混じったようなカラーリングです。デザインはシンプルにブランドロゴが入るだけですので、どなたでもどんなシーンでも使いやすいかなと感じます。
暗めに撮影したらほとんどブラックですね。光の加減で印象が変わるところにちょっとした高級感を感じます。
G-Tune P5-RT 付属品・バッテリー駆動時間など
付属品は「電源ケーブル」「ACアダプタ」「納品書」「説明書」などです。ACアダプターもゲーミング向けとしてはコンパクトです。バッテリー駆動時間は約5.5時間なので細かい作業なら乗り越えられそうですが、1日しっかり作業する人はアダプターを持ち歩くことになるでしょう。
15.6型フルHDモニター
G-Tune P5-RTのモニターは特筆すべき点もないのですが、作業する上で不足はありません。発色も自然ですしカジュアルに編集作業も楽しめるレベルだと思います。
ゲーミングなら高リフレッシュレートが欲しいところですので、240Hzに対応したGALLERIA UL7C-R36に大きく差をつけられているところ。ゲーミング目的でなければ普通のモニターで事足りますので、必要(予算)に応じて選ぶようにするのが良いでしょう。
G-Tune P5-RT キーボード
テンキーも付属した利便性の高いキーボードですが、数字周りはごちゃついてる印象ですね。十字キーが小さいのでオフィス系ソフトなどで多用するなら気を付けたいところです。
パフォーマンス切り替えボタンなどもなし。とてもシンプルで難しいことを考えなくても使えるのはメリットとも言えます。
G-Tune P5-RT インターフェース
・Mini DisplayPort×1 / HDMI×1
・USB2.0(左側面 Type-A×1)
・USB3.0(右側面 Type-A×1 / 左側面 Type-A×1)
・USB3.1(右側面 Type-C×1)
・ネットワークLAN
・インテル Wi-Fi 6 AX201 (最大2.4Gbps/ IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n)
・Bluetooth 5
・マイク入力×1、ヘッドホン出力
・Webカメラ(100万画素)など
G-Tune P5-RT デメリット
・ファンの音が大きい
・ライバルに劣るコスパ
・大きな特徴がない
G-Tune P5-RTは弱点と言える弱点はありません。むしろ良心的な価格設定に、しっかりとした性能があるので全体的に好印象です。あえて言うならファンの音が大きいくらいでしょうか…逆に言うと、コレといった特徴がないので物足りなさを感じる可能性もあるかもしれません。
個人的にはライバルのGALLERIA UL7C-R36に大きく性能で差をつけられているところが一番気になりました。確かに1万円差はあるのですが、ドスパラ独自のポイントや楽天ポイントも入るので差はもっと小さくなります。「どちらを購入する?」と聞かれたら個人的にはGALLERIA UL7C-R36を選びたくなると思います。
・予算20万円でおすすめのノートパソコン
・予算15万円でおすすめのノートパソコン
G-Tune P5-RTはこんな人におすすめ
- RAW現像、動画編集などを楽しみたい人
- フルHDゲーミングで楽しみたい人
- 大きな失敗はしたくないという人
- 予算が15万円前後という人
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
G-Tune P5-RT 感想まとめ
G-Tune P5-RTをレビューしてきました。
スタンダードゲーミングと呼ぶに相応しい、非常によくまとまったパソコンに仕上がっていると思います。処理能力も高く、無難な仕上がりになっているので万人に使いやすいモデルだと言えるでしょう。人気のバトロワ系タイトルもしっかり遊べますし、はじめての1台としては選びやすいモデルだと感じました。ただし競合他社との比較は行ったほうが良いでしょう。
マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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