AMDが第3世代Ryzenを搭載したことで、CPUの勢力争いは苛烈を極めています。
ハイクラスにあたる「Ryzen 7 3700X」に注目している人も多いはず。そこでIntel製CPUの同ラインで比較検討されやすいであろう「Core i7-9700」や、もう一世代前の「Core i7-8700」あたりをテストしたいと思います。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像や動画編集にかかった時間も計測しておりますので参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
【性能比較】Ryzen 7 3700X vs Core i7-9700(8700)
解説に入っていく前に「CPUの見分け方や意味がわからない」という人がいれば、「CPUの選び方(スコア)」という記事を参考にしてください。
CPUスコア
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Ryzen 7 3700X | 23907 | 3.7GHz(4.3GHz) | 8コア16スレッド | 65W |
Core i7-9700K | 17696 | 3.6GHz(4.9GHz) | 8コア8スレッド | 95W |
Core i7-8700K | 15846 | 3.7GHz(4.7GHz) | 6コア12スレッド | 95W |
掲載されたスコアはPASS MARK社が開示しているデータであり、性能を約束するものではございません。
スコアを見るとRyzen 7 3700Xが最も高い数値を示しています。少なくともIntel製Core i7よりも優位に立っていることがわかる。ひょっとするとCore i9並みの性能を持っているのかもしれません。
この結果をそのまま鵜呑みにするなら、Ryzen 7 3700Xは相当期待がもてるCPUだということがわかります。とは言え、そこは使ってみないとわからないのでテスト結果をご覧いただきたいと思います。
比較に使ったパソコン
名前 | LUV MACHINES | DAIV-DGZ530 |
画像 | ||
CPU | Ryzen 7 3700X | Core i7-9700K |
GPU | GTX1660Ti | RTX2060 |
メモリ | 16GB | 16GB |
SSD | 512GB M.2 SSD | 256GB NVMe対応 |
HDD | ー | 2TB |
メーカー | マウスコンピューター |
CPU、GPU以外はできるだけスペックを揃えて比較ができました。
ベンチソフトによる性能比較
ここからは、実際に僕がテストした数値を公表しながら性能差を見ていきたいと思います。
CPU-Zによるスコア
Ryzen 7 3700X
Core i7-9700K
シングルスレッド | マルチスレッド | |
Core i9-9900K | 563.1 | 5552.8 |
Ryzen 7 3700 | 516.7 | 5560.9 |
Core i7-9700K | 537.1 | 3806.6 |
Core i7-8700K | 508.5 | 3811.7 |
CPU-Zのテスト結果では、甲乙つけがたい結果になっています。
スレッド数の多いRyzen 7 3700Xがマルチスレッドで良い結果を出しています。Core i9-9900Kの結果ものせてみましたが、ほぼ横並びですね。Core i9並みの性能というのも案外偽りではないのかもしれません。
念のため断っておきますが、Core i7-8700やCore i7-9700だって十分に高性能なんですよ。普通に使っていたら不満なんてまず出ないレベルだと思います。僕はテストのたびに感動していたくらいです(笑)
CINEBENCH 15のスコア
Ryzen 7 3700X
Core i7-9700K
Ryzen 7 3700X | 2112 |
Core i9-9900K | 2051 |
Core i7-9700K | 1493 |
Core i7-8700K | 1402 |
CINEBENCHのスコアはRyzen 7 3700Xが最も高くなりました。わずかとはいえ、Core i9を抜いてしまっているのには驚きしかありません。
Core i7-9700Kと比較すると30-40%の性能差といったところでしょうか・・・同じようなラインのはずなんですが、かなり差をあけられちゃってますね。実際の処理では、この差がどうなっていくのかを見てみましょう。
RAWの一括変換にかかった時間を比較
RAWの一括変換にかかった時間を測定するために、一眼レフで撮影した150枚(5GB)の写真を現像します。
Core i9-9900K | 3分19秒 |
Core i7-9700K | 4分35秒 |
Ryzen 7 3700X | 4分58秒 |
Core i7-8700K | 5分31秒 |
RawTherapeeというソフトを使ってJPEGへの一括変換をテストしたところ、Core i9-9900Kが速いという結果になりました。
RAW現像に関してはIntel製CPUが健闘しているイメージです。Ryzenの処理能力は高いのですが、ちょっとしたムラ気のようなものを感じます。安定感を求めるならインテル製CPUという感じでしょうか。
動画のレンダリングにかかった時間を比較
一眼レフで撮影した5分間の4K動画のレンダリングにかかる時間を計測しました。使用した動画編集ソフトはResolveです。
Ryzen 7 3700X | 3分33秒 |
Core i9-9900K | 3分58秒 |
Core i7-9700K | 4分46秒 |
動画のレンダリングはRyzen 7 3700Xが速いという結果になりました。ここはもうCore i7では相手にならないという感じですね。
感想
・Ryzen 7 3700XはCore i9並みといっても良い性能
・Core i7はシーンによってはRyzen 7 3700Xと勝負にならない
・Intel製CPUのほうが安定した性能を発揮できる!
AMD製とIntel製ってどっちが性能良いのかな?と自分自身でも気になってチェックしてみた記事でしたが、割と良い検証ができたような気がします。
「Ryzen 7 3700XはCore i9並みだよ!」とウワサでは聞いていましたが、確かにその通りなこともあったし、やっぱりCore i9のほうが良いなというシーンも発見できました。
もしRyzen 7 3700Xと、Core i7-9700Kを比較検討するときがきたら・・・僕ならIntel製に走ってしまいそうな気がします。価格差にもよりますけどね。。様々なシーンで期待通りの安定感が出せるってこのクラスだと大切になると思うんですよね。
おすすめパソコン
NEXTGEAR-MICRO am560SA2
CPU | Ryzen 7 3700X |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce GTX 1660Ti (6GB) |
ストレージ | 512GB M.2 SSD |
マウスコンピューターのゲーミングモデルG-Tuneです。スキのない構成に加えて、グラフィックがGTX1660Tiなので動画編集や、ゲームも快適にプレイできます。フルHDクラスの画質でつまづくことは、ほぼないでしょう。これで税別12万円代は、はっきりいって安い!
DAIV-DGZ530M1-SH5
CPU | Core i7-9700K |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2070 (8GB) |
ストレージ | 480GB SSD + 2TB HDD |
マウスコンピューターのクリエイターモデルである「DAIV」から新しいデスクトップパソコンが登場しました。第9世代CPU「Core i7-9700K」と「GeForce RTX2070」の新技術てんこ盛りマシンです。あまりの処理能力の高さに感動すら覚えます。レビューだけでもぜひ読んで下さい。
フロンティア GAシリーズ(台数限定モデル)
CPU | Core i9-9700 |
メモリ | 16GB |
グラボ | GeForce RTX 2080SUPER |
ストレージ | 1TB NVMe SSD + 2TB HDD |
フロンティアの台数限定モデルですが、Core i7-9700とRTX2080SUPERのトップクラスのパーツ構成。大容量ストレージも搭載して税別175,800円で販売されていました。ちょっと理解が追い付かないくらいの安さですが、国内のBTOメーカーさんですし品質にも定評があります。台数限定なので購入できるかは運次第ではありますが、定期的に補充も入るのでチェックしてください。
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