「raytrek R5-AA6」をレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
目玉は何といっても第12世代Core i7-12700Hを搭載したところ!デスクトップパソコン並みの処理能力で、本格的なクリエイト作業にも使えます。グラボはGeForce RTX3060ですから高解像データ編集もお手の物。さらにディスプレイのsRGBカバー率は99%と正確な色再現が可能。おまけでThunderboltまでつけちゃうという徹底ぶり・・ほぼ完ぺきとも言える素晴らしいモデルになっています。
各ベンチマークソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間などを掲載してレビューしておりますので参考にしてもらえたらと思います。
目次
raytrek R5-AA6 レビュー
公式HP:https://www.dospara.co.jp
ドスパラで販売されているraytrek R5-AA6は、高レベルなクリエイト作業を可能にする製品です。
Core i7-12700H×GeForce RTX3060の組み合わせで、CPU処理能力だけでなく描画性能も高いのがウリです。重量級のRAW現像や、4Kなどの高解像データ編集にも耐えられるスペックです。ストレージの転送速度も速く、sRGBカバー率99%(AdobeRGBカバー率約76%)という美しいディスプレイ。プロクオリティには今一歩及ばないものの、Webコンテンツ制作などでは十分すぎる性能をもっています。正直第一印象で「モニターがきれいになっている」と感じるレベルです。
ACアダプターはやや大きかったですが、本体の重量が約2kgですのでモバイルは可能。24mmという厚さですので「特別薄い」という訳ではありませんが、標準的なリュックなら収まるレベルです。
このレビューでは、実際に使ってみた感想を正直に書いていますので参考にしてもらえると幸いです。
raytrek R5-AA6 スペック・パーツ構成
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-12700H |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB Gen4 NVMe SSD |
駆動時間 | |
液晶 | 15.6型フルHDノングレア(sRGB比約100%/60Hz) |
サイズ | 359(幅) × 244(奥行) × 22(高さ[前])、24(高さ[後]) mm |
重量 | 約 2.00kg |
他にも16インチWQXGA(2560×1600)液晶を搭載した「raytrek R6-AA」や、17インチWQHD(2560×1440)液晶を採用した「raytrek R7-ZF」という上位機種が存在します。どれも重さはあるので据え置きとして使うのが良いかもしれません。それだと高解像モニターを採用したモデルのほうが作業性としてはよくなります。個人的には16インチが欲しい!
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-12700Hの性能
搭載されているCPUはCore i7-12700Hです。14コアのCPUで、通常は2.3GHzで動作し、負荷がかかった時はオーバーブーストで最大4.7GHzまでオーバークロックします。(パフォーマンスコア)
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700H | 27446 | 2.3GHz(4.7GHz) | 14コア20スレッド | 45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10875H | 15812 | 2.3GHz(5.1GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Ryzen 7 5800H | 21724 | 3.2GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 45w |
Ryzen 5 5600H | 17171 | 3.3GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 45w |
最近はCPU性能アップが顕著になってきていますが、第12世代は大きくジャンプアップした印象。スコアは27000ほどになっており、スコアだけならデスクトップパソコンと肩を並べるほどになっています。(Core i5-12600Kに近いスコア)
ライバルのRyzen CPUと比較しても高いスコアです。Ryzen CPUはアプリによっては相性が悪いケースもあるので、実績のあるインテルを選びたいというクリエイターも多いはずです。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700H | 748.5 | 6416.2 |
Core i7-11800H | 621.3 | 5381.9 |
Core i7-10870H | 543.1 | 4754.4 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Ryzen 7 5800H | 580.7 | 5731.2 |
Ryzen 5 5600H | 558.6 | 4256.8 |
シングルスレッドのスコアが748.5、マルチスレッドが6416.2となりました。
Core i7-11800Hと比較すると、シングル性能で約20%、マルチスコアで約19%の差になります。シングル性能が際立って高いため多くの作業で快適性を得られるようになりました。マルチスコアも順当にアップしており好印象を受けます。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700H | 700 | 5316 |
Core i7-11800H | 581 | 4162 |
Core i7-10870H | 490 | 3869 |
Core i7-10750H |
465 | 3089 |
Ryzen 7 5800H | 558 | 4691 |
Ryzen 5 5600H | 528 | 3607 |
CINEBENCH R20でもそこそこ高い性能をマーク。Core i7-11800Hに比べてシングル性能は約20%、マルチ性能は約28%もアップしています。
CPU性能に関しては、全世代比でざっくり2割ほど強化されていると考えても良さそうです。
これだけパフォーマンスが高いと「デスクトップ並みの処理がノートで行える」と言っても過言ではありません。少なくともクリエイターでこれを聞いて悪い印象を抱く人はいないでしょう。最近のインテルさん頑張っています。
ストレージ性能
ストレージは512GB SSD搭載で、読込速度は約5000MB/s, 書込速度 約4000MB/sです。
ラップトップとしては高速で、これだけ高性能なパーツが標準搭載されていることにも驚きます。普通ならカスタマイズ費用を支払うレベルのパーツだと思います。
GeForce RTX3060のグラフィック性能・ゲームスコア
raytrek R5-AA6に搭載されているグラフィックはGeForce RTX3060です。最新の重量級タイトルもプレイ可能なほど高性能です。
GPU | 設定(標準品質) | スコア |
RTX3070 | 3840×2160 | やや快適(4616) |
1920×1080 | とても快適(11220) | |
RTX3060 | 3840×2160 | 普通(4432) |
1920×1080 | とても快適(11204) | |
GTX1660Ti | 3840×2160 | やや重い(2839) |
1920×1080 | 快適(7858) |
FF15では4K解像度でも普通にプレイが可能、フルHDならとても快適という結果になりました。
RTX3060クラスとしても良好な結果が出ており、例えばGALLERIA XL5R-R36 5600H(Ryzen 5 5600H×RTX3060)のスコアよりも10%ほど高いスコアが出ました。より結果を求めるゲーミング領域では小さな差が明暗を分ける場合もあるので、これは嬉しいですね。
上位クラスのRTX3070あたりを選択するのも面白いのですが、ノートパソコンではそこまで性能は伸びません。熱や騒音など全体のバランスも重要になるので難しいんでしょうね。RTX3060はとてもバランスの良いグラフィックだと思います。
- GALLERIA UL7C-R37(RTX3070搭載モデル)
RAW現像にかかる時間は?
無料現像ソフトの「RawTherapee」で約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「3分42秒」でした。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700H | 3分42秒 |
Core i7-11800H | 4分13秒 |
Core i7-10870H | 4分54秒 |
Core i7-10750H |
5分10秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Ryzen 7 5800H | 4分42秒 |
Ryzen 5 5600H | 4分23秒 |
RAW現像もとても高速で3分42秒で処理を完了。デスクトップ用のCore i7-11700よりも30秒近く速いです。
RAW現像目的で選択するなら間違いないですし、きれいな液晶も搭載されているのでモバイル作業が捗ることも間違いありません。一般ユーザーには「そろそろ本気でデスクトップが必要なくなってくるかも・・?」なんて考えてしまいます。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトResolveを使って4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は約3分20秒でした。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
raytrek R5-AA6 | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分20秒 |
G-Tune E5-165 | Ryzen 7 5800H×RTX3060 | 4分13秒 |
GALLERIA XL5R-R36 | Ryzen 5 5600H×RTX3060 | 5分01秒 |
GALLERIA UL7C-R36 | Core i7-11800H×RTX3060 | 4分49秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
DAIV 5N | Core i7-10870H×RTX3060 | 4分36秒 |
DAIV Z7(デスクトップ) | Core i7-11700×RTX3060 | 4分40秒 |
Core i7-12700とRTX3060がうまくかみ合って良好な結果を出してくれていますね。ほんのちょっと前のデスクトップを置き去りにしてしまうレベルです・・
これだけパフォーマンスが伸びているなら安心して「買って大丈夫です」と言えるレベルだと思います。向こう何年かで性能不足に陥ることもまずないはずです。raytrek R5-AA6・・良いですね!
パソコンはうるさい?静音性は?
夏場にテストしていることもあってか、さすがに負荷がかかった時はデスクが熱くなるほどの熱をもちます。キーボード付近が不快になるほどではないもののファン音はそれなりにしました。設計的にしっかりと熱を逃がそうとしている印象は受けますし、割と長時間作業していても変な挙動はなかったのがさすがです。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは翌日出荷に力をいれており、今回紹介するモデルも翌日出荷に対応しています。半導体不足が叫ばれる中でもパソコンがすぐ手に入るというのはうれしいですね!外資系メーカーだと1ヶ月くらい待つのは普通ですが、すぐにパソコンが必要ならドスパラを選択するメリットは大きいと思います。
raytrek R5-AA6開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
raytrek R5-AA6外観写真・デザイン
ガンメタブラックのようなカラーで、天板にはraytrekのロゴが入るのみのシンプルなデザインです。どんなシーンでも使いやすいでしょうね。
サイズは359(幅) × 244(奥行) × 22(高さ[前])、24(高さ[後]) mm、重量は約2kgです。このクラスとしては標準的なサイズと重さですのでイメージしやすいと思います。ただし手にもってみると数字以上に軽くは感じました。薄型で凹凸もないデザインなので、バッグなどへの収納面も良かったです。
背面はしっかりと肉抜きが施されており、冷却性の高さにも期待がもてます。ただし熱は結構感じます。
大きめのACアダプターを採用しているので持ち歩き用としてではなく、基本は据え置きで使うのが良いでしょう。1日仕事でフルに使うとしたらバッテリーだけでは足りません。
15.6型ノングレア液晶で、パッと見ても「きれい」と感じます。
れもそのはずでsRGBカバー率約99% (sRGB比約100%) 、 AdobeRGBカバー率約76% (AdobeRGB比約77%)という広い色域に対応したモニターが搭載されています。
スリムベゼルで没入感が高く、作業が捗るように感じました。強いて言うならWQHDくらいの解像度が欲しいところですが、フルHDもまだまだ一般的ですし、必要なら上位クラスから選べばいいだけですからね。ちなみにリフレッシュレートは60Hzとなっています。
キーボードは独自配列
キーボードはテンキーもついているのでビジネスにも活躍しそうです。電源ボタン横にパフォーマンス切替ボタンが設置してあります。
Enter周辺の配列がやや特殊ですので慣れは必要かもしれません。
raytrek R5-AA6 インターフェース
- ①Thunderbolt 4
- ②HDMI2.1
- ③LAN
- ④電源入力
- ⑤SDカードリーダー (SD/SDHC/SDXC, UHS-I)
- ⑥USB3.2 Gen1
- ⑦セキュリティ スロット
- ⑧USB3.2 Gen2
- ⑨マイク入力/ヘッドフォン出力
- ⑩ヘッドフォン出力端子(3.5mm Audio Jack)
高速通信を可能にするWi-Fi 6や、Thunderboltも搭載されています。
raytrek R5-AA6 デメリット
・ACアダプターが大きい
・熱が結構出る
パフォーマンスをしっかり維持するためには仕方がないのですが、大きなアダプターと排熱面がやや気になります。モバイル性が抜群とまでは言えませんが、裏を返せば外で本格的な作業を行えるのは魅力的です。
raytrek R5-AA6はこんな人におすすめ
- 本格的に使えるPCが欲しい人
- RAW現像や動画編集で使いたい人
- ゲーミング性能の高いモデルが欲しい人
- コスパの良いモデルが欲しい人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek R5-AA6の感想まとめ
raytrek R5-AA6をレビューしてきました。
処理能力の高さが一番の魅力ではありますが、ゲーミング性能、ストレージの転送速度、モニターの色域なども申し分ありません。デザイン・サイズなどは一般的なタイプですので使い勝手がよく、しっかりクリエイトを楽しめる製品に仕上がっていると感じました。価格は20万円を切っておりコスパも抜群だと思います。(他社なら20万円を超えていておかしくない)個人的にはかなりおすすめのモデルですね。
ドスパラで販売されているパソコンは国内生産ですし、万が一の時は実店舗なんかで相談もできるので安心感があります。他にも多数のパソコンを販売しているので、チェックしてみても良いかもしれません!
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。