マウスコンピューターよりG-Tune H5をレビューします。(機材貸出元:株式会社マウスコンピューター)
G-Tune H5は15.6型のノートPCで、Core i9-12900H×GeForce RTX3070Tiを搭載したハイパフォーマンスゲーミングPCです。ゲームだけでなく写真や動画編集にも楽々対応できます。さらに240Hz対応パネル、メカニカルキーボード採用とリッチな仕様になっていのが特徴です。
ハイエンドモデルとしてパフォーマンスを最優先に考えるユーザーにおすすめノートPCだと感じました。
この記事では、ベンチテストだけでなく、写真編集や動画編集に使ってみた感想も書いています。旧モデルからどれくらい進化しているかも記載していますので、ぜひ参考にしてください。
G-Tune H5をレビュー!
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
マウスコンピューターのG-Tune H5は、ゲーマー向けに販売されているモデルです。
ゲームはパソコンに高負荷をかけることになりますので、ゲーミングモデルと言うのは基本的に高性能に仕上がっています。
G-Tune H5はブランド内でも最上位に位置するゲーミングパソコンで「とにかく性能が高い」です。240Hz対応なので速い動きにも対応できますし、残像感の少ないプレイは目の負担も少なく、とにかく楽しい(重要)です。
それでは基本構成(スペック)を確認していきましょう。
G-Tune H5の基本構成(スペック)
型番 | 構成 |
G-Tune H5 | Core i9-12900H / 32GB / GeForce RTX3070Ti / 512GB NVMe SSD |
公式HP | >>詳細を見る |
※表は記事執筆時の内容で、変更になる可能性があります。
価格は¥339,900~で決して安くはありませんが、デスクトップパソコンにも負けないパフォーマンスは圧巻です。従来モデルはCore i7-10875H×RTX2070SUPERの構成でしたが、現行機はパフォーマンスが数段アップしている印象です。どれくらい性能が上がっているのか注目していきましょう。
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
CPU Core i9-12900Hの性能
raytrek R7-ZFに搭載されているCPUはCore i9-12900Hです。14コアのCPUで、通常は2.5GHzで動作し、負荷がかかった時はオーバーブーストで最大5.0GHzまでオーバークロックします。(パフォーマンスコア)
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i9-12900H | 29013 | 2.5GHz(5.0GHz) | 14コア20スレッド | 45W |
Core i7-12700H | 27446 | 2.3GHz(4.7GHz) | 14コア20スレッド | 45W |
Core i7-11800H | 21794 | 2.3GHz(4.6GHz) | 8コア16スレッド | 45W |
Core i7-10750H | 12688 | 2.6GHz(5.0GHz) | 6コア12スレッド | 45W |
Ryzen 7 5800H | 21724 | 3.2GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 45w |
Ryzen 5 5600H | 17171 | 3.3GHz(4.2GHz) | 6コア12スレッド | 45w |
第12世代インテルCPUは性能を大きく伸ばしていますが、Core i7-12700Hと比較すると差はわずかです。この後でじっくり検証はしていきますが、どれくらい実測で差がついてくるかは気になるところですね。
CPU-Zによるベンチマークスコア
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i9-12900H | 793.5 | 7603.3 |
Core i7-12700H | 743.2 | 6773.7 |
Core i7-11800H | 621.3 | 5381.9 |
Core i7-10750H | 503.1 | 3169.5 |
Ryzen 7 5800H | 580.7 | 5731.2 |
Ryzen 5 5600H | 558.6 | 4256.8 |
シングルスレッドのスコアが793.5、マルチスレッドが7603.3と非常に高いスコアになりました。こうして見てみるとCore i7-12700Hともしっかり差がついている印象ですね。
従来モデルのCore i7-11800Hと比較すると、シングル性能で約28%、マルチスコアで約41%のスコアアップになります。高い性能を求めるのであれば、Core i9-12900H搭載モデルを選ぶのは有りだと思います。
CINEBENCH R20によるベンチマークスコア
CPU | シングル | マルチ |
Core i9-12900H |
736 | 6197 |
Core i7-12700H | 692 | 5299 |
Core i7-11800H | 581 | 4162 |
Core i7-10750H |
465 | 3089 |
Ryzen 7 5800H | 558 | 4691 |
Ryzen 5 5600H | 528 | 3607 |
CINEBENCH R20でも性能差をしっかりと見せつけています。Core i7-11800Hに比べてシングル性能は約26%、マルチ性能は約48%もアップしています。Core i7-12700Hと比較すると約5~17%程度高い性能です。
ただしCore i7搭載モデルは10万円近く安く購入できるケースもあります。コストパフォーマンスよりも性能を重視する人向けです。
ストレージ性能
Cドライブは2000MB/sを超える読み込み速度になっています。超高性能という訳ではありませんがキビキビと動いてくれました。ゲームのローディング時間も一役買ってくれるでしょう。
さらに速度にこだわりたい人は、最大6,700MB/sを超える Gen4接続タイプのSSDをカスタマイズで選ぶのがおすすめです。
G-Tune H5のグラフィック性能・ゲームスコア
G-Tune H5に搭載されているグラフィックは、GeForce RTX3070Tiです。個人的には最も変わった部分だと思っていますので、その性能の違いとやらを見せてもらいましょう。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
G-Tune H5(RTX3070Ti) | 3840×2160(標準品質) | やや快適(5361) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(13307) | |
raytrek R6-AA(RTX3060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(3858) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(9534) | |
DAIV 6P-RT(RTX3050Ti) | 3840×2160(標準品質) | やや重い(2725) |
1920×1080(標準品質) | 快適(7372) | |
DAIV 5N(RTX2060) | 3840×2160(標準品質) | 普通(3299) |
1920×1080(標準品質) | 快適(9044) |
重量級ゲームの代表格であるファイナルファンタジー15のベンチ結果です。4K解像度の標準画質でもやや快適、フルHDはとても快適という結果になりました。FF15でこれだけ動くなら大抵のソフトは遊べます。
RTX3060クラスよりも一回り高い性能があることも伝わってきますので、ゲーミング性能を求めている人にもぴったりのモデルだと言えそうです。デスクトップを設置することはできないけど性能は欲しいというような人にぜひ使ってもらいたいです。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時にかかった時間は「4分55秒」でした。
無料ソフトの「RawTherapee」を使って現像。JPEG品質は90%、高画質での変換になります。このソフトはかなり重たいのですが、画像の表示も速く、編集を当てても一瞬なので快適でした。
参考までに過去のテスト結果をご紹介します。
CPU | 処理時間 |
Core i9-12900H | 3分20秒 |
Core i7-12700H | 3分43秒 |
Core i7-11800H | 4分21秒 |
Core i7-10870H | 4分52秒 |
Core i7-10875H | 4分55秒 |
Core i7-9750H | 5分25秒 |
Core i7-8750H | 6分19秒 |
Core i9-12900HのRAW現像処理能力は、間違いなくノートパソコンでトップクラスです。
第11世代Core i7-11800Hと比較しても約1分近く処理が速く完了しています。写真編集だけが目的ならややオーバースペックかもしれませんが、余裕のあるシステムを選んでおくことは悪い判断ではありません。結果的に長期にわたって愛用できるでしょう。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトResolveを使って4K動画(24P)約5分間の映像のレンダリングにかかった時間は約2分56秒でした。
書き出しの条件は以下の通りです。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
モデル | 構成 | 処理時間 |
raytrek R7-ZF | Core i9-12900H×RTX3070Ti | 2分56秒 |
raytrek R6-AA | Core i7-12700H×RTX3060 | 3分54秒 |
DAIV 5N(旧) | Core i7-11800H×RTX3060 | 4分48秒 |
DAIV 5P | Core i7-11800H×RTX3050 | 4分15秒 |
高解像データ編集もしっかり行えるパフォーマンスで、より高度な編集作業で活きてくる印象を受けました。書き出し時間も速く、どちらかと言うとマルチ処理が生きるシーンで強みを発揮できるのかもしれません。
G-Tune H5の本領が発揮されたという印象ですね。動画編集目的ならRTX2000番台でもそれなりに速かったですが、RTX3070Tiなら処理能力で不満を感じることはないでしょう。
パソコンはうるさい?静音性は?
G-Tune H5ははっきり言って「うるさい」です。パフォーマンスを限界まで引き上げるために、常にファンを高速で回さないとならないからです。それはゲーム音の妨げになるほか、作業の集中力を奪いかねないレベルですので静かなパソコンが欲しい人は避けたほうが無難です。
とにかくパフォーマンスを重視したゲーミングパソコンだと思います。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。マウスコンピューターの出荷予定日はだいたい「注文が確定してから4~5日程で出荷」です。これはカスタマイズをした場合でも変わりません。
当日15時までに注文が確定した場合の目安で、土日祝は注文が確定されません。早く手元にパソコンが欲しい場合は注意しましょう。
G-Tune H5を写真でチェック!
※従来モデルの写真を利用しています
性能面の話が続きましたが、ここからは外観やデザインなどを含めて使ってみた感想に移りたいと思います。
G-Tune H5の筐体はブラウンよりのブラックという感じ。木製家具とも合いそうな高級なたたずまいです。
サイズは360×243.5×28mmで、重量は約2.27kgです。
キーボードのピッチは18mm、ストロークは2mmです。全キー同時押しに対応しています。日本語配列は自然ですが、テンキー周りはちょっと特殊な配置になっています。(NUM LOCKが一瞬迷子でした)
打鍵感は気持ちが良いですが、大きくカチカチという音もしなかったのが好印象でした。持ち出してカフェで使ってもそれほど周囲の邪魔にはならなそうです。
テキスト主体の仕事だとリズミカルなタイピングができるので捗るような気がします。こうした部分で満足度を得られるPCはレアです。
リフレッシュレート240Hz対応パネルを搭載
G-TuneH5の液晶パネルは、1秒間に240回書き換わるリフレッシュレート240Hzに対応しています。しかも2,560×1,440 (WQHD)なので作業性も抜群です。
本来これくらいの性能のゲーミングモニターを購入しようと思うと5万円くらいはしますが、このパソコンを購入すれば最初からついています。動きの速い映像もヌルヌル楽しめますし、競技性の高いゲームで遊ぶ予定ならないよりはあったほうが良いはずです。
ただし色域に関しては一般的なレベルだと推測されるので、クリエイターの人は別途専用モニターを用意したほうがいいかもしれません。
インターフェース
・UHS-I対応SDカードリーダー
・HDMI
・Type-C(Thunderbolt 4)
・USB3.0
・USB3.1
・ヘッドフォン(マイク)端子、など
最大2.4Gbpsの高速通信を可能にするWi-Fi 6にも対応しているのでオンラインゲームを存分に楽しむことができます。またThunderbolt4にも対応しているので、高速データ転送が可能なデバイス類を使用できます。
G-Tune H5のイマイチなポイント
・ファン音が大きい!
・キーボード配列がやや特殊
パフォーマンスの高さは認めますが、ファン音は課題だなと感じます。旧モデルから熱のたまりといった課題をクリアしてきたのは見事ですが、相変わらず集中力を保つのがやや難しいかもしれません。ゲーム音とファン音が五分五分な印象もあり、高負荷時だとヘッドセット前提になってくるかもしれません。
あえて性能も少し落としてみるという選択肢もありかもしれません。
G-Tune H5はこんな人におすすめ
- 最強クラスのノートパソコンが欲しい人
- グラフィック性能を求める人
- RAW現像や動画編集にも使いたい人
- 写真家、動画クリエイター、イラストレーター
公式HP:https://www.mouse-jp.co.jp/
G-Tune H5の感想まとめ
G-Tune H5をレビューしてきました。
15.6型最強クラスのパフォーマンスには感動しますが、それと同時にやってくる排熱問題が割と頭を悩ませます。
カジュアルに使うというよりも、高い性能を生かしてゴリゴリゲームや編集作業に使いたいという人におすすめのパソコンかなと感じました。
総合的に見てみると個人的にはDAIV 5Nのほうが使いやすい印象です。性能は近くて本体は軽いし、万人受けするのはコッチかなと・・・
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マウスコンピューターは国内生産ですし、サポート体制や、アフターフォローも手厚いので万が一のトラブルの時にも誠心誠意対応してもらえるだろうという期待感がもてますから安心です。
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