ドスパラが販売するクリエイター向けパソコンの「raytrek 4CXF」をレビューします。(機材貸出元:株式会社サードウェーブ)
第13世代インテル Core i7-13700F×GeForce RTX4070を採用し、高いパフォーマンスを備えながらも販売価格が約24万円と良心的なのも嬉しいです。イラスト、写真編集、音楽、動画編集、ゲーム、CADなどでその性能を発揮してくれます。ケースデザインも一新され、目新しさ満載のモデルの実力をチェックしていきましょう。
各ベンチソフトの結果や、実際にRAW現像にかかった時間などを含めて解説していきます。
目次
raytrek 4CXF レビュー
公式HP:https://www.dospara.co.jp
ドスパラのraytrek 4CXFは、クリエイター向けモデルとして販売されています。
Core i7-13700F×RTTX4070を採用したミドルハイあたりに位置するクリエイター向けパソコンです。上位モデルとしてはRTX4070Tiを採用した「raytrek 4CXFi」もラインナップ。ケースも新デザインとなり圧迫感が少なく、メンテナンス性も兼ねそろえたデザインになりました。
CPUとグラボも強力かつバランスが良い構成なので、高解像データ編集をふくめたプロクオリティーの作業にも対応できるかと思います。ハードユーザーにおすすめのモデルとも言えるでしょう。
raytrek 4CXF スペック
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i7-13700F |
グラフィックス | GeForce RTX 4070 |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB SSD |
電源 | 750W 電源 (80PLUS GOLD) |
サイズ | 216(幅)×486(奥行き)×493(高さ) mm |
重量 | 約17kg |
公式サイト | >詳細をチェックする |
パーツの話がピンとこない方は、下記の参考記事をご覧ください。基本的なことが理解してもらえるはずです。
raytrek 4CXF 外観チェック
raytrekのデスクトップパソコンは「クリエイターのために作られたモデル」です。実際に使ってみると、クリエイターの想像力を形にするための快適性、性能を継続的に発揮できる安定性、静音性など、こだわりが感じられました。
新デザインになったことでカラーリングもシルバーへと変更。場になじむフォルムと曲線を生かしたデザインで近未来感がある印象を受けました。
特に冷却性に関しては「こだわっているな」と感じます。フロント部には14cmファンを2基、天面に3基、背面に1基と最大で6基のファンで効率的に排熱が行えるようになっています。メッシュ加工になっている箇所が多いので、冷たい空気の取り込みも良好。しかも結構静かに動作してくれたのに感動しました。
前面からアクセスする箇所には傾斜が設けられ、USBデバイスの抜き差しが簡単にできるようになっています。電源ボタンはレバー式のようになっているのもユニークでした。個人的な希望ですがケースが変わったタイミングでType-Cもフロント側に設置してくれてたらありがたかった・・・
raytrek 4CXF インターフェース
・前面:USB 3.0 x2
・背面:USB 2.0 ×2 、USB 3.2 Gen1 ×3 、USB 3.2 Gen2 Type-A ×2 、USB 3.2 Gen2 Type-C ×1
・映像出力:HDMI ×1 、DisplayPort ×1 ※グラフィックボードを搭載しているモデルは、こちらの端子は使用しません。
・前面サウンド端子:音声入出力端子(3.5mm(CTIA)ジャック)
モデルによって表記内容と異なる場合がありますので公式サイトでチェックしてください。
性能チェック
CPU Core i7-13700Fの性能
搭載されているCPUは、第13世代のCore i7-13700Fです。16コア24スレッドのCPUで前の世代に比べて性能がアップしています。
名称 | スコア | クロック(OB) | コア(スレッド)数 | TDP |
Core i7-13700F | 39354 | P:2.1GHz(5.2GHz) E:1.5GHz(4.1GHz) |
16コア24スレッド (P:8コア/E:8コア) |
65W |
Core i7-12700 | 31122 | P:2.1GHz(4.9GHz) E:1.6GHz(3.6GHz) |
12コア20スレッド (P:8コア/E:4コア) |
65W |
Core i5-12400 |
19333 | 2.5GHz(4.4GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
Core i7-11700 | 21469 | 2.5GHz(4.4GHz) | 8コア16スレッド | 95W |
Ryzen 7 7700X | 36456 | 4.5GHz(5.4GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 7 5800X | 28493 | 3.8GHz(4.7GHz) | 8コア16スレッド | 105W |
Ryzen 5 5600X | 22161 | 3.7GHz(4.6GHz) | 6コア12スレッド | 65W |
PASSMARKの公開データによると「Core i7-12700は39354」です。第11世代Core i7からは約2倍近いスコアで、ライバルのRyzen 7 7700Xよりも高いスコアになっています。
第12世代以降のCPUは飛躍的に処理能力が高まっていますので乗り換えのタイミングとしても割とおすすめです。
CPU-Z
CPU | シングルスレッド | マルチスレッド |
Core i7-13700F | 815.7 | 11231.6 |
Core i7-12700 | 782.5 | 9021.6 |
Core i5-12400 | 703.6 | 5007.6 |
Core i7-11700 | 659.1 | 6127.0 |
Ryzen 7 5800X | 669.4 | 6739.4 |
Ryzen 5 5600X | 645.4 | 4873.0 |
シングルスレッドのスコアが815.7、マルチスレッドが11231.6となりました。シングル性能もマルチスレッドも非常に高いスコアです。
CINEBENCH R20
CPU | シングル | マルチ |
Core i7-13700F | 777 | 7407 |
Core i7-12700 | 733 | 6215 |
Core i5-12400 | 659 | 4724 |
Core i7-11700 | 592 | 3788 |
Ryzen 7 5800X | 621 | 5993 |
Ryzen 5 5600X | 599 | 4233 |
CINEBENCH R20のスコアはシングルで777、マルチで7407となりました。第12世代Core i7-12700と比較するとシングル約6%、マルチで約19%スコアが伸びています。シングルスコアの数字が縁起が良いですね(笑)
SSD転送速度
ストレージはNVMe SSDですので、読込速度は最大で3400MB/s程度です。Gen 3としては上限あたりの数値ですしこだわりが伝わってくるようです。これにHDDをカスタマイズで追加してやるとデータ保存に困ることはないはずです。
GeForce RTX4070のグラフィック性能・ゲームスコア
raytrek 4CXFに搭載されているグラフィックはGeForce RTX4070です。ミドルハイあたりのグラフィックなので、重量級のデータも快適になってきます。4K動画編集やVR、最新ゲームの世界を堪能するにも最適です。
FF15(重たいゲーム)のベンチマーク
モデル | 設定 | 結果 |
raytrek 4CXFi (RTX4070Ti) |
3840×2160(標準品質) | とても快適(10375) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(19961) | |
raytrek 4CXF (RTX4070) |
3840×2160(標準品質) | とても快適(8502) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(19841) | |
DAIV A7 (RTX3060) |
3840×2160(標準品質) | 普通(4331) |
1920×1080(標準品質) | とても快適(11613) | |
raytrek 4CXVi (RTX3060Ti) |
3840×2160(標準品質) | やや快適(5794) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(15384) | |
raytrek XF (RTX3070) |
3840×2160(標準品質) | 快適(6469) |
1920×1080(標準品質) | 非常に快適(17097) |
重量級タイトルのFF15ですが、RTX4070なら「4K解像度でとても快適」という結果になります。ゲーマーも納得の性能といったところではないでしょうか。美麗グラフィック、高リフレッシュレートなどリッチなゲーミング体験が可能です。
RTX4070Tiを搭載した上位モデルの「raytrek 4CXFi」とは、4K解像度で約22%の差がありますが、フルHDクラスでは大きな差は見られないこともわかりました。フルHDクラスだとRTX3070あたりとの差も小さいので、コスパを重視するならRTX3060Ti、RTX3070あたりでも良いような気はします。
RAW現像にかかる時間は?
約150枚(5GB)のRAWデータを一括変換した時間を計測しました。
CPU | 50枚 |
Core i7-13700F | 1分10秒 |
Core i9-12900 | 1分03秒 |
Core i7-12700 | 1分10秒 |
Core i5-12400 | 1分22秒 |
Ryzen 7 7700X | 1分09秒 |
Ryzen 5 7600X | 1分03秒 |
データ処理にかかった時間は50枚で約1分10秒でした。第11世代以前を使っている人なら乗り換えによる効果は期待できそうです。Ryzen 7000番台と比較してもしっかり戦えていますね。
最近のCPUならRAW現像に必要な性能は備えています。写真データを頻繁に扱うのであればraytrek 4CXFは良い買い物になると思います。
動画の書き出しにかかる時間は?
動画編集ソフトはResolveを使って書き出し時間をテストします。
書き出しの条件は以下の通り。
・フォーマットはMP4
・コーデックはH.264
・解像度は3840×2160
・フレームレートは24
・品質は最高品質
CPU | 処理時間 |
Core i7-13700KF×RTX4090 | 2分02秒 |
Core i7-13700KF×RTX4080 | 2分06秒 |
Core i7-13700F×RTX4070Ti | 2分55秒 |
Core i7-13700F×RTX4070 | 2分56秒 |
Core i7-13700F×RTX3060Ti | 2分54秒 |
Core i9-12900KF×RTX3080 | 2分12秒 |
Core i9-11900K×RTX3070Ti | 3分24秒 |
書き出し時間は2分56秒でした。上位モデル(Core i7-13700F×RTX4070Ti)とそん色ない処理速度を達成しています。と言うか、RTX3000番台ですら書き出し時間に大きな差はありません。高度な動画編集を行うのであれば最新モデルはおすすめできますが、そうでない人はRTX3000番台でも十分な性能を確保できそうな気はします。
出荷は遅い?どれくらいで到着するの?
パソコンがいつ手に入るか気になる人も多いでしょう。当モデルは翌日出荷対応モデルになっていました。これはカスタマイズをした場合でも変わらないのが嬉しいですね。
raytrek 4CXF デメリット
・16GBメモリだともったいない
・RTX3000番台でも十分かも?
性能が高いということもあって、高解像データ領域をカバーする可能性まで考えると16GBメモリじゃ足りません。できればメモリを16GB→32GBにしてやるとさらに生きる気がします。
また作業によってはRTX4000番台の性能を持て余す可能性もあります。コスパ重視の人はRTX3000番台を検討しても良いのかもしれません。RTX3060搭載の「raytrek MV」であれば16万円台から購入できます。(記事執筆時点で人気のモデル)
raytrek 4CXFはこんな人におすすめ
- 性能、作業効率重視の人
- ゲームもクリエイティブも楽しみたい人
- 話題性のあるモデルが欲しい人
- 予算が25万円前後の人
公式HP:https://www.dospara.co.jp
raytrek 4CXF 感想まとめ
raytrek 4CXFを使って様々なテストを行ってきました。
Core i7-13700FとRTX4070の組み合わせは、広い作業をカバーできる性能をしっかり持っています。価格も24万円と良心的ですし、上位モデルは30万円を超えていることを考えるとコスパは抜群です!ただしRAW現像、動画編集、ゲームなど細かく見ていくとオーバースペックに感じる人もいるはず。さらにコスパを重視するならRTX3000番台搭載モデルも有りです。
ドスパラは国内生産ですし、万が一の時は実店舗で相談もできるので安心感があります。>>ドスパラのおすすめパソコンをもっと見る
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