raytrek A4-Aをレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
約1.3kgの軽量なボディに第12世代Core i7-12700Hを搭載したクリエイター向けのノートパソコンが登場!14コア20スレッドのCPUですので、デスクトップパソコンに負けない処理能力をもっています。モニターのsRGBカバー率は99%となっており、モバイル先で本格的なクリエイト作業に使えてしまいます。おまけでアルミニウム製の高品質なボディーを採用、さらにおまけでThunderboltまでついています。これで13万円台は安すぎでは?
各ベンチマークソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間などを掲載してレビューしておりますので参考にしてもらえたらと思います。
raytrek A4-A レビュー
公式HP:https://www.dospara.co.jp
ドスパラが販売しているraytrek A4-Aは、コンパクトさとパワフルさを兼ねそろえたモデルです。
Core i7-12700Hはパフォーマンスが高いので、一般作業だけでなくRAW現像や動画編集にも耐えられるスペックです。Webコンテンツ領域を満たすsRGBカバー率99%を持っており、見た目にも美しいディスプレイだと感じました。プロがモバイル用のサブマシンで使ったり、セミプロのメインマシンとしても活躍してくれそうな1台です。これで13万円台はかなりコスパが良いと感じます。
raytrek A4-A スペック・パーツ構成
テスト機のスペックです。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-12700H |
グラフィックス | インテル Iris Xeグラフィックス |
メモリ | 16GB |
SSD | 500GB NVMe SSD |
駆動時間 | 約6.8時間 |
液晶 | 14型WUXGA(sRGB約99%) |
サイズ | 314(幅) × 220(奥行) × 18(高さ[前])、20(高さ[後]) mm |
重量 | 約1.3kg |
駆動時間がやや短いような気はするものの、この構成で13万円台は買いやすい値段だと思います。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-12700Hの性能
搭載されているCPUはCore i7-12700Hです。14コアのCPUで、通常は2.3GHzで動作し、負荷がかかった時はオーバーブーストで最大4.7GHzまでオーバークロックします。(パフォーマンスコア)
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700H | 27446 | 2.3GHz(4.7GHz) | 14コア20スレッド | 45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-1260P | 17203 | 2.1GHz(4.7GHz) | 12コア16スレッド | 28W |
Core i7-1165G7 | 10605 | 2.8GHz(4.7GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Ryzen 7 5800H | 21724 | 3.2GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 45w |
Ryzen 5 5600H | 17171 | 3.3GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 45w |
第12世代インテルCPUは性能を大きく伸ばしており、軽量モバイル系の製品であっても高負荷な作業に耐えられるほどになってきています。スコアは27000ほどでデスクトップパソコン向けのCPUと肩を並べるほどです。
省電力タイプのインテルCPUと比較しても倍近いスコアをたたき出していますし、ライバルのRyzen CPUと比較しても有利なスコアです。アプリの親和性の意味でもインテルを選びたいという人も多いのでは?
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700H | 746.1 | 6370.0 |
Core i7-1260P |
641.8 | 4709.8 |
Core i7-1165G7 |
613.7 | 2788.8 |
Core i7-11800H | 621.3 | 5381.9 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Ryzen 7 5800H | 580.7 | 5731.2 |
Ryzen 5 5600H | 558.6 | 4256.8 |
シングルスレッドのスコアが746.1、マルチスレッドが6370.0となりました。
Core i7-11800Hと比較するとシングル性能で約20%、マルチスコアで約18%のスコアアップになります。シングル性能が高いため多くの作業で快適ですし、マルチスコアも順当にアップしているのが好印象。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700H | 687 | 5259 |
Core i7-1260P |
615 | 3407 |
Core i7-1165G7 | 569 | 2315 |
Core i7-11800H | 581 | 4162 |
Core i7-10750H |
465 | 3089 |
Ryzen 7 5800H | 558 | 4691 |
Ryzen 5 5600H | 528 | 3607 |
CINEBENCH R20でもその高いパフォーマンスを見せつけています。Core i7-11800Hに比べてシングル性能は約18%、マルチ性能は約26%もアップしています。
CPU性能に関してはざっくり2割程度強化されていると考えて良さそうです。
ストレージ性能
ストレージは500GB SSD搭載で、読込速度は約2800MB/s, 書込速度 約1650MB/sです。
ここ最近のSSDとしては標準的な速度ですが、起動の速さ含めてキビキビ動作してくれるので気持ちが良いです。
ゲームのベンチマーク(FF15)
GPU | 設定 | スコア |
Iris Xe(i7-12700H) | 1280×720(軽量品質) | 3652(普通) |
Iris Xe(i7-1260P) | 1280×720(軽量品質) | 4018(普通) |
MX250 | 1280×720(軽量品質) | 普通(3891) |
GTX1650 | 1920×1080(標準品質) | やや快適(5128) |
重量級タイトルのFF15も設定さえ落とせば動作します。CPU内臓グラフィックスにしては強力なので、軽めのゲームなら快適に遊べる可能性は十分にあります。Thunderboltにも対応していますので外付けのGPUで補うなんていう方法も選べます。
ただし、フルHDクラスでゲームを楽しむのは厳しいと言わざるを得ません。ゲームを遊びたいのであれば、最低でもGTX1650やRTX3050あたりを搭載したモデルを選びましょう。最新ゲームをしっかり遊びたいならRTX3060搭載モデルを選ぶのがおすすめです。
RAW現像にかかる時間は?
無料現像ソフトの「RawTherapee」で約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分01秒」でした。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700H | 4分01秒 |
Core i7-1260P |
4分27秒 |
Core i7-1165G7 |
5分17秒 |
Core i7-11800H | 4分13秒 |
Core i7-10750H |
5分10秒 |
Ryzen 7 5800H | 4分42秒 |
Ryzen 5 5600H | 4分23秒 |
約4分で処理を終えているのは、ここ最近で最も速いです。つまりRAW現像目的でこのモデルを選ぶのは間違いがないということです。
しかも広い色域に対応したモニターも搭載されているので、コンパクトパソコンだから作業ができないなんてこともありません。ライトユーザーだけでなく、処理能力を求めていたハードユーザーでも満足できるのではないでしょうか。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトResolveを使って4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は約9分31秒でした。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
4K解像度を扱うのはさすがに苦しいと言わざるを得ません。フルHDクラスなら4分半ばで書き出し処理を終えたので、まだ実用的な範囲だと思います。動画編集をしっかり勉強したいのであれば専用グラフィックを搭載したモデルを選びたいところです。
パソコンはうるさい?静音性は?
さすがに負荷がかかった時にはファンの音がそれなりにしましたが、うるさいと感じるほどではありませんでした。割と長時間作業していても変な挙動はなかったので安心して使えると思います。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは翌日出荷に力をいれており、今回紹介するモデルも翌日出荷に対応しています。半導体不足が叫ばれる中でもパソコンがすぐ手に入るというのはうれしいですね!外資系メーカーだと1ヶ月くらい待つのは普通ですが、すぐにパソコンが必要ならドスパラを選択するメリットは大きいと思います。
raytrek A4-A開封!
raytrek R4-A外観写真・デザイン
直線をいかしたデザインで、天面にロゴが入るだけのシンプルなデザインです。マット仕上げのアルミニウムボディなので高級感があって良いです。ただし指紋や汚れは目立ちやすいかもしれません。
サイズは314(幅) × 220(奥行) × 18(高さ[前])、20(高さ[後]) mm、重量は約1.3kgです。最初「13インチだっけ?」と思ってしまうくらいにはコンパクトでした。重量はこのクラスとしてはやや重たいかもしれませんが、高品質な金属製ボディーですから許容範囲かと。
背面もシンプルです。普通に使っているだけなら冷却ファンは気にならないくらい静かです。
コンパクトなACアダプターを採用しているので持ち歩きの負担も小さいです。高性能CPUを積んでいるせいかバッテリーはあまりもちませんので、基本は一緒に持ち出して使うのが良いでしょう。1日フルに使うならバッテリーだけでは足りないはずです。
発色の良いディスプレイを採用
raytrek A4-Aを触った第一印象は「液晶がきれい」でした。それもそのはずでsRGBカバー率約99%の広色域モニターが搭載されています。写真などの編集作業も正確に行えますのでフォトグラファーのサブ(モバイル)機としてもおすすめです。
解像度は縦に少し長いWUXGA(1920×1200)はスクロールする手間も省けますし、単純に表示領域が広いので作業が捗ります。スリムベゼルも没入感があって良いですね。
キーボードも自然な配列
キーボードは自然な配列で、キーピッチも19mmと十分です。コンパクトな筐体を採用しているからと言って文字入力がお粗末になるようでは本末転倒ですが、raytrek A4-Aではその心配は無用です。
大型のタッチパッドを搭載しているのでマウスなしで乗り切れる作業も多いです。
raytrek A4-A インターフェース
①Thunderbolt™ 4(USB Type-C)
②USB3.2 Gen1 Type-A
③HDMI2.0 Type A
④電源入力
⑤セキュリティ スロット
⑥USB3.2 Gen2 Type-C(DP1.4対応)
⑦USB3.2 Gen1 Type-A
⑧SDカードリーダ(SD/SDHC/SDXC、UHS-I対応)
⑨マイク入力・ヘッドフォン出力 共用端子
高速通信を可能にするWi-Fi 6や、Thunderboltも搭載されています。
raytrek A4-A デメリット
・グラフィック性能がもう一歩
・本格的な動画編集には向かない
raytrek A4-Aの弱点と感じるような点はほとんどなく、全体的に「使いやすい」と感じるのが正直なところです。ただし専用グラフィックを搭載していないため描画性能は高くありません。ゲームや動画編集などの作業にはやや力不足という印象ですが、写真・イラストなどの静止画中心なら問題ないでしょう。
raytrek A4-Aはこんな人におすすめ
- 気軽に使えるノートPCが欲しい人
- RAW現像やイラストで使いたい人
- mobileしやすいモデルが欲しい人
- コスパの高いモデルを探している人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek A4-A 感想まとめ
raytrek A4-Aをレビューしてきました。
CPU処理能力はデスクトップ並みの高さで、高品質なボディーを採用している点など満足度の高いモデルだと感じました。キーボード・トラックパッドも使いやすく、ストレージの転送速度、モニターのきれいさ、Thunderbolt対応など申し分ありません。本当に使いやすくて不満のないモデルだと感じます。このクラスなら価格は17~20万円あたりでもおかしくないですが、13万円台とコスパが良く良心的なモデルだと思います。個人的にはかなりおすすめ!
ドスパラで販売されているパソコンは国内生産ですし、万が一の時は実店舗なんかで相談もできるので安心感があります。他にも多数のパソコンを販売しているので、チェックしてみても良いかもしれません!
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