ドスパラで販売されている「raytrek XV」をレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
第12世代Core i7-12700×GeForece RTX3060を搭載!高解像データ編集にも最適なクリエイトPCをレビューします。クリエイターが求める拡張性や、メンテナンス性にも優れており、日常的にデータ編集を行うようなクリエイターにおすすめできるモデルです。
それでは、各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像、動画編集にかかった時間などを含めて実機レビューしていこうと思います。
目次
raytrek XVの性能
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek XVは、ドスパラを運営するサードウェーブが販売を手掛けるクリエイター向けデスクトップパソコンです。21万円台という価格は、クリエイト向けとしては中間的な立ち位置で人気が集まるゾーンの製品です。
CPUには最新のCore i7-12700を採用しているので、RAW現像や動画編集にも強さを発揮します。(感動するレベルです)
ミドルタワーの筐体を採用し、前面には控えめにブランドロゴが入ります。昔からあるようなデザインで質実剛健といった印象を受けます。
フロント部分にはインターフェースが集中しており、各種デバイス接続が簡単にできます。SDカードスロットが標準搭載なのも好印象です。
ただしUSBの数が2個と控えめで、フロント側でデバイスをたくさん接続する人には物足りないかもしれません。
raytrek XV スペック/パーツ構成
テストで使ったモデルの内部です。CPUクーラーは標準で静音化と冷却能力アップが期待できる「静音パックまんぞくコース」が採用されているのもポイントです。CPUに付属するリテールクーラーだとうるさい上に冷却性が物足りませんから・・・これはありがたい!
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックス | GeForce RTX3060 |
メモリ | 16GB |
SSD | 500GB NVMe SSD |
電源 | 650W 静音電源 (80PLUS BRONZE) |
サイズ | 207(幅)×509(奥行き)×440(高さ) mm |
重量 | 約13kg |
>公式サイトで詳細を確認する |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i7-12700の性能
搭載されているCPUは、第12世代のCore i7-12700です。12コア20スレッドのCPUで、通常は2.1GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大4.9GHzまでオーバークロックします。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-12700 | 31673 | 2.1GHz(4.9GHz) | 12コア20スレッド | 65W |
Core i5-12400 |
19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i9-11900K | 25579 | 3.5GHz(5.2GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-11700K | 25090 | 3.7GHz(5.3GHz) | 8コア16スレッド | 125W |
Core i7-11700 | 21469 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Core i7-10700 | 17632 | 2.9GHz(4.8GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
PASSMARKの公開データによると「Core i7-12700は31673」です。第11世代Core i9すら凌駕するスコアで、ライバルのRyzenにも優位に立っています。
CPU性能が高ければ当然快適性を得やすくなりますし、長期的な目で見ても性能不足に陥りにくくなります。つまり長く使えるパソコンであることは簡単に想像がつきます。
CPU-Z ベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-12700 | 782.5 | 9021.6 |
Core i7-11700 | 659.1 | 6127.0 |
Core i9-11900K | 713.5 | 6546.1 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
シングルスレッドのスコアが782.5、マルチスレッドが9021.6となりました。シングル性能もマルチスレッドも非常に高いスコアです。
比較した中では、ここ数年で発売されたどのCPUよりも良好な結果を示しています。Core i7-12700の性能ははっきり言って魅力的すぎるので、自分も自作パソコンに取り入れようと画策中です。
CINEBENCH R20 スコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
Core i7-10700 | 492 | 3564 |
Core i9-11900K | 645 | 5880 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
Ryzen 7 3700X | 504 | 4822 |
CINEBENCH R20のスコアはシングルで733、マルチで6215となりました。
第11世代Core i7-11700と比較するとシングル約20%、マルチで約72%もスコアが伸びている計算です!使えば使うほど感動しますし、時間短縮にも大きく貢献してくれるCPUであることは間違いありません。ここまでハッキリと「買い!」と言い切れるCPUは珍しいです。
ストレージ性能
ストレージは500GB NVMe SSD搭載しており、読込速度は約3500MB/s、書込速度は約2500MB/s程度という結果になりました。もう少し速度にはこだわって欲しかったところでしょうか。
容量も500GBとクリエイト向けとしては容量不足かもしれません。容量アップを狙ってカスタマイズするなら、Gen4 NVMe SSDを選択すれば読込速度7000MB/s、書込速度5000MB/sも狙えます。後々変更するとなると大変なので、ストレージは最初からこだわることをおすすめします。
NVMe SSDにはシールドがついており、追加用のスロットも確認できます。
raytrek XV(RTX3060)のグラフィック性能・ゲームスコア
raytrek XVに搭載されているグラフィックはGeForce RTX3060です。重量級タイトルは設定を調整する必要があるかもしれませんが、ほとんどのゲームを問題なくプレイできるレベルです。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
raytrek XV (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4265) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11713) | |
GALLERIA XA7C-R36T (RTX3060Ti) |
3840×2160(標準品質) | やや快適(5641) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(14819) | |
raytrek ZF (RTX3070) |
3840×2160(標準品質) | 快適(6705) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(16314) |
重量級タイトルのFF15ですが、4K解像度で普通(スコア4265)という結果になりました。
RTX3060Tiと比較すると性能差があるので、設定(画質、解像度、フレームレートなど)にこだわるならRTX3060Ti以上をおすすめします。
ただしRTX3060でもフルHDゲーミングで不満は感じないでしょうし、タイトル次第で高設定でも十分プレイできます。
個人的にはコスパを求めるならRTX3060、高解像度にも対応したいならRTX3060Ti、設定にこだわるならRTX3070以上という印象です。
RAW現像にかかる時間は?
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の読み込みも速く、編集を当ててストレスなく反映されるので快適に感じました。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700 | 2分37秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i7-10700K | 4分30秒 |
Core i9-11900K | 3分56秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「2分37秒」でした。
過去テストした中でも最速のタイムをたたき出しているので悪い気はしませんよね。どんどん消えていく画像を見ながらニヤニヤが止まりませんでした(笑)
あまり大げさなことは言いたくありませんが、RAW現像目的でパソコンを購入するならCore i7-12700は強くおすすめできます。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトResolveを使って5分程度の4K動画を書き出してみました。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700×RTX3060 | 3分14秒 |
Core i7-12700×RTX3060Ti | 3分03秒 |
Core i7-11700×RTX3060 | 4分40秒 |
Core i9-11900K×RTX3070Ti | 3分24秒 |
Core i7-10700K×RTX2070S | 3分34秒 |
Ryzen 7 5800X×RX6700XT |
3分02秒 |
Ryzen 5 5600X×RX6700XT | 4分04秒 |
Core i7-12700×RTX3060の組み合わせですので、高解像データ編集にも十分対応できるパフォーマンスです。RTX3060Ti搭載モデルと比較してもそん色ない処理能力だと感じました。
動画編集にも使っていけるスペックは満たしていますので、ゲーム配信やYouTubeを始めたい人なんかにも良いと思います。
パソコンはうるさい?静音性は?
raytrek XVは、標準でも十分なケースファンが搭載されていますし、冷却性も高いと感じました。フロントに14cm FANが2個、リアに12cm Fan、トップに14cm FANが装備されているので排熱も良好です。
よく冷えるで評判の「Scythe 虎徹MarkⅡ」というCPUクーラーにもカスタマイズできますので、冷却性にこだわりたい人は選ぶのも良いでしょう。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
ドスパラは納期短縮に力をいれているので、早いモデルだと翌日出荷されます。本機も翌日出荷対応モデルになっていますので、すぐパソコンが欲しいという人にも嬉しいですね。
外資系PCメーカーだと数か月待たされることもあり得ます。パソコンパーツが枯渇気味の中、このスピード感が維持できるのは本当にすごいと思います。
raytrek XV インターフェース
前面:USB 3.0 x2
背面:USB 2.0 ×2 、USB 3.2 GEN1 ×3 、USB 3.2 GEN2 Type-A ×2 、USB 3.2 GEN2 Type-C ×1
raytrek XV デメリット
・税込20万円超えは心理的ハードルが高いかも
・メモリは32GB以上を推奨
・SSDはカスタマイズ推奨
raytrek XVは、クリエイト向けパソコンとして満足できる仕上がりになっていると感じます。価格は20万円超えと勇気がいりますが、その圧倒的な処理能力で過去一番の体験になることは約束されているようなものです。
高解像データにも対応できるので、せっかくなら余裕をもたせてメモリを32GB以上にするのが良いでしょう。またSSD転送速度と容量を確保するためにカスタマイズすることも忘れてはいけません。
raytrek XVはこんな人におすすめ
- 予算が20万円前後の人
- RAW現像や動画編集に使いたい人
- ゲームをそこそこ快適に動かしたい人
- 長く使えるPCを探している人
- 急ぎでパソコンが必要になった人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek XVの感想まとめ
raytrek XVをレビューしてきました。
Core i7-12700は、変な笑いがこみあげてしまうほど高い処理能力を見せつけてくれました。忙しいクリエイターにとって時間はかけがえのないものですから、raytrek XVを採用するメリットはおおいにあるでしょう。価格20万円超えはたしかに高いですが、性能とPCパーツ高騰の波を考えると高くないと思います。
ドスパラで販売されているパソコンは国内生産ですし、万が一の時は実店舗なんかで相談もできるので安心感があります。他にも多数のパソコンを販売しているので、チェックしてみても良いかもしれません!
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