第10世代インテルCPUの登場により、Ryzen CPUは苦戦を強いられるのか?
「Core i7-10700K」「Ryzen 5 3600」を比較して、その性能差をチェックしていきます。明らかにCore i7が格上ではありますが、Ryzen 5 3600がどこまで喰いつくのか?楽しみだたったりします。
ベンチスコアだけでなく、RAW現像や動画編集にかかった時間も計測しました。それではどうぞ!
目次
Core i7-10700K vs Ryzen 5 3600
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
CPUスコア(PASSMARK)性能一覧
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-10700K | 19737 | 3.5GHz(4.5GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i7-9700 | 13709 | 3.0GHz(4.7GHz) | 8コア8スレッド | 65W |
Ryzen 7 3700X | 22742 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 5 3600 |
17825 | 3.6GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
スコアはPASSMARKが公開しているデータを参考にしています。
Ryzen 5 3600のスコアは17825で、Core i7-10700Kの19737に劣ります。さすがに上位CPUという感じですが、K無しのCore i7-10700とは良い勝負。インテルが後だしのCPUな上、価格面を考えてもよく検討していると思います。
Ryzen 5 3600がコア数スレッド数で劣るので、さすがに苦戦を強いられるところでしょうか。ちなみにRyzen 7 3700Xだと第10世代CPUと比較してもまだ余裕がある感じですね。
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
比較に使ったパソコン
名前 | G-Tune HN-Z | 自作PC |
画像 | No Photo | |
CPU | Core i7-10700K | Ryzen 5 3600 |
GPU | RTX2070 SUPER | RX5700 |
メモリ | 16GB | 32GB |
SSD | 512GB NVMe SSD+2TB HDD | 1TB NVMe SSD +1TB SSD |
レビュー | >レビューを見る |
比較に使ったのはマウスコンピューターのG-Tune HN-Zと、Ryzen 5 3600を採用した自作PCです。自分が使っているパーツということもあってRyzenには頑張ってほしいところ。劇的に差が出てしまえば買い替えるしかありません(笑)
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Core i7-10700K
Ryzen 5 3600
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-10700K | 568.8 | 5629.0 |
Ryzen 5 3600 | 499.3 | 3970.2 |
CPU-Zのテスト結果では、シングルスコアで約13%、マルチコアで約41%ほどCore i7-10700Kが高いスコアを出しました。さすがに無視できない結果です。早くも先行きが怪しい。。
CINEBENCH 15のスコア
Core i7-10700K
Ryzen 5 3600
Core i7-10700K | 2045 |
Ryzen 5 3600 | 1529 |
CINEBENCHの結果でも、Core i7-10700KがRyzen 5 3600に約33%ほど良いスコアになっています。
Core i7-10700が4万円、Ryzen 5 3600が2万円台半ばのCPUだということを思えば割と頑張っているほうなのかもしれません。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
CPU | 処理時間 |
Ryzen 5 3600 | 5分10秒 |
Core i7-9700K | 4分35秒 |
Core i7-10700K |
4分30秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ、Core i7-10700Kが40秒程速いという結果になりました。プロフェショナルなユーザーで大量の現像処理を行うなら、言うまでもなくCore i7-10700Kを選ぶべきです。
しかし、150枚で1分も差がついていないことを考えると週末フォトグラファーや、じっくり数枚を作りこむような処理をする人ならRyzen 5 3600で十分かもしれません。浮いたお金はモニターやレンズに回すほうが利便性が高まったり、表現の幅が広がるかもしれません。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
製品 | 構成 | 処理時間 |
LUV MACHINES | Ryzen 7 3700X×GTX1660Ti | 3分33秒 |
G-Tune HN-Z | Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
DAIV Z7 | Core i7-9700K×RTX2060S | 4分49秒 |
自作PC | Ryzen 5 3600×RX5700 | 5分05秒 |
GALLERIA XT | Core i7-9700×GTX1660S | 5分22秒 |
Ryzen 5 3600を軸に考えると、第10世代Core i7-10700Kを搭載したモデルの処理は高速です。上位グラボを採用していすとはいえ、1分30秒近くも差が出るのは無視できません。個人的に興味深いのは第9世代Core i7とRyzen 5の差は小さいということ。
最近のCPUと比較すると時間がかかる印象を受けますが、実用レベルですとRyzen 5 3600はまだまだ勝負できるという印象を受けます。4K高解像度の動画編集をバリバリやるような人や、毎日YouTubeに動画を投稿しているような人でもない限り十分ではないでしょうか。
もう1つ付け加えると、Core i7ga本来勝負すべきはRyzen 7です。Ryzen 7 3700Xに至っては今回のテストで最も処理が速く完了しています。そう考えるとインテルの苦戦はもう少々続きそうです・・・
Core i7-10700K vs Ryzen 5 3600 まとめ
・処理能力はCore i7-10700Kが上
・Ryzen 5 3600は実用レベルで問題なし
・Ryzen 7 3700XならCore i7-10700と同等以上
・コスパで見るとRyzen 5は優秀なCPU!
やや不公平なテストを行ってきましたがRyzen 5 3600は実用レベルで、第9世代Core i7に匹敵する性能です。よほど高度な処理を行わないのであれば十分すぎる性能を保持しています。
これからBTOパソコンを買うから「新しいパーツが欲しい」とか「インテル以外考えられない」といった特別な理由でもない限りコスパではRyzenを推します。一方でしっかりと制作活動で形を残していきたい人にはCore i7-10700Kを選択する価値はあるなとも感じました。
>「Ryzen」搭載のおすすめパソコンをチェックする
>「Core i7-10700(K)」搭載のおすすめパソコンをチェックする
おすすめパソコン
DAIV Z7
CPU | Core i7-10700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2060 SUPER |
ストレージ | 256 SSD + 2TB HDD |
マウスコンピューターのクリエイターモデル「DAIV Z7」です。安定性の高いインテルCPUを採用したミドルクラスモデル。グラフィックの性能も高いので、映像編集やゲームもカバーできる点が嬉しい。迷ったらこのあたりのスペックを購入するのがおすすめですね。
ドスパラ GALLERIA XA7R-R70S
CPU | Ryzen 7 3700X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX2070SUPER |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
ドスパラのガレリアはゲーマーにも人気があるモデル。高性能なパーツを使用することで、ノンストレスで快適なPCライフをおくれます。マルチコアが効くので動画編集に特におすすめ!
DAIV 5D-R5
CPU | Ryzen 5 3500 |
メモリ | 8GB |
グラボ | GeForce GTX 1660Ti |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
スタンダード構成ではRyzen 5 3500ですが数千円の費用でRyzen 5 3600に変更可能。また上位モデルの「DAIV 5D-R7」はRyzen 7 3700Xを採用しています。グラボもGTX1660Tiなので、強いこだわりがないなら十分すぎる性能。デスクトップパソコンの置き換えもノートで対応可能に!
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Ryzen 5 3600 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2070SUPER |
ストレージ | 1TB NVMe SSD + 2TB HDD |
フロンティアのGAシリーズの台数限定モデルです。フロンティアはあまり知られていませんが、国内生産の高品質なパソコンを提供しています。グラフィック性能が高いので、4K動画編集や最新タイトルを遊びたいならおすすめ!
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。