ドスパラよりraytrek R5-CAをレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
Core i7-10875H×RTX3060を搭載したハイパフォーマンスモデルがドスパラから登場!RAW現像や4K動画編集まで快適こなせるレベルで、税込18万円台を実現しています。モバイル環境で高負荷な作業を行いたいクリエイターにおすすめのモデルと言えるでしょう。
それでは、各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間、動画編集時の感想などを含めてレビューしていこうと思います。
ドスパラ「raytrek R5-CA」をレビュー
公式HP:https://www.dospara.co.jp
ドスパラのraytrek R5-CAは、クリエイター向けのノートパソコンの中でもハイエンドの位置づけのモデルです。メモリを32GB搭載し余裕を感じられるスペックに仕上がっているのも魅力的です。
パフォーマンスはデスクトップPCに匹敵するレベルで、モバイル可能なノートパソコンとなっています。つまり持ち運びもしやすく、タフな作業もできてしまう万能モデルと言ってしまっても大げさではありません。プロカメラマンや動画クリエイターのメインPCとして選択できる1台ではないでしょうか。
まずはスペックと外観をチェックしていきましょう。
raytrek R5-CAのスペック
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i7-10875H |
グラフィックス | GeForce RTX3060 |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB NVMe SSD |
駆動時間 | 約8.6時間 |
液晶 | 15.6型フルHDノングレア(sRGBカバー率約99%) |
サイズ | 359(幅) × 243(奥行き) × 24.31(高さ) mm |
重量 | 約 2kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
raytrek R5-CAの外観写真
raytrek R5-CAのサイズは359(幅) × 243(奥行き) × 24.31(高さ) mmで、重量は約2kgです。天板にブランドロゴが入りますが主張は強くありません。
「GALLERIA GCR1660TGF-QC」や「GALLERIA GCR2070RGF-QC」などのガレリアノートとはまた違ったデザインですね。
側面からも見ても液晶パネル部は薄いです。エントリーモデルの「raytrec G5」だと色域がsRGBカバー率91%とやや物足りませんが(その変わり税込10万円以下と安い)本機はsRGBカバー率が99%と実用レベルになっているのもポイントです。Webコンテンツや趣味使いにちょうどよいでしょう。
より高いレベルを求めるならカラーマネジメントモニターを使いたいところですね。SDカードリーダー (SDXC/MSXC対応)も備わっているのが良いですね。無駄な荷物を1つ減らせます。
ACアダプターは高いパフォーマンスを安定して発揮させるためか大き目のサイズです。バッテリー駆動時間は約8.6時間ですが、高負荷作業では一気にバッテリーをもっていかれるので携帯必須になりそうですね。
キーボードはやや特殊な配列
キーボードはやや特殊な配列です。DELの位置が人によっては慣れるまで時間がかかりそうだと感じました。タッチ感はソフトでバックライトにも対応しています。前機種からはJP配列になっているので使いやすくなっているとは思います。
電源ボタン横にパフォーマンス切り替えボタンを装備。一発でパフォーマンスを切り替えられるのは何気に便利です。
raytrek R5-CAのインターフェース
インターフェースは以下の通りです。
①USB3.2 Gen2 Type-C(DP Altモード) ②HDMI2.1 ③LAN ④電源入力 ⑤SDカードリーダー (SDXC/MSXC対応) ⑥USB3.2 Gen1 Type-A ⑦ケンジントンロック ⑧USB 2.0 ⑨マイク入力端子 ⑩ヘッドフォン出力端子(3.5mm Audio Jack)
Wi-Fi6にも対応しているため、高速で安定した無線通信を楽しむこともできます。
CPU Core i7-10875Hの性能
raytrek R5-CAに搭載されているCPUは、第10世代のCore i7-10875Hです。8コア16スレッドのCPUで、通常は2.3GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大5.1GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-10875H | 15997 | 2.3GHz(5.1GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-9750H |
11427 | 2.6GHz(4.5GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-8750H |
10241 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-9700 |
13726 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
PASSMARKの公開データによると「Core i7-10875Hが約16000」をマークしています。Core i7-9750Hと比較して約40%高性能化していることになります。
デスクトップCPUのCore i7-9700よりも高いスコアになっており、メイン機として使えるノートパソコンに仕上がっていると言えるでしょう。もはやデスクトップパソコンにこだわる必要はないのかも?
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。ここからは、ほぼ同スペックのDAIV 5Nのスコアも比較ができるように載せています。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-10875H (raytrec R5-CA) |
533.4 | 4299.8 |
Core i7-10875H (DAIV 5N) |
533.1 | 4988.9 |
Core i7-9750H |
503.0 | 3431.8 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
シングルスレッドのスコアが533.4、マルチスレッドが4299.8となりました。第9世代のCore i7-9750Hと比較するとマルチスレッドが大幅に強化されているのがわかります。
raytrec R5-CAがDAIV 5Nよりもマルチスレッドスコアが低くなっているのが気になります。Core i7-10875Hなら、本来マルチスレッドで5000くらいはあってもおかしくありません。ベンチテストはタイミング的なことも左右するので、他のテストでもどうなるかチェックしていきましょう。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCH R15によるスコアは1423でした。
CPU | スコア |
Core i7-10875H (raytrec R5-CA) |
1423 |
Core i7-10875H (DAIV 5N) |
1836 |
Core i7-9750H |
1133 |
Core i7-8750H | 1026 |
Core i7-8700K | 1402 |
旧製品のCore i7-9750Hと比較すると約25%もスコアがアップしています。デスクトップパソコン向けのCore i7-8700Kと同等の性能と考えたら驚きです。デスクトップ用の第8世代CPUが登場したころには感動したのを覚えていますが、それもすっかり過去のこと・・・進化が早すぎます。。
CHINEBENCH R20ではシングル475、総合3301となっております。CHINEBENCH R23ではシングル1261、総合8449となっております。やはりマルチスコアが低めな感じがします。
ストレージ性能
Cドライブは1TBのSSD(NVMe対応)です。Readで3500MB/sに迫る転送速度になっています。このクラスのパーツとしてはトップクラスの性能で、アプリのインストールもパソコンの起動も爆速です。容量も多いので助かりますね。
GeForce RTX3060のグラフィック性能・ゲームスコア
raytrec R5-CAに搭載されているグラフィックはGeForce RTX3060です。4K動画編集にも対応できるほどのパフォーマンスを備えたグラボなので、クリエイターにとっては人気のラインだったりします。
CINEBENCHのベンチマーク
従来モデル
現行モデル
結果は135.10fpsでした。RTX2060を搭載した従来モデルよりもスコアが低いのが気になります・・・
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
raytrek 5R-CA(RTX3060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(4433) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(10672) | |
raytrek 5R(RTX2060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(3128) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8355) | |
DAIV 5N(RTX2060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(3314) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8899) |
重量級ゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。RTX2060を搭載した従来モデルと比較すると、4K解像度ではなんと約40%も伸びています!もちろんフルHDでもスコアは伸びているので、フレームレートにこだわりたいって人にも良さそう。
RTX3060はゲームに最適化されたグラボなのかもしれません。この伸びはちょっと驚異的というか素直に驚いてしまいました。
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトのRawTherapeeで、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分57秒」でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | A機 | B機 |
Core i7-10875H | 4分57秒(テスト機) | 4分58秒 |
Core i7-9750H |
5分44秒 | 5分35秒 |
Core i7-8750H | 5分53秒 | 6分32秒 |
Core i7-8700 | 6分18秒 | 5分31秒 |
RAW現像でも従来モデルのデスクトップの処理速度を大きく上回る結果になりました。もはやノートパソコン=非力という構図は成り立たなくなってきていますね。Core i7-9750Hと比較しても1分近くも更新する可能性があり、時間短縮に大きく貢献してくれそうです。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は、約4分42秒でした。データ容量は3.67GBです。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
動画編集も割と快適ですね。従来モデルだと約4分58秒だったので16秒ほど短縮した結果になります。動画編集能力だけでみると従来モデルとそれほど変わらない印象です。
もしも日常的に4K動画編集をするのであればRTX2060 SUPERやRTX2070を搭載したデスクトップパソコンを選択するほうが無難です。
・DAIV Z7レビュー!第9世代CPUとRTX2060SUPERの実力をチェック
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは翌日出荷に力をいれているので早いモデルは翌日出荷されます。記事執筆時点ですと、このモデルは「翌日出荷」となっていました。
raytrek R5-CAのデメリット
・カスタマイズ性に乏しい
・CPU性能(マルチスレッド)がふるわない
・キー配列が独特
raytrek R5-CAはパフォーマンスが非常に高く、安心してクリエイト作業に没頭できる性能です。しかしベンチテストの結果ではマルチスレッドがふるわず、RAW現像や動画編集といった実作業でも従来モデルから大幅な進化は見られませんでした。ゲームだけは驚異的な伸びを見せたので、ゲーミング性能を重視している人にはおすすめですね。
またノートパソコンということもあり、カスタマイズ性もないに等しいですし、キー配列が特殊なので慣れが必要という印象もうけました。
raytrek R5はこんな人におすすめ
- モバイル環境で本格的な作業を行う人
- 写真・動画編集を快適にしたい人
- 4K動画編集などこだわった作業もしたい人
- ゲーミング性能を重視する人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek R5-CAの感想まとめ
raytrek R5-CAを使って様々なテストを行ってきました。
18万円台という価格からも納得できるように、高いパフォーマンスを備えており、デスクトップパソコン並みの処理性能を持っているのは注目スべき点です。従来モデルからもRAW現像や動画編集はしっかり行えましたし、現行モデルもクリエイターが安心して使えるモデルだと思います。息抜きのゲームが捗りそうですが(笑)
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