ASUSのASUS ZenBook 14【UX433FN】をレビューします。(機材貸出元:ASUS)
軽量モバイルパソコンとしては珍しく、グラフィックを搭載しており性能面を強化。スタイリッシュなデザインと長時間バッテリーが魅力的なモデルです。ライトユーザーやサブパソコンとして手を伸ばしやすい製品だと感じました。
sRGB100%のグレア液晶は美しく、RAW現像やイラストだけでなく、ちょっとした映像編集にもおすすめ!軽めのゲームならこなせる性能も備えています。
各ベンチソフトでスコアをとりながら、RAW現像や動画編集を試しつつレビューをしていきたいと思います。
目次
【UX433FN】ASUS ZenBook 14 レビュー
ASUS ZenBook 14(以下UX433FN)は、グラフィックにMX150を搭載。ネットや動画視聴だけでなく、画像・動画・写真・イラストなどのクリエイティブ目的で使えるくらいのパフォーマンスを持ったノートパソコンです。sRGB100%の狭額14型ディスプレイは、色再現に優れている点も見逃せません。
CPUやメモリこそエントリー向けにはなっていますが、軽さや12.5時間のロングライフバッテリーに魅力を感じるという人も多いでしょう。僕のように趣味で写真を撮っていて、好みの数枚をじっくり作りこむするような使い方ならまず不満は出ないはずです。
詳しくは後述しますがデザインもおしゃれですし、たまにゲームで遊ぶといった使い方も可能な点はポイントが高いと感じました。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14のラインナップ
モデル名 | UX433NF-8265 | UX433NF-8565 |
CPU | Core i5-8265U | Core i7-8565U |
GPU | MX150 | |
メモリ | 8GB | 16GB |
SSD | 256GB | 512GB |
詳細 | >>公式HPで詳細を見る | >>公式HPで詳細を見る |
※表は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
今回お借りしたUX433FNは、Core i5と8GBメモリのエントリー向けの構成です。ラインナップの中には、Core i7×MX150×16GBメモリ×512GB SSDのモデルも存在するので、やや不安を感じる人はUX433NF-8565をチョイスするのがおすすめです。
>>ASUS ZenBook 14(UX433NF-8565)の詳細を見る
【UX433FN】ASUS ZenBook 14のスペック
テストで使ったモデルの詳細はこちらです。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | Core i5-8265U |
グラフィックス | GeForce MX 150(2GB) |
メモリ | 8GB |
SSD | 256GB |
動作時間 | 約12.5時間 |
サイズ | 319×15.9×199 mm |
重量 | 約 1.25kg |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i5-8265Uの性能
搭載されているCPUは第9世代のCore i5-8265Uです。4コア8スレッドのCPUで、通常は1.6GHzで動作し、負荷がかかった時にはオーバーブーストで最大3.9GHzまでオーバークロックします。
CPU | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i5-8265U | 8076 | 1.6GHz(3.9GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-8565U | 9047 | 1.8GHz(4.6GHz) | 4コア8スレッド | 15W |
Core i7-8750H | 12573 | 2.2GHz(4.1GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Core i7-7700HQ |
8806 | 2.8GHz(3.8GHz) | 4コア8スレッド | 45W |
Core i5-8265Uの性能はスコアを見てもらってもわかるように、それほど高性能ではありません。省電力タイプなので仕方のないところですが、旧世代のCore i7-7700HQと同じと考えるとなかなかです。
正直に言うとクリエイティブ作業にはCPU性能で左右されるところも多いので、できればもう少し高性能なCPUをチョイスしたいというのが本音です。特にメインマシンとしての購入を考えているのであれば、Core i7-8750Hを搭載したノートパソコンをおすすめします。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU-Zによるスコアは以下の通りです。
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i5-8265U | 397.4 | 2021.0 |
Core i7-8750H | 468.2 | 2845.8 |
Core i7-7700HQ | 396.1 | 1976.6 |
参考までに、CPU-Zのベンチを走らせてみました。結果はご覧の通りで、Core i5ながら旧世代のCore i7と並ぶパフォーマンスを見せてくれました。
CINEBENCHによるベンチマークスコア
CINEBENCHによるスコアは640でした。
CPU | スコア |
Core i5-8265U | 640 |
Core i7-8750H | 1026 |
Core i7-7700HQ | 723 |
CINEBENCHの結果では、Core i7-7700HQに差を開けられる形になりました。その点、Core i7-8750Hの性能は安定して高く安心感があります。もしもメイン機として検討するのであれば、僕ならCore i7-8750Hから選択しますね。
ストレージ性能
CドライブはReadで1700MB/sを超えており、SSDの性能としては速いです。256GBのSSDですので、ソフトをたくさんインストールする人はちょっと心配。少なくとも写真などのデータは外部に保管したほうが良いでしょう。
GeForce MX150のグラフィック性能・ゲームスコア
UX433FNに搭載されているグラフィックはGeForce MX150(2GB)です。
エントリークラスのグラフィックボードですが、CPU内蔵に比べればはるかに高性能。贅沢は望めませんが、ある程度見極めをしつつ使える人なら悪くない選択になるはずです。
CINEBENCHのベンチマーク
結果は85.45fpsでした。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
カスタム | 1280×720 | やや重い(2880) |
重たいゲームの代表格であるファイナルファンタジーのベンチ結果です。カスタムで設定を落とせるだけ落としても「やや重い」という結果になりました。ところどころラグが発生していましたし、MX150にそこまで期待するのは酷といったところでしょう。
とは言え、もう少し軽いゲームなら条件次第でプレイ可能です。ちょっと息抜きに遊びたいというライトゲーマーなら満足いく可能性も含んでいます。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「7分55秒」でした。
現像に使ったソフトは無料ソフトの「RawTherapee」で、JPEG品質は90%、高画質での変換です。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
A機 | B機 | |
Core i5-8265U | 7分55秒 | - |
Core i7-8750H | 5分53秒 | 4分54秒 |
Core i7-8550U | 9分45秒 | - |
7分55秒という結果は決して速くはありませんし、日常的にしようものならストレスを感じざるを得ないでしょう。とは言え、作業自体ができないわけではないので、趣味でたまにRAW現像をしたいという人なら有りとも言えます。(なぜかCore i7よりもよい結果を出していますし)
編集をあててもタイムラグはほぼ感じませんし、写真枚数が毎回何百枚とか、書き出しが多くない人なら充分使える範囲だと思います。
ただし僕が選ぶのであれば、Core i7-8750Hを搭載したモデルを選ぶと思います。検討範囲にデスクトップが入っているなら、そちらのほうが処理自体は快適でしょう。
動画の書き出しにかかる時間は?
使用した動画編集ソフトはResolveです。
4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにを行ったのですが、作業に時間がかかってしまっただけでなく、音しか出ない状態で仕上がってしまいました。
もともと4K解像度を扱うような性能でないのは承知ですが、動画編集は厳しいです。もう少しCPUの性能がよければまたちがった結果になったかもしれませんが・・・フルHDに変換して作業しても、少しこだわった編集をするとしんどく感じます。
実感的にはテキストを入れて、数秒の動画をつなぐといった簡単なものくらいならなんとかという印象です。
×264 FHD BENCHMARKによるスコア
x264 FHD BENCHMARKでは「スコアが19.5」「エンコード時間が2分08秒」という結果になりました。参考までにCore i7-8750Hですと「スコアが33.7」「エンコード時間が1分14秒」です。ほぼ倍近い時間がかかってしまっています。
PCMARK10のスコア
PCMark10 score | Essentials | Productivity | Digital Content Creation |
3706 | 7269 | 5608 | 3391 |
- Essentials:基本的な性能を測定
- Productivity:office系の性能を測定
- Digital Content Creation:写真・動画編集などの性能を測定
結果は3706でこのクラスなら平均的かと思います。もともと12~13万円台のパソコンであることを考えると上々ですが、クリエイト目的としては若干心もとないです。
パソコンはうるさい?静音性は?
今回のテストでは割と負荷のかかる作業にも使ってテストしましたが、現像や編集、ゲームベンチなどでも音はさほど気になりませんでした。それよりも熱が気になりましたね。熱いと感じるレベルまでキーボード側に熱が伝わってくるので、冷却する工夫は必要なのかもしれません。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14を開封!
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14の外観写真
筐体は黒っぽいですがロイヤルブルーで青みがかっています。若干指紋が目立つので、気になる人はアイシクルシルバーを選んだほうが良いかもしれません。
天板にはASUS特有の加工がほどこされています。円形の波紋が広がったような加工になっているのですが、傷の深さや付き方にムラを感じました。高級
特筆すべきはその薄さ、コンパクトさでしょう。これでグラフィクが搭載されているんだから驚きです。カフェや出張先のホテルなんかでRAW現像と言うのも可能なのはポイントが高いです。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14の付属品
付属品は「電源」「マニュアル」「カバー」その他お知らせなどです。
バッテリーが10時間以上持つということなので、1日外で持ち歩いて使っても耐えられる可能性は高いです。電源ケーブルも小型なので、カバンの隅にでも押し込こめば良いでしょう。1.25kgの軽量さも手伝ってモバイル性能は高いと言えます。
そしてやはり指紋が目立っちゃってます・・・
作業性を損なわないキーボードとタッチパッドを搭載!
14型ディスプレイ搭載でコンパクトながら、狭くもなくキーボードの打ち心地を損なわないのが有難いです。差し色で入っているゴールドも良い感じです。
不満は電源ボタン
キーボードの唯一の不満が電源ボタンです。右上に位置どっているため、テキストで頻繁に使うdeleteと押し間違えます。もちろんすぐに休止状態に入ってしまうので、文章作成のリズム感を失います。もう少し枠をつけるなり、形を変えるなりの工夫が見られると良かったです。
グレア液晶で写真視聴もきれい
UX433FNに採用されているのはグレア液晶です。映り込みが気になりはしますが、ガラスのような光沢感のある液晶は美しく、映像視聴などにはもってこいです。sRGB100%対応なので色再現にも優れており、RAW現像や写真編集目的にはポイントが高めでしょう。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14のインターフェース
・USB3.1 (Type-C/Gen2) ×1
・USB3.1 (Type-A/Gen2)×1
・USB2.0 ×1
・HDMI ×1
・microSDメモリーカード
・マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック等
インターフェースも充実しており、外部ディスプレイをつないで使うこともできます。パワーポイントのプレゼンなんかもよさそうですね。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14のデメリット
・クリエイティブ作業には若干物足りないCPU性能!
・熱をもちやすい
10万円そこそこで買えることを考えると頑張っているのですが、クリエイティブ作業には若干物足りないCPU性能が気になります。モバイル性も良くコンパクトで、使い勝手の良さは光るのですが・・・
この辺りのデメリットが気になるようでしたら、DAIVのNG5510シリーズがおすすめです。CPUはCore i7-8750Hで、sRGB比換算 約102%に相当する高品質なディスプレイを採用したノートパソコンです。
【UX433FN】ASUS ZenBook 14はこんな人におすすめ
- 安くてそこそこ性能の良いノートパソコンが欲しい人
- ゲーム・クリエイティブ作業はしたいライトユーザー
- デザインや使い心地に妥協したくない人
- 出先でもちょっとしたクリエイティブ作業をしたい人
公式HP:https://jp.store.asus.com/store/asusjp/ja_JP/home
【UX433FN】ASUS ZenBook 14の感想まとめ
ASUS ZenBook 14 UX433FN をテストをしながら見てきました。
クリエイティブな作業目的でメイン機として据えるにはやや物足りなさはありますが、薄型でデザインも良く、グラフィック搭載と申し分ない仕上がりです。比較的手をだしやすい価格帯でもあるのでライトユーザーからは人気が集まりそうですね!
RAW現像や動画編集を快適にしたいのであれば、上位モデルのUX433NF-8565を選びましょう!Core i7で16GBメモリは安心感が違います!!
当ブログは予算や目的、パーツなどからパソコンが選べるようになっております。ぜひトップページからお気に入りの1台を見つけてください。