デスクトップ版の「GeForce RTX3050」と「GeForce GTX1660Ti」の性能比較をします。
フルHDゲーミングで快適性を得られるグラボで、中量級のオンラインゲームならまず問題なく動作。設定次第で多くのタイトルが遊べるため、ユーザー数が多いのがこのクラスの特徴です。また動画編集といった用途でも楽しめますが、両者にどれくらい差があるのかをテストしていきます。
ゲームのベンチスコアはもちろん、写真編集や動画のレンダリングにかかった時間も掲載していますので参考にしてください。
目次
GeForce RTX3050 vs GeForce GTX1660Ti
解説に入っていく前に「GPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「GPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
ちなみにこの記事では、仕様や規格といった情報はあえて紹介しておりません。その代わり「実行速度」をできるだけ重視してお伝えしておりますので参考にしてもらえると嬉しいです。
掲載されたスコアは参考データであり性能を約束するものではございません。
GPUスコア(PASSMARK)
GPU | スコア(PassMark) |
GeForce RTX3060Ti | 19684 |
GeForce RTX3060 | 16616 |
GeForce RTX3050 | 12707 |
GeForce RTX2060 | 13934 |
GeForce GTX1660Ti | 12803 |
GeForce GTX1650 |
7895 |
GeForce RTX3050とGTX1660Tiのスコアを比較すると誤差範囲です。今からどっちにしようか悩むならとにかく、わざわざ入れ替える必要はないでしょう。
もちろんGeForce RTX3050には、リアルタイムレイトレーシングやDLSSといった技術にも対応している点は見逃せません。・・・が、それなら性能アップも期待してGeForce RTX3060以上を選ぶほうが価値があるでしょう。(入れ替えのお話です)
さらに言うのであれば、旧世代のGeForce RTX2060にもスコア面で劣るRTX3050…立ち位置的にちょっと難しさを感じています。この後、実際に色々テストを行っていきますので、その印象をぜひ払拭してほしいところです。
比較に使ったパソコン
名前 | GALLERIA RM5C-R35 | Legion T530 |
画像 | ||
CPU | Core i5-12400 | Core i5-9400F |
GPU | RTX3050 | GTX1660Ti |
メモリ | 16GB | 8GB |
SSD | 500GB NVMe SSD | 512GB NVMe SSD |
価格 | 約15万円~ | 約12万円~ |
レビュー | レビュー記事 | レビュー記事 |
公式サイト |
ドスパラ | Lenovo |
今回のテストで使ったパソコンの仕様です。GeForce GTX1660Ti(Legion T530)は、やや不利な条件となってしまっていることを断っておかなければなりません。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
ゲーム(FF15)のベンチ結果
GPU | 設定 | スコア |
RTX3060 | 3840×2160(標準品質) | 普通(4260) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11440) | |
RTX3050 | 3840×2160(標準品質) | 普通(3160) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8697) | |
RTX2060 | 3840×2160(標準品質) | 普通(4055) |
1920×1080(標準品質) | 快適(11166) | |
GTX1660Ti | 3840×2160(標準品質) | 普通(3046) |
1920×1080(標準品質) | 快適(8137) |
RTX3050とGTX1660Tiを比較してみると、ほとんど差がないことがわかります。わずかにGeForce RT3050が有利かなという感じですが、できることが大きく変わるほどではないでしょう。
このクラスのグラボで負荷のかかるリアルタイムレイトレーシングをどこまで採用するかは疑問ですし、フレームレート向上が期待できるDLSSも対応ソフト次第というところもあります。
グラボ単体の市場価格だと両者ともに4万円前後(記事執筆時)ですので、保険の意味でRTX3050を選択するということにはなりそう。ただしスコアで上回っているRTX2060は4.5万円ほどですので、自分なら間違いなくコッチを選択しますね。
組立済みのBTOパソコンでは、RTX3050搭載モデルが15万円前後、GTX1660Ti搭載モデルが13.5万円です。構成次第ではGTX1660Tiを狙うのもありな気がしてきます。
RAW現像で比較
RawTherapeeというソフトを使ってRAWの一括変換150枚にかかった時間を測定します。RAW現像はどちらかと言えばCPU性能が重視される作業ですが、参考までにデータを掲載しておきます。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700 | 3分30秒 |
Core i5-12400 | 4分06秒 |
Core i7-11700 | 4分16秒 |
Core i5-11400 | 4分45秒 |
Ryzen 7 5800X | 3分46秒 |
Ryzen 5 5600X | 3分55秒 |
第12世代インテルCPUの性能が高く、旧世代からの性能UPが著しいので処理時間の短縮につながります。入れ替えを行うには良いタイミングだと思うので、日常的に現像作業を行っている人は検討してもらいたいレベルです。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
動画編集ソフトResolveを使って5分程度の4K動画を書き出してみました。書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i7-12700×RTX3060 | 2分52秒 |
Core i5-12400×RTX3050 | 4分14秒 |
Core i5-11400×RTX3060Ti | 5分39秒 |
Core i9-10900X×GTX1660 |
3分22秒 |
Core i5-9400F×GTX1660Ti | 8分15秒 |
RTX3050なら、ごく軽めの4K動画編集にも対応できるパフォーマンスです。
さすがにCore i5-9400F(8GBメモリ)では荷が重かったのか、GTX1660Tiは8分オーバーと処理に時間がかかってしまいましたね。CPUのボトルネックを解消してやれば(Core i9-10900X×GTX1660)しっかりと性能を引き出せますので安心してください。
ただし、RTX3050/GTX1660Tiのどちらとも、守備範囲はフルHDクラスと言うことになると思います。
結論:選べるならRTX3050だがコスパも重視しよう
・RTX3050とGTX1660Tiは理論値で数%ほどの差
・最新技術に対応したRTX3050Tiのほうが旨味は強いかも?
・コスパを考えるとGTX1650Tiもあり!
・このクラスならGeForce RTX2060も検討してね!
RTX3050とGTX1660Tiを比較していきましたが、なかなか判断が難しいですね。
どちらも完成品なら15万円前後で販売されており、フルHDゲーミング、動画編集能力などの性能は納得ができるものではあります。ただしパーツ単体で考えるとコスパは悪く、古さが気にならないならRTX2060を選ぶのが賢い選択になってくる可能性を感じました。
ミドルクラスは人気があるだけに「放っておいてもある程度売れる」という算段なのでしょうか?あちこちから聞いている情報によるとミドルクラスは結構高止まりしているところもあって、値下げが難しいみたいな話も耳にします。しばらくはしのぐような動きをして、もう1~2万円さがって来た頃を狙ってみるのも面白いかもしれませんね。
そんな状況ですが、ここからはできるだけ損をしない(お得な買い物ができる)ように、個人的におすすめのモデルをピックアップしてみました。ぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
GeForce RTX3050/GTX1660Ti搭載のおすすめパソコン
ドスパラ raytrek XS
CPU | Core i7-12700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3050 |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
第12世代Core i7-12700を搭載し処理能力を高めたモデルになります。従来より処理を短縮化できますので、日常的に高負荷な処理を行っている人におすすめ。せっかくパソコンを購入するなら処理能力にこだわることで、性能不足による引退を先延ばしにすることが可能です。ただしRTX3060搭載モデル(raytrek XV)も少しの投資で手が届くので、合わせて検討ください。
ドスパラ GALLERIA RM5C-R35
CPU | Core i5-12400 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 3050 |
ストレージ | 500GB NVMe SSD |
今回の検証でも登場したドスパラのゲーミングPCです。しっかりと性能が引き出せているだけでなく、静穏性や冷却性にも優れているデスクトップパソコンになります。広い用途に対応できますのでプライベート利用からビジネスまで使えるモデルに仕上がっていますよ。
Legion Tower 5i
Core i5-13400F×RTX3050なら、写真や画像、イラストなどの静止画からフルHDクラスの動画編集も楽しめます。価格も税込14万円台からとリーズナブルで初心者の方やライトユーザーにもおすすめのモデルです。
フロンティア GXシリーズ(台数限定モデル)
フロンティアのGXシリーズは台数限定セール対象モデルですが、なんと驚きの税込12万円台です!旧CPUにはなりますがフルHDゲーミング中心で、クリエイト作業はあまりしないというなら問題ありません。フロンティアは国内生産ですので、品質、サポート面も安心です。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
編集作業などをしっかり行いたいならCPU性能だって妥協できません。そういう人にはRyzen 5を採用したGAシリーズがおすすめ!16万円台というコスパもフロンティアならではといったところでしょう。電源が850W 80PLUS GOLDと高品質ですし、後々上位グレードへの乗せ換えを考えている人にも向いています。
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